TRPG
てぃーあーるぴーじー
“Table Talk Role-Playing Game(テーブル・トーク・ロール・プレイング・ゲーム)” の略称。まれに「TTRPG」とも略す。別名、会話型RPG。
概要
ゲーム機などのコンピューター(つまり電源)を使わずに、紙や鉛筆、サイコロなどの道具とプレイヤー同士の会話のみを用いて、ルールブックに記載されたルールに従って遊ぶ “対話型” のロールプレイングゲーム。
通常はTRPGそのものをひとつのジャンルと考えるが、広義には戦略シミュレーションゲームや、「人生ゲーム」の様に盤上でサイコロを振って遊ぶタイプの「ボードゲーム(Board Game)」の範疇に含まれる事もある。
主としてゲーム全体を取り仕切る進行役の「ゲームマスター(GM)」(システムによって名称が異なる事もある)と、ゲームに参加する「プレイヤー(PL)」との会話で成り立つゲームの事を指す。人対人の会話のみで成立するゲーム様式を指しており、対面形式ではなくインターネット等を介してゲームのやり取りをする場合はこれに含まない事が多い。
また日本で単に「RPG」と言ったら、一般的にはコンピュータゲームの一ジャンルを指すが、欧米で単に “RPG” もしくは “Role-Playing Game” 言ったら、人間同士でTalk(会話)して遊ぶアナログなRPG(ボードゲーム)の事を指す。
従って「Table Talk Role-Playing Game」とは、「ブラックオニキス」や「ドラクエ」等のコンピューターRPGのヒット後に、その元ネタとしてアナログRPGが紹介された日本において、コンピューターRPGと区別するために生まれた和製英語である事に注意。
ゲームシステム
特定の世界観を提示する「ルールブック」を土台として、GM(ゲームマスター)がシナリオを練る(はじめからアドリブという猛者もいるかもしれない)。プレイヤーがそれぞれキャラクターを作成し、基本的にパーティを組んで掲げられた目標――GMが演じるNPCの依頼であったり、ダンジョンからの脱出、王道の世界救済など――を達成するべく行動する(またはGMの罠に掛かってボコられる)。
コンピュータRPGと違い、ゲーム中の一切の行為の判定処理については手作業でこなす必要がある。そのため乱数発生装置として主にサイコロ(ダイス)を使用するのが大きな特徴。
近年、及び日本製TRPGではよくある6面体サイコロを使用する場合も多いが、『ダンジョンズ&ドラゴンズ(Dungeons & Dragons)』に代表される古参のTRPGや海外製ゲームの多くは、「20面体ダイス」や「12面体ダイス」などと言った特殊な形状の多面体サイコロを(時に複数個で)用いることが多い。
またコンピュータRPGの場合は行為判定に失敗したらそれまでである一方、TRPGの場合は最終的な判定の権限はGM(ゲームマスター)が持っており、ルール上は明らかに失敗であっても、その場の雰囲気や後々の展開を鑑みて、GMの裁量で結果を変えても良いとされている場合が多い。
加えて、プレイヤーがゲームの進行上で想定されていない行為(扉を開けるために鍵を探すイベントを、扉そのものを破壊して通ることで解決するなど)をしようとした場合でも、GMはそれを認めてアドリブで処理を行うことができる。
そういった、ともすればルールにアバウトな面のみを捉えて「ごっこ遊び」と評したり解説する書などもあるが、実際には厳密な線引きがあり、GMはプレイヤーの言いなりにならず、常にルールと照らし合わせた上での最適解を模索していくのがTRPGの醍醐味の一つである。
この様な体を端的に現した言葉として、
プレイヤーは何をしても良いが、何でも出来る訳では無い。
ゲームマスターは何でも出来るが、何をしても良い訳では無い。
~と評される事が多い。
一般にコンピュータRPGを始めとして、通常のゲームは「勝者になる事」が目的であるが、TRPGというジャンルに関しては必ずしも「勝者になる事が目的ではない」。この点に関して多くの初心者は戸惑いを覚えるだろうが、TRPGはロールプレイによってゲーム中の雰囲気を楽しめれば勝ちという考え方が主流であり、キャラクターになりきったプレイヤーたちやGMとのコミュニケーション自体を目的としたゲームであると言える。
特にロールプレイ(プレイヤーが自分の操作するキャラクターを演じること)を重視するプレイヤーの場合、あえて不利な選択をしてみたり、無意味な消耗を伴う行動に出てみたりすることも多く、「負けロール(失敗時の演技)を楽しめるようになったら一人前」という言葉もあるほど。かといって、勝利を目指し効率のみを追求するプレイが間違いという訳でもない。
肝に銘じるべきは、他の参加者に不快感を与えるようなプレイをしないということ(一人でやるにはなかなか難しい形式なので)。そこさえ守れば、すべてのアイデアが物語になり得る、非常に魅力的なゲーム体験を得られることだろう。
現在、代表的なTRPGとしては、
~などがある。
また、2010年頃から、メディアミックス等で登場した作品や、メディアミックスの影響で知名度が高い作品もある。
該当するのは主に
となる。
クトゥルフ神話人気については『這いよれ!ニャル子さん』の影響でリプレイ動画がニコニコ動画等に多数上がったことが要因。
尤もそれ以前にも『沙耶の唄』や『斬魔大聖デモンベイン』等があり(TRPG人気とは関係ないが、更に古くは『夜の来ない朝に抱かれて』や『邪神伝説シリーズ』もあった)、ネットスラングにもなっている「SAN値」はこのゲームが発祥である(『沙耶の唄』では沙耶にもSAN(減少)値が設定されている)。
艦これRPG及びログ・ホライズンTRPGはメディアミックス作品で、前者はサイコロ・フィクションのシステムを使用しつつもプレロールドキャラクターを使用出来ると言うことで敷居が低い。
ログ・ホライズンTRPGはどちらかというと『ソード・ワールド』や『アリアンロッド』などに近いが、ルールとしての完成度は高く初心者にもわかりやすいため人気がある。
さらに、同人サークルから発表された知名度の高いTRPGシステムも増え始めた。
『ガラコと破界の塔』『朱の孤塔のエアゲトラム』『ピカレスクロマンTRPG』『歯車の塔の探空士』『ネバークラウドTRPG』『歌舞伎町伝説RPGナイトバタフライ』など。
これらからは同人出身のデザイナーが商業へと移ったり、商業作家が同人システムとして発表されたケースもある。制作に技術的な敷居が下がったこともあり、商業では少ないニッチな世界観を取り上げたものが多く、より深いファンを呼んでいる。
オンラインにおけるTRPG
インターネットの普及に伴い、チャットやwebツールを利用したオンラインセッションが生まれ、「一箇所に複数の人間が集まらないと遊べない」というTRPGの欠点を克服した遊び方が広まっている。ダイスやMAP機能、キャラクターグラフィックを利用する多彩な補助ツールも有志によって開発され(どどんとふ等)、システム面でディジタル処理を取り入れたハイブリッドなTRPGの姿が見えてきた。
またTRPGを元にした、「プレイ・バイ・ウェブ(Play By Web, PBW)」と呼ばれる一種のオンラインゲームの様な形態(シルバーレイン、エンドブレイカー!等)も誕生しており、相互作用が期待されている。
関連タグ
PC1, PC2, PC3, PC4, キャラクターシート, イラスト欄
PBW, PBM, オンラインセッション, どどんとふ
グループSNE, F.E.A.R., 冒険企画局, 富士見ドラゴンブック
吟遊詩人, GURPS(ガープス), MAGIUS(マギウス)
ファンタジー関連
ダンジョンズ&ドラゴンズ トンネルズ&トロールズ ルーンクエスト ファイティングファンタジー
ソード・ワールド(初代) ソードワールド2.0 ロードス島戦記 クリスタニア
アリアンロッド カオスフレア ゲヘナ ウィザードリィRPG エルジェネシス
絶対隷奴(※R18) パッフェルベルの鐘 ブレイド・オブ・アルカナ セイクリッド・ドラグーン
ダークブレイズ アルシャード アルシャードセイヴァー エンゼルギア
迷宮キングダム エンドブレイカー! 無限のファンタジア セブン=フォートレス
現代(伝奇、ガンアクション等)
ダブルクロス 真・女神転生TRPG シノビガミ現代編 ナイトウィザード
デモンパラサイト(パラサイトブラッド) 異能使い シルバーレイン
アルシャードガイア アルシャードセイヴァー サタスペ 蓬莱学園
ピーカーブー ブラッドムーン(ハンターズ・ムーン&ブラッド・クルセイド)
艦これRPG ビギニングアイドル ビーストバインド Aの魔法陣
メイドRPG 駅前魔法学園!! メタリックガーディアン 神我狩
マージナルヒーローズ コンヴィクター・ドライブ ナイトバタフライ チェレステ色のパラディーゾ ピカレスクロマンTRPG ミッドナイト・ミミック
二次創作
関連する作品など
這いよれ!ニャル子さん……上述のクトゥルフ神話人気を高めた作品。詳細は該当記事で。
艦隊これくしょん……艦これRPGの原作で、DMM.comが提供しているブラウザゲーム。
ログ・ホライズン……ログ・ホライズンTRPGの原作。
Quickstart!!……TRPGを題材にした部活モノ4コマ漫画。