概要
『女神の教室』は、2023年1月~3月にフジテレビ系列の月9枠で放送されるドラマ。正式タイトルは、『女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~』。
法律家を目指す者が通う法科大学院(ロー・スクール)を舞台にしたオリジナルの青春群像劇。
脚本は、同枠のドラマ『ラジエーションハウス』や『ナイトドクター』、『競争の番人』を担当した大北はるかと神田優が担当。
題名の「女神(テミス)」は、ギリシャ神話で「法の女神」として知られるテミスにちなんでいる。
主演は、北川景子。主題歌は、Vaundyの「まぶた」。
あらすじ
東京地方裁判所刑事部の裁判官を務める柊木雫は、青南大学の法科大学院(ロースクール)の派遣教員に任命され、法律家を目指す者たちと切磋琢磨する。
登場人物
- 柊木雫(演:北川景子)
青南大学法科大学院へ教員として派遣された東京地裁の裁判官。
学生時代に父親が勤め先の町工場を解雇されたことで、原告側の家族として裁判に同席。裁判官が原告一人ひとりの話に熱心に耳を傾ける姿に感銘し、自らも裁判官を志した。そして、青南大学法科大学院に入学して成績の不振などでつまづく時もあれど最終的に司法試験に合格。見事夢である裁判官になることができた。ただ、原告一人ひとりに熱心に耳を傾けるためかなり効率が悪く、担当件数が基準に達しなかったため、危うく広島地方裁判所に異動になりそうだったところを守宮の計らいで母校である青南大学法科大学院へ異動となった。
とんかつが好物。特に、「とんかつ花子」のとんかつ弁当がお気に入り。
生徒たちに司法試験対策のための知識のみならず、法曹としての心構えや在り方を指導していく。
だが、自身が判事として担当した公判の被告人・津山邦彦から一方的に逆恨みされ、違法スレスレの嫌がらせ行為を受けて生徒にも被害が及んでいたことから、自身の判決に疑問を持つようになり、津山の自殺によって自分自身の「正義」の在り方を見失いかけてしまうが、同期の安藤、横溝のおかげで初心に立ち返り、スランプを乗り越えることができた。
その後、風見による犯行で藍井が意識不明の重体になった際にも「司法の限界」という壁にぶつかり、生徒に何も教えることができない自身の無力さを痛感したものの、生徒たちの行動に感銘を受けて奮起し、風見の説得を行い見事自供させることに成功した。2026年時点では、法科大学院特別委員会の委員に選出された。
なお、ドラマ『イチケイのカラス』の主人公・入間みちおとは面識があり、一緒に公判を担当したことがある。また、柊木の憧れの裁判官の人物像が明らかに彼にしか当てはまらないものばかりであったため、視聴者からは「これ絶対みちおだよね?」と推測されている。
青南大学法科大学院
雫の勤めるロースクール。通称:青南ロー。司法試験合格率が低く、法曹界では”下位ロー”と蔑称されている。
教員
- 藍井仁(演:山田裕貴)
研究家教員。東大法学部在学中に司法試験をパスした天才で、法律の判例オタク。好物は、ポップコーン。
生徒に司法試験のノウハウを教えることにしか興味がない人物で、そもそも他人に無関心。授業では成績上位の学生しか指導する気はなく、下位は眼中にない。それでも、的確かつ合理的な授業で司法試験合格を目的とした自主ゼミ“藍井塾(藍井ゼミ)”では毎年圧倒的な試験合格率を誇るため、ロースクール生からは“メシア”、“ゴッド”と崇拝され、教員からも“エース”と認められている。柊木とは指導方法、価値観、性格の不一致から喧嘩が絶えず、柊木から"サタン"と呼ばれる。
しかし、柊木と交流を重ねていくうちに彼女の姿勢に徐々に感化され、生徒を気にかけるようになり、「司法試験に合格するため」の指導方法が「良い法律家を育てるため」という指導方法にシフトしていく。
風見の行き過ぎた正義による暴走をいち早く見抜き、彼を止めようとするが、その最中、松下の殺害を止めようと揉み合いとなり風見に刺されてしまい、意識不明の重体に陥っていたが、無事に意識を取り戻し、車椅子の状態ではあるものの職場にも復帰した。
- 里崎健一郎(演:小堺一機)
- 守宮清正(演:及川光博)
ロースクールを「ただ勉強して知識を詰め込むのではなく、法曹界で必要な経験も学び、人間性を育む場所」と捉えており、柊木の人間性に期待した上で広島地方裁判所に異動となっていたところを引き抜き、青南大学のロースクールへと招き入れた。
生徒
- 照井雪乃(演:南沙良)
他人にも自分にも厳しい性格のしっかり者の学生。検事を目指し、他の学生とはドライに接し、距離を置いている。合理的な藍井の授業に比べ、効率の悪い授業を展開する柊木に強く反発する。過去に痴漢被害に遭い、泣き寝入りするしかなかったという出来事から凝り固まった正義感と「加害者には被害者と同等、もしくはそれ以上の処罰が与えられるべき」という行き過ぎた処罰感情を抱えている。第5話にて、柊木に自身の過去や心情を吐露したことでその性格が若干ではあるが軟化し、裁判官を目指すようになった。実習生の中で唯一在学中に司法試験に挑戦したが、残念ながら不合格だった。そのショックからロースクールをしばらく欠席していたが、柊木と同級生達が励まし続けたことで何とかモチベーションを持ち直した。その後、無事にロースクールを卒業し、司法試験に合格。裁判官として活動しているが、案件を処理することに追われ、柊木のような裁判官像になれず苦悩していた。しかし、桐矢による叱咤のおかげでその悩みが幾分か緩和された。
- 真中慎太郎(演:高橋文哉)
- 桐矢純平(演:前田旺志郎)
- 水沢拓磨(演:前田拳太郎)
- 天野向日葵(演:河村花)
雫の周辺人物
- 安藤麻理恵(演:佐藤仁美)
雫、太一のロースクール時代の同期であり、尊敬する弁護士。普段は小さな事務所のマチベンとして離婚案件などの一般民事や家事事件を専門とする。ロースクール在籍時からシングルマザーであり、雫とは年が離れている。物腰は柔らかだが、柊木と同じかそれ以上に毒舌な一面もある。
- 横溝太一(演:宮野真守)
警視庁捜査一課
- 風見颯(演:尾上松也)
警視庁捜査一課の刑事。口が達者で正義感が強く、人思い。優秀な刑事で観察眼があるため、同僚からの信頼も厚いスマートな人物。柊木や“青南ロー”の学生たちの周りで起こり始める不可解な嫌がらせに対しても、個人的に相談に乗る心優しい刑事。しかし、妹が精神を病むきっかけとなったわいせつ事件により「法律では裁けない犯罪者」への憎悪とも取れるような強い執着心も持っている。ある事件の捜査のため、度々“青南ロー”学院長の守宮の元を訪れている。
第9話で、そのある目的が自身が担当した冤罪事件である塾講師・松下による女子生徒へのわいせつ事件だったことが判明。捜査が終了した事件を追っていたことで上層部の怒りを買い、一ヶ月の停職処分となり、更には津山の自殺への関与を藍井に疑われてしまった。
その後、松下を殺害しようと襲いかかるが、藍井に止められ、誤って藍井を刺してしまい、警察に逮捕された。
その後、柊木やロースクールの生徒たちの説得により松下の殺害未遂及び津山を自殺に偽装した上で殺害したことを自供した。
余談
- 本作には特撮出演者が多く、雫役の北川女史はドラマ『美少女戦士セーラームーン』にて火野レイ/セーラーマーズ役を務め、山田氏は『海賊戦隊ゴーカイジャー』にてジョー・ギブケン/ゴーカイブルー役を務め、及川氏は『スーパーヒーロー大戦GP』にて黒井響一郎/仮面ライダー3号役を務め、高橋氏は『仮面ライダーゼロワン』にて飛電或人/仮面ライダーゼロワン役を務め、前田拳太郎氏は『仮面ライダーリバイス』にて五十嵐一輝/仮面ライダーリバイを務め、前田旺志郎氏は『仮面ライダーBLACKSUN』にて堂波真一(1972年)役を務め、宮野氏はウルトラマンシリーズにおいてウルトラマンゼロのCVを務めた経験がある。
- また、第2話では実務演習の課題が銭湯関連の問題であったことや水沢が銭湯に行って湯船に浸かるシーンがあったため、「これもう『リバイス』じゃん!」といった声が相次いだ。
- さらに、第7話では実務演習の課題が「AIを裁判に導入するか?」「AIに判決を委ねるべきか?」という問題であったため、「これもう『ゼロワン』じゃん!」といった声が相次いだ。なお、『ゼロワン』本編には法律家の人型AIが登場している。
- 第9話では、『仮面ライダーOOO』で火野映司/仮面ライダーオーズを演じた渡部秀が容疑者役でゲスト出演しており、終盤で彼を殺害しようと襲いかかった風見を藍井が止めたため、「映司をジョーが庇った」「ジョーのおかげで映司が救われた」といった反応が相次いだ。
関連タグ
月9 フジテレビ
イチケイのカラス:同枠で放送されていたドラマであり、こちらも被告人一人ひとりに真摯に向き合うが故に非常に効率の悪い公判を行ってしまう裁判官が主人公のリーガルドラマである。本作の映画公開と「女神の教室」放送開始を記念して、柊木が本作のSPドラマに登場するなどクロスオーバーが行われる。