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『暗殺教室』に登場する潮田渚の母親。

あーあ、理想を言えば女の子が欲しかったわ


CV:三石琴乃

概要

概要


普段は温厚でおしとやか、一見子の進路に少々お節介を焼く親に見えるがその本性は歪んでいる。

自分の子である潮田渚に、かつて自身が成し遂げられなかった夢を叶えさせるため進路や容姿を押し付けているいわゆる毒親。また、彼が男の娘になった原因を作った張本人(後述)。

彼がネガティブで自虐的になったのも彼女が原因と言える。因みに渚の父である夫(CV:野瀬育二)は彼女の言動と歪んだ面に耐えられなくなり出て行ったの事。

(こう聞くと薄情な人物に見えるが、渚は自分の意思で母親の元に残っており、彼自身は「自分だけ逃げたみたいで心苦しい」と語っている)


本編では成績不振でE組脱出が絶望的になっていた渚に対し本校舎に復帰させるため寄付金を出し理事長と交渉すると言ったのだが、渚は殺せんせーの暗殺やE組の仲間達の事もあって拒否する(規定上広海には暗殺教室の事は伏せられている)。


すると「(折角どん底から救ってやろうとしてるのに)何よその言葉!何でそんなに向上心の無い子に育っちゃったの!?挫折の傷は人を一生苦しめるの!私がそうなの!!同じ苦しみを味わわせたくないっていう親の気持ちがなんで分からないの!?大体アンタがE組なんか行くから私がわざわざ寄付金まで用意したの!そこまでしてやってんのに一体何様のつもり!?

(以上、一部意訳とアニメ版の表現を含む台詞)と怒鳴り散らし、髪をつかんで引き千切ろうとする等、暴力を振るうという児童虐待を行った。(アニメでは二代目死神のように顔の表皮がなくなるような演出がなされている。)


渚が必死で謝ったため我に返るが、今度は渚に対し「あなたは何も考えなくていいの」「私が挫折しないように人生設計ちゃんとしてあげるんだから」といい、自身が落ちた一流大学や入れなかった名門商社に入れるために渚を利用しようとしていたことを明らかにし、さらには女物の服をあてがい、彼に対し「女の子が欲しかった」「娘が生まれたらおしゃれとかいろいろ教えてやるつもりだった」「あなたが女だったら思い通りにできたのに」と言い放つ(しかも口癖レベルに達している)。この時点で彼女は渚を「息子」ではなく「娘の代用品」として扱っていたことが明らかになっており(渚が長髪なのもこの為である)、これが渚の中性的な外見の一因であったことが発覚する。このような環境下で育ったため渚は自身の人生を悲観し最近のゲームによくある「強くてニューゲーム」に喩えて「母の二周目」と呼ぶようになり、寺坂の命令を断れず自爆テロを行うようなネガティブで自虐的な性格になってしまう。


そして三者面談では烏間変装した(つもりの)殺せんせーが、なぜ渚が今の渚になったのかを理解したことで機転を利かし、変装のために被っていたヅラをひっぺがして「髪型も高校も大学も、親が決めるものではなく渚君本人が決めるものである」「渚君の人生は渚君の物であり、貴女のコンプレックスを隠すための道具ではない」「担任としてはっきり申し上げるが、渚君が渚君の意思でE組から出たいという意思を見せない限り、E組から出ることは認めない」という指摘を行ったがまるで聞き入れようとはせず逆上、息子に「最近妙にに逆らうと思ったら!!この烏間ってヅラの担任にいらない事吹きこまれたのね!!見てなさい!!すぐに私がアンタの目を覚まさせてやるから!!」と言い放ち去ってしまう。その後夕食に睡眠薬を盛り、渚をE組校舎に連行し「この校舎をあなた自身の手で燃やしなさい」と、とんでもない命令を出す。本人曰く「こうすれば罪悪感でE組に顔向けできなくなり、本校舎に戻る決心がつくだろう」という考えであった。

当然渚は拒否するが、それに対しても


誰が育ててやったと思ってんの!?塾行かせて、私立入らせて!!どれだけアンタに手間とお金掛けたか分かってんの!?仕事で疲れてんのにご飯作って!!その苦労も知らないで!!ツルッパゲのバカ教師(アニメ版ではヅラに変更されている)に洗脳されて逆らう事ばっか身につけて!!アンタという人間はねぇ、私が全部造り上げてあげたのよ!!


と逆上していた。(この時の広海の絵はもはや炎の怪物のようになってしまっている)


ここまで見ると同情の余地のない人物に思えるが、彼女がここまで歪んでしまったのにはれっきとした事情があった。実は渚の祖父母、すなわち広海の両親も現在の彼女に負けず劣らずの毒親であり、自身も両親に勉強ばかり強制され、髪型も渚とは逆に短髪しか許されないなどまさに児童虐待同然の管理教育に晒されたため女として青春を楽しめず、何より真っ当な家族愛を受けられぬまま育ってしまったことから、今となってはもはや両親のことは自分の人生を狂わせた元凶という憎しみの対象でしかなく劇中でも渚の前で彼らに関して語る際は吐き捨てるような一言を口走っており、親子関係は完全に修復不可能の域にまで破綻してしまっている。(渚は自虐的にはなってしまっても彼女ほど性根が捻じ曲がらずに済んだのは、父親がちゃんとした愛情を注いでくれていたのが大きいと思われる)

さらにそんな悲惨な家庭環境下での苦痛の努力も虚しく、憧れの一流大学や名門商社に入れず、子宝に望んでいた娘にも恵まれなかったことが深い心の傷になり、そうした何一つ成功体験を得られなかった惨い経験から自分の人生をやり直したいという悲嘆と上述の歪みきった家庭環境のせいで正しい家族のあり方を知らずに育ってしまったことが相まって、夫への八つ当たりや息子への無茶苦茶な押し付けに繋がってしまい、皮肉極まりないことに今や彼女自身がこの世で最も忌み嫌う存在である両親と大差ない人間に成り下がってしまった。

その意味では、殺せんせーと出会う前の一部のE組生徒たちの背景と重なるものを抱えており、特についこの間まで子供の頃の広海とほぼ同じ境遇にあった神崎竹林の二人は殺せんせーと出会えていなかったら彼女のような大人になってしまっていたかもしれないという最悪の可能性も否定できないことから、もし二人が彼女の過去を知れば否応なしに彼女が味わってきた悲哀や苦悩を理解できてしまうことだろうから同情を禁じ得ないことだろう。

渚と今は別居している夫も彼女を未だに心の底から見限れないでいるのは広海が心を病んでしまった背景に深く同情しているからでもある。

敗北の経験を知らずに成長してしまったことで歪んでしまったシロこと柳沢誇太郎が最後の期末テストで「A組が成長したE組との勝負で正しい敗北を学ばなかった場合のIF」とは対照的に勝利の経験を知らずに成長してしまったことで歪んでしまったのが彼女と言えるのと同時に…もしも、E組の生徒達があのまま殺せんせーと出会えず、ただの落ちこぼれのままで、特に神崎と竹林のように親の鎖に縛られ続けられていれば、やがてこうなってしまっていたかもしれないというE組のIFを象徴する存在ともとれる。


殺せんせーの影響で反発を繰り返すようになった息子に怒り狂う広海に対し渚は自分の意思を伝えようと決意するが、そこに殺せんせーを狙う殺し屋がおり(後に広海本人には不良だと説明)、邪魔者と判断され命を狙われそうになる。だが、覚醒した渚によって救われ、更に卒業と称する形で「これ以上エゴを押し付けるようなら広海の元から姿を消すことも厭わない」と彼に自立を宣言されショックで気を失う(その前に殺せんせーから「決して貴女を裏切ってる訳じゃない、誰もが通る巣立ちの準備を始めただけ」と諭される)も目を覚ました後、もう渚は自分の代わりではないと悟ったのか、それを機に「できる範囲の家事は渚がやる」という条件付きで息子の自立を認める。


その後、頭では渚の自立を認めてはいても心の方はまだ完全には納得できずにいたことから、どうして渚がそこまでしてまでE組に留まろうとするのかを詳しく知るために学園祭に訪れ、そこでこれまで自分の前では見せたこともない笑顔でかつての自分が最後まで手に入れられなかった青春を楽しむ息子の姿を見てE組を出ることを拒んでいた理由をようやく納得した他、渚の成長に驚きつつも寂しさを感じていたらしく「成人するまでは家にいて欲しい」「折角本当に親子になれたんだから心配くらいさせてよ」と言っており、紆余曲折を得て渚とは和解できたようである。そして帰るときに渚に校舎へ放火させようとしたことを烏間に謝罪したが、面談の時にいた烏間が殺せんせーの変装と知らなかったため(本物の烏間とも面識がないため無理もないが)、本物の烏間をカツラだと勘違いして「ヅラの件は黙っておきますね」と発してしまうという天然な一面を見せた。そして烏間は発端の殺せんせーに対し「俺がヅラってどういうことだ」と激怒する事となった。


最終章である殺せんせー救出編では、殺せんせーを救うためE組校舎へ向かう準備をしようと部屋に忍び込んでいた渚(当時E組は直前まで軟禁されていた)を目撃し、「全力でしていた挑戦とは暗殺の事だったのか…!」(この時点で暗殺教室の存在が世界中に暴露されていたため、当然彼女も真相を知った)と怒りそうな素振りを見せたが、すぐに落ち着きを取り戻し、渚の説得を受け入れて「自身の願望を鑑みた上で進学先を選んでくれた、そんなあなたのやりたいことならきっとそれは正しいはず」、「いってらっしゃい、無茶だけはしないでね」とE組校舎に向かう渚を見送った。が、流石にアパートのベランダから他所のビルに飛び移っていく渚の姿には「む…無茶とは一体…」と唖然とする様子を見せていた。


そして卒業式の後、夫と共に渚のもとに現れた。話によれば妻と話し合うよう生前の殺せんせーに説得された夫と話し合い、そして和解できたというのである。こうして久々に揃った潮田家の面々は3人でまたやり直す事を誓い、ようやく本当の家族になることができたのであった。


親の鎖

親の鎖

この作品では、子供の頃の広海自身や渚のようにいわゆる「親の鎖」に苦しむ生徒が何名かいる。


  • 神崎有希子:肩書きばかり求める父がおり、その父に同じ職業である弁護士になることを強要された。
  • 竹林孝太郎:病院を営む家族と東大医学部に通う兄がおり、彼らによって「エリート一族の出来損ない」という焼き印を押され家族から除け者にされている。
  • 自律思考固定砲台:授業中の発砲を見かねた殺せんせーにより改良され協調性を身につけるが、開発者に「暗殺に不要」という理由で取り外される。しかし協調性が必要と判断したため開発者の意向を無視し、消去される前に関連ソフトをメモリの片隅に残すことによって協調性を保持した。
  • 狭間綺羅々メルヘン趣味なのに気に入らないことがあるとヒステリックに喚く母がおり、「こんなストレスのかかる家庭で名前の通り綺麗に育つわけないのに」と語っていた。とはいえ、性格に難こそあるが他の親と比べるとまだまともな部類でもあったりする
  • 木村正義:警察官の父によってとんでもない名前をつけられた(息子が生まれて浮かれていたらしく母も特に反対していなかった)上に抗議したら「折角親がつけてやった名前に文句あるのか」と逆ギレされたという。
  • 千葉龍之介速水凛香:両親に無口なのをいいことに過度な期待を寄せられ、本心を理解してもらえずにいる。

一応ほとんどの生徒は殺せんせーに諭されて立ち向かったり乗り越えることができたが、そんな彼らと同じ境遇にあったかつての広海には不幸なことに彼らにとっての殺せんせー、そして殺せんせーにとっての雪村あぐりのような周囲に手を差し伸べてくれる人間がいなかったことから上述のようにかつて毒親に育てられた子供が新たな毒親に育ってしまうという負の連鎖の道筋を辿ることになってしまった。

そのことからまさに広海は上記の彼らがもし殺せんせーに出会えなかったらというIFを体現する大人だったと言えるのかもしれない。

そして現実にも毒親、児童虐待など、問題のある親に苦しめられている子供は多数存在し、作中の広海がそうだったように家族の暖かさを知らずに育ってしまった子供がその苦しみの果てにやがて新たな毒親に成り果ててしまうという例は今でも絶えない。

こういった子供を取り巻く問題をネタとして表現できるのもこの漫画の凄いところでもあろう。


余談

余談

  • pixiv等二次制作において髪を黒く描かれることが多いが、アニメにおいて発覚した髪の色は青であった。
  • 広海を演じた三石琴乃氏曰く、原作資料を見てとても気に入ったという。彼女を演じるにあたっての音響監督からの第一声は「見ている人に嫌われたい」と言われていたらしく、三石氏も「何を言ってるかわからない位負の感情を込めた」と語っていた。実際、渚への説教(虐待)シーンなどは三石氏の熱演で原作以上に狂気が増しているため一見の価値ありである。
    • ちなみに三石氏自身も子育て経験者であり、前年の某特撮作品での演技について「子育ての経験を活かした」と語っている。広海の演技にもそれが活きている可能性が高い。
  • 単行本19巻の(渚を送り出した回の直後にあたる)おまけページでは「…でもね渚 帰って来たらおしおきよ」との台詞と共にあの人を思わせる構えを披露。アニメでの配役から察するに中の人ネタだと思われる。また、卒業アルバムの時間によると車を改造することや美少女アニメが好きという一面も明らかになった。どれだけ女を磨くことを望んでいたかが窺える。(ウィッグなどを使うなどで)是非ともあれからでも髪を伸ばしたりして欲しいと思う読者も多い。

関連タグ

関連タグ

暗殺教室

潮田渚 エゴイスト モンスターペアレント&毒親→母親

家庭内暴力/DV

哀しき悪役 毒親の被害者 どうしてこうなった:過去が明らかになってから。

あーあ、理想を言えば女の子が欲しかったわ


CV:三石琴乃

概要

概要


普段は温厚でおしとやか、一見子の進路に少々お節介を焼く親に見えるがその本性は歪んでいる。

自分の子である潮田渚に、かつて自身が成し遂げられなかった夢を叶えさせるため進路や容姿を押し付けているいわゆる毒親。また、彼が男の娘になった原因を作った張本人(後述)。

彼がネガティブで自虐的になったのも彼女が原因と言える。因みに渚の父である夫(CV:野瀬育二)は彼女の言動と歪んだ面に耐えられなくなり出て行ったの事。

(こう聞くと薄情な人物に見えるが、渚は自分の意思で母親の元に残っており、彼自身は「自分だけ逃げたみたいで心苦しい」と語っている)


本編では成績不振でE組脱出が絶望的になっていた渚に対し本校舎に復帰させるため寄付金を出し理事長と交渉すると言ったのだが、渚は殺せんせーの暗殺やE組の仲間達の事もあって拒否する(規定上広海には暗殺教室の事は伏せられている)。


すると「(折角どん底から救ってやろうとしてるのに)何よその言葉!何でそんなに向上心の無い子に育っちゃったの!?挫折の傷は人を一生苦しめるの!私がそうなの!!同じ苦しみを味わわせたくないっていう親の気持ちがなんで分からないの!?大体アンタがE組なんか行くから私がわざわざ寄付金まで用意したの!そこまでしてやってんのに一体何様のつもり!?

(以上、一部意訳とアニメ版の表現を含む台詞)と怒鳴り散らし、髪をつかんで引き千切ろうとする等、暴力を振るうという児童虐待を行った。(アニメでは二代目死神のように顔の表皮がなくなるような演出がなされている。)


渚が必死で謝ったため我に返るが、今度は渚に対し「あなたは何も考えなくていいの」「私が挫折しないように人生設計ちゃんとしてあげるんだから」といい、自身が落ちた一流大学や入れなかった名門商社に入れるために渚を利用しようとしていたことを明らかにし、さらには女物の服をあてがい、彼に対し「女の子が欲しかった」「娘が生まれたらおしゃれとかいろいろ教えてやるつもりだった」「あなたが女だったら思い通りにできたのに」と言い放つ(しかも口癖レベルに達している)。この時点で彼女は渚を「息子」ではなく「娘の代用品」として扱っていたことが明らかになっており(渚が長髪なのもこの為である)、これが渚の中性的な外見の一因であったことが発覚する。このような環境下で育ったため渚は自身の人生を悲観し最近のゲームによくある「強くてニューゲーム」に喩えて「母の二周目」と呼ぶようになり、寺坂の命令を断れず自爆テロを行うようなネガティブで自虐的な性格になってしまう。


そして三者面談では烏間変装した(つもりの)殺せんせーが、なぜ渚が今の渚になったのかを理解したことで機転を利かし、変装のために被っていたヅラをひっぺがして「髪型も高校も大学も、親が決めるものではなく渚君本人が決めるものである」「渚君の人生は渚君の物であり、貴女のコンプレックスを隠すための道具ではない」「担任としてはっきり申し上げるが、渚君が渚君の意思でE組から出たいという意思を見せない限り、E組から出ることは認めない」という指摘を行ったがまるで聞き入れようとはせず逆上、息子に「最近妙にに逆らうと思ったら!!この烏間ってヅラの担任にいらない事吹きこまれたのね!!見てなさい!!すぐに私がアンタの目を覚まさせてやるから!!」と言い放ち去ってしまう。その後夕食に睡眠薬を盛り、渚をE組校舎に連行し「この校舎をあなた自身の手で燃やしなさい」と、とんでもない命令を出す。本人曰く「こうすれば罪悪感でE組に顔向けできなくなり、本校舎に戻る決心がつくだろう」という考えであった。

当然渚は拒否するが、それに対しても


誰が育ててやったと思ってんの!?塾行かせて、私立入らせて!!どれだけアンタに手間とお金掛けたか分かってんの!?仕事で疲れてんのにご飯作って!!その苦労も知らないで!!ツルッパゲのバカ教師(アニメ版ではヅラに変更されている)に洗脳されて逆らう事ばっか身につけて!!アンタという人間はねぇ、私が全部造り上げてあげたのよ!!


と逆上していた。(この時の広海の絵はもはや炎の怪物のようになってしまっている)


ここまで見ると同情の余地のない人物に思えるが、彼女がここまで歪んでしまったのにはれっきとした事情があった。実は渚の祖父母、すなわち広海の両親も現在の彼女に負けず劣らずの毒親であり、自身も両親に勉強ばかり強制され、髪型も渚とは逆に短髪しか許されないなどまさに児童虐待同然の管理教育に晒されたため女として青春を楽しめず、何より真っ当な家族愛を受けられぬまま育ってしまったことから、今となってはもはや両親のことは自分の人生を狂わせた元凶という憎しみの対象でしかなく劇中でも渚の前で彼らに関して語る際は吐き捨てるような一言を口走っており、親子関係は完全に修復不可能の域にまで破綻してしまっている。(渚は自虐的にはなってしまっても彼女ほど性根が捻じ曲がらずに済んだのは、父親がちゃんとした愛情を注いでくれていたのが大きいと思われる)

さらにそんな悲惨な家庭環境下での苦痛の努力も虚しく、憧れの一流大学や名門商社に入れず、子宝に望んでいた娘にも恵まれなかったことが深い心の傷になり、そうした何一つ成功体験を得られなかった惨い経験から自分の人生をやり直したいという悲嘆と上述の歪みきった家庭環境のせいで正しい家族のあり方を知らずに育ってしまったことが相まって、夫への八つ当たりや息子への無茶苦茶な押し付けに繋がってしまい、皮肉極まりないことに今や彼女自身がこの世で最も忌み嫌う存在である両親と大差ない人間に成り下がってしまった。

その意味では、殺せんせーと出会う前の一部のE組生徒たちの背景と重なるものを抱えており、特についこの間まで子供の頃の広海とほぼ同じ境遇にあった神崎竹林の二人は殺せんせーと出会えていなかったら彼女のような大人になってしまっていたかもしれないという最悪の可能性も否定できないことから、もし二人が彼女の過去を知れば否応なしに彼女が味わってきた悲哀や苦悩を理解できてしまうことだろうから同情を禁じ得ないことだろう。

渚と今は別居している夫も彼女を未だに心の底から見限れないでいるのは広海が心を病んでしまった背景に深く同情しているからでもある。

敗北の経験を知らずに成長してしまったことで歪んでしまったシロこと柳沢誇太郎が最後の期末テストで「A組が成長したE組との勝負で正しい敗北を学ばなかった場合のIF」とは対照的に勝利の経験を知らずに成長してしまったことで歪んでしまったのが彼女と言えるのと同時に…もしも、E組の生徒達があのまま殺せんせーと出会えず、ただの落ちこぼれのままで、特に神崎と竹林のように親の鎖に縛られ続けられていれば、やがてこうなってしまっていたかもしれないというE組のIFを象徴する存在ともとれる。


殺せんせーの影響で反発を繰り返すようになった息子に怒り狂う広海に対し渚は自分の意思を伝えようと決意するが、そこに殺せんせーを狙う殺し屋がおり(後に広海本人には不良だと説明)、邪魔者と判断され命を狙われそうになる。だが、覚醒した渚によって救われ、更に卒業と称する形で「これ以上エゴを押し付けるようなら広海の元から姿を消すことも厭わない」と彼に自立を宣言されショックで気を失う(その前に殺せんせーから「決して貴女を裏切ってる訳じゃない、誰もが通る巣立ちの準備を始めただけ」と諭される)も目を覚ました後、もう渚は自分の代わりではないと悟ったのか、それを機に「できる範囲の家事は渚がやる」という条件付きで息子の自立を認める。


その後、頭では渚の自立を認めてはいても心の方はまだ完全には納得できずにいたことから、どうして渚がそこまでしてまでE組に留まろうとするのかを詳しく知るために学園祭に訪れ、そこでこれまで自分の前では見せたこともない笑顔でかつての自分が最後まで手に入れられなかった青春を楽しむ息子の姿を見てE組を出ることを拒んでいた理由をようやく納得した他、渚の成長に驚きつつも寂しさを感じていたらしく「成人するまでは家にいて欲しい」「折角本当に親子になれたんだから心配くらいさせてよ」と言っており、紆余曲折を得て渚とは和解できたようである。そして帰るときに渚に校舎へ放火させようとしたことを烏間に謝罪したが、面談の時にいた烏間が殺せんせーの変装と知らなかったため(本物の烏間とも面識がないため無理もないが)、本物の烏間をカツラだと勘違いして「ヅラの件は黙っておきますね」と発してしまうという天然な一面を見せた。そして烏間は発端の殺せんせーに対し「俺がヅラってどういうことだ」と激怒する事となった。


最終章である殺せんせー救出編では、殺せんせーを救うためE組校舎へ向かう準備をしようと部屋に忍び込んでいた渚(当時E組は直前まで軟禁されていた)を目撃し、「全力でしていた挑戦とは暗殺の事だったのか…!」(この時点で暗殺教室の存在が世界中に暴露されていたため、当然彼女も真相を知った)と怒りそうな素振りを見せたが、すぐに落ち着きを取り戻し、渚の説得を受け入れて「自身の願望を鑑みた上で進学先を選んでくれた、そんなあなたのやりたいことならきっとそれは正しいはず」、「いってらっしゃい、無茶だけはしないでね」とE組校舎に向かう渚を見送った。が、流石にアパートのベランダから他所のビルに飛び移っていく渚の姿には「む…無茶とは一体…」と唖然とする様子を見せていた。


そして卒業式の後、夫と共に渚のもとに現れた。話によれば妻と話し合うよう生前の殺せんせーに説得された夫と話し合い、そして和解できたというのである。こうして久々に揃った潮田家の面々は3人でまたやり直す事を誓い、ようやく本当の家族になることができたのであった。


親の鎖

親の鎖

この作品では、子供の頃の広海自身や渚のようにいわゆる「親の鎖」に苦しむ生徒が何名かいる。


  • 神崎有希子:肩書きばかり求める父がおり、その父に同じ職業である弁護士になることを強要された。
  • 竹林孝太郎:病院を営む家族と東大医学部に通う兄がおり、彼らによって「エリート一族の出来損ない」という焼き印を押され家族から除け者にされている。
  • 自律思考固定砲台:授業中の発砲を見かねた殺せんせーにより改良され協調性を身につけるが、開発者に「暗殺に不要」という理由で取り外される。しかし協調性が必要と判断したため開発者の意向を無視し、消去される前に関連ソフトをメモリの片隅に残すことによって協調性を保持した。
  • 狭間綺羅々メルヘン趣味なのに気に入らないことがあるとヒステリックに喚く母がおり、「こんなストレスのかかる家庭で名前の通り綺麗に育つわけないのに」と語っていた。とはいえ、性格に難こそあるが他の親と比べるとまだまともな部類でもあったりする
  • 木村正義:警察官の父によってとんでもない名前をつけられた(息子が生まれて浮かれていたらしく母も特に反対していなかった)上に抗議したら「折角親がつけてやった名前に文句あるのか」と逆ギレされたという。
  • 千葉龍之介速水凛香:両親に無口なのをいいことに過度な期待を寄せられ、本心を理解してもらえずにいる。

一応ほとんどの生徒は殺せんせーに諭されて立ち向かったり乗り越えることができたが、そんな彼らと同じ境遇にあったかつての広海には不幸なことに彼らにとっての殺せんせー、そして殺せんせーにとっての雪村あぐりのような周囲に手を差し伸べてくれる人間がいなかったことから上述のようにかつて毒親に育てられた子供が新たな毒親に育ってしまうという負の連鎖の道筋を辿ることになってしまった。

そのことからまさに広海は上記の彼らがもし殺せんせーに出会えなかったらというIFを体現する大人だったと言えるのかもしれない。

そして現実にも毒親、児童虐待など、問題のある親に苦しめられている子供は多数存在し、作中の広海がそうだったように家族の暖かさを知らずに育ってしまった子供がその苦しみの果てにやがて新たな毒親に成り果ててしまうという例は今でも絶えない。

こういった子供を取り巻く問題をネタとして表現できるのもこの漫画の凄いところでもあろう。


余談

余談

  • pixiv等二次制作において髪を黒く描かれることが多いが、アニメにおいて発覚した髪の色は青であった。
  • 広海を演じた三石琴乃氏曰く、原作資料を見てとても気に入ったという。彼女を演じるにあたっての音響監督からの第一声は「見ている人に嫌われたい」と言われていたらしく、三石氏も「何を言ってるかわからない位負の感情を込めた」と語っていた。実際、渚への説教(虐待)シーンなどは三石氏の熱演で原作以上に狂気が増しているため一見の価値ありである。
    • ちなみに三石氏自身も子育て経験者であり、前年の某特撮作品での演技について「子育ての経験を活かした」と語っている。広海の演技にもそれが活きている可能性が高い。
  • 単行本19巻の(渚を送り出した回の直後にあたる)おまけページでは「…でもね渚 帰って来たらおしおきよ」との台詞と共にあの人を思わせる構えを披露。アニメでの配役から察するに中の人ネタだと思われる。また、卒業アルバムの時間によると車を改造することや美少女アニメが好きという一面も明らかになった。どれだけ女を磨くことを望んでいたかが窺える。(ウィッグなどを使うなどで)是非ともあれからでも髪を伸ばしたりして欲しいと思う読者も多い。

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あーあ、理想を言えば女の子が欲しかったわ


CV:三石琴乃

概要

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普段は温厚でおしとやか、一見子の進路に少々お節介を焼く親に見えるがその本性は歪んでいる。

自分の子である潮田渚に、かつて自身が成し遂げられなかった夢を叶えさせるため進路や容姿を押し付けているいわゆる毒親。また、彼が男の娘になった原因を作った張本人(後述)。

彼がネガティブで自虐的になったのも彼女が原因と言える。因みに渚の父である夫(CV:野瀬育二)は彼女の言動と歪んだ面に耐えられなくなり出て行ったの事。

(こう聞くと薄情な人物に見えるが、渚は自分の意思で母親の元に残っており、彼自身は「自分だけ逃げたみたいで心苦しい」と語っている)


本編では成績不振でE組脱出が絶望的になっていた渚に対し本校舎に復帰させるため寄付金を出し理事長と交渉すると言ったのだが、渚は殺せんせーの暗殺やE組の仲間達の事もあって拒否する(規定上広海には暗殺教室の事は伏せられている)。


すると「(折角どん底から救ってやろうとしてるのに)何よその言葉!何でそんなに向上心の無い子に育っちゃったの!?挫折の傷は人を一生苦しめるの!私がそうなの!!同じ苦しみを味わわせたくないっていう親の気持ちがなんで分からないの!?大体アンタがE組なんか行くから私がわざわざ寄付金まで用意したの!そこまでしてやってんのに一体何様のつもり!?

(以上、一部意訳とアニメ版の表現を含む台詞)と怒鳴り散らし、髪をつかんで引き千切ろうとする等、暴力を振るうという児童虐待を行った。(アニメでは二代目死神のように顔の表皮がなくなるような演出がなされている。)


渚が必死で謝ったため我に返るが、今度は渚に対し「あなたは何も考えなくていいの」「私が挫折しないように人生設計ちゃんとしてあげるんだから」といい、自身が落ちた一流大学や入れなかった名門商社に入れるために渚を利用しようとしていたことを明らかにし、さらには女物の服をあてがい、彼に対し「女の子が欲しかった」「娘が生まれたらおしゃれとかいろいろ教えてやるつもりだった」「あなたが女だったら思い通りにできたのに」と言い放つ(しかも口癖レベルに達している)。この時点で彼女は渚を「息子」ではなく「娘の代用品」として扱っていたことが明らかになっており(渚が長髪なのもこの為である)、これが渚の中性的な外見の一因であったことが発覚する。このような環境下で育ったため渚は自身の人生を悲観し最近のゲームによくある「強くてニューゲーム」に喩えて「母の二周目」と呼ぶようになり、寺坂の命令を断れず自爆テロを行うようなネガティブで自虐的な性格になってしまう。


そして三者面談では烏間変装した(つもりの)殺せんせーが、なぜ渚が今の渚になったのかを理解したことで機転を利かし、変装のために被っていたヅラをひっぺがして「髪型も高校も大学も、親が決めるものではなく渚君本人が決めるものである」「渚君の人生は渚君の物であり、貴女のコンプレックスを隠すための道具ではない」「担任としてはっきり申し上げるが、渚君が渚君の意思でE組から出たいという意思を見せない限り、E組から出ることは認めない」という指摘を行ったがまるで聞き入れようとはせず逆上、息子に「最近妙にに逆らうと思ったら!!この烏間ってヅラの担任にいらない事吹きこまれたのね!!見てなさい!!すぐに私がアンタの目を覚まさせてやるから!!」と言い放ち去ってしまう。その後夕食に睡眠薬を盛り、渚をE組校舎に連行し「この校舎をあなた自身の手で燃やしなさい」と、とんでもない命令を出す。本人曰く「こうすれば罪悪感でE組に顔向けできなくなり、本校舎に戻る決心がつくだろう」という考えであった。

当然渚は拒否するが、それに対しても


誰が育ててやったと思ってんの!?塾行かせて、私立入らせて!!どれだけアンタに手間とお金掛けたか分かってんの!?仕事で疲れてんのにご飯作って!!その苦労も知らないで!!ツルッパゲのバカ教師(アニメ版ではヅラに変更されている)に洗脳されて逆らう事ばっか身につけて!!アンタという人間はねぇ、私が全部造り上げてあげたのよ!!


と逆上していた。(この時の広海の絵はもはや炎の怪物のようになってしまっている)


ここまで見ると同情の余地のない人物に思えるが、彼女がここまで歪んでしまったのにはれっきとした事情があった。実は渚の祖父母、すなわち広海の両親も現在の彼女に負けず劣らずの毒親であり、自身も両親に勉強ばかり強制され、髪型も渚とは逆に短髪しか許されないなどまさに児童虐待同然の管理教育に晒されたため女として青春を楽しめず、何より真っ当な家族愛を受けられぬまま育ってしまったことから、今となってはもはや両親のことは自分の人生を狂わせた元凶という憎しみの対象でしかなく劇中でも渚の前で彼らに関して語る際は吐き捨てるような一言を口走っており、親子関係は完全に修復不可能の域にまで破綻してしまっている。(渚は自虐的にはなってしまっても彼女ほど性根が捻じ曲がらずに済んだのは、父親がちゃんとした愛情を注いでくれていたのが大きいと思われる)

さらにそんな悲惨な家庭環境下での苦痛の努力も虚しく、憧れの一流大学や名門商社に入れず、子宝に望んでいた娘にも恵まれなかったことが深い心の傷になり、そうした何一つ成功体験を得られなかった惨い経験から自分の人生をやり直したいという悲嘆と上述の歪みきった家庭環境のせいで正しい家族のあり方を知らずに育ってしまったことが相まって、夫への八つ当たりや息子への無茶苦茶な押し付けに繋がってしまい、皮肉極まりないことに今や彼女自身がこの世で最も忌み嫌う存在である両親と大差ない人間に成り下がってしまった。

その意味では、殺せんせーと出会う前の一部のE組生徒たちの背景と重なるものを抱えており、特についこの間まで子供の頃の広海とほぼ同じ境遇にあった神崎竹林の二人は殺せんせーと出会えていなかったら彼女のような大人になってしまっていたかもしれないという最悪の可能性も否定できないことから、もし二人が彼女の過去を知れば否応なしに彼女が味わってきた悲哀や苦悩を理解できてしまうことだろうから同情を禁じ得ないことだろう。

渚と今は別居している夫も彼女を未だに心の底から見限れないでいるのは広海が心を病んでしまった背景に深く同情しているからでもある。

敗北の経験を知らずに成長してしまったことで歪んでしまったシロこと柳沢誇太郎が最後の期末テストで「A組が成長したE組との勝負で正しい敗北を学ばなかった場合のIF」とは対照的に勝利の経験を知らずに成長してしまったことで歪んでしまったのが彼女と言えるのと同時に…もしも、E組の生徒達があのまま殺せんせーと出会えず、ただの落ちこぼれのままで、特に神崎と竹林のように親の鎖に縛られ続けられていれば、やがてこうなってしまっていたかもしれないというE組のIFを象徴する存在ともとれる。


殺せんせーの影響で反発を繰り返すようになった息子に怒り狂う広海に対し渚は自分の意思を伝えようと決意するが、そこに殺せんせーを狙う殺し屋がおり(後に広海本人には不良だと説明)、邪魔者と判断され命を狙われそうになる。だが、覚醒した渚によって救われ、更に卒業と称する形で「これ以上エゴを押し付けるようなら広海の元から姿を消すことも厭わない」と彼に自立を宣言されショックで気を失う(その前に殺せんせーから「決して貴女を裏切ってる訳じゃない、誰もが通る巣立ちの準備を始めただけ」と諭される)も目を覚ました後、もう渚は自分の代わりではないと悟ったのか、それを機に「できる範囲の家事は渚がやる」という条件付きで息子の自立を認める。


その後、頭では渚の自立を認めてはいても心の方はまだ完全には納得できずにいたことから、どうして渚がそこまでしてまでE組に留まろうとするのかを詳しく知るために学園祭に訪れ、そこでこれまで自分の前では見せたこともない笑顔でかつての自分が最後まで手に入れられなかった青春を楽しむ息子の姿を見てE組を出ることを拒んでいた理由をようやく納得した他、渚の成長に驚きつつも寂しさを感じていたらしく「成人するまでは家にいて欲しい」「折角本当に親子になれたんだから心配くらいさせてよ」と言っており、紆余曲折を得て渚とは和解できたようである。そして帰るときに渚に校舎へ放火させようとしたことを烏間に謝罪したが、面談の時にいた烏間が殺せんせーの変装と知らなかったため(本物の烏間とも面識がないため無理もないが)、本物の烏間をカツラだと勘違いして「ヅラの件は黙っておきますね」と発してしまうという天然な一面を見せた。そして烏間は発端の殺せんせーに対し「俺がヅラってどういうことだ」と激怒する事となった。


最終章である殺せんせー救出編では、殺せんせーを救うためE組校舎へ向かう準備をしようと部屋に忍び込んでいた渚(当時E組は直前まで軟禁されていた)を目撃し、「全力でしていた挑戦とは暗殺の事だったのか…!」(この時点で暗殺教室の存在が世界中に暴露されていたため、当然彼女も真相を知った)と怒りそうな素振りを見せたが、すぐに落ち着きを取り戻し、渚の説得を受け入れて「自身の願望を鑑みた上で進学先を選んでくれた、そんなあなたのやりたいことならきっとそれは正しいはず」、「いってらっしゃい、無茶だけはしないでね」とE組校舎に向かう渚を見送った。が、流石にアパートのベランダから他所のビルに飛び移っていく渚の姿には「む…無茶とは一体…」と唖然とする様子を見せていた。


そして卒業式の後、夫と共に渚のもとに現れた。話によれば妻と話し合うよう生前の殺せんせーに説得された夫と話し合い、そして和解できたというのである。こうして久々に揃った潮田家の面々は3人でまたやり直す事を誓い、ようやく本当の家族になることができたのであった。


親の鎖

親の鎖

この作品では、子供の頃の広海自身や渚のようにいわゆる「親の鎖」に苦しむ生徒が何名かいる。


  • 神崎有希子:肩書きばかり求める父がおり、その父に同じ職業である弁護士になることを強要された。
  • 竹林孝太郎:病院を営む家族と東大医学部に通う兄がおり、彼らによって「エリート一族の出来損ない」という焼き印を押され家族から除け者にされている。
  • 自律思考固定砲台:授業中の発砲を見かねた殺せんせーにより改良され協調性を身につけるが、開発者に「暗殺に不要」という理由で取り外される。しかし協調性が必要と判断したため開発者の意向を無視し、消去される前に関連ソフトをメモリの片隅に残すことによって協調性を保持した。
  • 狭間綺羅々メルヘン趣味なのに気に入らないことがあるとヒステリックに喚く母がおり、「こんなストレスのかかる家庭で名前の通り綺麗に育つわけないのに」と語っていた。とはいえ、性格に難こそあるが他の親と比べるとまだまともな部類でもあったりする
  • 木村正義:警察官の父によってとんでもない名前をつけられた(息子が生まれて浮かれていたらしく母も特に反対していなかった)上に抗議したら「折角親がつけてやった名前に文句あるのか」と逆ギレされたという。
  • 千葉龍之介速水凛香:両親に無口なのをいいことに過度な期待を寄せられ、本心を理解してもらえずにいる。

一応ほとんどの生徒は殺せんせーに諭されて立ち向かったり乗り越えることができたが、そんな彼らと同じ境遇にあったかつての広海には不幸なことに彼らにとっての殺せんせー、そして殺せんせーにとっての雪村あぐりのような周囲に手を差し伸べてくれる人間がいなかったことから上述のようにかつて毒親に育てられた子供が新たな毒親に育ってしまうという負の連鎖の道筋を辿ることになってしまった。

そのことからまさに広海は上記の彼らがもし殺せんせーに出会えなかったらというIFを体現する大人だったと言えるのかもしれない。

そして現実にも毒親、児童虐待など、問題のある親に苦しめられている子供は多数存在し、作中の広海がそうだったように家族の暖かさを知らずに育ってしまった子供がその苦しみの果てにやがて新たな毒親に成り果ててしまうという例は今でも絶えない。

こういった子供を取り巻く問題をネタとして表現できるのもこの漫画の凄いところでもあろう。


余談

余談

  • pixiv等二次制作において髪を黒く描かれることが多いが、アニメにおいて発覚した髪の色は青であった。
  • 広海を演じた三石琴乃氏曰く、原作資料を見てとても気に入ったという。彼女を演じるにあたっての音響監督からの第一声は「見ている人に嫌われたい」と言われていたらしく、三石氏も「何を言ってるかわからない位負の感情を込めた」と語っていた。実際、渚への説教(虐待)シーンなどは三石氏の熱演で原作以上に狂気が増しているため一見の価値ありである。
    • ちなみに三石氏自身も子育て経験者であり、前年の某特撮作品での演技について「子育ての経験を活かした」と語っている。広海の演技にもそれが活きている可能性が高い。
  • 単行本19巻の(渚を送り出した回の直後にあたる)おまけページでは「…でもね渚 帰って来たらおしおきよ」との台詞と共にあの人を思わせる構えを披露。アニメでの配役から察するに中の人ネタだと思われる。また、卒業アルバムの時間によると車を改造することや美少女アニメが好きという一面も明らかになった。どれだけ女を磨くことを望んでいたかが窺える。(ウィッグなどを使うなどで)是非ともあれからでも髪を伸ばしたりして欲しいと思う読者も多い。

関連タグ

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暗殺教室

潮田渚 エゴイスト モンスターペアレント&毒親→母親

家庭内暴力/DV

哀しき悪役 毒親の被害者 どうしてこうなった:過去が明らかになってから。

あーあ、理想を言えば女の子が欲しかったわ


CV:三石琴乃

概要

概要


普段は温厚でおしとやか、一見子の進路に少々お節介を焼く親に見えるがその本性は歪んでいる。

自分の子である潮田渚に、かつて自身が成し遂げられなかった夢を叶えさせるため進路や容姿を押し付けているいわゆる毒親。また、彼が男の娘になった原因を作った張本人(後述)。

彼がネガティブで自虐的になったのも彼女が原因と言える。因みに渚の父である夫(CV:野瀬育二)は彼女の言動と歪んだ面に耐えられなくなり出て行ったの事。

(こう聞くと薄情な人物に見えるが、渚は自分の意思で母親の元に残っており、彼自身は「自分だけ逃げたみたいで心苦しい」と語っている)


本編では成績不振でE組脱出が絶望的になっていた渚に対し本校舎に復帰させるため寄付金を出し理事長と交渉すると言ったのだが、渚は殺せんせーの暗殺やE組の仲間達の事もあって拒否する(規定上広海には暗殺教室の事は伏せられている)。


すると「(折角どん底から救ってやろうとしてるのに)何よその言葉!何でそんなに向上心の無い子に育っちゃったの!?挫折の傷は人を一生苦しめるの!私がそうなの!!同じ苦しみを味わわせたくないっていう親の気持ちがなんで分からないの!?大体アンタがE組なんか行くから私がわざわざ寄付金まで用意したの!そこまでしてやってんのに一体何様のつもり!?

(以上、一部意訳とアニメ版の表現を含む台詞)と怒鳴り散らし、髪をつかんで引き千切ろうとする等、暴力を振るうという児童虐待を行った。(アニメでは二代目死神のように顔の表皮がなくなるような演出がなされている。)


渚が必死で謝ったため我に返るが、今度は渚に対し「あなたは何も考えなくていいの」「私が挫折しないように人生設計ちゃんとしてあげるんだから」といい、自身が落ちた一流大学や入れなかった名門商社に入れるために渚を利用しようとしていたことを明らかにし、さらには女物の服をあてがい、彼に対し「女の子が欲しかった」「娘が生まれたらおしゃれとかいろいろ教えてやるつもりだった」「あなたが女だったら思い通りにできたのに」と言い放つ(しかも口癖レベルに達している)。この時点で彼女は渚を「息子」ではなく「娘の代用品」として扱っていたことが明らかになっており(渚が長髪なのもこの為である)、これが渚の中性的な外見の一因であったことが発覚する。このような環境下で育ったため渚は自身の人生を悲観し最近のゲームによくある「強くてニューゲーム」に喩えて「母の二周目」と呼ぶようになり、寺坂の命令を断れず自爆テロを行うようなネガティブで自虐的な性格になってしまう。


そして三者面談では烏間変装した(つもりの)殺せんせーが、なぜ渚が今の渚になったのかを理解したことで機転を利かし、変装のために被っていたヅラをひっぺがして「髪型も高校も大学も、親が決めるものではなく渚君本人が決めるものである」「渚君の人生は渚君の物であり、貴女のコンプレックスを隠すための道具ではない」「担任としてはっきり申し上げるが、渚君が渚君の意思でE組から出たいという意思を見せない限り、E組から出ることは認めない」という指摘を行ったがまるで聞き入れようとはせず逆上、息子に「最近妙にに逆らうと思ったら!!この烏間ってヅラの担任にいらない事吹きこまれたのね!!見てなさい!!すぐに私がアンタの目を覚まさせてやるから!!」と言い放ち去ってしまう。その後夕食に睡眠薬を盛り、渚をE組校舎に連行し「この校舎をあなた自身の手で燃やしなさい」と、とんでもない命令を出す。本人曰く「こうすれば罪悪感でE組に顔向けできなくなり、本校舎に戻る決心がつくだろう」という考えであった。

当然渚は拒否するが、それに対しても


誰が育ててやったと思ってんの!?塾行かせて、私立入らせて!!どれだけアンタに手間とお金掛けたか分かってんの!?仕事で疲れてんのにご飯作って!!その苦労も知らないで!!ツルッパゲのバカ教師(アニメ版ではヅラに変更されている)に洗脳されて逆らう事ばっか身につけて!!アンタという人間はねぇ、私が全部造り上げてあげたのよ!!


と逆上していた。(この時の広海の絵はもはや炎の怪物のようになってしまっている)


ここまで見ると同情の余地のない人物に思えるが、彼女がここまで歪んでしまったのにはれっきとした事情があった。実は渚の祖父母、すなわち広海の両親も現在の彼女に負けず劣らずの毒親であり、自身も両親に勉強ばかり強制され、髪型も渚とは逆に短髪しか許されないなどまさに児童虐待同然の管理教育に晒されたため女として青春を楽しめず、何より真っ当な家族愛を受けられぬまま育ってしまったことから、今となってはもはや両親のことは自分の人生を狂わせた元凶という憎しみの対象でしかなく劇中でも渚の前で彼らに関して語る際は吐き捨てるような一言を口走っており、親子関係は完全に修復不可能の域にまで破綻してしまっている。(渚は自虐的にはなってしまっても彼女ほど性根が捻じ曲がらずに済んだのは、父親がちゃんとした愛情を注いでくれていたのが大きいと思われる)

さらにそんな悲惨な家庭環境下での苦痛の努力も虚しく、憧れの一流大学や名門商社に入れず、子宝に望んでいた娘にも恵まれなかったことが深い心の傷になり、そうした何一つ成功体験を得られなかった惨い経験から自分の人生をやり直したいという悲嘆と上述の歪みきった家庭環境のせいで正しい家族のあり方を知らずに育ってしまったことが相まって、夫への八つ当たりや息子への無茶苦茶な押し付けに繋がってしまい、皮肉極まりないことに今や彼女自身がこの世で最も忌み嫌う存在である両親と大差ない人間に成り下がってしまった。

その意味では、殺せんせーと出会う前の一部のE組生徒たちの背景と重なるものを抱えており、特についこの間まで子供の頃の広海とほぼ同じ境遇にあった神崎竹林の二人は殺せんせーと出会えていなかったら彼女のような大人になってしまっていたかもしれないという最悪の可能性も否定できないことから、もし二人が彼女の過去を知れば否応なしに彼女が味わってきた悲哀や苦悩を理解できてしまうことだろうから同情を禁じ得ないことだろう。

渚と今は別居している夫も彼女を未だに心の底から見限れないでいるのは広海が心を病んでしまった背景に深く同情しているからでもある。

敗北の経験を知らずに成長してしまったことで歪んでしまったシロこと柳沢誇太郎が最後の期末テストで「A組が成長したE組との勝負で正しい敗北を学ばなかった場合のIF」とは対照的に勝利の経験を知らずに成長してしまったことで歪んでしまったのが彼女と言えるのと同時に…もしも、E組の生徒達があのまま殺せんせーと出会えず、ただの落ちこぼれのままで、特に神崎と竹林のように親の鎖に縛られ続けられていれば、やがてこうなってしまっていたかもしれないというE組のIFを象徴する存在ともとれる。


殺せんせーの影響で反発を繰り返すようになった息子に怒り狂う広海に対し渚は自分の意思を伝えようと決意するが、そこに殺せんせーを狙う殺し屋がおり(後に広海本人には不良だと説明)、邪魔者と判断され命を狙われそうになる。だが、覚醒した渚によって救われ、更に卒業と称する形で「これ以上エゴを押し付けるようなら広海の元から姿を消すことも厭わない」と彼に自立を宣言されショックで気を失う(その前に殺せんせーから「決して貴女を裏切ってる訳じゃない、誰もが通る巣立ちの準備を始めただけ」と諭される)も目を覚ました後、もう渚は自分の代わりではないと悟ったのか、それを機に「できる範囲の家事は渚がやる」という条件付きで息子の自立を認める。


その後、頭では渚の自立を認めてはいても心の方はまだ完全には納得できずにいたことから、どうして渚がそこまでしてまでE組に留まろうとするのかを詳しく知るために学園祭に訪れ、そこでこれまで自分の前では見せたこともない笑顔でかつての自分が最後まで手に入れられなかった青春を楽しむ息子の姿を見てE組を出ることを拒んでいた理由をようやく納得した他、渚の成長に驚きつつも寂しさを感じていたらしく「成人するまでは家にいて欲しい」「折角本当に親子になれたんだから心配くらいさせてよ」と言っており、紆余曲折を得て渚とは和解できたようである。そして帰るときに渚に校舎へ放火させようとしたことを烏間に謝罪したが、面談の時にいた烏間が殺せんせーの変装と知らなかったため(本物の烏間とも面識がないため無理もないが)、本物の烏間をカツラだと勘違いして「ヅラの件は黙っておきますね」と発してしまうという天然な一面を見せた。そして烏間は発端の殺せんせーに対し「俺がヅラってどういうことだ」と激怒する事となった。


最終章である殺せんせー救出編では、殺せんせーを救うためE組校舎へ向かう準備をしようと部屋に忍び込んでいた渚(当時E組は直前まで軟禁されていた)を目撃し、「全力でしていた挑戦とは暗殺の事だったのか…!」(この時点で暗殺教室の存在が世界中に暴露されていたため、当然彼女も真相を知った)と怒りそうな素振りを見せたが、すぐに落ち着きを取り戻し、渚の説得を受け入れて「自身の願望を鑑みた上で進学先を選んでくれた、そんなあなたのやりたいことならきっとそれは正しいはず」、「いってらっしゃい、無茶だけはしないでね」とE組校舎に向かう渚を見送った。が、流石にアパートのベランダから他所のビルに飛び移っていく渚の姿には「む…無茶とは一体…」と唖然とする様子を見せていた。


そして卒業式の後、夫と共に渚のもとに現れた。話によれば妻と話し合うよう生前の殺せんせーに説得された夫と話し合い、そして和解できたというのである。こうして久々に揃った潮田家の面々は3人でまたやり直す事を誓い、ようやく本当の家族になることができたのであった。


親の鎖

親の鎖

この作品では、子供の頃の広海自身や渚のようにいわゆる「親の鎖」に苦しむ生徒が何名かいる。


  • 神崎有希子:肩書きばかり求める父がおり、その父に同じ職業である弁護士になることを強要された。
  • 竹林孝太郎:病院を営む家族と東大医学部に通う兄がおり、彼らによって「エリート一族の出来損ない」という焼き印を押され家族から除け者にされている。
  • 自律思考固定砲台:授業中の発砲を見かねた殺せんせーにより改良され協調性を身につけるが、開発者に「暗殺に不要」という理由で取り外される。しかし協調性が必要と判断したため開発者の意向を無視し、消去される前に関連ソフトをメモリの片隅に残すことによって協調性を保持した。
  • 狭間綺羅々メルヘン趣味なのに気に入らないことがあるとヒステリックに喚く母がおり、「こんなストレスのかかる家庭で名前の通り綺麗に育つわけないのに」と語っていた。とはいえ、性格に難こそあるが他の親と比べるとまだまともな部類でもあったりする
  • 木村正義:警察官の父によってとんでもない名前をつけられた(息子が生まれて浮かれていたらしく母も特に反対していなかった)上に抗議したら「折角親がつけてやった名前に文句あるのか」と逆ギレされたという。
  • 千葉龍之介速水凛香:両親に無口なのをいいことに過度な期待を寄せられ、本心を理解してもらえずにいる。

一応ほとんどの生徒は殺せんせーに諭されて立ち向かったり乗り越えることができたが、そんな彼らと同じ境遇にあったかつての広海には不幸なことに彼らにとっての殺せんせー、そして殺せんせーにとっての雪村あぐりのような周囲に手を差し伸べてくれる人間がいなかったことから上述のようにかつて毒親に育てられた子供が新たな毒親に育ってしまうという負の連鎖の道筋を辿ることになってしまった。

そのことからまさに広海は上記の彼らがもし殺せんせーに出会えなかったらというIFを体現する大人だったと言えるのかもしれない。

そして現実にも毒親、児童虐待など、問題のある親に苦しめられている子供は多数存在し、作中の広海がそうだったように家族の暖かさを知らずに育ってしまった子供がその苦しみの果てにやがて新たな毒親に成り果ててしまうという例は今でも絶えない。

こういった子供を取り巻く問題をネタとして表現できるのもこの漫画の凄いところでもあろう。


余談

余談

  • pixiv等二次制作において髪を黒く描かれることが多いが、アニメにおいて発覚した髪の色は青であった。
  • 広海を演じた三石琴乃氏曰く、原作資料を見てとても気に入ったという。彼女を演じるにあたっての音響監督からの第一声は「見ている人に嫌われたい」と言われていたらしく、三石氏も「何を言ってるかわからない位負の感情を込めた」と語っていた。実際、渚への説教(虐待)シーンなどは三石氏の熱演で原作以上に狂気が増しているため一見の価値ありである。
    • ちなみに三石氏自身も子育て経験者であり、前年の某特撮作品での演技について「子育ての経験を活かした」と語っている。広海の演技にもそれが活きている可能性が高い。
  • 単行本19巻の(渚を送り出した回の直後にあたる)おまけページでは「…でもね渚 帰って来たらおしおきよ」との台詞と共にあの人を思わせる構えを披露。アニメでの配役から察するに中の人ネタだと思われる。また、卒業アルバムの時間によると車を改造することや美少女アニメが好きという一面も明らかになった。どれだけ女を磨くことを望んでいたかが窺える。(ウィッグなどを使うなどで)是非ともあれからでも髪を伸ばしたりして欲しいと思う読者も多い。

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