運命の番?ならばその赤い糸とやら切り捨てて差し上げましょう
うんめいのつがい
小説投稿サイト『小説家になろう』にて2019年8月から連載されている。作者は音無砂月。イラストはiyutani。コミカライズ版は南澤久佳 。TOブックスから発行されている。既刊2巻。漫画版は現在4巻まで発行されている。所謂、運命の人を題材としたファンタジー小説でなろうを始めとしたサイトで閲覧出来る運命の番というジャンルのアンチテーゼ的な作風が特徴。漫画版は原作と展開が異なり、原作で唯の人間のクズ又は人外のクズとして描写された悪役に哀しい過去があったりと設定が加えられている。
人族であるエレミヤは獣人族の中で最強と言われている竜族が治めている国、カルディアス王国の国王カルヴァンの元へ嫁ぐ。
ところがカルヴァンには既に番が存在していた。しかし、番であるユミルは平民の為正妃にはできない。番を愛さずにはいられない獣人族の性に従い、カルヴァンはユミルを愛し、番でもないのに正妃の座に居座るエレミヤを蔑ろにする。獣人族である使用人もそれが当然という構え。
ならば仕方がないとエレミヤは反逆をすることにした。
エレミヤ・クルスナー
テレイシアの第三王女であり、カルディアス王国の王妃。銀髪の美少女であり、テレイシアの女王である姉から様々な教育を受けた才女でもある。公平に他者に接する聡明な性格で強い意志と高い行動力を持ち、人を惹き付けるカリスマ性を持っている。基本的に他者の心情を大事にするタイプであり、臣下でも自分の意思を曲げさせる様な命令はしない。だが、カルヴァンの様に王族としての責任感や国民の為に成長しようとする向上心が無い為政者には非常に厳しい一面も持っている。
ヘルマ
エレミヤの侍女。ユミルの間者であり、エレミヤを陥れ様とするが、失敗して城を追われる。漫画版では、根は悪い人間ではないが、過去にユミルを貴族からの嫌がらせから庇えなかった罪悪感と権力に溺れる今の彼女への恐怖から従う人間として描写されている。
シュヴァリエ
エレミヤの護衛。実力は高いが、父親が不祥事を起こしてしまった事で出世コースから外れてしまった騎士。エレミヤ個人に忠誠を誓い、妹と共にノワールと再婚した彼女に付き従う。
カルヴァン・フロリアン・カルディアス
カルディアスの国王。竜族。為政者として無能の一言に尽きる人物。ジュンテーレ公爵を始めとした悪徳貴族にいい様に国を貪られており、優秀な貴族達からの人望は全く無い。ノワールとカルラから蔑みを籠めて「トカゲ」と呼ばれている。ユミルに対する盲目的な愛情が道を踏み外し、破滅へと突き進む事となる。漫画版では、彼が運命の番に拘る原因でもある凄惨な過去が描写されている。
ユミル
カルヴァンの番。人族の元平民。ジュンティーレ公爵家の養女。原作では同情の余地の無い人間のクズとして描写されているが、漫画版では家族を養う為に娼婦をしていた過去を持っており、家族を始めとした環境に恵まれなかった哀しき悪役として描写されている。
クルト・ワイル・クリーンバーグ
カルディアス王国の騎士団長。カルヴァンの幼馴染。公爵によってカルヴァンとの関係で選ばれたので立場相応の実力の無い馬鹿でカルヴァン同様にフォンティーヌの足を引っ張っている。漫画版では、エレミヤの親衛隊の隊長となったシュヴァリエと比べられ、城の人間からも馬鹿にされている。
フォンティーヌ・ゴーギャン
カルディアス王国の宰相。カルヴァンの幼馴染。カルヴァンやクルトと違い、非常に優秀な人物。母親が番と出会った事で家族を捨て、番の元に行ってしまったという過去を持っている、その為、運命の番に対して忌避的な感情を持っている。公爵が国を牛耳る為に優秀な人物を左遷させたので公爵達の公私混同の尻拭いを始めとした仕事をこなしている苦労人。公爵の失脚後、カルディアス王国の国民達の為、カルヴァンを見限り、エレミヤとテレイシアにカルディアス王国を明け渡す。
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一般サイコパス…なろう系漫画への批判動画を主に出している事で有名なYouTuber。本作の漫画版は主人公を始めとした登場人物の行動に理由付けがされている事や上記のフォンテーヌの紹介にある通りに運命の番の問題点をしっかりと描写している等からこの人物からの評価が非常に高い(原作者に敬意を表すレベルで)。
鬼の花嫁…本作で例えると、カルヴァンとユミルに相当するキャラクターが主人公の恋愛小説。ちなみにこの作品の主人公はユミルと違い、頭は少し悪いが、性根から善良な人間である。