概要
『ウルトラマンZ』の物語の根幹を司る謎の因子。
怪獣を凶暴化させる力を持ち、宇宙各地に混乱を巻き起こしている。
凶暴化した際の外見上の変化としては目が赤く染まるようだが、凶暴化した姿を見せているのは現時点でOPや第2話の回想シーンでのベムスター、セグメゲル、マジャッパのみであるためすべてに共通するかは不明。
かなり頑丈なようで、ウルトラマンが倒した怪獣の破片から回収されている描写がある。
尚、寄生生物セレブロと関連があるようだが…?
その正体
前作での描写に関わっていたベリアル因子や謎の物体の形状からその正体はベリアル絡みのものではないかとファンに噂されていたが、第6話にて朝倉リクの口から正式に、ウルトラマンベリアルがかつて宇宙中で暴れまわった際に残していった細胞の破片であることが語られた。
ちなみに、その時の回想として、光の国周辺におけるベリアルとタロウの戦闘シーンが挿入され、タロウの放ったストリウム光線がベリアルの身体を掠め、その破片がデビルスプリンターに変化したことが新撮カットで描写されている。
これは恐らく『ウルトラ銀河伝説』におけるベリアルが脱獄した直後のタロウとの戦闘シーンと思われるが、原典ではベリアルはストリウム光線を完全に避けており、タロウの声も石丸博也氏から『タロウ』本編の篠田三郎氏のライブラリ音声に変更されている。(実際は避けた際にベリアル自身も認識できてない程度にかすっていたとも解釈できるが)
このため、「実は戦闘シーンはオメガ・アーマゲドン時の出来事ではないか?」という説や「銀河伝説とは若干違った世界線なのでは?」という説も挙げられている(なお、ゼロ読本の坂本監督のインタビューの内容から、わざわざ新撮映像を用意したのは、メタ的には『ウルトラ銀河伝説』の映像をそのままTVシリーズで流用できないという事情もあるためと思われる)。
実は現物は第1話から既に登場しており、カブラギ・シンヤが手にしていたオレンジ色の物体の正体がデビルスプリンターであったことも判明した(なお、造形物をよく見ると、ベリアルの眼の形状をしているのが分かる)。
カブラギはこれを使ってベリアルのウルトラメダルを生成しようとしているようだが、デビルスプリンターのみでは生成できるメダルの質に限界があったらしく、メダルが完成直後にすぐに砕け散って消滅してしまい、失敗に終わっている。
その為、カブラギはリクが持つベリアルの遺伝子を狙って彼を拉致し、特殊な機械に拘束して無理矢理ベリアル因子を抽出。デビルスプリンターと組み合わせることでベリアルメダルの生成に成功した。
なおボイスドラマにて、宇宙科学技術局からの正式な分析結果が出る前からウルトラマンゼロにはその正体を薄々感付かれていたが、まだ推測の域を出なかったために敢えて宇宙警備隊上層部に報告しなかったことが語られた。
影響
怪獣の凶暴化を引き起こす作用があり、全宇宙で発生したこの事態に対処するため宇宙警備隊では隊員たちの能力向上を図り、新兵器であるウルトラメダルとウルトラゼットライザーを開発することとなった。
またゲネガーグがZの地球に襲来して以降、大型怪獣が地球各所で活性化しつつあるが、これもデビルスプリンターの影響である可能性が考えられる。ただ、活性化しつつあるだけで現時点では明確にデビルスプリンターの影響で凶暴化した怪獣は出ていない。
機械であるギルバリスがこの因子によって生前の記憶を保ったまま復活するなど、凶暴化以外の作用があることも伺える。
なお、上述した理由とZの地球での怪獣登場理由が自然発生やセレブロの遊びの関係等がほとんどであるため、『Z』の物語の根幹となる存在でありながら、15話までにセレブロ以外の要因でデビルスプリンターが影響したのがギルバリスくらいであるという珍しい立ち位置となっている。
ベリアル因子との関係
ベリアルの置き土産であり細胞、あるいは遺伝子という点でほぼ同じと思われる両者だが、作中の様子からすると異なるものらしい。
そのように推測できる理由としてはジードの存在が挙げられる。
セレブロは第6話でのベリアルメダルの生成失敗の際に「やはりデビルスプリンターのみではだめか」と発言しており、第7話でその打開策として拉致したリクに対して「純度の高いベリアル因子」という分析結果が出ている。
また、破片が落ちる程度で機能するデビルスプリンターに対してベリアルメダル作成に利用されたジードは特に問題なく戦っている。
『Z』および『タイガ』劇中での様子から、ベリアル因子はベリアル自身およびベリアル絡みの存在の再現に適しているがそれ以上の機能はなく、デビルスプリンターは他者への影響力があるがその影響下にあってもベリアルに直接繋がるわけではないため、能力的に見ても別物と考えられる。
もし純度に関して「ベリアル因子>デビルスプリンター」という式が成り立つとすれば、デビルスプリンターの中にベリアル因子は含まれているが、それ以外の要素でも構成されている…と見ることができるかもしれない(後述するレイブラッドの要素が強い理由に繋がる可能性もある)。
ベリアル因子=ベリアルの遺伝子だとすると、ベリアルの細胞の核に収められているのがベリアル因子、その核を収めていたベリアルの細胞の一部がデビルスプリンターである、とも解釈できる。
もっとも、第2話ではデビルスプリンターについて「邪悪な因子」と説明されていることもあり、現状は公式設定がないため詳細は不明である。
余談
ゼロの仲間やゼロ自身が闇堕ちした時や、ウルトラマンオーブがベリアルの力を使って変身した形態で暴走した時も似たような症状が起きている。…が、そもそもベリアルはレイブラッド星人の遺伝子を持ったレイオニクスである為、レイブラッドの遺伝子も関わっている可能性がある。
事実、地球人のレイオニクスであるレイモンが暴走した時も同じように目が赤くなっていた事がある。機械であるギルバリスすら復活させた事例はレイブラッド星人の能力と見てもおかしくはない。
こうした点を踏まえると、デビルスプリンターはベリアルおよびレイブラッドと言うウルトラ厄介な連中が残した置き土産にして負の遺産の一つであるとも言える。それ故かベリアルの息子でありレイブラッド星人の末裔とも言えるリクは自分の手で決着を付けようと思っている模様。
リクがベリアルの息子である為に「デビルスプリンターの塊」とネタにされるが、現状生きたベリアルの遺伝子を持つのがジードのみであり、それを狙う侵略者が今後出てくる可能性も考えられるので全くシャレにならない案件である。
第7話では早くもそれが現実になってしまい、ベリアルメダルが生み出されてしまった。なお、リクはカブラギに対し「ベリアルを…安らかに眠らせてやってくれ!」と言い放っており、その死後もなお、自身の力を侵略者に悪用され続けているベリアルの悲哀を感じさせる。
ちなみに、ベリアルの手下たちであるダークネスファイブとタイラントも目が赤かったり、ストルム星人の伏井出ケイもベリアルから力を授かってベリアル融合獣にフュージョンライズするがこれらもデビルスプリンターの力か影響なのかは不明。
また、『オーブ』に登場したウルトラマンベリアルのフュージョンカードの出所も不明であるが、もしかしたらデビルスプリンターの影響で誕生したのかもしれない。
公式サイト等に掲載されている物語のイントロダクションでは、デビルスプリンターはかつて宇宙に飛び散った「悪魔のカケラ」と紹介されている。上記のことを踏まえると悪魔=ベリアルとも考えられるが、そんな彼の息子が主人公の番組のEDテーマは「キボウノカケラ」だったりする。
関連タグ
ヤプール - こちらも倒された際に散らばった破片が新たな超獣を生み出している。
ゴーデス - 同じく、倒された後に細胞が他の生物と合体して多数の邪悪大怪獣を生み出した。なお、こちらは後に本体が復活している。
柱間細胞:その能力から死後、様々な勢力に利用され続ける
はかいのいでんし:ポケモンにおける似たような存在。こちらはとある人造生物の遺伝子で、遺伝子そのものに使用者を狂暴化させる効果がある。