概要
仏教国スリランカの伝承に登場する、仏敵マーラの騎獣である巨大な黒象。
初出作品はFCで発売された 「女神転生Ⅱ」で、種族は“幽鬼”。
誤植の為か名前が『ギリメカテ』表記だった。
基本的に剣を持った一つ目の象頭人身の姿か、巨大な象そのものという姿であり、シリーズを通してかなり高い登場率を誇る。
女神転生シリーズのギリメカラを語る上で外せない特徴は、物理反射という驚異の防御相性であろう(なお、原典のインド神話ではシヴァやその息子であるナンディによって首を斬り落とされている)。メガテンシリーズでは魔法の威力は基本抑え目であり、剣攻撃の威力が伸びやすく弾薬やMPを消費しないリーズナブルな攻撃手段と言う事から「とりあえず物理で殴れば事足りる」と言うバランスなのである。そして終盤になり多段武器で悪魔を蹴散らしている所に、剣攻撃にメタを張る物理反射のギリメカラが立ちはだかる。
これによりAUTO戦闘に頼りきったプレイヤーに多くのトラウマを植え付けてきた。
もっとも、最近は有名になりすぎて初心者でもない限り物理攻撃してくるプレイヤーが少ないのが悩みらしい。
作品によって、ギリメカラの防御相性やシステムが様々なので以下に列挙する。
女神転生シリーズ
ベルゼブブの住まう「おそれのやま」にて初登場。
この頃は反射ダメージ自体が微々たるもので、むしろ所持している即死魔法「ムドハンマ(最大3体呪殺)」の方が厄介な存在。
ガン攻撃が有効(それでも25%に軽減)であり、さらに通常攻撃がガン相性の仲魔が多かった。
なおこの作品では「ギリメカテ」と誤植されていた。
同じく「おそれのやま」に出現する、複数体で登場し高確率でムドハンマとテンタラフーを放ちパーティの撤退成功率がやけに低い夜魔サウォバクの存在と合わせトラウマスポットとして名高い。術反射の手段・対呪殺防具必須。
真・女神転生シリーズ
今作より種族“邪鬼”の最高位悪魔として登場。剣攻撃のみ反射で、ガン攻撃や技・突撃・針相性は有効。
この作品から攻撃反射の概念が与えられたダメージを全て返すというものに切り替わったことや、AUTO戦闘システム、強力な合体剣・武器、ギリメカラ自体がラストダンジョンに出現するなどの要素が絡み、初見殺しとして多くのメガテニストに衝撃を与えた。
所持スキルも状態異常攻撃ばかりで、どこまでも嫌らしい悪魔である。
なお、この頃は攻撃反射の原理について、「近距離で攻撃してきた相手に幻覚をかけ、自分自身を攻撃させているから」と説明されている。
種族は“邪鬼”。剣・ガン・技系反射という物理攻撃に対して鉄壁の防御相性を誇るが、それ以外の攻撃は全て大ダメージを受ける。
今作のギリメカラは、旧都庁の魔法禁止エリアにも出現するなどシリーズでも悪名高い。さらに「if...」ではエナジードレイン攻撃も使用する。
種族は“邪神”に昇格。今作ではついにボス悪魔として登場し弱点も完全克服。通常出現するギリメカラも呪殺無効相性やランダマイザ(全能力ダウン)を所持する。
なお、今作で採用されたプレスターンバトルシステムにおける“攻撃反射”は全プレスターン消費の為、誤ってギリメカラに物理攻撃を繰り出そうものなら問答無用で敵にターンが回るので、反射ダメージはもとより辛うじて生き残ってもパーティ壊滅の危険性が格段に跳ね上がる仕様。
一方で特殊合体が必要であるが仲魔にすることができれば、高確率で敵からターンを奪うため道中ではとても頼りになり、高位DARK合体の材料としても優秀。
マニアクス/クロニクル版では「貫通」スキル持ちという洒落のきいたギリメカラをある人物から購入できる。
チャレンジクエスト「トレーニングバトル5」において“反射を駆使して敵にダメージを与え11ターン以内に撃破せよ”という条件の下で勝負する敵悪魔として登場。同クエストは条件にもあるように、物理反射相性を持つギリメカラに対して要求コストやスキル使用タイミングを予測して反射ダメージを与えて行くという洒落の効いた構成となっている。
当初は主人公を“悪ガキ”呼ばわりして己の防御相性を鼻にかける態度を取るが、テトラカーンによって自身の攻撃が反射されたことに驚きを見せる。さらに的確な立ち回りで自身を次第に追い詰めていく主人公を“サムライ”と評して考えを改め、最後は己を倒した腕前を称えながら倒れる。
なお、クエスト内のギリメカラはわざわざ最初の回復タイミングを教えてくれるという優しい一面も見せている。
種族こそ真Ⅲと同じく邪神だが、防御相性自体は真Ⅳに準ずるという仕様である。
今作のギリメカラには二種類の特殊会話が実装されている。
ガネーシャを連れた場合の会話では、ガネーシャが同じ象の悪魔として自分とギリメカラは本来同種の存在が異なる神話において別の形になったもの、分身ではないかと問いかける。しかしギリメカラがその説を否定したためガネーシャは落胆してしまうが、ギリメカラは探していればいつか分身も見つかるとガネーシャを激励して餞別(物反鏡)を渡すという構成である。
マーラを連れた場合の会話では両者が旧交を温めるという内容だが、マーラが昔のようにギリメカラに乗せて貰おうとするも絵面のまずさからギリメカラに断られ、次にマーラがギリメカラを自分に乗せようとするもやはり危ない構図になるので断るというものである。なお、ここでのギリメカラは「マーラ様」と呼んでいるが、基本的に両者対等の口ぶりで会話を行っている。
また、ダアト:品川区のコウナン四丁目には巨大なギリメカラが存在し、千代田区のケルピーからで受注できるサブクエスト「雨露の如く」において討伐対象として指定される。
同クエストは妖精の集落に棲むケルピーが生気を失った同所の樹木を潤すために“ギリメカラの首”を求めて主人公に協力を要請するというもので、ケルピー曰くギリメカラの首をジョウロのように用いて妖精の集落全域に水をまくことで樹木を活性化させるとのことである。
鼻から水をまくことで降雨をもたらすアイラーヴァタと同一視されるギリメカラの神性と市販されているゾウを模したジョウロを組み合わせたネタと考えられるが、クエスト後に妖精の集落へ訪れるとケルピーから樹木が元に戻ったという報告を受けることから、効果は覿面だったようである。
つまりこういうこと。
デビルサマナーシリーズ
今までのデザインから一新して、巨大な象の姿で登場。
金子一馬氏によると、東映動画の「長靴をはいた猫」に登場する魔王が変身した象がモデルであるという。
呪殺・魔法攻撃に弱くなったが、エナジードレインを使うなど相変わらずの凶悪さである。
ペルソナシリーズ
後半のダンジョンにてLV53、種族“邪鬼”として登場。
物理攻撃で受けたダメージの半分を反射する耐性を備えているが、精霊魔法及び物理魔法に弱い。
単一攻撃のブフーラや威力が安定しないドラムロールパンチはさておき、性別無視でレベルを一つ下げるデビルスマイルや範囲攻撃でPOISON付与のどくガスブレスは脅威。
スペルカードはHIEROPHANTインドラを封神具合体で作成する際に必須のカードとなっている。
アルカナは“戦車”で物理反射持ち。なんと「罪」ではデビルサマナーのデザインをデフォルメしたような可愛らしい姿で登場した。しかし「罰」では真・女神転生の恐ろしい姿に戻ってしまい、パロディ4コマでもネタにされてしまった。
アルカナは“月”で物理反射こそ備えているが、弱点が多く有用なスキルも「ベノンザッパー」位しかない。
ただし「光からの大生還」を最も低レベルで覚える。
初期スキルは「マハラクンダ」「ムドオン」「電光石火」。LV51で「物理反射」を習得する。
敵シャドウとしても物理と銃反射を備えた「反逆する黒ゾウ」という名前で登場した。
物理反射と即死スキルを兼ね備えるため、先手をとられると厄介であり(運が悪ければ主人公に対するムドオンで即ゲームオーバー)、こちらが先手をとったとしてもSPを消費して魔法を撃つことを強いられる、とかなり鬱陶しい。
なお怪盗団のメンバー奥村春との出会いとなるパレスに出現することと、コープでの会話で象に関する話題が出ることからネタにされることがある。
その他のメガテンシリーズ
魔神転生Ⅱ
種族“邪鬼”の最高位悪魔として登場するが、このシリーズでは反射が存在しないのでさして強くない。
邪鬼という種族そのものがそんなに強くない(アギ弱点)上にステータスもレベルにしては並程度なので、武装した主人公で殴りかかればほとんど反撃で倒せてしまう。
シリーズ内でもっとも弱いと言える。
デジタルデビルサーガシリーズ
“鬼族”の悪魔で、破魔属性が弱点になるも火炎吸収や呪殺攻撃など総じて厄介な相手である。
レア悪魔として出会った者に上官のごとくふるまう“軍曹”ギリメカラが登場する。平均レベルが49以下の時は一撃をくれて何処かへ去って行くだけである。だが、実際の勝負ではその攻撃たるや物理・万能・呪殺攻撃のオンパレードで、対策なしで挑めば全滅必至の存在である。
デビルサマナーシリーズのデザインで登場。物理反射・銃吸収相性で、主人公専用の銃スキルが充実しているだけに、凶悪な存在である。
今作では初見の悪魔は『アンノウン状態』で登場し、相手の正体がわからないままで一度戦わなければならない。つまり、ギリメカラに物理攻撃を行う可能性が格段に跳ね上がっているのだ。
呪殺以外の魔法スキルが弱点なのでアナライズ後はデビルCO-OPで簡単に倒せる相手だが、別の悪魔を挟んで二体で出現するなど基本的に面倒である。
“邪鬼”の悪魔で登場。
一般登場悪魔ぐらいの扱いであるが弱点が衝撃属性なのでスキル構成が可能な今作では撃破が簡単な部類の存在である。翻って弱点属性が一つなので悪魔合体による補強がかなり簡易、氷結激化を載せたブフダインによる高い火力等、ある意味シリーズ作品中でユーザーに最も優しい仕様である。
また、センプテントリオンの一角ミザールは物理攻撃主体であるため、ギリメカラを投入すればほぼ完封できるという頼もしさを見せる。
真・女神転生 SYNCHRONICITY PROLOGUE
誘惑エリアのボスとして登場。なお、2Dアクションゲームとしての兼ね合いもあってか、象頭人身デザインである。
ジャックフロストとジャックランタンが自分の部屋に断りなく入ってきたという理由だけで襲い掛かる。
ギリメカラの攻撃パターンは
・跳躍からのボディプレス。ギリメカラの移動方法でもあり、プレイヤーの立ち位置に応じて着地点が変異するため下手な動き方をすると壁際に追いつめられる。
・刀による斬撃と衝撃波。
・ポイズンブレス。攻撃範囲は大したことが無いが、こちらの通常弾を打ち消す効果あり。
・画面を暗転させて刀を構えるカウンター。この状態で攻撃を加えると突進による反撃を繰り出してくる。
・赤と青の球体を上空に放ち、氷結と火炎の弾幕を降り注がせる。
今作ではジャックフロスト(ジャックランタン)の攻撃方法がブフ(アギ)のため、ギリメカラ自慢の物理反射は上記のカウンターぐらいでしか表現されていない(一応、銃撃無効相性は実装されている)。
ちなみにギリメカラを撃破した後にセーブせず、その後ミスしてコンティニューすると再戦時にメタ発言で忠告してくる。
多くの悪魔がデザインを小学生ユーザー向けに変更されてる中、ほとんど外見が変わらないデビルとして登場。