「見付ケタゾ鬼頭ハルカ。今度ハ逃ガサン…」
「俺ハ漫画家ニナリタイ。ダガ才能ガナイ…ダカラ、オ前達ノ才能ヲ奪ウノダ!!」
データ
身長/193cm
体重/232kg
スキン/海賊版パイレーツ
概要
漫画家志望の男の「漫画家になりたい」と言う欲望を叶える為に誕生した、海賊モデルのヒトツ鬼。
シソツ鬼が、海賊の三角帽を被って派手なカラーリングの右半身とモノクロの左半身で構成されたスキン・“海賊版パイレーツ”を身に纏った姿。イカやタコの様な顔を持った海の悪霊、或いはクトゥルフに似た顔は良く見ると、眼帯を付けた2人の長髪長髭の海賊が左右を向いた状態で接合した格好で構成される。
そして右側の海賊は海洋生物の様な青と赤紫の毒々しいカラーリング、左側の海賊は亡霊を彷彿とさせるモノクロのカラーリングとなっていて、それに合わせて胸鎧の装飾は変化し、左右非対称の形状となっている。
変貌の際に「豬キ雉頑姶髫」(海賊戦隊)の文字化けと、海賊戦隊ゴーカイジャーのクレストが浮かび上がる。
宿主の欲望を手っ取り早く叶える為、大いなる才能を認められ派手に大成した漫画家を狙って吸収する事でその才能を奪う事を目論む。具体的には狙いを付けた漫画家に宿主の姿で接近、隙を見せた所を顔周りから伸ばした赤紫と黒の触腕で捕縛して原稿のように変え、体内へ豪快に吸収して行く。
行動手順からも分かる様に、欲望に突き動かされてはいるが思考意識は理性的且つ狡猾。任意で宿主とヒトツ鬼の姿を切り替える事も当然可能な為、自らのエゴの為素性を偽りながら他者を襲う事を、自由意志の元で選んだ小悪党でもあるとも言えよう。
思考面の冷静さもあってか、戦闘ではカットラス型鬼険棒を振り回し宿主が素人であるのも差し引いてもそこそこ善戦が出来るレベル。
只やはり、触腕以外の特殊能力は無いので戦いが長引くとボロを出して追い込まれ易い。
活躍
既に男に憑依した状態で、人を超えた略奪の鬼となって漫画家を強襲し、これまで5人の漫画家をどんどんと吸収して行った。
そして、次のターゲットとして漫画家・一平に接触し、手の甲にサインを描いて貰う事で油断を誘い、場を立ち去ると見せ掛け背後から近寄って難無く吸収。彼が落とした『失恋ヒーロー』をふと拾い上げ、キビ・ポイントの使用によってドンブラザーズを脱退、漫画家としての栄光を取り戻していたはるかを次のターゲットを定めた。
「ふふ…漫画家の鬼頭はるかだな。マサカオ前ノ方カラ近付イテ来ルトハ」
はるか「ゲーッ! 超展開!」
その後、ストーキングから庇う形ではるかに接触。物陰で変貌して襲い掛かり、はるかが転倒した所へ触腕を伸ばして吸収しようとするも、そこで新たなオニシスター/前田真利菜の妨害が入る。直後、残りのドンブラザーズも到着し圧倒されるも、すぐ近くにあったジャンプポイント(マンホール)で高く跳び、上空の脳人レイヤーのドアを破りながらワープして逃走した。
それから暫くして、河原沿いの公園で再度はるかを狙い出現。
はるかに目的を問い質され、「漫画家になれないから漫画家から才能を奪う」と身勝手過ぎる暴論を言い放つと、「ふざけんなボケ! 才能は奪うもんじゃない、自分の手で磨き育てるもんよ!!」と反論され、続けて護衛役として同行していた真利菜がチェンジして向かって来たので、増援として呼んだアノーニと共に襲い掛かる。
直後にまた参上したドンブラザーズとの乱戦に発展するもその時、獣人の登場に困惑気味でも自分の使命を果たすべく、怪人態に変身したソノニが出現。コンドルアローを放つが、以前の過ちを繰り返させないと思ったドンモモタロウがコンドルアローを斬り払い迎撃に移る一方、盗作疑惑のトラウマにより真利菜は発作的な手の震えを発症、ドンブラスターを落としてしまいその場に立ち尽くす。
この痛ましい姿を見たはるかは、心の中で葛藤と逡巡をした後、編集者のネーム打合せの連絡を断る形で迷いを振り切って喫茶どんぶらへ急行。介人に頼み込んで叶った願いを無効化し、オニシスターとして戦う道を再度選んだ。
…そして願いの無効化の手続きが終わった瞬間、はるかはついさっきまで傍観していた筈の戦場内でオニシスターとして戦っていた。そして遠方でイヌブラザー・キジブラザーと戦っていた海賊鬼を見付けるや、フルコンボウを手に飛び掛かって武器を取り落とさせた。
そしてその勢いから、シスターはロボタロウギアを使ってオニシスターロボタロウにアバターチェンジ。フルコンボウのミサイルで海賊鬼を爆撃し、それへ触発された他の4人もそれぞれロボタロウにチェンジしてソノニを追い払い、アノーニ達を一掃した。
こうしてあっと言う間に勝ち目を失った海賊鬼は、そのままシスターロボのフルスイングで近くの街灯に殴り飛ばされてバウンド、地面に叩き付けられダウン。
最期はそこを、ロボタロウになったドンブラザーズの必殺奥義「前人未桃・打ち上げロボタロウ」を浴びて敗北・爆散し、宿主と吸収されていた漫画家達は無事解放された。
また、欲望が完全に消えたのかヒトツ鬼ングにはならずにゴーカイジャーギアをドロップし、介人の元に送られた。
漫画家志望の男
その名の通り漫画家を志望する男。東映公式サイトによると本名は「大井成樹」の模様(竹内助監督命名)。
漫画家を志望する意志こそ強いのだが、一方で努力が苦手で己の才能を見付けたり磨く事をしないまま燻っている、目標のスタートラインにすら立っていない身上でもあった事から、得てしまったヒトツ鬼の力で他人の才能を横取りする短絡的な行動を起こした(※そもそも、いくら他人の才能を手に入れた所で、それらを組み合わせて自分の漫画を描けなければ全くの無意味である)。
海賊鬼が倒された直後、開放された漫画家達の傍らで意識を取り戻す。そして漫画家達を見つつ、以前一平に手の甲へ描いて貰ったサインを隠しながら複雑そうな顔を浮かべていた。
余談
- モデルとして使われた戦隊は『海賊戦隊ゴーカイジャー』。ベースがシソツ鬼なのはレッドとグリーンが融合した形態が使われたからだと思われ、クトゥルフの様な外見はゴーカイジャーの敵組織『宇宙帝国ザンギャック』のボス「皇帝アクドス・ギル」のモデルがダイオウイカに加え、ザンギャック所属怪人「行動隊長」の殆どが海洋生物モデルなのが由来と考えられる。これに加えて海賊繋がりでデイヴィ・ジョーンズとも類似している。
- スキン「海賊版パイレーツ」は「海賊版」は後述のヒトツ鬼の理由、「パイレーツ」はゴーカイジャーの変身アイテム『モバイレーツ』と動物鬼のスキンの様にEDの一節を使ったと考えられる。
- なお、動物鬼のネタ元とゴーカイジャーは2組の戦隊と2回のコラボを行っておりがありコラボ回のEDにはゴーカイジャーのEDの特別仕様があった。
- 海賊鬼が漫画に関わるヒトツ鬼となったのは、漫画の違法アップロード版を示す「海賊版」からの連想から(これの様な拡大解釈という訳ではない)。なお、ゴーカイジャーの劇場版には海賊版発言に開き直った敵とその海賊版の元凶、「海賊版」の名を冠するロボット戦士が登場している。
- また、ゴーカイジャーの力を使う前作のゾックス・ゴールドツイカーは漫画好きである。
- ゴーカイジャーは「夢を掴む」や「欲しいものを手に入れる」をモットーとしているが、海賊鬼の場合はそれを最悪の形で皮肉った物となっており、他人の力を奪って自分の私利私欲の為に使うという性質からゴーカイジャーに登場する最強の敵の要素を持っているとも解釈できる。
- はるかが辞退したドンブラザーズの力が別人に譲渡される表現が、レジェンド大戦をスーパー戦隊が力を犠牲した代わりに終わらせ、失ったカはレンジャーキーとしてゴーカイジャーに受け継がれるの形のオマージュになっている。その他、同作におけるオニシスターと同色の戦士に関しても、本来の変身者ではない別の人物が一度だけ変身したエピソードもある(しかも、この出来事が起きたのはそのレッドとグリーンの合体戦士が登場した回でもある)。
- ゴーカイジャーがアニバーサリー戦隊と言う特別感のある扱いから、ラスボスとは行かないまでも重要回、若しくはセンパイジャーモチーフのヒトツ鬼の最後を飾る登場と思われていたが、いざ蓋を開けると至って普通の回での登場となった(それを言ったらこれは…)。
- Pixivでは海賊鬼ングがオリジナル怪人として投稿されている。
- 武器は『炎神戦隊ゴーオンジャー』に登場したキレイズキーの「ハタキブレード」を流用している。
関連タグ
海賊旗:同音異義語
海賊仮面、イナズマギンガー、バラカッカバングレイ:歴代海賊モチーフの戦隊怪人。
ツーカイザー:前作に登場したゴーカイジャーモチーフの戦士。
マンガワルド:前作に登場した漫画繋がりの怪人。
宇宙海賊バルバン:海賊モチーフの敵組織。
築城院真鍳:こちらはキャラクターと言う違いがあるが、同じく「クリエイター(小説家。しかも、自分の登場作品の原作者)を襲った」類似案件を持つ。しかし、彼女の場合は海賊鬼の方がまだ優しいと言えるレベルの事をやってしまっている(※リンク先ネタバレ注意)。
ウミネコ(ヴィラン編):彼女も「才能(個性)を持つ者達を襲って吸収した」共通点がある。
カリカジュアン:同じく漫画家を狙っていた怪人繋がり。
オーガ(ファントム):こちらは捕食した相手の能力を使える怪人
巻原定男:捕食した相手の能力を奪う力の持ち主。裏設定で、努力が苦手で楽して勝ちたいと言う願望から安易に他者から能力を奪う力を得たと言う点が共通する。