概要
「皆で力を合わせて、しまっていこう」
西暦の時代に、沖縄、南城市の海で戦っていた勇者。長身で褐色、一見怖い不良のような外見だが、その心はとても優しい。生まれついての無口だが、一度口にしたことは必ず守り、面倒見が良い。
(『結城友奈は勇者である 花結いのきらめき』キャラクター紹介)
プロフィール
人物像
秋原雪花と同様、スマートフォンゲーム『結城友奈は勇者である 花結いのきらめき』のオリジナルキャラクターであり、その他の作品には登場しない。ただし、『乃木若葉は勇者である』の劇中には「北方の大地と南西の諸島に生存者の反応がある」との台詞があり、存在自体は仄めかされていた。
乃木若葉や白鳥歌野らが生きた西暦の時代に、沖縄県南城市の海で戦っていた勇者。バーテックスが初めて襲来した日、海深くから神の声を聞き勇者に覚醒した。
『花結いの章』第5話「勝利への決意」にて、秋原雪花と共に初登場。前述の通り、本来は結城友奈達とは加護を受けている土地神の系統が異なるのだが、今回は神樹と北海道・沖縄の神々が同盟を結ぶことになったため、その流れで参戦することになったらしい。
長身と健康的な褐色肌が特徴。やんちゃでアクティブそうな外見に反して、その実、無口で心優しい少女。一度口にしたことは必ず守り、誠実で非常に面倒見が良い性格の持ち主。ただし口下手であるためリーダーとして人を引っ張るのは少々苦手。
海と共に育ったため泳ぎは得意で、着衣水泳も難なくこなせる(というか普段から暇さえあれば制服のまま海で泳いでいる)。ただ海で泳いでばかりいたためプールで泳ぐのは慣れてなく体力を使ってしまう。このように運動は得意だが、勉強はあまり得意ではない(4周年イベントでは祝電の漢字をなかなか読めずに犬吠埼風にバトンタッチしていた)。
周囲からはかっこいいと評される(特に伊予島杏と犬吠埼樹からはイケメンアイドルのように見られている)一方で、かわいい生き物が好きという女らしい一面もあり、かつてはペロという名の犬を飼っていたようだ(「古波蔵棗の章」にて、ペロは敵の襲来を知らせてくれる、棗にとっての巫女のような存在であった事が判明した)。
海に対する思い入れは非常に深く、海水浴イベントでは、故郷の海を守りきることができなかったことに対する無念の思いを結城友奈に語る場面がある。直後の戦闘では、美しい海をバーテックスから守りたいという思いが募るあまり、普段のクールな姿からは想像できないほど冷静さを欠き、周囲が見えなくなってしまった。
意外と抜けた部分もあり、ある一件で尾行に同行した際は「尾行は勇者の伝統」と早合点し、三ノ輪銀の誕生日イベントでは何を思ったか「私は風を娶りたい」(理由は風が誰から見ても良妻賢母だから)という爆弾発言をして周囲を唖然とさせた(後に誤解だったと訂正したが、後述するように意外と本気度は高いようである)。雪花曰く「残念ニヒル」。若葉にも「予想外の行動をする」と認識されている。
……だが『樹海の記憶』など含め、シナリオ上で尾行する展開の多さを鑑みると「尾行は勇者の伝統」というのはあながち間違いとも言い切れず、風に対する求婚も後述するがその場の思いつきに留まらないアピール(ジューンブライドイベントで「風先輩に何度もプロポーズしてる」と言われても特に否定しなかったほど)が以降も続いているため、これら突拍子もない言動を単純に「抜けている」で済まされないのが棗の恐ろしいところである。
地元ではご近所の宴会に参加して歌ったり踊ったりしていたので結構ノリが良く、地元の思い出話から転じて「ちょっとやってみて」とねだられたところ、活き活きと民謡を披露している。
また口数は少ないがハッキリ物を言うほうであり、時々直球で核心を突くので、天然ボケだらけの勇者部にあっては貴重なツッコミ役になることもたまにはある(夏凜がダウンし風が前後不覚になった温泉イベントなど)。
友奈と同じくゴッドハンドの持ち主であるが、こちらは扱うものが整体であるだけに痛い。しかし効果は高く、受けた相手は揃って体が軽くなったと好評だった。血行を良くするだけのマッサージもでき、3年目の乃木園子誕生日イベントにて披露していた。
沖縄県出身というだけあって沖縄そばが好物だが、うどんもいけるとのこと(うどんと沖縄そばは材料など似ている点が多い)。そのため、そばと聞いて早とちりした歌野には「沖縄そばは小麦粉から作るのだが…」と困惑していた。他にも地元の農産物であるサトウキビにも思い入れがあるようだ(祖父のサトウキビ畑がバーテックス襲来で潰されてしまった事を語っている)。
沖縄とは違う、瀬戸内の冬の寒さには弱いようだ。寒さをしのぐため、クリスマスイベントでは真冬にもかかわらず海に入った(本人いわく海の方が暖かかった)まではよかったが、油断して薄着をした結果、風邪を引いてダウン。風を呆れさせた。その後自室にこたつを設置してもらい寒さはしのげたようだが、寒い部室にはなおさら来なくなってしまった。
写生大会イベントでは絵心もない事が判明。行動も盛大にズレており、水の中で写生をしようとして何枚も画用紙をダメにしてしまい、一同を呆れさせた(結局、ひなたから水中用カメラを借り、事なきを得た)。さらにおしゃれにも慣れていないようで、一周年イベントでドレス選びに行った際は何を選べばいいかわからず困惑した。
※彼女の名誉のため記しておくと、香川県は日本でも比較的温暖な地域であり雪が積もる地域もあまりない(降水量も少ない)。寒くなったのは神樹側と造反側の神々の縄張り争いが原因で、神樹側の神々の力が影響しているためバーテックスを倒してもなかなか元に戻らないときちんと説明されている。
勇者としては
「古波蔵棗、戦闘を開始する。人類の敵…花により散れ」
モチーフとなる花は「ギンバイカ」。変身後は髪が白色に変化し、全体的に白を基調とした衣装に変化する。武器は琉球古武術のヌンチャクで、非常に強力な打撃でバーテックスに立ち向かう。また海の神の加護を受けているだけあって、水中戦では無類の強さを発揮する。
温泉旅行イベントでは、拳圧でバーテックスを吹き飛ばす技も披露した。
精霊は「水虎」と「キジムナー」。ただ、棗がいた時代で実際に関わりがあったのかは不明。
近距離型で、夏凜と同じく手数で攻めるタイプ。
勇者服SSRはクリティカルをトリガーとして攻撃力を強化・必殺技ゲージを貯めるアビリティを持ち、同じくクリティカルで必殺技ゲージを貯めるSR水虎と併用することで湯水の如く仲間に必殺技を打たせるゲージ稼ぎ屋として重宝されている。レアリティの低いRカードでありながら強力なクリティカル率増強効果を持つノーマル風(「精霊風先輩」などとあだ名される)とペアにするとより使い勝手が良い。
戦いでは他の勇者からもクールに見えているようで、頼りにされることも多い。
夏凛曰く「単純で分かりやすいが戦闘に限って言えば複雑。ああいうタイプは真っ先に敵の罠に一番かかりやすい。落とし穴があれば、落ちる」との事。…そう言った本人は墓穴を掘る羽目になったが※。
※ある事情で夏凜の勇者評論が丸聞こえになってしまった時、本人は落とし穴に落ちた事があるとは認めたが2回だけと反論した。
2020年11月19日のUR実装に伴い、切り札に相当する姿が登場。
武器が棍に変化している他、左肩にキジムナーを思わせる装飾が付いている。
関連人物
前述したように娶りたいと告げた相手。本人は困惑して言葉も出ない状態になった。
誤解だったとは言っているが、バレンタインイベントでは彼女にチョコを渡し、ポエムめいた告白をして風を困惑させており、一周年イベントでは、舞踏会の意匠にタキシードを提案された際条件として風にウェディングドレスを着るようにせがみ、またも彼女を困惑させた。そして、ある一件で風に彼氏ができた疑惑が浮上した際は言葉を失ってしまい相当ショックを受けた様子だった。
遂には海で獲ったワカメなどを持ってきては風に調理を依頼するという、押しかけ女房ならぬ押しかけ亭主状態になってしまった。
ただ、彼女の「女子力うどん」には「どこら辺が女子力なのか…」とコメントしている。
風が棗の言動に困惑した際は、樹と夏凜が揃ってろれつが回らなくなるほど動揺するのがお約束になりつつある。
遂には園子ズからも「お嫁さんにしたい人」と太鼓判を押されてしまった。
このような関係から、「風の精霊・犬神の正体なのでは?」という説も一部で見受けられる。
ちなみに中の人は、ラジオで共にパーソナリティーを務めていた事がある。
バレンタインイベントでチョコを渡した相手・その2。
理由はかつての飼い犬・ペロに似ていたからであり、棗がペロの事を思い出す際は銀がペロの役をして撫でられるというシュールな光景が展開された。
髪型がシーサーに似ていると言った事がある。ただし本人はシーサーが「沖縄の狛犬」とざっくり説明された時に怒った。
ファン・その1。
しかし風に上述したようにチョコを渡して告白した際は、さすがに困惑して「いくら棗さんでも許せません!」と発言している。
ファン・その2。
バレンタインイベントでは、彼女の棗に対する態度が球子の嫉妬心に火を点ける事になった。
畑にサトウキビを植える事になった際に意気投合。サトウキビを育てる事に意欲を燃やしていた。後にSRカード「香川のサトウキビ畑 白鳥歌野」にて成功した様子を見られるようになった。
海への思いを語った事がある人。彼女も砂浜での棒倒しの時に「砂が語りかけてくる」と言った事があり、意外と気が合うのかもしれない。
後に園子ズから「一緒に海を見たい人」と評されている。
『花結いの章』第13話にて、船で四国へ脱出する沖縄の人々を棗が守ったこと、その中に赤嶺家の人々もいたことが語られた。
『結城友奈は勇者である 勇者の章』では、勇者達の英霊を祀る墓の中に棗の名前が確認できるが、これは赤嶺家の人々が棗に対する恩義を込めて名前を刻んでもらったと推測できる。
つまり、赤嶺友奈にとって棗は御先祖様の命を救った恩人に当たり、敬意をこめて「お姉様」と呼んでいる。
関連項目
古波蔵エレン - 製作会社が同じ作品の古波蔵繋がり。ちなみに中の人は後に『大満開の章』にモブ役で出演している。
※以下『古波蔵棗の章』のネタバレ注意
沖縄からは多くの人々が四国へ脱出したものの、棗は残った人々のために戦い続けた。
その末、空の色が元に戻り、棗は「全ては終わった」という海からのお告げを聞く。
そう、棗は人々を守り抜いたのである(曰く「海へおびき寄せればなんとでもなった」)。
その時、ふと聞こえてくる声。
風「どなたか、生きている人はいらっしゃいませんか!!!」
「こちらは捜索班です。全ては終わりました。もう安全です!!」
初めて聞くのに懐かしさを感じた棗は、思わず叫んだのだった。
「私は、私達は、ここだーーーー!!!!」
以前から元の世界は天の神により書き換えられただけで滅んだ訳ではなく生存者がいるかもしれない可能性がほのめかされていたが、この展開により沖縄は『大満開の章』最終話時点まで無事だった事が確定した。
赤嶺家の先祖も乗って四国へ脱出した船を守った事と一見矛盾する展開のように見えるが、恐らく沖に出るまで守っただけであると思われる(実際作中では、棗自身も船で四国へ向かったとは一度も言われていない)。
ちなみにだが郡千景と共にシリーズ内の勇者で一番の先輩に当たるキャラクターである。