ボンワルド
ぼんわるど
データ
身長/194cm
体重/285kg
世界/ボントピア
名物/ご先祖様
名産/お盆線香
概要
トジテンドが人間界侵略の為に、盆の世界「ボントピア」を閉じ込めたボントジルギアをクダックに組み込んで、盆と正月が一緒に来たように誕生したワルド。語尾は「~ボン」もしくは「~ボーン」。
頭部は盂蘭盆会用のぼんぼり行灯になっており、台座部分が鋭い歯を見せた口になっている他、首周りは襟状のパーツで覆われている。更に両目には精霊馬を模した金色のレリーフが被せられており、右目が茄子、左目が胡瓜の物となっている。尚、全体のカラーリングは死人を連想させる寒色系で纏められている。
その一方で両腕はクダイターのままであり、これと言った武器なども持っておらず丸腰である。全体的に俯瞰すると、中国の反魂術を使う道士も連想させる外見でもある。
性格は下記する能力もあってか基本的には後方型で、自主的に護衛をしに来たハカイザーと共に街中の混乱を離れた所から観察していた。加えて自身が能力以外の純粋な戦闘力に乏しい事を理解しており、それを補う為にショウガツワルドやハカイザーと協力関係を結んだり、さらに能力使用後は本格的な作戦行動に移る前にご先祖様達と交流させて、人々と復活したご先祖様との関係が深まるまで待ってから作戦を実行するなど、かなり狡猾で頭も回る(尤も、後者についてはバラシタラの入れ知恵だろうが)。
加えて割とフレンドリーであり、上司のバラシタラと反目するイジルデの配下であるハカイザーやショウガツワルドと、短時間で打ち解けて独自に協力関係を作るなど、派閥争いで互いに殺伐としているトジテンド構成員としては、珍しく高い社交性を持つ(これもトジルギアによる人格改変の影響である)。
ボントピアの力を悪用し、両手を叩く事で口より吹き出した煙「お盆線香」で包んだ相手の亡き血縁者、“ご先祖様”を幽霊として召喚する能力を行使する。召喚された故人達はあくまで本物を忠実に再現した偽物なのだが、記憶や人格も完全に再現されており、本物と何ら変わらない。ちなみに幽霊ではあるものの実体はあるらしく、食事等をする事も可能である。
因みにどの世代のご先祖様が現れるかにはある程度バラ付きがあるらしく、親や祖父母といった見知った近親者が復活する場合もあれば、曾祖父など会った事もない古い時代の人物が復活する場合もある。
そして、ボントジルギアの出力を上げると召喚したご先祖様達を無理矢理に凶暴化、死者である故に死を恐れない不死身の兵士として人々を襲わせる事ができる。その為、ボンワルドによって召喚されたご先祖様達は、事実上のゾンビ兵のようなものである。しかも一度暴走状態になったご先祖様はその時点で人格を失う為、いかなる手段を以てしてももう元に戻す事はできない。
弱点としては、ご先祖様の純粋な身体能力等は生前とほぼ変わらない事に加え、暴走したご先祖様が襲う相手は自身を召喚した自身の子孫だけなので、小規模で能力を使ってもあくまで散発的かつ小規模な混乱くらいしか起こせない。詰まる所、お盆線香はより広範囲で使う事で真価を発揮する能力なのである。加えて後述する理由からお盆線香使用後は暫く待機する必要があり、本人が戦闘面ではまるで役立たずなのもあって、その間はハカイザーのような護衛役が存在しないと作戦が成立しない。総合的には、扱い熟すのにかなりの工夫を必要とするワルドと言える。
ただし、召喚される者は幽霊である為に、瞬間移動等の物理法則を超えた動きもやろうと思えばできるので、普通の一般人や変身していない状態の者にとっては十分な脅威となりうる。しかも亡くなった近親者など、心理的に戦い難い相手も当然ながら召喚可能な為に、戦うにはこれ程やり難い相手もいない。復活させるご先祖様をボンワルド自身が指定できないらしく、必ずしも見知った近親者を召喚できないのが欠点だが、それを補う為に作中ではあえてしばらくご先祖様達を泳がせておいて、子孫と互いに交流させて関係を深めさせるという卑劣な戦法を取っている。
何よりも、誰かがいる限りそのご先祖様も当然ながら存在するので、即ちこの世に人間やキカイノイドが存在する限り、無尽蔵に手駒を増やし続けられるという点が最も厄介である。
作中の段階では、あくまで小規模な範囲での召喚しかしなかったので、被害は小規模で済んだものの、ボンワルドが能力を使いこなしてより大規模でこの作戦を実行した場合、まさしくゾンビパニックのような事態が発生し、社会崩壊レベルの被害が出ていた事は想像に難くない。
活躍
物語開始前にバラシタラの手で生みだされるも、イジルデの製作したショウガツワルドと偶然にも遭遇し、所属違いを超えて意気投合。独断で互いにタッグを組んで人間界に出現する。
ジュラン「クリスマスだっつうのに、盆と正月が一緒に来るんじゃねえよ!」
ショウガツワルド「いやあ~、バッタリそこで出くわしたもんで~」
「協力して戦う事にしたボン」
出現を察知して駆け付けたゼンカイジャーの前で能力の同時使用を試みるも、ワルドの能力は同時使用出来ないという事実が判明し失敗。
程無くツーカイザーも参戦し、更にステイシーザーとハカイザーがワルドらを助ける為に駆け付けて混戦となる。その隙に高い所へ抜け出たボンワルドはお盆線香を無作為に撒き散らして能力を展開、街中の各所にいる人々の先祖を現世に呼び起こした。
そしてお盆線香に巻かれたジュラン・ゾックス・ステイシーからそれぞれ、ジュランの曾祖父のサンジョにゴールドツイカー一家の先祖であるピラート・ゴールドツイカー、ステイシーの亡き母親・リセが召喚された。こうして思わぬ形で故人と再会するシチュエーションに敵味方で混乱が生じたのに乗じて、「あっ、お盆といえば。あっ、ご先祖をお迎え。これが俺の技だボーン♪」と言いながらショウガツワルドと一緒にこの場を退散。ステイシーも母を連れて撤退した。
ハカイザー「ご先祖との交流、暖まってるなあ~」
「あ、よいしょ。あ、よいしょっ。ここで再び、俺の仕事ボン! ボンパワー、レベルアーップ!」
それから暫く、人々はあの世より帰って来た先祖らと交流して関係を深めていたが、そのタイミングを見計らってボンワルドはハカイザーを伴って再出撃。ビルの屋上で自身のパワーを上げ、先祖らを凶暴化させて人々が親しかった故人らに襲われる混乱を発生させた。
界賊一家がピラートと戦い、ステイシーが母に殺されそうになる一方、カラフルでもサンジョが突如暴れ出してジュランへ襲い掛かる異常事態が発生。すぐにセッちゃんがボンワルドの居場所を突き止めて、ゼンカイジャーはサンジョに追われながらビル屋上へと急行して交戦する。
ジュラン「ひい爺さんが豹変したのも、(サンジョにどつかれる)痛ったい痛い! お前のせいだな!?」
「もっちろんボン! ご先祖!もっとやっちまうボーン!」
介人「身内操って襲わせて...、卑怯全開...! 絶対倒す!!」
ハカイザーをゼンカイザーが抑える中、ゼンリョクゼンカイキャノンを預けられたゼンカイガオーンを中心としたキカイノイドメンバーへボンワルドは立ち向かうも、サンジョに纏わり付かれて満足に動けないゼンカイジュランを差し引いても3対1の不利な状況でほぼ一方的に押される。
しかもしばらくして、ステイシーの母親も呼び出されていた事を思い出し戦闘を離脱したスーパーゼンカイザー=介人へ、「仲間」であるステイシーに危機が迫っているかもしれないと告げられたハカイザーも付いて行ってしまい、この場を生き延びる可能性を完全に断たれてしまった。
そしてその流れから、ゼンカイガオーンを中心に放たれたゼンリョクゼンカイフィニッシュバスターが直撃し、成す術無く爆散・敗北。これを以って暴れ回る先祖らは煙と化して一斉消滅、季節外れのお盆帰りは終わりを迎えた。
一方この一連の裏で、ステイシーはナイフを持った実の母親に、反撃もできないまま追い回されるという生き地獄を味わうも、地面に引き倒されてナイフを振り下ろされる間一髪の所で駆け付けたスーパーゼンカイザーに庇われ、遅れて現れたハカイザーにリセが拘束される。そして直後にボンワルドが倒された事で、ステイシーは最後まで正気に戻る事もなく、自分への殺意を向けたまま母が消えて行くという、あまりにショッキング過ぎる光景を目の当たりにする事となった。
そして更に、「ボンワルド! 後は任せて、成仏しろ!」と言いながら出現したクダイテストが、ボントジルギアを取り込んでダイボンワルドに変貌した為、スーパーゼンカイザーはハカイザーにステイシーを任せて仲間の元へと引き返したのだった。
事件後、サンジョの生きていた時代から、トジテンド王朝の悪政が行われていた事を知ったゼンカイジャーは、先祖の供養の為に自分達の時代で悪政を終わらせると改めて誓う。
そして同じ頃ステイシーは、父であるバラシタラの策に巻き込まれる形で、母に殺されかけたという今回の悲惨な一件を経て、結果的に介人に助けられた事と、改めてバラシタラの卑劣な作戦を目の当たりにした事で、「自分はハカイザー=介人の父を自分の仲間にしたいばかりに、彼と介人に嫌悪する父親と同じ事を強いている」事を自覚し、自己嫌悪に激しく葛藤するのだった。
さらにまた同じ頃、ボッコワウスとゲゲはイジルデを呼び付けて「先々代トジテンド大王の身体の一部(パーツ)」を授け、それでハカイザーに強化改造を施せとの命令を下しており...。
余談
これまで死者を蘇らせ行動を起こした戦隊怪人は何体か居たが、ストレートに「お盆」と言う時期のイメージを用いたのは今回が初。
声を演じる前野氏は『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のガンジョージ以来2年ぶりのスーパー戦隊シリーズ出演となるが、一般怪人は『天装戦隊ゴセイジャー』の5000℃のクラスニーゴ以来11年ぶりとなる。
関連タグ
ハロウィンワルド:同じく死者にまつわる日がモチーフのワルド。
レーヅノー:同じくお盆が話題に使われた怪人でこちらも死者蘇生能力を使う(ただし、甦った対象は怪人)。またこの怪人の登場回では、ボッコワウスを演じる中田譲治氏がかつて演じた別組織の首領が「今日の地球はお盆だ」との名(迷)言を残している。
バングレイ:相手の記憶を媒体にそっくりな偽物を生み出して操る能力を有し、死者を操って生者との絆を踏み躙り、尊厳を傷付ける作戦を行った事も共通する。更にスーツアクターや脚本家も一致しており、実際にボンワルドを見て彼を思い出した者は少なくなかった模様。
ネクロマンサーマイナソー:生者との入れ替えで死者を蘇らせられる怪人。こちらは中田氏が声を演じた幹部に利用されている。
GGボーン:語尾がほぼ一致する。
死者蘇生:遊戯王における死者を復活させるカード。同じニチアサで放送中の作品において、同カードが登場したこともあってtwitterトレンド入りしていたのだが、更にボンワルドの能力もあって二重の意味のトレンド入りをする。
リーヴ:中の人が同じで死者と縁があるキャラクター。此方も死者蘇生術によって中田譲治が演じる父親キャラと子供が戦う地獄絵図が展開されたが、術の施行者は上司である。
クロコダイン:24時間前に放送されている作品に登場する中の人が同じ人物。主人公と父親が戦う構図を同じく見ているが、此方は味方サイドのキャラクターである。またガオーンと声が同じキャラとは仲間であるが、ボンワルド出現前日に仲違いを起こしていた。
リュムナデスのカーサ:自身が化けるという点で異なるが、相手の大切な存在を利用して敵を踏み躙って倒す点が共通する。