解説
MCUの第6作目、そして『アベンジャーズ』シリーズの記念すべき第1作目として、2012年に公開された、ジョス・ウェドン監督による実写映画版。
『アイアンマン』、『インクレディブル・ハルク』、『アイアンマン2』、『マイティ・ソー』、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』に登場した人物・要素が結集し、MCUのフェイズ1のクライマックスを飾る作品でもある。ユニバースの真骨頂を見せた作品とも言える。
評論家に高く評価されただけでなく、興行収入という面でも、歴代最高の北米オープニング・史上最速での世界興行収入10億ドル突破など多くの新記録を樹立し、最終的には世界興行収入歴代5位(1位はアバター、2位はタイタニック、3位はスター・ウォーズ/フォースの覚醒、4位はジュラシック・ワールド)という、映画史を塗り替える爆発的なヒットを叩き出した。この結果、ジョス・ウェドンのメガホンによる続編である『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の製作も決定した。
タイミング的には、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』のエンディングの直後だが、ストーリーとしては『マイティ・ソー』から一番繋がっている。
ストーリー
『マイティ・ソー』の終盤で宇宙空間に飛ばされたロキは、そこで遭遇した宇宙人種族であるチタウリのリーダー、ジ・アザーと地球に侵攻することで手を組む。
一方、「S.H.I.E.L.D.」長官のニック・フューリーは、部下のマリア・ヒルとともに、緊急事態に陥っている研究施設を訪れていた。そこでは、『マイティ・ソー』に登場したエリック・セルヴィグ博士が研究していた謎の物体、四次元キューブが暴走を始めていた。そこに、突如ワームホールが開き、ロキが現れる。ロキは手にしていたセプターでセルヴィグやクリント・バートン(ホークアイ)の心を操り、四次元キューブを奪取した後、施設から脱出する。
この事態に直面し、フューリーはヒーローたちの最強チーム「アベンジャーズ」の結成を決意。ナターシャ・ロマノフ(ブラック・ウィドウ)はブルース・バナー博士(ハルク)に、フィル・コールソンはトニー・スターク(アイアンマン)に、そして、フューリーは70年の眠りから覚めたばかりのスティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)に接触する。
程なくして、ドイツに現れたロキは、駆けつけたロジャース・トニー・ロマノフと対峙するも、呆気無く降参。(その隙に、バートンは四次元キューブの安定化に必要な物資を盗んでいた。)ロキの義兄、ソーはロキに地球侵略を諦め、アズガルドに戻るよう説得するが、ロキは応じなかった。
「S.H.I.E.L.D.」の空飛ぶ空母、ヘリキャリアの中の監獄にロキを閉じ込めた後、四次元キューブの力を地球外生命体からの攻撃への抑止力として利用する「S.H.I.E.L.D.」の計画を知ったアベンジャーズは激論となり、仲間割れを起こす。
その頃、ロキに操られたバートンらはヘリキャリアを急襲する。その際の爆発の衝撃で我を忘れて凶暴なハルクへと変貌したバナーは暴走するが、ソーが間一髪それを食い止める。バートンはロマノフとの激しい格闘戦の末に倒され、ロキのマインド・コントロールから解放される。ロキは監獄から抜け出し、ソーを代わりにそこに閉じ込めた後、駆けつけたコールソンを刺し殺す。
そのまま、ロキは首尾よくヘリキャリアからの脱出に成功する一方で、ソーは監獄ごとロキに落とされ、ハルクも地上へと落下してしまった。敵の急襲に遭い、コールソンを失ったアベンジャーズは、その死をきっかけに結束する事となる。
ロキが四次元キューブとセルヴィグが作った装置を利用して、NYにワームホールを開き、呼び寄せたチタウリの艦隊で攻撃を開始する中、アベンジャーズはそれを止められるのか?
キャラクター
- トニー・スターク / アイアンマン
- スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ
- ソー
- ブルース・バナー / ハルク
- ナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ
- クリント・バートン / ホークアイ
- ニック・フューリー
- フィル・コールソン
- マリア・ヒル
- ペッパー・ポッツ
- エリック・セルヴィグ
- ロキ
- ジ・アザー
- サノス
続編
MCUにおいて「アベンジャーズ」をタイトルに含む3作品。
直接の続編ではなく、間に数作品、各ヒーローの単独作品が入る。
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
『アベンジャーズ』シリーズの第2作目、そしてMCUの第11作目として、2015年5月1日に、世界主要46ヵ国で公開された。監督は(『アベンジャーズ』シリーズの前作も担当した)ジョス・ウェドン。こちらも、世界興行収入歴代7位という成績を残すなど、世界的なヒット作となった。
ストーリーなどの詳細については、こちらのページを参照されたい。
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
『アベンジャーズ』シリーズ第3作目、そしてMCUの第19作目になる同作は、ジョス・ウェドンから『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』および『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』を担当したルッソ兄弟へ、監督をバトンタッチ。
当初は前後編に分けて公開される予定になっていたが、現在は別々の作品となっている。18年4月27日に日本で公開されることとなった。またドクター・ストレンジ、スパイダーマン、ブラックパンサー、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーらも参戦する。
内容としては、これまで表立った登場がなかったサノスが本格的に登場。六つのインフィニティ・ストーンを集めようとする彼との対決が描かれることになる。
ストーリーなどの詳細については、こちらのページを参照されたい。
アベンジャーズ/エンドゲーム
『アベンジャーズ』シリーズ第4作目、19年4月26日に日米同日公開予定。MCUでは22作目になる。
この作品をもって、『アイアンマン』から続く11年間の物語(インフィニティ・サーガ)が終了することになる。(23作目『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』を含むかどうかは意見が割れている)
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に引き続き、監督はルッソ兄弟。
上記のように、最初はこの作品と『インフィニティ・ウォー』による2部作として構想されていたものの、途中で変更された。
今作では前作、『インフィニティ・ウォー』で登場しなかったホークアイやアントマン、キャプテンマーベルが参戦する。
ストーリーなどの詳細については、こちらのページを参照されたい。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)
マーベル・スタジオで製作された作品は、いずれも『アベンジャーズ』シリーズと世界観を共有しており、「様々なヒーローたちの物語が最終的に一つの物語へと収束する」という一種の連続ドラマ・大河ドラマ的な作品展開がなされている。
このため、とあるヒーローが別の映画にチョイ役で出演したり、とある作品で生じた謎が別の作品で紐解かれたり、重要なアイテムやキーワードが別の作品でも出てきたり……という、シリーズを通して観るとより一層楽しめる要素が満載のシリーズとなっている。(これこそが、まさにユニバースの醍醐味と言える。)『アベンジャーズ』シリーズを観た後で、改めて単独作品や、そのシリーズを観直してみると色々な発見があることだろう。(逆もまた然りで、それぞれの作品を観てから『アベンジャーズ』シリーズを観るという順番でも、今までなかった発見があるかもしれない。)
これまでの沿革・MCUならではの特徴・キーアイテムであるインフィニティ・ストーンについての解説といった詳しい説明は、こちらのページを参照されたい。
現在、MCUに属する作品とその公開順は以下の通りとなっており、シリーズはフェイズ1~3(ドラマにおける「シーズン1〜3」にあたる)に分かれており、『アイアンマン』から『エンドゲーム』までの22作品をインフィニティ・サーガと呼ぶ。(2019年7月現在)。
ストーリーを大まかに述べると、
- フェイズ1:ヒーローの誕生と『アベンジャーズ』での共闘に至るまでの経緯
- フェイズ2:『アベンジャーズ』でのヒーローのそれぞれの葛藤と『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』での再集結と新たなヒーローの誕生
- フェイズ3:『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で迎えたアベンジャーズの分裂と、その再生。そして、新たなるヒーローたちの活動やフェイズ2で活躍したヒーロー達のその後を描いている。
映画の番外編としてドラマ版(アメリカのテレビ局であるABCの製作)の『エージェント・オブ・シールド』、『エージェント・カーター』とネットフリックス配信の『Marvel デアデビル』、『Marvel ジェシカ・ジョーンズ』、『Marvel ルーク・ケイジ』、『Marvel アイアン・フィスト』、『Marvel ザ・ディフェンダーズ』、『Marvel ザ・パニッシャー』も存在している。ABCが製作している前者2つは『アベンジャーズ』シリーズとの繋がりが強いが、ネットフリックス配信作品の繋がりは現時点では希薄である。他にも、フリーフォーム製作の『Marvel クローク&ダガー』やHulu製作の『ランナウェイズ(原題)』もある。
またディズニー独自のストリーミングサービス「Disney+」にてロキやファルコンとウィンター・ソルジャー、スカーレット・ウィッチの単独ドラマも企画中のこと。
題名 | 公開年 | 登場ヒーロー | 登場ヴィラン |
---|---|---|---|
フェイズ1 | |||
アイアンマン | 2008年 | アイアンマン | オバディア・ステイン/アイアンモンガー |
インクレディブル・ハルク | 2008年 | ハルク | エミル・ブロンスキー/アボミネーション |
アイアンマン2 | 2010年 | アイアンマン、ウォーマシン、ブラック・ウィドウ | ウィップラッシュ、ジャスティン・ハマー |
マイティ・ソー | 2011年 | ソー、ホークアイ | ロキ |
キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー | 2011年 | キャプテン・アメリカ、バッキー・バーンズ | レッドスカル、アーニム・ゾラ |
アベンジャーズ | 2012年 | アイアンマン、ソー、キャプテン・アメリカ、ハルク、ブラック・ウィドウ、ホークアイ | ロキ、(サノス) |
フェイズ2 | |||
アイアンマン3 | 2013年 | アイアンマン、ウォーマシン、(ハルク) | マンダリン |
マイティ・ソー/ダーク・ワールド | 2013年 | ソー、ロキ | マレキス |
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー | 2014年 | キャプテン・アメリカ、ブラック・ウィドウ、ファルコン | アレクサンダー・ピアース、ウィンター・ソルジャー、アーニム・ゾラ、バロン・フォン・ストラッカー |
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー | 2014年 | ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー | ロナン・ジ・アキューザー、ネビュラ、サノス |
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン | 2015年 | アイアンマン、ソー、キャプテン・アメリカ、ハルク、ブラック・ウィドウ、ホークアイ、ウォーマシン、ヴィジョン、スカーレット・ウィッチ、クイックシルバー、(ファルコン) | ウルトロン、バロン・フォン・ストラッカー、ユリシーズ・クロウ |
アントマン | 2015年 | アントマン、ファルコン、(ワスプ) | イエロージャケット |
フェイズ3 | |||
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ | 2016年 | キャプテン・アメリカ、バッキー・バーンズ、ホークアイ、ファルコン、スカーレット・ウィッチ、アントマン/アイアンマン、ブラック・ウィドウ、ウォーマシン、ヴィジョン、スパイダーマン、ブラックパンサー | クロスボーンズ、ヘルムート・ジモ |
ドクター・ストレンジ | 2017年 | ドクター・ストレンジ、モルド、ソー | ドーマムゥ、カエシリウス |
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス | 2017年 | ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー、ネビュラ | アイーシャ、??? |
スパイダーマン:ホームカミング | 2017年 | スパイダーマン、アイアンマン | バルチャー |
マイティ・ソー/バトルロイヤル | 2017年 | ソー、ロキ、ハルク、ドクター・ストレンジ | ヘラ、スルト |
ブラックパンサー | 2018年 | ブラックパンサー | エリック・キルモンガー、ユリシーズ・クロウ |
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー | 2018年 | アイアンマン、ソー、キャプテン・アメリカ、ハルク、ブラック・ウィドウ、ホークアイ、ウォーマシン、ファルコン、ヴィジョン、スカーレット・ウィッチ、ロキ、バッキー・バーンズ、アントマン、ドクター・ストレンジ、スパイダーマン、ブラックパンサー、ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー、ネビュラ | サノス、ブラックオーダー |
アントマン&ワスプ | 2018年 | アントマン、ワスプ | ゴースト |
キャプテン・マーベル | 2019年 | キャプテン・マーベル、ニック・フューリー | タロス、ロナン |
アベンジャーズ/エンドゲーム | 2019年 | アイアンマン、ソー、キャプテン・アメリカ、ハルク、ブラック・ウィドウ、ホークアイ、ウォーマシン、ファルコン、ヴィジョン、スカーレット・ウィッチ、ロキ、バッキー・バーンズ、アントマン、ドクター・ストレンジ、スパイダーマン、ブラックパンサー、ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー、ネビュラ、アントマン、キャプテンマーベル | サノス、ブラックオーダー |
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』 | 2019年 | スパイダーマン、ミステリオ | エレメンタルズ |