降板(おそ松さん)
れいわのこうばん
あの“おそ松さん”が再び戻ってくる!!
とっても優良な作品で、無害で、誰も傷つけることなく、登場人物はみんな性格が良く、教育番組としてもおススメできるパーフェクト・ジャパニメーション・・・
これはあの“おそ松さん”なのか・・・・・・?
※本作の公式サイトから引用
ストーリー
時は令和。『おそ松さん』は誰も傷付る事無い上に皆の仲が良く、教育的で文部科学省から推薦されている程の完全無欠なジャパニメーションと化していた。
そんな作品を支える松野家に仲間達から祝われる形で集ったのはいつもの6つ子達......ではなく、原型が無い程美化された偽の6つ子達だった。本物のおそ松が困惑しながら外で様子を見ている中、彼らは外見や性格の良さ、更にジェンダーバランスやグローバル化に配慮した事を売りに全ての要望に応える18人としてこれからの『おそ松さん』を引っ張っていく事を宣言する。
見ず知らずの彼らに第3期の成功を確信し満場一致で仲間達が喜ぶ様子を見たおそ松は「これは最早『おそ松さん』ではない」という危機感と同時に「赤塚先生に怒られる」という不安を抱くが、ふと彼の遺影を見上げるとその当の本人ですら美化されてしまった後だった。
元の『おそ松さん』へ戻す為、彼はコンビニで集まっていた5人の弟達の元へ駆け付けこの事件を告げる。しかし、既に何日も前から同じ場所で時間を潰し罪悪感を感じている彼らにとって易々と重い腰が上がる物では無かった。
パチンコや競馬、童貞にとって刺激的なVRなど夢やマイペースさを持てないままあらゆる欲が尽きない6つ子達。それでも、しんどい思いをせずに成功者としてなりたい(即ち働きたくない)というニートならではの気持ちは全員同じだった。
そんな中、紆余曲折を経てようやく本編が始まった事を認識した6人は実際に松野家に帰った所、そこで綺麗な6つ子達が自宅周りを掃除する様子を目にする。追い出されたら生きていけないという危機を回避する為に本物の6つ子達は武器を持って彼らを殺しに近付くが、突如足元に現れた穴へ落ちてしまった。
ようやく意識が戻った頃、彼らの前に現れたアニメ製作委員会のモノリス達が第3期の放送を機に主役の交代と降板が行われた事を告げる。一体何処に非があるのかと喚く6人に対し、彼らを押さえつけたイヤミから「チミ達はずっとニートで全員クズ、昼間から酒、成長無し!」と反論され、更に今までの暴力や下品、全裸などの描写はコンプライアンスが重要視される現代では世間的にも教育的にも見ていられないと吐き捨てられてしまった。
それでも納得が行かない旧6つ子達に、モノリス達が卒業の花束を渡す為に呼び寄せたのは彼らの声を担当する声優達だった。本来なら味方の筈なのにと困惑する彼らだったが、当の本人達は特に気にする様子も無い。
更に、本作の監督からの「お前ら下ネタが多いねん」という半ばブーメラン発言で堪忍袋の緒が切れた6つ子達はフルボッコにするが、制裁に入ったイヤミにロープで拘束されピックアップトラックで強制的に出荷されてしまった。
いつか復讐を果たす為に帰って来ると喚いた6つ子達が送られたのは、『ノムラアニメキャラクター再生工場』と呼ばれる謎の工場だった。そこでは目の前でデカパンやハタ坊、ダヨーンが最適な姿で再生されており、遂に6人もその機械に取り込まれてしまう。
果たして、彼らが生まれ変わった新たな姿とは......。