以下、ほしの竜一『SDガンダム外伝騎士ガンダム物語』を漫画版、FCソフト『SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語3 伝説の騎士団』をFC版、SFCソフト『SDガンダム外伝2 円卓の騎士』をSFC版と表記する。
アイテムとしてのヴァトラスの剣
猛将ヴァトラスが遺したといわれる聖剣。
ブリティス王家の正当なる後継者(すなわち皇騎士(クラウンナイト)ガンダム)のみがあつかえる。
皇騎士が王位継承によりキングガンダムⅡ世を襲名した後は、キングシールドに収められその戦いを見守る。
- 漫画版:木の杖に変化しており、賢者アントニオが7年間預かっていた。アントニオの呪文によって封印が解かれ、皇(クラウン)ガンダムの手に渡る。この瞬間より皇ガンダムは皇騎士ガンダムとなる。
- FC版:クラウンナイトの初期装備ヴァトラスソードとして登場。ジムの『こども』であった主人公がヴァトラスソードを手に取ることで記憶が甦り、クラウンナイトとなる。
- SFC版:センチネル村の東にある『ヴァトラスの墓』で入手。
その後も様々な特殊効果を発揮し、皇騎士ガンダムの危機を救った。
タイトルとしてのヴァトラスの剣
SDガンダム外伝の第5弾。
新主人公に皇騎士ガンダムを起用した新ストーリーで、スダ・ドアカワールドの世界観は踏襲しつつも基本的に第4弾までのキャラクターは登場しない。
ここから第8弾までを円卓の騎士編、もしくはキングガンダム編と称し区別するのが一般的である。
ストーリー
『MS王・キングガンダムⅠ世』が治める平和な国『ブリティス王国』が、圧倒的な武力を誇る『ザビロニア帝国』の侵攻により陥落し、7年の月日が流れた。
ブリティス王家の生き残りである皇子を発見・抹殺すべく村や町を襲う邪騎士(エビルナイト)ザクエスの前に、ラナール地方・ベルファスト村で成長した皇騎士ガンダムが立ちはだかる。
皇騎士ガンダムはヴァトラスの剣に、ザビロニアの圧政から人々を救い、ブリティス王家を再興させることを誓うのだった。
登場キャラクター
皇騎士ガンダム/鎧騎士(アーマーナイト)ガンダムF90
村長スミス/ミハル/ジル/ミリー/賢者アントニオ/盗賊カイ/村人ジムクルーズ
邪騎士ザクエス
偉大なる主(漫画版)
ミサイルズサ(漫画版)
騎士ガンダム(とサタンガンダム)が武者真悪参を前身としつつも、デザイン上はほぼオリジナルのキャラクターであったのに対し、皇騎士ガンダムは元祖主人公機たるガンダムをモデルにしている。
賢者アントニオのモデルは宇宙世紀のジャブロー防衛司令官アントニオ・カラス中佐と思われるが、所謂『テム顔』に収斂してしまい原形をとどめていない。あるいはまったく別のモデルが存在するのかもしれないが。
村長スミスのモデルは、ホワイトベースに乗っていたサイド7の避難民のひとり。
ミハルの弟(ジル)と妹(ミリー)の名は『ヴァトラスの剣』劇中では言及されていないため、『機動戦士ガンダム』の設定から推測。
なおジム・クルーズとは、久富手袋工業(昭和23年創業)のブランドである。村人ジムクルーズが手袋職人なのかどうかは不明。
挙兵
- 皇騎士ガンダム
漫画版:ヴァトラスの剣と共に記憶を封印され、ジムとして育てられていた。封印が解けるシーンは『トータル・リコール』のパロディ。また解放直後の名は皇ガンダム。
FC版:漫画版同様、皇子としての記憶を消され、ジムの姿で育てられていた。必殺技は『ヴァトラスアタック』。
SFC版:赤子のころから素性を知らされぬまま育てられており、幼名はガンダム。賢者アントニオの名において騎士の位を授かる。特技は『守る』。
- 兵士ジムライト
SFC版のみ参戦。話しかけるだけで仲間に出来る。特技は『死んだふり』。パーティーLv上昇値1。顔アイコンがなぜか『流星の騎士団』編のウインタージムになっている。
- 勇剣士プラス
漫画版:モンスターに囲まれた皇騎士に助勢する形で参戦。
FC版:ひがしのもりでハイザックを倒すと仲間になる。必殺技は『スパットぎり』。
SFC版:センチネルの村でプラスと話し、戦闘で勝つと仲間にできる。特技は『フリーズ』。パーティーLv上昇値5。
- 鎧騎士ガンダムF90
漫画版:洞窟で七年間氷付けになっていたが、ヴァトラスの剣によって解凍される。
FC版:こおりのたにでハイザックを倒すと仲間になる。必殺技は『烈火流星斬』。
SFC版:オックスの塔で牢から救出。特技は『ヒール』。パーティーLv上昇値5。
- 道士ジムトレーナー
SFC版のみ参戦。チェスターウィンの町でカイを開放したあと仲間に出来る。魔法を習得可能。パーティーLv上昇値1。
- 戦士リックディアス
SFC版のみ参戦。リバーサイドの村で仲間に出来る。特技は『気合いの一撃』。パーティーLv上昇値1。アルガス騎士団の同名キャラとは無関係。
- 盗賊カイ
漫画版:財宝目当てで皇騎士に付きまとい、竜の首飾りの効果で偶然危機を救うことになる。
FC版:竜の首飾りと引き換えに、ガルマのやかたへの進入経路を教える。
SFC版:一旦同行したあとヴァトラスの剣を盗み出し、奪還後に解放すると仲間に出来る。が、特技『盗む』を活用するためにはあとで参戦させるほうが得策。パーティーLv上昇値1。
- 白金卿
漫画版:ヴァトラスの剣に呼ばれ、ザクロードの暗黒天地に苦戦する皇騎士に加勢。
FC版:ガルマのやかたでザクエスを倒すと、失われていた記憶を取り戻し仲間になる。必殺技は『スプラッシュゴールド』。
SFC版:魔剣士ザクロードとの戦闘前に参戦。特技は『ライトニング』。パーティーLv上昇値5。
- 偉大なる主
漫画版のみ登場。スダ・ドアカワールドの海や湖を護るもの。三つ目の巨大な海蛇の姿をしている。
ザビロニア
- 邪騎士ザクエス
漫画版:7年前のブリティス陥落当時から、皇子とF90を追い続けていた。スミスに暴行を加え情報を引き出そうとするが、カイの行動に怒り、ミサイルズサの能力でベルファスト村を焼き払おうとする。記憶を取り戻した皇騎士に追い払われる。『流星の騎士団』編冒頭まで生存。
FC版:漫画版同様ベルファスト村を襲い、クラウンナイトに追い払われる。その後ガルマのやかたで戦闘→普通に敗北。白金卿の剣を持っていたことから、彼を追跡していた可能性が高い。
SFC版:同じくベルファスト村を襲い、手下のハイザックを倒されたことでガンダムが皇騎士であることを察知。アントニオのハッタリで追い払われた後、オックスの塔で皇騎士たちを待ち受ける。そして普通に敗北。
漫画版:曰く『ガルマ館の守護神』。口から黒い霧(タコスミ?)を吐き敵の視界を奪う暗黒天地で皇騎士たちを追い詰めるも、白金卿の参戦によりヴァトラスの剣で倒され、瓦礫の下敷きに。
FC版:ガルマを騙し利用していたことを明かしたうえで戦闘→普通に敗北。その後ガルマのやかたを去ろうとするクラウンたちを追いかけてきて変身を披露。
SFC版:ガルマにけしかけられて戦闘→やっぱり普通に敗北。
- ザクトパス
漫画版:瓦礫の下敷きとなったザクロードが変身。触手で皇騎士を捕らえ湖底に引きずり込むも、竜の首飾りに呼ばれた『偉大なる主』の介入により弱体化。再びヴァトラスの剣で倒される。
FC版:水中戦には持ち込まず、引き続き屋内で戦闘。再生能力により不死身を誇るが、竜の首飾りに再生能力を奪われ敗北。
SFC版:敗北したザクロードが変身、パーティー全員を湖に引き込んで再戦。竜の首飾りとは無関係に敗北。
- 領主ガルマ
漫画版:ザクロードの敗北を受け逃亡を図るも、ベルファスト村のジムライトたちに拘束される。
FC版:ザクロードに捨石扱いされ、クラウンの次は自分が始末される番だと聞かされ『なにいっ はかったな ザクロード!』と発言。ザクロードが倒れた後は妻・イセリナの助命嘆願によりブリティス側へ翻る。なお、この際ガルマもイセリナだけは助けてほしいとクラウンに頼み込んでおり、領民の評価もイセリナに対しては好意的。
SFC版:ザクロードをけしかけてくるが、ザクトパス戦後の消息は描かれない。おそらくは漫画版と同様の運命をたどったと思われる。
- 騎士ジェリド (鎧はバイアラン)
SFC版:夏の章・ティンタージェル城の武術大会で戦う。
SFC版:夏の章・ティンタージェル城の武術大会で戦う。
余談
第4弾では登場しなかったアイテムカードが復活。
そのうち聖なる指輪(HP+400)には、村長の娘ミハルの証言によれば『双身の力がある』が、皇騎士(HP800)がこれを装備し(+400=1,200)双身の力を発動しても(×2=2,400)、ザクトパス(HP4,440)の力には及ばない。
カイが持つ竜の首飾りは『データ不明』となっており、ジムクルーズの証言によれば『竜を呼び出す代物』。そのデザインはスペリオルドラゴンの盾に似ている。
カイがこれを湖中に投げ入れることでザクトパスの力を半減させる(=2,200)ということらしいが、前回同様そんなヒントは何処にも見当たらない。