概要
菅田将暉と有村架純のW主演、坂元裕二のオリジナル脚本による恋愛映画。坂元脚本と土井裕泰監督のタッグは2017年放送のTBSドラマ『カルテット』以来となる。
2015年から2020年までの現代日本を舞台としており、また主人公二人がポップカルチャー好きという設定から、当時の時代を彩った実在の作品名、人名の数々が作品テーマのメタファーを兼ねて登場する。
公開後、口コミで評判が広まり興行収入は35億円を突破。東京テアトルの配給作品としては歴代1位となる成績を収めた。
あらすじ
2015年、山音麦と八谷絹はともに大学生だった。麦はGoogleストリートビューに自分が偶然映りこんだことを奇跡と吹聴するような、いまいちパッとしない学生生活を送っていた。絹は脈ありと思っていた男子から食事に誘われるも、あっさりかわされ、凹む気持ちを2014年FIFAワールドカップで起こった「ミネイロンの惨劇」よりはマシと思って慰めていた。
ある夜、京王線明大前駅で終電を逃した若者たちは、深夜営業のカフェで朝まで時間を潰すことになる。その中に麦と絹もいた。偶然にも同じ店に神が客として来店していたことに興奮する麦だったが、それに共感してくれたのは絹だけだった。場所を変えて二人で話すうち、同じ日に天竺鼠のライブを行きそびれていたこと、お互いの好きな作品が次々と一致したことで意気投合し、麦のアパートで穏やかな時間を過ごす。連絡先を交換した二人はたびたび会うようになり、恋人同士になるまで時間はかからなかった。
大学生活の終わり、麦は夢であったイラストレーターを目指し、絹は就職活動を始める。しかし絹が圧迫面接を受けて追い詰められたのを機に、二人してフリーターとなり、多摩川沿いのアパートで同棲を始める。
麦はインターネットでイラストの受注を始めるが、安定した生活を望む絹の両親に窘められ、麦の実家からは仕送りを止められてしまう。絹が簿記の資格を取得して事務仕事を始める一方で、麦のイラストは安く買い叩かれるばかりだった。麦は「仕事をしながらでもイラストは描ける」と就職を決意するが――
キャスト
山音麦 - 菅田将暉
八谷絹 - 有村架純
加持航平 - オダギリジョー
八谷早智子 - 戸田恵子
八谷芳明 - 岩松了
山音広太郎 - 小林薫
羽田凜 - 清原果耶
水埜亘 - 細田佳央太
土志田美帆 - PORIN(Awesome City Club)
登場する主な作品・人物
- 文芸 - 今村夏子『ピクニック』、滝口悠生『茄子の輝き』、穂村弘、長嶋有、いしいしんじ、堀江敏幸、柴崎友香、小山田浩子、舞城王太郎、保坂和志、佐藤亜紀、「たべるのがおそい」
- 映画 - 押井守、新海誠、『ショーシャンクの空に』、『魔女の宅急便』、『シン・ゴジラ』、『希望のかなた』
- 漫画 - 『ゴールデンカムイ』、『きょうの猫村さん』、『宝石の国』
- 音楽 - Awesome City Club、GReeeeN、きのこ帝国、フレンズ、SEKAI NO OWARI、SMAP
- ゲーム - 『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』、『パズル&ドラゴンズ』
スタッフ・データ
監督 - 土井裕泰
脚本 - 坂元裕二
製作 - 有賀高俊 / 土井智生
音楽 - 大友良英
撮影 - 鎌苅洋一
編集 - 穗垣順之助(J.S.E.)
制作 - フィルムメイカーズ / リトルモア
製作 - 『花束みたいな恋をした』製作委員会(TBSスパークル / 東京テアトル / テレビ東京 / JR東日本企画 / フラーム / CBCテレビ / 毎日放送 / 朝日新聞社 / KDDI / テレビ大阪 / BSテレビ東京 / TCエンタテインメント / フィルムメイカーズ / リトルモア)
配給 - 東京テアトル / リトルモア
公開 - 2021年1月29日
上映時間 - 124分
製作国 - 日本
言語 - 日本語