概要
2023年9月8日に公開された、『シティーハンター』の劇場版アニメーション作品の第5作目である。
原作漫画にのみ登場していた冴羽獠の過去を知る人物『海原神』がアニメ版に初登場し、物語の最重要キーマンとなる。
ストーリーとしては、原作において登場する重要なキーアイテムである『エンジェルダスト』を「天使の涙」として副題に使用し、公式サイト『INTRODUCTION』でも「『シティーハンター』は遂に最終章〈ファイナルチャプター〉へ!」と記載されており、本作でアニメ版としてのクライマックスの始まりを描く事が示唆されている。
原作漫画でのストーリーを原案にして時代設定を現代へと再構築した完全なアニメオリジナルストーリーとなっており、前作同様に『キャッツ・アイ』のメンバーも重要な役割で登場する。
オープニングはTM NETWORKの新曲『Whatever Comes』が採用された。
また、今回の映画でTM NETWORKは劇中に流れる挿入歌を多数担当している。
エンディングには『シティーハンター』のエンディングテーマ曲として最早おなじみの『Get Wild』が今回も使用される。
あらすじ
新宿を拠点に様々な依頼を受ける裏社会ナンバーワンの実力を持つ始末屋(スイーパー)……通称『シティーハンター』の冴羽獠は動画制作を仕事とする美女・アンジーからの「逃げた猫探し」という依頼を受ける。
獠はアンジーの美貌に、パートナーの槇村香は高額の報酬に胸を躍らせる中、警視庁の野上冴子は海坊主と美樹の協力を得てバイオ企業・ゾルティック社の発明について捜査をしていた。
それは、かつて獠の相棒だった槇村秀幸を死に追いやった国内最大の犯罪組織である『赤いペガサス』をも裏で操っていた謎の上位組織の依頼で作られた、戦場の兵士を超人化する闇のナノマシン・テクノロジー『エンジェルダスト』の最新型である『Angel Dust Mod.』、通称『ADM(アダム)』だった。
猫探しに奔走する中、アンジーの命が狙われる。
依頼の真意を語ろうとしないアンジーは動画に映る獠を見つめ、ひとり呟く。
「これがあなたの『最高傑作』なのですか?」
『ADM』を求めて現れる暗殺者たち。
壮絶な戦いに巻き込まれていく獠たちを遠く見つめる男。
それは獠の育ての親・海原神───。
宿命の対決が、始まる!
登場人物
ピラルクー(声:関智一)
エスパーダ(声:木村昴)
ゲスト出演
アンジーをナンパした男(声:山里亮太(南海キャンディーズ))
冴子の取り調べを受けていた男(声:世界(EXILE/FANTASTICS))
進藤亜衣※画像のみ
タマ※画像のみ
バナージ・リンクス(声:内山昂輝)※御台場のユニコーンガンダム立像の音声としての登場
関連用語
エンジェルダスト
かつて戦場で冴羽獠を蝕み、香の兄・槇村秀幸を死に追いやった原因となった最悪のナノマシン兵器。
人間に投与することで体内のヘモグロビンと結合して体組織を強化、身体能力を高め、無敵の超人兵士へと変貌させてしまう。
投与によって得られる効果は原作とほぼ同じ設定だが、倫理上の問題と時代設定の都合からか麻薬からナノマシンに変更されている。
余談
テレビアニメ版では海原神どころか『ユニオン・テオーペ』という組織名すら登場しておらず、槇村秀幸を殺す役回りは『赤いペガサス』という組織に雇われた殺し屋ジェネラル(モデルは原作漫画に登場するユニオン親衛隊の将軍)になっていた。
これは「子供が観る時間帯のテレビアニメで麻薬に侵された狂人を扱うのは良くない」と思ったこだま兼嗣総監督の自主規制であったが、原作者の北条司氏との会話で海原の名前を度々言及していたので、「もし『新宿PRIVATE EYES』の次回作があったら、海原の登場と獠の過去に触れなければいけないと思い、劇場版であればそれが可能」だと判断した。
このためテレビアニメ版では海原神との対決は描かれておらず、今回の劇場版でその導入部が描かれる運びになった。
それに伴い『赤いペガサス』は『ユニオン・テオーペ』の下部組織という設定になっている。
しかし、やはり麻薬を全年齢向けアニメで描写するのは良くないと思ったのか、エンジェルダストの設定はナノマシンに変更された。
また、前作では前年に逝去した藤田淑子に代わって瞳役の戸田恵子が泪役を兼任したが、今作では『ルパン三世VSキャッツ・アイ』で藤田の後任となった深見梨加が泪役を担当するほか、同作に獠がカメオ出演していた縁もあって今作にはルパン三世と次元のコンビがゲスト出演する。
その他にも、画像のみだが前作映画『新宿PRIVATE EYES』のヒロインである進藤亜衣や『うちのタマ知りませんか?』のタマが登場している。
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ルパン三世VSキャッツ・アイ…2023年公開の北条司作品。