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第五遊撃部隊

だいごゆうげきぶたい

第五遊撃部隊とは、アニメ『艦隊これくしょん』第5話から登場した主人公・吹雪の所属する部隊。
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本記事はアニメ『艦隊これくしょん』第5話以降のネタバレを含みます。










概要

第5話において提督の命令で艦隊の総入れ替えが行われ、鎮守府の全ての艦娘達は、それぞれ新しい部隊へと配属されることになった。主人公の吹雪が所属することになったのが、この第五遊撃部隊である。


第五遊撃部隊について、吹雪の古巣・第三水雷戦隊の仲間であった睦月は「新しく結成された特別艦隊」と言っていたが、その実態は、提督が艦種のバランスや艦娘としての性格的な相性を考慮しているのか怪しいほど、組み合わせに難ありな部隊であった。


メンバー

戦艦が1人(金剛)、正規空母が2人(瑞鶴加賀)、重雷装巡洋艦が2人(北上大井)、そして駆逐艦が1人(吹雪)の計6人で構成されている。


個々はそれぞれ強みを持った、優秀と称して差し支えないメンバーだが、上記のように艦種の統一や性格的な相性は、全くと言って良いほど考慮されていなかった。


最悪なチームワーク

艦種のアンバランスさもさることながら、この部隊の最大の問題点はチームワークの悪さにあった。


  • 瑞加賀こと瑞鶴と加賀には、傍目にも明らかな反目があった。加賀は、第4話で陸奥に(金剛型の高速戦艦と並ぶ)鎮守府の「エース」と称された一航戦の空母で高い実力を持つが、それ故にプライドも人一倍高く、他者を見下していたところがあった。一方の瑞鶴五航戦の空母だが、十分に高い実力の持ち主であり、負けん気の強い性格も相まって、格下扱いに反発していた(史実では、瑞鶴こと翔鶴型空母は、戦艦の船体を改装した加賀以上に高い完成度を持った新鋭空母であった)。
  • 大北こと、マイペースな北上と盲目的なまでに北上にラブラブな大井の間には、何者も介入できない空気が醸し出されていた。特に大井は、北上と過ごす時間を邪魔されると途端に機嫌が悪くなり、吹雪もどのように接していいかを掴みかねていた。
  • 金剛は、第4話で気さくでありつつも頼もしい面を見せたものの、その場のノリと勢いで物事を進めてしまうところのある艦娘である。特に如月の轟沈によって鎮守府の雰囲気が沈んでいた中、と共に漫才同然のライブを始めた点には、(考えあっての行動だったとはいえ)首を傾げた視聴者もいる。
  • そして、未熟かつ艦種としても地位が低い駆逐艦の吹雪である(『艦これ』の大半の創作では、大型艦種の方が地位が高い事になっている。史実の日本海軍でも、駆逐艦ははいわゆる『菊の御紋』を与えられない地位の低い艦であった)。

部隊崩壊危機を乗り越えて

このようなアクの強い艦娘が揃ったため、当然部屋割りや旗艦決めの際に、メンバーは大いにもめた。結局、旗艦については金剛の提案で交代で行ってMVPを獲得した者が行うということで落ち着いた。


しかし、その結果は・・・・・・

  • 金剛⇒失敗。「作戦が強引過ぎます」と加賀に評された。気心の知れた妹達とは違い、結成直後の互いをよく知らない状態では、ノリと勢いだけでは上手くいかないのだろう。
  • 瑞鶴⇒史実どおりアウトレンジで決めようとしたが失敗。加賀に指示を無視されたことも失敗の原因だと主張していたが、加賀には「明らかに間違った指示には従えない」と評される。
  • 加賀⇒失敗。他のレベルが低いことが原因と言い訳したが、自身も緒戦で中破するという失態を犯している。瑞鶴が旗艦の時に指示を無視したこととあわせ、ちょっと大人げない。
  • 北上&大井⇒失敗。特に大井は北上を中心とした輪形陣という無意味な指示を出す。「指示がnothingでしたネー」とは金剛の評価。もともと、自分たち2艦以外の艦への関心が薄いこともあり、全体を見て指示を出す役割には向いていないようだ。

このように、MVPどころか五連敗という散々な結果に終わる。結果を出すことのできない状況では部隊の雰囲気は悪くなる一方であり、チームワークが改善する兆しすら見えなかった。


「こんな状態で本格的な反攻作戦になったら、他の艦隊の足を引っ張るだけよ」


瑞鶴は提督に部隊の配置換えを進言するべきと提案。加賀や大井、北上が賛成する中で吹雪は、


「せっかく新しい艦隊になったばかりなのに・・・・・・」


と発言。しかし瑞鶴は、


「だからこそ早い方がいいのよ。どうしたって分かり合えない関係っていうものは存在するの。そんな者同士が近くにいても、互いに辛いだけでしょ?」


と取り合おうとしない。そんな時だった……

瑞鶴は吹雪が加賀からもらった手ぬぐいを折って作ったウサギが目に留まり、


「可愛いわね。今度作り方教えてよ」


と褒めた。瑞鶴のこの発言とその時の加賀の表情を見た吹雪は、彼女たちは分かり合えるのではないかと考えたのだろうか、この艦隊でもう少し頑張りたいという意思を瑞鶴に伝える。その発言を受け瑞鶴が何か言いかけた瞬間、鎮守府近海に雷巡チ級を中心とした敵深海棲艦の艦隊が出現。第五遊撃部隊は六度目の出撃を行うことになった。


度重なる失敗によるメンタルの悪化と、戦力的には圧倒的に有利な状況で慢心したこともあって、メンバー達は戦いの基本を見失いかけていた。敵状も十分に確認しないまま、大井、北上、瑞鶴らが突っ込もうとしたその時だった。


「敵の戦力にかかわらず、艦隊として規律を持って戦うことが大切だっていつも演習で教わってきませんでしたか?」


と慢心を戒めたのは、ここまで旗艦をこなしていなかった吹雪だった。ここから彼女はメンバーに矢継ぎ早に指示を出し、自らは前進して敵を引きつける役目を担うことで、敵艦隊を「規律を持った戦いぶり」で撃退することに成功、第五遊撃部隊の初めての勝利をもたらした。その結果、吹雪は金剛達メンバーの推薦を受けて、旗艦に指名されたのだった。


アニメ提督の意図はともあれ、物語的に見れば「アクの強いメンバー達を主人公がまとめ上げる」という王道な編成となったのである。ちなみに、部屋割りは吹雪・瑞鶴・加賀、金剛・北上・大井、がそれぞれ同室のようである。当初は同じ部屋になることすら拒否していた瑞鶴と加賀が同室なのは、旗艦となった吹雪の計らいであろうか。


ちなみに第8話で、アニメ提督と秘書艦長門が共に、「あの面子をよくまとめている」と吹雪を褒めていることから、アニメ提督もそれなりに問題が多い事は気づいていたらしい。


その後の部隊の戦歴

第7話では冒頭の遭遇戦で雷撃を受けそうになった瑞鶴をかばって加賀が大破し離脱。一時的に瑞鶴の姉の翔鶴が加入する。


間もなく開始されたMO作戦ではこの編成で出撃。道中の珊瑚諸島海域では空母ヲ級を中心とした敵機動部隊を発見。先手を打ち、ヲ級を中破させて艦載機を発進不能な状態にさせた。艦載機を出せなくなったヲ級を含む残敵の掃討に向かうにあたって、吹雪は、空母の翔鶴と瑞鶴を部隊から切り離し、先行する夕張達のもとへ向かわせることにした。


この空母二人を別行動させた吹雪の采配に、視聴者から疑問が示されることになる。というのも、夕張達との合流を目指していたとはいえ、合流するまでの間は空母が護衛なしで航行するという、非常に危険な状態に置くことになるからである。更に言えば、敵に自分達が使用している暗号が解読され作戦が知られている疑念がある(このことはこの時点では彼女のみが知っていた)にもかかわらず、である。


ただ、吹雪の意図としては、以下の2点から空母2人を切り離した方が安全と判断した可能性がある。

  • 事前に翔鶴と瑞鶴に二段索敵を指示して、かなり密な索敵を行っていた結果、近海には他の敵はいないと結論付けた。
  • 巡洋艦を含む敵を掃討するにあたっては接近戦を行うことになり、その場合、空母は敵の砲雷撃から遠ざけておく方が安全である。

敵は、吹雪達の裏をかこうとしていた。

夕張達との合流を目指していた翔鶴と瑞鶴は、隠れていた別のヲ級(後に視聴者から隻眼ヲ級と呼ばれることになる深海棲艦)を中心とした敵艦隊に襲われたのである。翔鶴は中破して空母としての機能を失い、瑞鶴は姉を脇に抱えて(曳航)単独での戦闘を余儀なくされる。翔鶴達の必死の抵抗とぎりぎりで駆けつけた吹雪達によって辛くも隻眼ヲ級を大破・撤退に追い込んだが、翔鶴の損傷によって、MO攻略は再び作戦の立て直しが必要になった。この結果について、8話で長門と陸奥は「戦術的には勝利だが、戦略的には敗北」と評した。


第9話をもって第五遊撃部隊は解散。多少の問題はあったものの、吹雪が旗艦に就任後は空母を一隻撃沈、一隻大破させるなど、戦術的には十分な戦果を挙げ、メンバーの性格面における成長(特に吹雪と瑞鶴)を促し、最終話において総力戦となったMI攻略作戦で全ての艦娘が自分の役目を果たして協力し勝利する遠因となったという点で、この編成は有意義であったといえるのかもしれない。


ゲーム的な解説

この第五遊撃部隊、ブラウザゲームで編成してもかなり強い。

高速戦艦1・正規空母2・雷巡2・駆逐艦1という組み合わせであり、現時点でいずれの艦娘にも全て改二が実装され、制空権確保も開幕雷撃も叩き込めるため駆逐艦の是非を置いておけば十分なガチ編成である。


更に詳しく解説すれば、加賀は現状最多の航空機搭載数を誇る最強の空母であり、瑞鶴の方も搭載数は加賀・大鳳に続いて第3位であり、耐久・装甲・回避といった生存に関わるパラメータが全体的に高い。実際、中破でも攻撃できる大鳳が実装される以前は、この2人を組ませて出撃させていた提督も多いだろう。


また、金剛は戦艦勢の中で数少ない高速戦艦であり、空母部隊のお供としては申し分ない。北上・大井は、甲標的を装備することで砲撃戦開始前に強力な先制雷撃を行えるため、(当たりさえすれば)敵艦隊を最大2隻まで撃沈ないしは無力化できる。また、夜戦では全艦娘中No.1の火力を誇り、高耐久高装甲のイベント海域のボスを倒すには必須と言われているくらいである(ただし、海域によっては雷巡を入れると遠回りになったり、ボスルートから逸れる場合もある)。


吹雪を旗艦に据えることも、ゲーム的に見ると「旗艦を庇う」システムのおかげか弱い駆逐艦の大破確率を減らす事に繋がるため理に適っており、吹雪改二の高い対空性能を生かした対空カットインもしくは対潜装備を充実させての潜水艦哨戒と、大型艦には難しい役割を担うことができる。


そして、アニメの放送終了からしばらくして瑞鶴に改二、及び改二甲が実装され火力において空母の中でもトップクラスに躍り出た。同時期に実装された任務をこなすことで零式艦戦53型(岩本隊)を手に入れることが可能になり、これを加賀の3番目の装備スロット(搭載数:46)に乗せれば圧倒的な制空値を叩き出す。これにより加賀を戦闘機キャリアーにして打撃を瑞鶴に一任することでより安定した攻略が可能となった。もとより正規空母の中でも下の方の火力の加賀なので、この選択肢もアリなのだが、戦闘爆撃機をのせて最低限の攻撃能力を保持させるという選択肢もある。


これらの特性により、第五遊撃部隊は総じて対水上・対空に長じた編成だといえるだろう。限定的ながら対潜攻撃も行える。


ただし、ゲーム中では艦娘同士のやり取りが行われないため、提督の目線としてはどこに問題があるのかわからないかもしれない。アニメではあくまで現場からのいざこざともいえよう。

艦これアニメ五話あふたー

↑細かい編成を知らない深海棲艦側の評価。


カップリング的な要素

特に瑞鶴+加賀+吹雪の側面が強く、第5話のラストは吹雪によって瑞鶴と加賀の距離が少しだけ縮まったような雰囲気を魅せた。アニメ版の吹雪は赤城に憧れを抱いており、最終的には赤城の護衛艦として一緒の艦隊で戦うことを目標としている。そのあたりから吹雪と加賀が打ち解ける可能性が見えてくる回でもあった。


史実

実は、史実においてこの6隻が全て同時に同じ艦隊に所属していた事実はない。つまり、史実には第五遊撃部隊の元ネタとなる艦隊・部隊は存在しない(吹雪のモデルとなった駆逐艦「吹雪」が戦艦や空母を率いて部隊旗艦として指揮したとするような事実もない)、完全なる『艦これ』オリジナルの編成である(強いて言うならば、第一艦隊が近いか?)。


史実で各々が所属していた部隊は、

吹雪:第十一駆逐隊

金剛:第三戦隊

北上・大井:第九戦隊第十六戦隊

加賀:第一航空戦隊

瑞鶴:第五航空戦隊→第一航空戦隊 ※ミッドウェー海戦後なので、加賀と共に編成された期間は存在しない→第三航空戦隊

であり、いずれの艦も所属艦隊・所属時期・部隊共に異なっている。


そもそも、帝国海軍において駆逐艦が艦隊・部隊の旗艦を務めた例は、礼号作戦における第一挺身隊旗艦の、一時的に第八艦隊の旗艦となった雪風など、数えるほどしか存在しない。


ゲームではレベリングのために、あるいは大破撤退を防止するため「旗艦に練度が低く脆い駆逐艦を据える」というのは非常によくある話だが、史実の帝国海軍では、見栄えの点から見ても実際の運用面(指揮・通信機能、艦そのものの生存性・防御力から考えても、艦の規模そのものが小さい駆逐艦に旗艦任務を任せるのは非合理的である)から見ても「(艦首に菊花紋章を持たない、小規模な)艦艇」である駆逐艦が旗艦で、「(艦首に菊花紋章を持つ、比較的規模の大きな)軍艦」である戦艦・空母・巡洋艦が随伴というケースは殆ど考えられなかったのである。


豊田副武連合艦隊司令長官も、連合艦隊旗艦に軽巡洋艦大淀が抜擢された際には「ここで戦死したら日本海軍の足元を見られる」「大淀は防御力が低いから嫌だ。どうせ死ぬなら大和型の上で死にたい(要約)」と苦言を呈したと伝えられるほどだ。軽巡洋艦でこうなのだから、軍艦ですらない駆逐艦を艦隊旗艦にするなどまず考えられなかったはずである。


したがって第五遊撃部隊は「自分だけの艦隊を編成する」という『艦隊これくしょん』の謳い文句を忠実に再現した物だと言えるだろう。


関連タグ

艦隊これくしょん(アニメ) 艦これ集合絵

第三水雷戦隊 - アニメ版吹雪の古巣

瑞加賀大北 - ある意味これらのカップリングの延長線でもある。

第十四駆逐隊 - ライトノベル『陽炎、抜錨します!』のオリジナル部隊。提督に難あり人材を押し付けられるものの、駆逐艦が旗艦として仲間達を引っ張るという構図が似ている。ただし、第五遊撃部隊との相違点として、あちらは「同一艦種である駆逐艦のみで構成された駆逐隊」という部分がある。

甲板胸 - 大井が瑞鶴の胸部を揶揄して出た言葉。

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