仮面ライダーTheFirst
かめんらいだーざふぁーすと
石ノ森章太郎の『仮面ライダー』のコミカライズを現代風にリメイクした作品。キャッチフレーズは「継ぐのは、魂。」
2007年には続編『仮面ライダー THE NEXT』が公開された。こちらは残虐な描写を多分に含むため、仮面ライダー映画では史上初となるPG-12指定の作品となった。
概要
社会を裏で操る謎の秘密結社ショッカーの陰謀により、その尖兵であるショッカー怪人の素体として選ばれた人々の恋と戦いを描いた映画。
今作では
- 本郷猛と一文字隼人が変身した姿が、劇中で一貫して仮面ライダー1号・2号ではなくショッカーのバッタ型怪人「HOPPER」として呼称されている。
- 生物的なイメージの強いデザインの多い従来のショッカー怪人に対し、本作に登場するショッカー怪人は「ライダースーツ状の戦闘服を付けたボディにヘルメット状の仮面を付けた頭部」という仮面ライダーのイメージに近いデザインとなっている。
- 仮面ライダーの変身方法が原典のTVドラマとそれを元にした原作者の漫画版を織り交ぜた「一瞬で首から下が戦闘服を纏ったサイボーグ体に変化した後、専用のヘルメット型の仮面を装着する」という変身方法であり、敵の怪人も全く同じ方法で変身する。このため、本郷と一文字がお馴染みのポーズで変身するシーンは一切存在しない(一応、最終決戦時に敵の軍団を前に変身ポーズと同じような動作をするが、変身後の姿で行っているため、ここでは変身ポーズとしてカウントせずあくまで「構え」として扱う)。
- 本郷と一文字だけでなくショッカー怪人の人間としてのバックグラウンドにもストーリーの焦点が当てられている。
など、原典における「仮面ライダーはショッカーによってバッタ型怪人として作り出された」という設定を強く意識した構成になっているのが特徴である。
また、『スーパーヒーロー大戦GP』に登場する幻の「仮面ライダー3号」のデザインは、本シリーズのホッパーに似た非常に現代的な、さながらSICじみたものになっている。
登場人物
仮面ライダーと仲間たち
この物語の主人公。大学院で水の結晶を研究している青年。ある日バットに襲撃されてショッカーで改造手術を受け、バッタ型改造人間「ホッパー」にされてしまう。ショッカーの操り人形としてテロ行為を行っていたが、雪の結晶を見たことで記憶を取り戻し、正義のためにショッカーと戦う。
手を突き出しただけで真正面から走ってくるトラックを止める、軽く触っただけでビーカーを握り潰すなど、尋常ではない筋力に改造されてしまっている。
本郷を倒すために作り上げられたホッパーの改良型の改造素体に選ばれた青年。本郷をつけ狙うが、あすかに恋をしてしまい、ショッカーを裏切ろうとする。
その姿はあすかの婚約者(スパイダーが殺害)に酷似している。
本作のヒロイン。雑誌記者をしており、本郷の研究を取材したことがある。スパイダーにより婚約者を殺されてしまい、たまたまその場に居合わせた本郷が彼の死体を触っていた(この辺は原作1話で緑川博士が殺されたシーンのオマージュ)せいで本郷が婚約者を殺したと勘違いしてしまう。
原作の緑川ルリ子ポジションなのは言うまでもない。
終盤では誤解を解いて本郷と和解するが、ショッカーの犯行現場を見たせいでバットに捕獲され、アジトに連れ去られて改造人間の素体にされかける。
ショッカー
本作におけるショッカーは「Sacred Hegemony Of Cycle Kindred Evolutional Realm」(直訳: 同種の血統による全体の、神聖なる支配権)の略称であり、世界制服を企む悪の組織である。しかし原作の様にバカ正直にテロを起こすことは少なく、専ら要人暗殺などを行っている。
幹部は死神博士(にしか見えない老人)の他、チャイナドレスの美女と髭面の男性の計三人。
要するに蜘蛛男。口うるさいタクシー運転手が変身する。演じた板尾創路は後に『仮面ライダー大戦』で仮面ライダーフィフティーンを演じている。
要するに蝙蝠男。超スピードで空を飛び回り、改造人間の素体に選ばれていた人間を拉致していた。蝙蝠を操る能力を持つ。変身前はテンションの高い謎の中年男性。
要するにコブラ男。難病の青年、三田村晴彦(演:ウエンツ瑛士)の病気をショッカーのサイボーグ技術で治す事と引き換えに、半ば騙すような形で改造させた。変身前のウエンツとは違いかなり体格がよく、強力なパワーを持つ。
要するに蛇姫メドウサ。彼女だけ口元が開いているライダーマンスタイルなのが特徴。
晴彦の恋人であり、不治の病に侵された女性、原田美代子を晴彦同様に改造させた。鞭を武器に使う。
ライダー相手にはただのザコだが常人の3倍の身体能力を持つ。ガスマスクを着用しており、あの骨模様もないが、イーイーうるさいのと死んだら溶けてしまうのは同じ。
漫画版
江川達也によるコミカライズがなされたが、原作とあまりにかけ離れた内容であったことや、下書きのみの段階で雑誌掲載されるなど酷い出来のものとなり、原作者石ノ森章太郎との関わりの深い島本和彦にラジオにて酷評され、石森プロが単行本化を許可しなかったことで黒歴史となった。また、出来映えの他にも、女性が怪人へと改造されるシーンで性的と受け止められてもおかしくない描写があった点も物議を醸す要因となった。
余談
- 本作で本郷猛を演じた黄川田将也が、同時期に放送された「仮面ライダーカブト」に本郷役としてカメオ出演している。そもそもTHE FIESTで起こった事件は社会の裏で起こった話なので、カブトと同一世界でもなんらおかしくはない。
- 『リメイク』という位置付けのためか「仮面ライダーディケイド」における『オールライダー』には数えられていない。ところがどっこい…。
タグとして
本来なら「仮面ライダー THR FIRST」と表記されるところだが、pixivのタグにスペースは使用できないため本項のようなタグをつけることになる。