PNF-404
とあるほし
ピクミンシリーズに登場する惑星であり、地球に似ている。なお、この星は1から登場しているがPNF-404と言う名称はピクミン3が初出であり、2まではその名称は無く、「ピクミンの星」や「とある星」等と呼ばれていた時期もあった。
名前の元ネタはおそらくHTTPステータスコードの『404』 『P』age 『N』ot 『F』oundの捩りと思われる。not foundはともかくとして、Pは『Pikmin』もしくは『Planet』であるのかもしれない。もしくはその全てを掛け合わしたトリプルミーニングなのかもしれない…
基本的にピクミンシリーズはこの惑星が舞台となるが、『Hey!ピクミン』など一部の作品では別の惑星が舞台になっている。
『2』まではオリマー達ホコタテ運送しか実態を知らない未開の地であったが、『3』ではコッパイ星の星営プロジェクトチームが存在を突き止め、『4』ではオリマーのSOSにより多くの星へ情報が流れると、干渉する人間も増えていき、専門家達の研究によって設定の解像度も上がっていった。
しかしそれでもなお、未だヒトの手には負えない未曾有の謎と危険に満ちた環境は健在で、開拓などは困難を極め、滞在する事も推奨されていない。
惑星の表面の7割が水で覆われておりそのほとんどが塩水。全体的に温暖な気候だが、公転面に対して地軸が傾いてることから大気の循環が発生し、中緯度地域では季節が確認できる。さらに、大きな衛星により潮汐が発生、これにより多様な生態系が育まれたと考えられている。
この星の植物は(ホコタテ星人やコッパイ星人などから見て)巨大なものが多く、『3』では人口爆発と無計画な気質、並びに好き嫌いの激しさが原因で食糧危機に瀕しているコッパイ星人にとって希望の光となった。
半面、この星の大気はその植物が行った光合成により、ホコタテ星人をはじめとした現宇宙に広がる知的生命体にとっては猛毒同然である酸素が高濃度で充満している。
宇宙服と生命維持装置による大気のフィルタリングなしでは活動はままならず、惑星自体が(ホコタテ星やコッパイ星から見て)辺境の宙域に位置しているため救助も期待出来ない事から、万が一この星で遭難しようものなら母星への帰還は絶望的となる。
また、惑星の至る所に(ピクミンや原生生物は勿論、ホコタテ星人やコッパイ星人などと比べても遥かに巨大な)知的生命体の活動と思わしき文明の跡のようなものが発見されており、
人為的に切り取られたとしか思えない直線で形作られた石の壁や、綺麗に磨かれた木の床で構成された巨大な屋内空間などの異様な場所や、ピクミンの姿が描かれた壁画、ホコタテ運送の社長そっくりの雪像も存在する。
紋様の掘られた巨大な立方体、幾何学的な紋様や数字の描かれた紙質のボード、中に何かしらの情報が収められた大型メモリー装置など、未知のテクノロジーの産物が多く発見されており、これらの中でも宇宙で汎用的に用いられるエネルギー『キラキラエネルギー』を含有するものはお宝として扱われ、市場では高値で取引されている。
さらに、この惑星は時空間が歪んでいると考えられる現象が多発しており、特に惑星の地下洞窟は地上よりも時間の進みが遅いらしく、地下で過ごした時間は地上では全く減らなかった事が『2』で確認されている。
また、ピクミン1→2でこの惑星に蜻蛉返りをする形で2度訪れることになったキャプテン・オリマーは、以前訪れたはずの場所が地形・生態系共に大きくその姿を変える事を確認しており、この訪れる度に大きく姿を変える環境も、この惑星の探査や開拓を困難にしている一因と言える。
惑星内の原生生物は植物を主な餌として活動する草食動物が多いものの、チャッピーを筆頭とする獰猛で狂暴な種が多い。
特に夜間は動物がより活発・狂暴化する事で知られており、日没から日の出にかけては上空や洞窟など比較的安全な場所に避難しておくことが望ましいとされる。
洞窟では昼間でもチャッピ-系などの夜行性タイプの原生生物は夜同様に起きて活動している場合があるが、その場合は夜間のように凶暴化したりはしないため、この惑星の夜という環境そのものに生物を活性化させるなんらかの要因があるのではないかと思われる。
他の惑星では見かけられない奇妙でユニークな特徴を持つものもおり、
体内で可燃性化合物を生成して口から噴射する事で火を噴くブタドックリ、鳥の頭部と蛇の体を持ち地中で活動するヘビガラスの他にも、体組織の一部が機械化していたり、生体反応が計測できないものなど、とても自然に生まれるとは思えないものも多く生息しており、生物学的にも興味深い種が多く生息する。
とりわけ奇妙なのはピクミンをはじめとする歩根類と呼ばれる半動半植物。本来植物は大地から吸い上げたり光合成をしたりすることで、栄養を果実に結実させて他の動物に行き渡らせる生産者の役割を果たすことが一般的なはずなのだが、ピクミンなど歩根類は自分で歩き回り、狩りをして得物を仕留め、それを餌にしてさらに成長・繁殖を行うなど、動物としての特徴を有している。
また、オリマーによると「この惑星は生産者たる植物と、捕食者たる動物の境界が実に曖昧である」とのことで、そうした攻撃的な植物が存在することも、原生生物に獰猛な種が多いことの一因なのかもしれない。
奇妙な事にこの惑星付近の宙域を訪れた者は高確率で事故が発生し宇宙船が故障・遭難している。
隕石に衝突した(『1』)、宇宙船が突如制御不能になった(『3』『4』)、など要因は様々であるが、特に初めてこの惑星に訪れた者や、大型の宇宙船であるほど遭難する傾向が高い。
その原因が何なのかは触れられてはいないものの、強大なリーダーを求める原生生物の呼び声に引き寄せられたのでは……と示唆する文章もゲーム中に存在する。
また、ピクミンシリーズに登場する宇宙人が我々地球人の尺度で測った時に全長3㎝ほどしかない、大気中に酸素を多量に含む、地表の7割が海、植物が豊富、(3cmの人から見たら巨大な)果実や文明の跡があるという事を踏まえると、我々が住む地球にあまりにも酷似している。
更には『2』ではお宝として地球儀が登場したり、『3』では南アメリカ大陸やオーストラリア大陸、アフリカ大陸に酷似した地形が確認できる他、登場する果実は全て実在する果実が元である(ただし、その多くは実際には成長できない場所で発見される)。
しかしながら、ゲーム中に人間どころか我々のよく知る犬や猫といった動物はお宝に含まれる写真以外では一切確認できず、まるで昨日まで生活していたのに忽然と姿を消してしまったかのような表現が目立つ他、産業物の残骸は少量な上、ほとんど状態が劣化するか錆び着いてしまっている。
他にも、オリマーの初回墜落時には宇宙船のパーツであるガイガーカウンターの針が降りきれるほどの高濃度放射線を検知している。
一方で、「ピクミン」「ピクミン2」は同じ地点が舞台になっているはずだがマップは季節の変化だけでは到底説明できない明らかに人為的な手段による変化を起こしている。
「ピクミン2」「ピクミン4」のお宝の一部に含まれる食品はどれも先ほどパックから出したかの如く新鮮そのもので、極めつけに「マグロの握り」にしか見えないシロモノや明らかな生活感のある家屋やキャンプ場らしき場所まで存在しており、まるでオリマーら異星人たちが活動している間だけ姿を消しているかのような様子が散見される。
また、厳密には「ピクミン3」に登場するような果実は自然界に存在するものではなく、品種改良の結果人の手による世話が必須のものとなっている物が多いため、これが新鮮な状態で野外に落ちているというのもやはり直近に人間が活動していた形跡となりえる。
これら不可解な実証については、遭難者が惑星を観測するたび、異なる時代へと位相が転移しているのではと、シェラン調査団団長のシェランは考察しており、それが正しければ、この星のみ外界の宇宙とはまるで違う時空の流れに存在しているという事になる。
『ピクミンブルーム』では「ピクミンと人間とでは存在する次元が異なり、互いに直接干渉出来ないのでは?」という設定も採用されている。
オリマー自身もこの惑星にはかつて高度な文明が存在していた可能性には言及しており、各地の景色や回収したお宝を見て在りし日の文明の姿に思いを馳せる傍ら、「物を大切にしない浪費主義が行き過ぎた為に滅びてしまったのではないか」と憂いている。
また、この星に遭難した人の多くが懐かしい気持ちになることがあるようで、多くの星で遠い祖先は別の惑星からやってきたという伝承があり、その星はたくさんの自然と水に囲まれた星だとされているらしく…
果たしてこの惑星に一体何が起こったのだろうか?
この目まぐるしく作為的にも程がある変化は、まるでこの惑星自体が意思を持った生命体であるかのようだとも語られている。