基礎データ
※するどいめ:命中率を下げられず、相手の回避率上昇を無視する(バトル時)。手持ちの先頭にいるとレベルの低い野生のポケモンと会いにくくなる(フィールド時)。
※ちからずく:技の追加効果が発動しなくなる代わりに威力が1.3倍になる。
※まけんき:自分の能力ランクが相手によって下げられた時、自分の攻撃ランクが2段階上がる。
他言語版の名称
英語 | Braviary |
---|---|
イタリア語 | Braviary |
スペイン語 | Braviary |
フランス語 | Gueriaigle |
ドイツ語 | Washakwil |
進化
ワシボン → ウォーグル(レベル54)
容姿
大きな鷲の姿をしたポケモン。羽の裏や体の表側は、紺色のような体色をしており、羽の表面や背中部分は赤い体色をしている。頭部の羽は特徴的な物となっており、インディアンが着用するような赤と白の羽根冠(ウォーボンネット)のようになっている。
また額の中央部分は青い色をしており、尾羽もカラフルな色彩で、尾羽の先から順に青、黄色といった色をしている。
モデルになった鳥がハクトウワシであるために後述の通り、ホワイト版にしか登場しない。(カンムリワシもモデルに入っているのかもしれないが。)
概要
『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』(第5世代)に初登場したポケモン。
名前の由来は恐らく「ウォーボンネット(ネイティブアメリカンの羽飾り)+グル(イーグル<eagle>(鷲の意味)」。
相手と共に飛び上がり、次のターンで落下してダメージを与えるひこうタイプの新技「フリーフォール」と共にお披露目された。
正統派な猛禽類モチーフのデザインから、発表時には「かっこいい」とファンからの評価も概ね好評であり、いわゆるムクホーク枠として旅パに連れて行こうと考えていたプレーヤーも多かっただろう、
しかし、いざゲームが発売されると、実は事前情報がなかった新ポケモンバルジーナと対の扱いとなっており、ウォーグルはホワイトでしか入手出来ない事が発覚する。この情報はランクルス・ゴチルゼルと違い発売前も一切公開されなかったためブラックを選んだプレイヤーから顰蹙を買うことになった。
さらに進化前のワシボンが入手できるのはシナリオ終盤にたどり着くこととなる10番道路、さらには進化レベルは54と無駄に高く、到底旅パに連れてけるようなポケモンではなかった。
一応、ホワイト2に限り後述のとある理由で旅パに連れてくことが出来る。
挙げ句の果てにこのポケモン♂しかいないことが判明。このため遺伝技が一切存在せず自力技とマシン技だけで戦うことになる。ちなみに対となるバルジーナは♀しかいない。
事前情報はプレイした時の感動が薄れることも考慮してある程度隠すのが普通だが、だからといってここまで重大なことを(しかも複数個)隠して発表するのはいかがなものか。
幸いバルジーナと違いクリア後にシロナが使ってくるので、GTSを使えばブラックでもウォーグル系統を探し当てることが出来た。
『剣盾』では、ソード版限定ではあるが、ワイルドエリアで野生の個体が出現するようになった(対となるシールド版ではバルジーナが出現する)。
ただし、レベルは相応に高く、本作でも中盤以降でなければ捕獲できないため旅パのお供に加えられるようになるのはやはりゲーム開始からかなり先になる。
生態
主に山岳地帯で出会う事が多い。爪の握力は自動車を掴んだまま飛べるほど。
性格は仲間の為なら死さえも恐れない勇猛な性格でアローラ地方の人々からは『空の勇者』として尊敬された。体の傷が多い程仲間からは勇敢と見なされるが、とにかく傷が多ければいいと言う訳ではなく、向こう傷の多いものが尊敬され、後ろ傷の多いものはバカにされるという厳しい社会で生活している。住処が荒らさられると仲間も加勢する程に仲間意識は強い。
第7世代(ORAS)ではおおぞらをとぶを使って鳥ポケモンの影にぶつかりに行くと、ウォーグルが出現する。こんなバカでかい鳥ポケモンにストライクしに行く主人公はタイプ:ワイルドすぎる。
その握力を買われてガラル地方で運送業に従事していた時代があったが、荒っぽい性質ゆえに比較的冷静な性質のアーマーガアに取って代わられたという。
能力
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ |
---|---|---|---|---|---|
100 | 123 | 75 | 57 | 75 | 80 |
一般的な物理寄りのノーマル/ひこうタイプに比べると、HPが高めという特徴を持ち、攻撃力もかなり高い。同複合中では最高の攻撃種族値を誇る。
その代わりに素早さは落ちているため、人により高いHPをさらに伸ばすか並な素早さを鍛えるかで分かれる。
シングルでは単純なアタッカー型としてはムクホークとの差別化が難しく、あちらに役をとられがち。単純な素早さで劣っており、火力と耐久に関しても向こうの特性次第で簡単に上回られてしまう。
一方隠れ特性の「まけんき」を最大限活かせるダブルバトルでは使用率上位を記録している、ダブル向けのポケモンと言える。
取得技としてはかくとうタイプの「ばかぢから」を覚え、さらに技マシンで「いわなだれ」も覚える。
ひこうタイプとかくとうタイプの相性補完の良さはムクホークが証明したところであり、その上ノーマル・ひこうでいわ技を撃てるのはこいつとドデカバシくらい。攻撃範囲には恵まれていると言える。
特性の「ちからずく」は中々優秀なのだが、対応している物理技が上記の「いわなだれ」と「ブレイククロー」しかないというかなり悲しいことになっている。
「ちからずく」自体は強力な特性だが、ウォーグルの場合は適用技に恵まれず、適用技を使うよりも非適用技をそのまま使う方が強い場合も多いのと、ウォーグルはダブルバトルの方が活きるため、「いわなだれ」の怯み効果を捨てるのが結構痛い。
もう片方の「するどいめ」も第6世代から相手の回比率上昇を無視するという効果が追加されはしたが、まあ多少マシになった程度でウォーグルで採用されることは殆どない。
隠れ特性は「まけんき」。ウォーグルの特性の中では1番人気を誇る。「いかく」を撒くムクホークに対し、こちらは相手の「いかく」を起点に出来るという個性はかなり大きく、有用かつムクホークとの大きな差別化にもなる良特性である…のだが、第5世代では隠れ特性の遺伝は♀オンリーであり、前述の通りこいつは♂しかいないため野生個体を粘るしか厳選方法がなく非常にシビアだった。
その野生個体は、ホワイト2の4番道路にて固定シンボル状態で出てくる。
だが何故かLv.25。しかも辺りの天候は「すなあらし」なので普通に削ると倒れてしまう。
だがうまくゲットできれば旅の即戦力になる。
第6世代で漸く♂であっても隠れ特性を遺伝させられるようになり、育成は格段に楽になった。
ちなみにワシボン系列自体はマボロシのばしょで出てくることがあり、ふれあいサーチで隠れ特性を粘ることも可能になった。
第7世代では、ダブルバトルでトップメタのガオガエンを中心とした「いかく」軍団が幅を利かせていることから、これを逆利用できる「まけんき」持ちの需要が大きく上がっている。そのためウォーグルも火力増強手段兼「おいかぜ」要員としてダブルバトルに活路を見出されており、使用率上位にランクインするようになるなどかなり上位に食い込んだ。
そして第8世代では物理環境かつ「まけんき」持ちであることや、「おいかぜ」持ちが数限られたこと、最大のライバルであったムクホーク系統がリストラされたもあって前世代以上に活躍している。
新要素のダイマックスとの相性も非常に良く、ダイジェットで素早さを底上げして攻めることができる上、相手のダイマックス技で能力を下げられても「まけんき」により攻撃を上げて逆に起点にしたりと自身の強みを思う存分発揮できる事から、シングルで爆発的に数を増やしている。元々いかくに強く、ダイジェットでダイマエースにもなれ、ギャラドスと違って4倍弱点がないというかなりの強みがあったが、ノーマル複合で環境トップのゴーストタイプに強いという個性も手に入れた事でシングルでもダブルでも使用率上位を記録している。
特にダブルバトルでの活躍が目覚ましく、「おいかぜ」やダイジェットで味方をサポートしつつ戦うスタイルが人気を博しており、現在でもかなりの人気を誇っている。
2020年3月中旬に行われたレイドイベントで(盾版限定ではあるが)隠れ特性持ちとレイドで確定遭遇できるようになり、手軽に「まけんき」持ちの個体を手に入れられるようになった点も大きいだろう。
強化された一方で、「フリーフォール」を始め、「はねやすめ」や「どくどく」等を覚えられなくなったりと弱体化している面もある。とはいえ、その一方でわざレコードで「インファイト」、「アイアンヘッド」を覚えられるようになる等、新しく習得できるようになった技もあるので、このあたりは一長一短と言ったところか。
しかし、冠の雪原にて新ポケモンが加入した事により、特性「まけんき」の格闘技をメインウエポンに使う飛行タイプという枠をガラルサンダーに奪われる可能性が出てきている。
事実ガラルサンダーの実装以降、新ポケモンの方が使われる傾向があるとはいえウォーグルは使用率を大きく落としており、今後の巻き返しが可能なのか見極めが必要となる。
ポケモンGOでのウォーグル
現段階では進化前のワシボン共々非常に入手難易度の高いポケモンの一匹となっている。
進化前のワシボンの入手手段は、実装から長らくの間GOバトルリーグのリワードポケモンとしての入手、または2020年5月8日~10日開催予定だったフィラデルフィアのサファリイベント(このイベントはコロナ禍の影響で延期となっている)のチケット購入者限定のボーナスとして野生出現する個体を入手するのみと非常に限定的であった。
前者はシーズン2ではランク8の到達が必要、シーズン1でもランク7に到達+リワードからランダムと言う、GOバトルリーグへの十分な知識と各リーグに対応出来るポケモンをしっかり揃えたガチ勢でなければ到底入手不可能な非常に厳しい条件となっており、またGOバトルリーグで1日に挑める対戦数も25戦までに制限されているため、ランダム報酬での対戦用のワシボンの入手は困難を極めた。
後者もアメリカで開催されるイベントのチケットが必要で、とてもではないが気軽に応募できるようなものではないのは言うまでもない。
当然ながらこの仕様には世界中のライトユーザーから批判が殺到することになり、開発側もさすがにまずかったと判断したのか、2020年10月中旬以降は10kmタマゴからも孵化するよう調整を入れたことで以前と比べて若干入手難易度は下がった(その10kmタマゴの入手難易度も高いのだが、こちらは街中を歩きまわってポケストップを回していれば手に入る可能性がある分、まだマシである)。
加えて、2021年には、特定のイベントで★1のレイドボスとして登場させたり、進化前のワシボンを入手可能なフィールドリサーチを投入したりといった措置を取っているため、以前と比べると大分入手は容易になった。
なお、ウォーグル自身は今のところ野生出現およびレイドボスとしての出現はなく、入手するにはワシボンから進化させる以外に方法はない。
ワシボンからウォーグルへの進化はアメ50個が必要となるが、そのワシボンのアメ自体が現在では非常に集めにくい状況と言っていい為、ウォーグルへの進化は困難。手っ取り早く進化させたいのであればふしぎなアメの活用も検討に入れたい。タマゴから孵化させればある程度まとまった数が手に入るのが救いか。
性能としてはノーマル・ひこうタイプのポケモンとしてはCPが高く、攻撃種族値はムクホークに僅かに劣るものの耐久面は一回り上。覚えるゲージ技もブレイブバードにインファイト等ラインナップはムクホークを彷彿とさせるが、最大の違いはやはりいわなだれの習得だろう。
ゲージ2本の技で発動に必要なエネルギーも少なく、更に飛行タイプのポケモンに対しての打点として使い勝手が非常に良い。対戦で使う場合は是非覚えさせておきたい。
とはいえ、上記のようにべらぼうに高い入手難易度から現状では実戦で見かける機会は殆どない。性能面では優秀なので、今後入手条件がさらに緩和されれば顔を出し始める可能性はあるが…。