へうげもの
ひょうげもの
概要
講談社の週刊『モーニング』にて2005年から2017年まで連載されていた戦国歴史漫画。全25巻。
第32回講談社漫画賞一般部門ノミネート。第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第14回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。
戦国武将よりも千利休をはじめとする文化人が幅広く活躍している漫画。あと、顔芸の奇抜さに定評がある。キャラの個性もやたらと強烈である。
「へうげる(ひょうげる)」とは、「ふざける」という意味に当たる。「へうげもの」は「ひょうきん者」という意味の他に、面白い形の品物を指す。
慶長4年(1599年)、織部の茶会に招かれた博多の豪商・神谷宗湛は、初めて目にした織部好みの歪んだ茶碗について、「セト茶碗、ヒヅミ候也、ヘウゲモノ也」と日記に書いた。「へうげもの」という言葉の文献初出であり、タイトルの由来である。
(芸術新潮2007年7月号145頁より)
“数奇者(すきしゃ、すきもの)”とは、芸道に執心な人物の俗称で、言わば「物好き」「風流者」の類い。現代では茶道に熱心な人物を言う。
古田織部も茶道を極め、茶の湯のコーディネーターと言えた。
ストーリー
時は戦国、安土桃山時代。本作品の主人公は「古田織部正重然(ふるた、おりべのかみ、しげなり)」。あだ名は「左介」「古左」「古織」。
織田信長や豊臣秀吉、徳川家康などの武将達や文化人達とともに、数奇者として「武」か「数寄」か、物欲か出世かに挟まれ、悶絶しながら乱世の時代を生きる物語。
この作品による「本能寺の変」「千利休の死」は必見。
第一部
織田編
織田信長の下で使い番として仕え、出世と物欲の間で悩みながら励んでいた古田左助は、茶人・千宗易と出会い弟子となった。その宗易は羽柴秀吉に恐るべき計画を持ちかけ、二人は明智光秀を利用し、ついに本能寺の変が起こってしまう。何も知らずに打倒明智の山崎の戦いに加わった左介だったがそこで弥助からある真実を聞かされる。
豊臣前編
秀吉が天下人となりその覇権が徐々に全国に及ぶ中、左介は織部と名を改め、自分らしい数寄を模索する。しかし、それまで協力関係だった秀吉と利休の間に亀裂が広がり、対立は決定的となると、利休は新たな企てを起こすが、徳川家康からある真実を聞かされてしまう。織部も秀吉と利休の間でどう動けばいいのかわからず悩み、ついに利休切腹の時が近づく。
第二部
豊臣後編
利休亡き後、秀吉による朝鮮出兵が起こり、筆頭茶頭となった織部はさらなる数寄の道を究めるべく新たな陶器技術を会得するため朝鮮への密航を決意する。新たな仲間とともに己が道を突き進んでいくが、老いを重ね死期が近づく秀吉に一世一代の恩返しを計画する。
関ヶ原編
秀吉が亡くなり、秀吉の側近・石田三成は権勢を強める家康と対立し、もはや衝突は避けられない状況になった。しかし織部は、数寄への関心の薄い両者どちらに付いたものか悩み、家康に味方することを決断。ついに東軍として関ヶ原の戦いに加わった。
第三部
徳川編
江戸幕府が開かれ、徳川秀忠に茶道指南役として仕える織部だったが、質素を好む家康によって織部の望む数寄は肩身が狭くなっていった。さらに大阪に残された豊臣家の淀殿と徳川家との対立が深まり、織部は両者の衝突回避に奔走する。
2011年4月から2012年1月まで、NHK BSプレミアムにて全39話で放送された。
主題歌
- OPテーマ「Bowl Man」
作詞 - Kohei Sakama / 作曲・編曲 - cro-magnon / 歌 - IKZO
※cro-magnonメンバーの一人が問題を起こした為、バンドが解散となってしまい、第5話以降のOPがquasimodeによる「Naghol Jumping」に変更された。さらに第11話以降は☆Taku Takahashiによる「Ebi Sukui」に変更されている。
- EDテーマ「KIZUNA」
作詞 - 大森祥子 / 作曲 - 澤近泰輔 / 編曲 - cro-magnon / 歌 - 斉藤由貴