三湖
さんみずうみないしさんこ
概要
呼称が定まるまでは「湖三神」といった表現も見られた他、外見からやや蔑称気味に「三クラゲ」などと呼ばれる事もある。
また、各種報道でもしばしば「湖の三体」といった表現が用いられたため、「三鳥」から続く伝統的な俗称として「三湖」と呼ばれる。
また、「ユ(U)クシー・エム(M)リット・ア(A)グノム」で「UMA(未確認動物)」であり、外見も同文字をかたどったものになっているため、「UMAトリオ」と呼ばれることがある。
ちなみにダイヤモンド・パールのディレクターと作曲を担当した増田順一氏は公式ブログにて、この3匹をひっくるめて「UMAコンビ」と呼んでいた(コンビは本来2人組なので呼び方としてはトリオが正しい)。
また、このUMAを更にアナグラムするとヒンドゥー教の聖音「AUM」(オーム)となり、このAUMが表す三神との関連も見い出せる。
湖と呼ばれはするもののみずタイプ要素は全く無く、3種とも単エスパータイプである。7世代現在、準伝説トリオで唯一タイプの差異がない組み合わせとなっている。
ギンガ団ボス・アカギの野望に必要となる「あかいくさり」を生成するために必要なポケモンたちであり、あまり目立たないとは言え本編のストーリーにがっつり絡んでくる。
準伝説でこの扱いは結構珍しい(レジ系・コピペロスは本編内での事件に一切関わってこない。三犬は姿をちら見せしたりサブストーリーで活躍するのみ。ラティ兄妹や聖剣士は悪の組織のメンバーとの絡みがなくもないが、リメイク版やマイナーチェンジ版に限られる。三湖以外の準伝だとせいぜいカプ神とウルトラビーストぐらいであろう)。
また詳細は各ポケモンの記事を参照してほしいが、準伝説の中でも戦闘能力に直接反映されない「裏設定」が多く、自傷他害を厭わないネガティブな側面を持つ。専用の戦闘曲も「(ディアパルとの対比で)ダウナーな雰囲気にした」と語られており、意図的な方向付けのようだ。
アニメに登場した際にも、自分たちを狙うポケモンハンターを乗っていた飛行艇ごと湖の中に沈めており、そのまま二度と浮上させなかったため異例の殺人シーンに発展させている。
反面、気に入ったトレーナーにはとことん懐くようで、プレイヤーがゲットした時のなつき度は全ポケモン中トップの140に達する。「ヤンデレ」とかそのあたりの属性を持ち合わせているのだろうか……(第四世代本編では、ギンガ団を壊滅させた後に捕獲のチャンスが訪れるため、なつき度が高いのはギンガ団に一矢報いてくれた主人公に対する感謝の気持ちととれないこともない。後の世代ではそういったイベントもないので説明がつかないが)。
現在までに『DPt』・『BW2』・『ORAS』と外伝の『ポケダン時・闇』・『超ポケダン』『ポケモンGO』に登場している。
準伝説としては並の出演数であるが、あまり他のポケモンや人と関わらない傾向があり、トレーナーからの注目度はさほど高くない。特にNPC・モブの手持ちに入る機会がほとんど無いという点は特筆される。
ポケモンGOにおける三湖
2018年年末~2019年年始にかけて開催されたウィンターイベントの告知画像に3匹揃って映り込んでおり、近日中に実装されるのではないかという予想が立ったが、蓋を開けてみればイベント開催期間中のボス交代の際に実装されたのはヒードランであった。告知画像に書かれていたあの3匹は一体……
ヒードランの後にはパルキア→ディアルガ→ギラティナ(復刻)といったシンオウ三龍が続いており、恐らく三湖の実装はこの後になるものと推測されていた。
その推測の通り、年号を跨いで開催された2019年のアースデイイベントでグラードンがレイドバトルに復刻したのち、アジア太平洋地域にユクシー、ヨーロッパ・中東・アフリカ・インドにエムリット、南北アメリカ・グリーンランドにアグノムが期間限定で伝説レイドに登場した(なお、三犬やラティ兄妹とは異なり、今後も出現地域のシャッフルは行われないとのこと)。さらに、伝説ポケモンとしては非常に珍しく(ごく低確率ではあるが)野生でも該当地域内において恒常的に出現するという変わった特徴を持っている。
習得する技は、三種共通で、通常技が「じんつうりき」と「ねんりき」、ゲージ技が「スピードスター」と「みらいよち」となっている。これに加え、ユクシーは「かみなり」、エムリットは「ふぶき」、アグノムは「だいもんじ」をそれぞれ覚える。
そんなこんなで満を持して実装された三湖だが、残念ながらプレイヤーからの評判はすこぶる悪い。
その理由としては以下のような事情がある。
- 3匹とも原作の性能を反映してかエスパータイプの中では中堅どころの性能であり、攻撃性能の重視される本作においては需要があるとは言い難い。
- 一応、アグノムはエスパータイプの中でもトップクラスの攻撃力の持ち主なので、アタッカーとして使えなくもない。ただし、ゲージ技がフルゲージの「みらいよち」であるため、分割ゲージ技である「サイコキネシス」を覚えられるポケモンと比べるとダメージ効率では見劣りしてしまう。
- ユクシーに関しても、トレーナーバトルのスーパーリーグでは活躍できる余地は残されている。ただし、それでも性能面ではスリーパーやクレセリアの劣化のようなものになってしまっており、そもそもそのトレーナーバトルもプレイヤーからは不評で、広まっているとは言い難いため、死に長所と化している。
- そう考えると、一番割を食ってしまったのは、中途半端な性能にされてしまったエムリットと言えるか。
- どういうわけかゲットチャレンジにおけるサークルの判定が非常にシビアで、エクセレントはおろかグレート判定すら非常に狙いづらく、捕まえるのが極めて困難(本作における伝説ポケモンの捕獲率は基本的に2~3%程度であり、エクセレントが安定して狙えないと捕獲することは非常に難しい)。一応、暴れる頻度が少なめという良心的な部分もあるが、それを鑑みても捕獲難易度はあのカイオーガすら凌ぐとまで言われており、世界中のプレイヤーからは「全然捕まえられない」「修正しろ」といったクレームが多数寄せられる事態となっている。
- また、上記の通り、現状では出現する地域が決められているため、海外に赴かない限り全種コンプリートすることができないこともプレイヤーのこうした怒りの火に油を注ぐ結果となってしまっている。しかもレイド期間が終わってしまうとアンノーン並みの超低確率でしかお目にかかれないため、わざわざ現地に捕まえに行っても影すら発見できないこと請け合い。
別にこいつらが悪いのではなく、全てGO特有の仕様に巻き込まれただけではあるのだが、その負の側面を全部背負わされたのは可哀想としか言いようがない。
今後何らかの形で救済があれば…と思われていたのだが、2020年にそれは思いがけない形でやってくることとなる。
この年は新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るった年であり、在宅でもある程度プレイが楽しめるよう、遠隔地でのレイドに参加可能なリモートレイドが導入された。
この遠隔地というのが重要で、海外のレイドであってもフレンドから招待されれば参加することが可能なのだ。
これは三湖のレイドとて当然例外ではなく、海外のフレンドから招待されれば、わざわざ現地に赴かなくても自宅に居ながらにして自分の居住している地域では手に入らない種類をゲットすることが可能となったのである。
このため、2020年11月末~12月初旬にかけて三湖が復刻された際には、Twitter等のSNS上を中心に三湖の相互招待を求めるメッセージが飛び交うことになり、実装当初からは考えられないほどの大盛り上がりを見せることとなった。
さらに、この復刻に合わせる形で捕獲率にも幾分か上方修正がかけられたようで、グレート判定のみで捕獲を狙った場合でも、他の伝説ポケモンでエクセレント判定で捕獲を狙った時と同じくらいの確率で捕まえることができるようになった。