×アイアンアント
×アリアント
○アイアント
基礎データ
図鑑説明
ポケットモンスターブラック
はがねの よろいを みにまとう。てんてきの クイタランの こうげきを しゅうだんで ふせぎ はんげきする。
ポケットモンスターホワイト
やまを ほって すあなを つくる。ふくざつに いりくんだ トンネルは アイアントが つくった めいろだ。
概要
意外にもアリそうでなかった初の蟻ポケモン(アリアドスは、それっぽい姿の蜘蛛)。
名前の由来も「Iron(アイアン、鉄)+Ant(アリ)」とそのまんま。
実際のアリ社会に置いてほとんどの個体はメスなのだが、こちらはオスメスの割合が共に50%という男女平等社会になっている。この点はハチをモチーフとしたスピアーも同じか。
しかも役割分担を的確に行える程の結束力、そして岩石をも砕く大顎を武器にクイタランを追い払って見せるのだから、チームワークは並並ならぬものである事が伺える。
ちなみに女王がいないアリは原始的なアリらしい。次回作では女王アリ的なポケモンに進化する可能性もある。
アリクイモチーフのクイタランが天敵とされているが、最近はサダイジャも巣の奥深くにある卵を狙う事が判明している。こうした食欲旺盛な奴らを前によく絶滅しないなというツッコミたくなるが、現実のアリ同様に繁殖力が凄まじいのだろう。また、具体的にクイタランの攻撃を防ぐ方法が判明していないが、ポケモン空想科学読本によれば、クイタランの火炎を尻を上げて受け止めるターゲット役(フライパンと似た原理で溶けない)がいて、実働部隊がクイタランに痛手を負わせるという仮説を提唱している。流石にこんな防御方法が成功しすぎるとアイアントの数が増えすぎて生態系に影響が出る事も指摘されている。
ここから察するにアイアントが巣を防衛し切る確率よりもクイタランが少し高めなのだろうと思われる。
鉄みたいなアリはポケモンの創作だろうと思われるが、実は現実にも体表が銀ピカのアリ『サハラギンアリ』が存在し、熱を反射する為にこの姿に進化したという。しかし、長時間太陽光に晒されると死んでしまうらしく、餌探しに一度でも迷ったら避暑の為に巣に戻るとの事。伝承の方に目を向ければ、仏教の地獄における、獣姦を犯した者が送られる朱誅処で死者に罰を与える鉄の蟻が存在する。意外と先輩格は多かったという訳だ。
ゲームでの特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ |
---|---|---|---|---|---|
58 | 109 | 112 | 48 | 48 | 109 |
弱点がほのおしかないむし/はがねの複合タイプで足が速く、はがねタイプのメガシンカしていないポケモンの中ではアローラダグトリオについで速い2位タイの種族値109を誇る。攻撃も109と高く、HPは低いが防御も112あるので物理攻撃に対しては意外と堅い。反面、特防は48と非常に柔らかく、特殊技に関しては半減であっても耐えられない事もある。明確な強みと弱点がハッキリしていると言えるだろう。
以上の理由から、初登場のBWではシナリオクリアを目指すうえでの要注意ポケモンの一角だった。BWでの出現場所は「チャンピオンロード」の洞窟部のみなのだが、俊足のため逃げるのが難しく、弱点も炎タイプのみ、それでいて高い攻撃を活かした物理攻撃を展開して悉くプレイヤーをポケセン送りにしていった。もっとも、BWの四天王は半数がむしタイプを苦手とするうえ、さらにラスボスの切り札にも刺さるため、ゲーム終盤の即戦力として頑張ってくれるので捕まえても損はないのだが…。
覚える技は威力が高いものこそ少ないがバリエーションが豊かであり、「いわなだれ」「シザークロス」「アイアンヘッド」「かみくだく」などがある。また、技マシンで覚えられる「つめとぎ」で特性「はりきり」のデメリットを自力で補えるという強みもある。ただ、特防が低いため、積んだときにやられる可能性があり、襷で耐えたとしても先制技がないため、相手の先制技を持っていた場合は落とされる。また「でんじは」や「バトンタッチ」も合わせて覚えられ、高い素早さを生かしたサポートも可能。(爪はあるにしてもおおよそ攻撃には向いてなさそうである。)
天敵はクイタランらしいが、「ストーンエッジ」を覚えられるため返り討ちにすることが出来る。とはいえ「はりきり」だと外す可能性があり、襷で耐えられ「だいもんじ」で倒されてしまう可能性がある。
ちなみに野生個体は「ストーンエッジ」を覚えていないのでクイタランの餌食……かと思いきや、「あなをほる」を自然習得するので結局クイタランが不利な点は変わらない。
隠れ特性はまさかの「なまけ」。これは実際の蟻の生態を再現したものと思われる。
「なまけ」を「なかまづくり」で相手の特性にすることができ、相手の特性も「なまけ」にして後続へ繋げば優秀なサポート役になる。特にダグトリオやゴチルゼル等の相手の交代を制限するポケモンに繋げばまもると合わせて無限に積み技を使うことができる。
またポケモン捕獲においても相手の行動を制限しつつPPを抑えられるので非常に優秀。
第7世代で使用する場合、つめとぎは第6世代以前で覚えさせてから転送させなければならならない点に注意。
第8世代ではハッサムを始めとする競争相手が軒並みリストラとなったことや、攻撃わざが必中のダイマックスとはりきりのコンボが強いと話題になり、非常に強力な要注意ポケモンとなっている。はがねタイプ最速な点も強み。ただ不意のダイバーンには注意。
ランクマッチのシーズン2(2020年1月)以降は他の要注意ポケモンも対策できる汎用性から炎技の採用率も格段に上がっているため以前のような登場頻度はなくなったが、それでもうまく環境を整えれば十分活躍できる。
しかし6月にガラル御三家の夢特性が解禁されると状況は一変。環境はエースバーン一強へと流れていき、上から4倍弱点を突かれるアイアントの肩身は一気に狭くなった。
さらに同月の鎧の孤島配信に伴い、同タイプのハッサムが入国。汎用性の差は歴然であり、シーズン8の使用率はハッサムの25位に対してアイアントの順位は98位と一気に落ち込んだ。
シリーズ6では上位のポケモンが禁止のルールであり、天敵のエースバーンがいなくなったことで再び復権。使用率も30位以内をキープと十分な活躍が見られたが、それも2ヶ月の間のこと。
冠の雪原配信後のシリーズ7ではエースバーンの復帰、及び準伝説の大量入国によって押し込まれ、とうとう使用率150位圏外にまで落ちてしまった。
主な使用トレーナー
- アーティ / ジムリーダー(イッシュ)(PWTにて使用)
アニメ
集団で餌を探している最中、餌となる葉を服として身に着けていたキバゴを餌と勘違いして連れ去ったことでサトシ達と接触。
ちなみにアニメではオスの個体が多いとのこと。ちなみにモチーフになったアリはオスの比率が少ない。
余談
ドラクエ2に出てきたのは、アイアンアント、アンが一つ少ない。
英語名の「Durant」で検索すると、バスケットボール選手の「ケビン・デュラント」の方がヒットする。そのためか、アイアントとケビン・デュラントのコラ画像も多い。
英名の由来はシャルルマーニュ伝説に登場する聖剣デュランダルまたはDurable(丈夫な)とant(蟻)の造語だろう。
また、ポケモン超不思議のダンジョンでは序盤の「カンロ草原」から出現するのだが、習得技がORAS基準となっているため序盤であるにもかかわらず「ハサミギロチン」をぶっ放してくる。今作の異常っぷりを表す最初の敵といえよう。
関連イラスト
関連記事
ハッサム ミノマダム(ゴミのミノ) シュバルゴ ゲノセクト…同タイプ繋がり