アメリカ合衆国の20世紀フォックスが製作した海外アニメ。タイトルは「家族想いの男」という意味。
本国ではシンプソンズやサウスパークと並ぶ社会風刺系アニメーションとして位置付けられているが、日本語吹き替え版が作られていないため、日本での知名度は低い。
概要
アメリカのロードアイランド州にあるとされるクォーホグという町(実在しない)に住むグリフィン一家を描いたコメディ。
シンプソンズと同じで家族(特に父親)が引き金となって起こるドタバタを描いたコメディだが、タブーやモラルを軽視したより過激な内容となっている。過激度はサウスパークよりは弱く、シンプソンズより強い、って感じ。
下品でバカバカしいジョークが多いが、歴史や政治、宗教、人種といったものから、音楽や映画、TVのようなポップカルチャーまで、ありとあらゆる文化的なネタを取り上げたジョークがふんだんに使われているのが特徴。ただし、反日的な表現がシンプソンズやサウスパークに比べて目立つ(例:「日本人は猿の味がする」といった皮肉、原爆を茶化したネタ)のと、特定のキャラクターの扱いが露骨に酷い(特にメグ)ため、シンプソンズやサウスパークと比べると日本人からの人気は低い傾向にある(他にも先述の通り、吹き替え版が作られていないというのもある)。
登場人物
ピーター・グリフィン
肥満体でメガネ、いつでも同じ白いカッターシャツと緑色のズボンがトレードマーク。
教派はカトリックで、一応、毎週日曜日の教会のミサには出席している。
職業はブルーカラーとされている。初期ではおもちゃ会社に勤務していたが、そこが倒産して以来は漁業をしていたりアメフトにスカウトされたりと職を転々としている。
好きなテレビ番組はスタートレックで、同時にロックバンド「KISS」のファンでもある。
基本的に女性を見下しているが、妻ロイスとの夫婦仲は良い。
父親のフランシス・グリフィンという厳格なカトリック教徒、母親はセルマ・グリフィン。ただし、フランシスは実の父親ではなく育ての親である。本当の父親はミッキー・マクフィニガン(フランシスの死後、セルマの口から明かされる)。
シンプソンズでいうホーマー・シンプソン、サウスパークでいうランディ・マーシュに相当する。
ロイス・グリフィン
ピーターの妻。ロードアイランド州のニューポートという街(実在する)の女性。実家は地元の名家であるピーターシュミット家。
魅力的な容姿の女性という設定で、彼女に憧れている男性キャラクターは多い。
教派はプロテスタント。そのため、厳格なカトリック教徒であるピーターの養父からは嫌われている。
基本的にはトラブルメーカーの夫を助け一家を支える、しっかり者の良妻賢母だが、ときに彼女自身がおかしくなることもある。
特技はピアノ。
父親はカーター・ピーターシュミッツというニューポートの名士で、婿のピーターのことを嫌っている。
メグ・グリフィン
長女、17歳。いつも同じ帽子にメガネの、少し太めの女の子。高校3年生。
母ロイスとは対照的に、「ブサイク」で「醜い」という設定のキャラクター。そのため、友達がおらず、ときには家族からさえ冷たくされることもある。
とにかく誰からも疎まれており、人気を渇望するあまり、時々死に物狂いの無茶をやる(例:レズビアンと思い近づいてきたクラスメイトと友達になりたいため無理やり自分からレズビアンになろうとする、カルトに加わる)。学校では形振り構わずクラスの人気者連中に媚を売っており、そのことでますます嫌われている。
恋愛経験は意外と多いが、嫌われ者の性格が災いし、彼氏ができてもほとんどその回で振られる。
ステューウィー・グリフィン
まだ赤ちゃんだが、一家の誰をも凌ぐ知性の持ち主で雄弁。何故か、家族のうち一人だけイギリス英語のアクセントで話す。
精子の頃から世界征服と母ロイスを殺す事を目標としており、いろいろな武器を発明してはその機会を伺っている。が、奇跡的な悪運(?)のおかげで上手くいった試しがない。ちなみにロイスはステューウィーの思惑に気づいていない。
当初は悪の天才といった性格だったが、シリーズが進むにつれ変態になり、最近ではサウスパークのエリック・カートマンのような異常人格になっている。
なお、母親のことは「ロイス」と呼び捨てで、父ピーターのことは「ファットマン(デブ)」と呼んでいる。
また、彼の発言内容はいわゆる「罵倒用語」や恐喝まがいの物騒な台詞が多いが、深刻な内容でもブライアン以外の家族は誰一人として真に受けていない。(その為か、ブライアンとは互いに奇妙な友情で結ばれている。)
1歳でありながら驚異的な身体能力を持ち合わせており、ブライアンと共に軍隊に入りイラクで戦ったことがある。また、車の運転やジェット機の操縦もできる。
ブライアン・グリフィン
グリフィン家の天才犬。8歳(人間でいう56歳)。出身はテキサス州のオースティン。
犬でありながら大学を卒業しており、グリフィン家の中ではステューウィーに次いで高い知識を持つ。酒を飲まなければ一家で一番の常識人。
自分専用の車も持っており、現在の愛車はTOYOTA・プリウス。
性格的には「おじさん」であり、ピーターやロイスの相談に乗ったり慰めたりする事もある。クラシック音楽やジャズをよく聴く。
リベラルな民主党支持者であり、共和党や南部の保守的風土には批判的。
初期は「良くできた大人」的なキャラクターだったが、シリーズが進むにつれて「嫌味が多い」など、ステレオタイプのリベラルのマイナス面が強調されるようになった。また、リベラルでありながら黒人に対しては密かに偏見を持っていたりする。
ステューウィーと仲が良い。