概要
和名 | マエアカヒトリ |
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学名 | Aloa lactinea |
分類 | 鱗翅目 ヤガ上科 ヒトリガ科(またはトモエガ科) ヒトリガ亜科 ヒトリガ族 Spilosomina亜族 Aloa属 |
前翅長 | 30mm |
開翅長 | 55~62mm |
分布域 | 日本(岩手県以南の本州、四国、九州、対馬、南西諸島)、台湾、中国、朝鮮半島、インド、パキスタン、東南アジア、マダガスカル? |
幼虫の食草 | イネ科「トウモロコシ、イネ、ムギ」、ヒガンバナ科「ネギ」、クワ科「クワ」、ナス科「ナス」、マメ科「ダイズ、ササゲ、エビスグサ」、アブラナ科「キャベツ」、バラ科「ワレモコウ、サクラ」、タデ科「イタドリ、スイバ」、ミソハギ科「ミソハギ」、キク科「ヨモギ、ヒマワリ」など広食性 |
越冬態 | 蛹 |
成虫の発生期 | 5~6月・7~8月/年2化性 |
環境省レッドリスト | 準絶滅危惧 (NT) |
どことなく巫女服を彷彿とさせる純白の翅に深紅色の差し色が入った美しい蛾。
日本に近縁種及び似た種はおらず、他種との識別は容易。
戦前には農作物の害虫として知られ、ごく普通に見られる種だったようだが生息環境の悪化や農薬散布により近年は各地で著しく減少しており、環境省レッドリストでは準絶滅危惧種に選定されている。
滅多に見ることのできない希少種だが、例外として埼玉県や神奈川県では畑のネギを食草として近年増加傾向にある。
形態
翅は純白で前翅は前縁が深紅色に縁どられ、後翅には黒斑が点在する。
胸部と前翅には一対の小さな黒点を有し、腹部上面は黄色と黒の虎柄模様で、それ以外は白地に黒斑が入る。
脚は白黒のダンダラ模様。
深紅色の縁どりは胸部や脚部にも点在する。
幼虫は茶色い毛を持つ大型の毛虫で、胴体は黒く背部に白い斑点がある。
生態
広大な草原環境を好み、里山の草原地帯や田畑、大河川の河川敷や湿地帯の周辺で見られる。
成虫は夜間に活動し、灯火にも飛来する。
ほかの多数のヒトリガ類と同じく、天敵であるコウモリへの対抗手段として、超音波を発してコウモリのエコロケーションを妨害する能力を持つ。
幼虫は広食性で、終齢幼虫は葉と自らの毛を糸で綴り合せて繭を作る。蛹化後は約3週間で羽化する。