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概要編集

1995年に身延線急行「富士川」に運用されていた急行形電車165系の置換と特急格上げを目的として新製投入された。

投入経緯が似ている国鉄185系電車と同じく特急を中心としつつ快速や普通、ホームライナーなど多様な運用に対応するように設計されており、座席自体は特急型としては標準的なリクライニングシートであるものの乗客用扉は両開き2扉で、デッキと客室間にドアは設けられていない。

3両編成14本が製造され、全車が静岡車両区に所属。


構造編集

車体編集

165系の置き換え、使用目的の近い185系と関連して、両開き2扉デッキなしという、長距離ローカル電車の構造に近いものになっている。但し「デッキなし」と言っても「扉で仕切れるデッキがない」というだけで、西武4000系東武6050系のような完全に仕切り無しというわけではなく、左右にガラスが張られている。

全編成がモノクラスで、座席はリクライニングシートグリーン車の代わりに車端部に4人一部屋のセミコンパートメントが編成中6部屋備わる(リクライニングはできない)。

走行区間に寒冷地があるため、寒地対策として半自動ドアになっている。


主回路編集

383系に引き続きインバーター制御による交流モーター駆動である。

モーター単体の出力は185kWと383系より引き上げられたが、383系がMT比1:1で運転する前提であるのに対し373系は1M2Tであるため、重量あたり出力は下がる。

インバーターの素子はまだGTOサイリスタの時期であったため、起動時の非同期音がヒトの可聴域に存在する。

小断面トンネル対応編集

従来ならば所謂「低折りたたみ高パンタグラフ」を装備してもなお身延線のパンタグラフ折りたたみ高さはクリアできないため、ごく僅かに低屋根部分を作ってこれを満たすようにしてきた。

パンタ台の切り下げ20mmとパンタグラフ底部の屋根の平屋根化で20mm切り下げ、計40mmである。

373系からはパンタグラフ台が低いのは勿論、屋根全体を20mm従来より下げることで、全く目立たない構造ながらこの基準をクリアしている。本系列をベースに設計された313系も同様である。

保安機器編集

最初の投入先は「ふじかわ」のみであったため、JR東日本区間を走るための保安機器は積んでおらず、後から「東海」・「ムーンライトながら」へ投入する際、ATS-Pを積んだりデジタル列車無線を積んだりしている。後年それらが廃止されたこと、ATS-PとATS-PTの仕様違い(本来Pの方が運転上上位機種と思われるが、Pは線区最高速度のモニタリングがない模様)のため全車存置されることなくPTへと積み替えられた。


JR東日本管内で列車無線のデジタル化が行われた際に一部の編成はムーンライトながらや東京発着の普通列車に対応するため列車無線機をBタイプ機(運転台右横にあるグレーの電話機のようなもの)からデジタル列車無線機(運転台右横にある白い電話機のようなもの)へと換装された一方で旧式の無線機のままの車両もあり、運用が区別されていた。後にJR東海管内においても列車無線のデジタル化が計画されたことから旧式の無線機を搭載していた車両に対しても換装されている。


沿革編集

1995年10月1日に急行富士川として使用されてきた165系の置き換えとして身延線の特急ふじかわに導入。1996年3月16日のダイヤ改正で特急東海、特急伊那路、快速ムーンライトながらでも373系による運行を開始し静岡車両区の165系をすべて置き換えたほか、同日に新設されたホームライナー浜松・静岡・沼津にも運用されるようになった。

2000年には中央西線で313系8000番台が増備されるまでの間、不足分を補うために383系とともにセントラルライナー(2013年3月16日のダイヤ改正で廃止)の運用に就いていたこともあった。

373枚目JR飯田線,小和田駅を通過する「特急、伊那路」


近年の動向編集

特急ふじかわ、特急伊那路は引き続き当形式が担当しているが、特急東海や快速ムーンライトながらの廃止で東京駅へ乗り入れる長編成の運用がなくなったこと、2022年のダイヤ改正で休日のホームライナーが廃止されたことで、運用に余裕が生じている。


JR東海電化路線ほぼ全てを走れることから、臨時列車への使用が多く、近年では定番となった飯田線の急行飯田線秘境駅号や快速さわやかウォーキング号などにも使われてる。

その他、御殿場線でお見合い列車や、アニメ作品とコラボした臨時列車などの実績もある。

なお、臨時列車では車端のセミコンパートメント区画はパンフレット置き場や観光案内のパネル置き場などに使われる傾向にある。

ゆるキャン△ 梨っ子号田本駅


ムーンライトながらと東京発着普通列車運行時は3本を連結した9両編成が見られたが、現在では3本を連結する運用は存在しない。

2023年運行の臨時急行ラブライブ!サンシャイン!!号では、9両編成ではなく、第1便6両編成・第2便3両編成の2列車で運行された。


余談編集

  • 側面方向幕に「ホームライナー三島」「ホームライナー富士」「ホームライナー島田」なる表示が確認されており、それらの駅を起点にした運用を想定していたことが見て取れる。2022年現在で使用実績はない。
  • 正面のトレインマークに組み込まれていた「東海」と「ムーンライトながら」は、現在は削除されている。

運用編集

特急列車編集


普通・快速列車編集

  • ホームライナー沼津(静岡-沼津)
  • ホームライナー静岡(沼津-静岡-浜松)
  • ホームライナー浜松(沼津-静岡-浜松)
  • 東海道本線・飯田線の以下の普通列車(2023年3月ダイヤ)
列車番号始発終着始発時刻備考
1428M沼津熱海0747ホームライナー沼津2号から継続運転
1437M熱海沼津0847
913M浜松豊橋0707
914M豊橋浜松0621
920M豊橋浜松0748
921M浜松豊橋0832
990M豊橋浜松2057
1500M駒ヶ根天竜峡0612
1505M天竜峡飯田0816

季節列車・臨時列車編集


不定期臨時編集

(1便以上の運行実績or方向幕に収録されている列車)


かつて使用された列車編集


その他臨時列車編集

(1便のみの運行だったもの)

  • 急行ディスカバー飯田線(2023年)
  • 快速藤枝藤祭り(2023年)
  • 快速家康公 出世の街浜松(2023年)
  • 快速家康公 駿府大御所(2023年)
  • 快速家康公 袋井可睡齊(2023年)
  • 快速菊川de逢える(2022年)
  • 快速袋井風鈴まつり(2022年)
  • 快速島田大帯まつり(2022年)
  • 特急御厨(2020年 ※中止)
  • 団体臨時静岡DCオープニング(2019年)
  • 急行焼津ミナミマグロ満喫号(2019年)
  • 団体臨時竹あかりと皇室ゆかりの地巡り(2019年)
  • 急行身延線全通90周年白糸号(2018年)
  • 団体臨時御殿場線婚活列車(2017年)
  • 急行東海道トレイン家康(2015年)
  • 特急下曽我梅観号
  • 特急日本GPごてんば(2008年)
  • 特急OPEN!しずおか(2000年)


関連タグ編集

JR東海 371系 383系 キハ85系

ふじかわ 伊那路 ムーンライトながら 東海

Aシート:JR西日本の東海道本線山陽本線新快速の指定席で、内装は373系とほぼ同等。

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