DATA
概要
『ウルトラマンブレーザー』第5話「山が吠える」に登場した怪獣。
別名の通り、山にそのまま顔と手足が生えたような容姿の四足歩行怪獣。
頭部にトラバサミの刃に近い形状をしたリング型の角を持ち、活動中は背中から遺跡のような突起が複数生えた形態となる。
岩のような皮膚は、全身がまるで苔生しったような緑色をしているが、この箇所は木が鬱蒼と生えた森のようになっており、後述のSKaRDメンバーがドルゴに登るシーンはさながら山登りであった(該当シーンのロケは、実際に本物の山の中で行っていると思われる)。
一方で、目付きはあまり凶悪さを感じさせないつぶらな瞳をしている。
ミナミ・アンリの故郷である秋田県・市之字村では、周囲の土壌を豊かにし、水を浄化してくれるとされる守り神として(OPにも登場する)古文書でも姿が確認されている伝説の怪獣(ちなみに漢字表記は「土留牛」)。
アンリの友人であるミズホは幼い頃から「動物の声が聞こえる」という不思議な力を持ち、「地震はドルゴが暴れる前兆である」と警告を発していたが、事前調査で生命反応が発見されなかった為、「迷信」と受け取られて聞き入れられなかった。
生命反応が無かった事に関して、ナグラ・テルアキは「体力温存のために生命活動を大幅に抑制していた」、つまり「山そのものになって冬眠していた」と分析している。
封印の為に睡眠を司る脳幹に御神体である地蔵を刺されていたが、GGFの新型レールガン「メガショット」の演習中、メガショットの設置工事により祠が撤去され、1000年の眠りから目覚めてしまう。
しかもメガショットを設置した位置が丁度ドルゴの背中の上だった為、背中の突起部分から二挺拳銃の如くメガショットが生えているような形となっており、動き出したショックで制御不能となったメガショットによる砲撃も脅威となっている。
元々持ち合わせている能力として、鼻の角から光線を放つ事ができ、物理的ダメージの他に電子機器に不具合を生じさせる。
さらにリング型の角を起き上がらせる事で、中央から青と紫の2色が混ざった電撃を発射する。
一度目覚めると水分を補給し、体機能調整のために二度寝をする習性があり、その後一時間程で完全覚醒する。
活躍
祠の撤去後、周辺では覚醒の前兆と思われる地震が続いており、メガショットの性能評価テストによる爆発の余波で遂に覚醒。
目覚めて早々鼻の角から光線を放ち、アースガロンの操縦系統を故障させたが、その後はアースガロンに目もくれずに近くの池で水を飲み、まさかの二度寝に入った。
その後、ドルゴを解析したテルアキの予測で一時間以内に活動再開が示唆され、最初はドルゴの撃破を考えられた。
しかしミズホが持っていた古文書と、それを元にSKaRDCPに待機していたアオベ・エミが科学博物館のデータベースから見つけ出した関連資料から、御神体である地蔵を用いてドルゴを封印する作戦が行われる(御神体でドルゴが大人しくならなかった場合を想定し、アースガロンの修繕も同時進行した)。
御神体を配置する為にドルゴの背中にヒルマ・ゲントとアンリが登っている最中、メガショットの予備電源内で火災が発生した事で再び覚醒。
火災により体に痛みが生じたのか暴れ始め、背中に乗っていたゲントが振り落とされたものの、ゲントがブレーザーに変身した事で交戦。
鼻からの光線と自動追撃システムを装備したメガショットによりブレーザーを苦戦させるものの、整備を終えたアースガロンが再び参戦。
メガショットの銃弾を相殺してシステムを無効化し、そこにブレーザーが2つに折ったスパイラルバレードを投擲した事でメガショットが切断された。
その際、激痛から頭部にあるU字型の器官を変形させ、以前よりさらに強力な電撃を発射したが、ブレーザーがバリアで防いだ事で無効化された。
その後、ブレーザーと押し合うものの背中に乗っていたアンリが御神体を祠に刺した事で再び眠りに付く。
そしてブレーザーによって元の場所まで押し戻されると、背中の突起も体に引っ込ませ、完全に元の山に戻った。
その後の解析で、再び1000年程の冬眠状態に戻った事が確認された。
今回の事件で色々な課題が見えた事で、GGF開発部は心機一転して頑張っていく事を誓ったのであった。
余談
- ソフビは「ウルトラ怪獣500」規格で発売。同話で試験運用されるはずのメガショットが、背中の突起に設置された状態で商品化されている。ちなみにメガショットの部分は別パーツとなっており、左右に可動する他、本体から外して通常のドルゴを再現する事も一応可能(ソフビの結合部分の穴は残るが)。
- ブレーザーのスーツアクターである岩田栄慶氏曰く「お気に入り怪獣である」と語っている。
- 「防衛隊の新兵器が原因で暴れた怪獣」にして、「言い伝えなどに登場し、それを軽視した人間によって復活してしまった怪獣」という、ウルトラシリーズの怪獣の数あるお約束を踏襲した怪獣ではあるが、
- 新兵器の開発者が兵器の心配をせず、このままだと起こり得る兵器による被害を真っ先に危惧する。事件解決後は色々課題が見つかった事を認め、ドルゴに対して特に憎しみや敵意を見せなかった。
- この手の展開は実験対象を禄に事前調査しなかったため怪獣を暴れさせてしまうのがお約束だか、今回の場合(ドルゴの件)は一応事前に生命反応がないかを確認し、異常が無い事を調査した上で実験を行った(しかも、今回の場合は休眠中に生命反応が無くなるタイプだった為、この件についてGGFを批判するのは酷である)。
- 警告するミズホに対してGGFは、迷信だと扱いながらも一方的に否定する態度は取らず、伝承が事実である可能性を示す資料がエミ隊員から示されると、それを元にした対応に賛同した。
- ドルゴを倒す案が出そうになった際にミズホが非難したが、全員閉口して反論しなかった(ミズホの方も、御神体が効き目が無かった場合はドルゴを倒す事には反対しなかった)。
…と、今までありがちであった言い伝えを知る者の想いが一方的に踏み躙られる展開がほぼ皆無な内容になっている。
関連タグ
ナツノメリュウ:地元の地域で言い伝えが残され、祠を失った事により復活した怪獣繋がり。
ラゴン:初めて巨大化した作品で人類が作った兵器が付着し、前作では土着神という似たような立ち位置で扱われていた怪獣。
ホオリンガ:こちらはやがて山となる怪獣。地元の地域に伝承が残っている点、防衛隊の行動のせいで暴れ出した点、最終的に山になって物語が終了した点も共通する。
ゴルゴス:富士山麓に出現した岩石怪獣。こちらは背中によじ登った人間に弱点の中心核を抜き取られ、破壊された事で退治されるという真逆の展開になっている。
ガヴァドン、スカイドン、クラウドス:寝ている間は大人しいが、目覚めれば大変な事になる怪獣繋がり。この内スカイドン以外の2体は、最終的にウルトラマンに倒されずに生存した。
ネロンガ、エレキング:頭部にある器官が動く怪獣繋がりで、電撃を操る点も共通する。前者は初代ウルトラマンでは過去にとある侍によって封印されていた繋がりもある。
ビクトルギエル:人類が造った兵器がそのまま武器になってしまった怪獣繋がり。こちらは悪党に利用された上、強さも危険度もドルゴとは比べ物にならない。
デマーガ、魔王獣、戀鬼、紅蓮騎、ホロボロス、カマイタドン:上述した「太平風土記」という太古に描かれた巻物に描かれていた怪獣繋がり。
ビルガメラー:こちらも人間の開発で復活した怪獣で、こちらは背中に長く眠っていた間に建てられたマンションを背負っている。
ヤマトン:デザインの類似点から、ファンの間で一時話題にもなっていた。
護国三聖獣:こちらも劇中では守り神の設定で、作中の人間の身勝手な行いで目覚めた怪獣達。
ゴーヤベック、Methuselah、ドダイトス:山にそのまま手足が生えたような容姿が共通する四足歩行のモンスター。