概要
地球防衛の任務に就き、現地で様々な功績を挙げたウルトラ戦士に贈られる栄誉ある称号であり、光の国において尊敬と敬愛を集める生ける伝説とでも呼ぶべき英雄達の尊称。
大半が宇宙警備隊の支部長や、養成学校の教官等の重要ポストに付いている超絶エリート集団であり、戦闘力も一般隊員とは一線を画する。
ウルトラシリーズは、第4作『帰ってきたウルトラマン』の初期の頃までは各作品につながりがあるとは明言されていなかったが、後半のエピソードでテコ入れとして過去作品のウルトラ戦士たちを客演させたところ大きな反響があり、それを受けて「各作品の主人公であるウルトラ戦士たちは血よりも強い絆で繋がったウルトラの兄弟である」という設定がコミカライズなどの二次創作で描かれるようになり、TVシリーズにもその設定が逆輸入されるようになった。
シリーズ作中では「ウルトラ兄弟」という言葉は、「まるで兄弟のように仲間を大切にする者」という意味で使われており、所謂義兄弟のようなものである。実際に血の繋がりがある兄弟かどうかは重要視されていない。三国志の劉備・張飛・関羽をイメージすればわかりやすいか。
称号の贈与に関しては、ウルトラマンキング等のウルトラ長老やウルトラの父といった、光の国の代表の推薦によって行われる模様。
念のため言うと、この中でウルトラの父・母に育てられたのはエースとタロウのみで、エースは養子のため、実子はタロウのみ。決してウルトラの母一人で11人も子供を産んだ訳ではない(ただ、セブンは母がウルトラの母の姉であり、タロウとは従弟同士である。ジャックは妻がウルトラの母の妹なので一応親戚の括りに入る)。
加えて実の兄弟なのも獅子兄弟のみである(こちらはそもそも他の兄弟とは出身からして違う)。
さらに言えば、順番が年齢順になっているわけでもない(セブンとジャックは同い年。加入が一番遅かったヒカリはウルトラマンより年上、ゾフィーより年下)。
M78シリーズの世界観でのみ使われている言葉だが、平成シリーズのウルトラ戦士も加えた「ウルトラ8兄弟」「新ウルトラ5兄弟」「ウルトラ10勇士」という括りも存在する。
客演作品での扱い
この設定が初登場した『ウルトラマンA』以降の昭和作品では、主役を目立たせないといけない以上、苦戦を強いられたり、敵の罠に落ちてしまう描写が多かった。ただし、大抵は各々が単独で客演・戦闘した場合であり、その場合であっても個々人が活躍するエピソードはある。6兄弟全員揃った場合は別格で、苦戦はあれど黒星はゼロである。
『メビウス』以降の作品ではさらなる成長を遂げており、皇帝直属の暗黒四天王とサシで殴り合って難なく爆殺するほどの圧倒的すぎる実力を披露している(『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』での4兄弟の苦戦は、ファイナルクロスシールドの使用によるエネルギーの大消耗が祟った結果なので、TVシリーズでの強さが彼ら本来の実力なのだろう。なお、レオに関しては平成に入ってからほぼ負け無しである)。
一般認知度の高さからパロディ作品にもよく出張しており、結構仕事を選ばない側面もあったりする。ギャグもシリアスも真面目にこなすあたり、さすがは生ける伝説というべきか。
光の国の住人の特性故に、滅多な事で仲間割れを起こす事は無いが、『AnotherGenesis』のように光の国が喪われてしまった作品では、セブンやレオを除いて殺し合いをするほどに険悪な関係となってしまっている。
え?何?アストラを◯す?あれはまだ兄弟になる前の話だからノーカンノーカン
ちなみに『ウルトラマンG』でも主題歌の2番歌詞に歌われている通り、客演の予定があったものの、諸事情でボツになった。残念。
メンバー
長兄 | ゾフィー |
---|---|
次兄 | ウルトラマン |
三男 | ウルトラセブン |
四男 | ウルトラマンジャック |
五男 | ウルトラマンエース |
六男 | ウルトラマンタロウ |
七男 | ウルトラマンレオ |
八男 | アストラ |
九男 | ウルトラマン80 |
十男 | ウルトラマンメビウス |
十一男 | ウルトラマンヒカリ |
なお、ウルトラマンゼロはセブンの息子であるため、ウルトラ兄弟にはカウントされていないが、児童誌では「ウルトラ兄弟の一員にするかが検討されている」と書かれた事がある。
『Z』のボイスドラマでは「それだけ名誉ある称号」とゼロ本人が語っており、本編でも検討中だったりするのかもしれない。
また、『80』放送当時はユリアンもウルトラ兄弟の一員と紹介されていた事があった。
……女性ウルトラ戦士の数自体が少ないものの、彼女らにも「ウルトラ姉妹」的な称号があったりするのだろうか?
発端
第2作『ウルトラセブン』は『ウルトラマン』の続編ではなく、あくまでシェアワールド上の姉妹作品という扱いであり、『ウルトラQ』『ウルトラマン』との繋がりはほぼ無視して物語が進められていた。
第3作『帰ってきたウルトラマン』でも、序盤は主人公であるジャックと、ウルトラマンやセブンとの繋がりは特に描かれていなかった(そもそも企画当初は初代ウルトラマンと同一人物という設定だった)のだが、第18話でテコ入れのためにセブンを出してみたところ、これが物凄い人気に。
話は前後するが、『ウルトラマン』と『セブン』の版権は全て講談社にあったものの、『帰マン』以降は小学館も版権を有するようになり、学年誌『小学○年生』では内山まもる先生によるコミカライズを始め、毎月膨大な特集が組まれていた。
そして『小学2年生』1971年8月号で「ゾフィー、ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャックの4人をウルトラ兄弟と呼ぶ」という記述が掲載された。こうして『Q』から『帰マン』までの4作品は完全に同一の世界観で結ばれる運びとなる。
そして『帰マン』第38話で、ナックル星人の手に落ちたジャックを助けるため、ウルトラマンとセブンが登場。この時はまだ「ウルトラ兄弟」の単語は用いられていなかったが、最終回にてバット星人のセリフで初めて言及される。
次作『A』の初回サブタイトルがその名も「輝け!ウルトラ5兄弟」であり、劇中にてこの概念が完全に確立。こうして「ウルトラ兄弟」の名は、特撮史に燦然と輝くことになったのだ。
余談
テーマ曲に「ウルトラの父の教え子が」という歌詞もあるので、「兄弟弟子」の意味合いもあったと思われる。
ちなみにアメトーークの「ウルトラマン芸人」の回にて、「先輩芸人を『兄さん』と呼ぶのと同じ」と説明された。合ってるようなちょっと違うような…
空想科学読本シリーズでは(あくまでネタの一貫としてだが)「実際の兄弟」として扱うケースが多く、ウルトラの父母も含め年齢や身体能力の差に関して色々とツッコミが入っていたりする。ちょっとやめないか
関連タグ
ウルトラ10勇士、新世代ヒーローズ:新たな戦士たちの台頭によって発足した、新たなウルトラ兄弟とでも呼ぶべき概念。