吾妻線

あがつません

JR東日本の鉄道路線の一つ。

路線データ

路線名	吾妻線
ラインカラー	ブルーグリーン
路線区間	渋川〜大前(正式区間) 高崎〜大前(運行系統上)
路線距離	55.3km(正式区間) 76.4km(運行系統上)
軌間	1,067mm
駅数	18駅(正式区間) 24駅(運行系統上)
電化区間	全線(直流1,500V)
最高速度	85km/h
単線区間	全線
閉塞方式	特殊自動閉塞式
保安装置	ATS-P
運転指令所	高崎総合指令室
第一種鉄道事業者	東日本旅客鉄道(JR東日本)

概要

渋川駅(群馬県渋川市)と大前駅(吾妻郡嬬恋村)を結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線の一つ(地方交通線)。

渋川駅を始発・終着とする列車は存在せず、全列車が上越線高崎駅方面に直通する。

元々は六合村(現・中之条町)の群馬鉄山の鉄鉱石運搬のための貨物線「長野原線」として始まった。大前駅への延伸時に「吾妻線」に改称されたが、当初は信越本線豊野駅(長野県長野市。現・しなの鉄道北しなの線)まで延伸する事が計画されており、「嬬恋線」と仮名が付けられていた。

沿線は草津温泉をはじめとする群馬県有数の温泉地帯であり、これらの温泉への鉄道でのアクセス路線としての役割を果たしている。但し前述の草津温泉もそうだが、鉄道路線から離れた場所にある事も多く、最寄駅からバスに乗り換える必要がある。その為公共交通機関を利用する場合は都心と温泉地をダイレクトに結ぶ高速バスがライバルとなる。

八ッ場ダム建設工事に伴い、2014年(平成26年)10月1日に岩島駅〜長野原草津口駅間が新線に切り替えられた。旧線上には日本一短い鉄道用トンネルとして知られる「樽沢トンネル」が存在したが、新線切替に伴い鉄道用トンネルとしては廃止された。

なお同日から「大都市近郊区間」の「東京近郊区間」に全線が設定された。同時に交通系ICカード乗車券「Suica」の首都圏エリアが拡大され、中之条駅、長野原草津口駅、万座・鹿沢口駅でも使用可能になった。但しエリア拡大前からSuica対応駅だった渋川駅を除き、使用できるのは乗車券としての機能のみで定期券としての利用やチャージは出来ない。

沿革

開業〜日本国有鉄道(国鉄)時代

1945年(昭和20年)1月2日：長野原線として渋川駅〜長野原駅(現・長野原草津口駅)間、日本鋼管群馬鉄山専用線として長野原駅〜太子駅間開業。貨物営業のみ。
1945年8月5日：渋川駅〜中之条駅間の旅客営業開始。
1945年11月20日：中之条駅〜岩島駅間の旅客営業開始。
1946年(昭和21年)4月20日：岩島駅〜長野原駅間の旅客営業開始。
1952年(昭和27年)10月1日：日本鋼管群馬鉄山専用線を国鉄長野原線に編入。
1961年(昭和36年)9月1日：長野原駅〜太子駅間の旅客営業開始。
1966年(昭和41年)10月1日：長野原駅〜太子駅間の貨物営業廃止。
1967年(昭和42年)6月10日：渋川駅〜長野原駅間直流電化。
1970年(昭和45年)11月1日：長野原駅〜太子駅間営業休止。
1971年(昭和46年)3月7日：長野原駅〜大前駅間延伸(旅客営業のみ)、吾妻線に改称。長野原駅〜太子駅間を支線化。
1971年5月1日：太子支線廃止。
1982年(昭和57年)4月1日：渋川駅〜羽根尾駅間の貨物営業廃止。但し民営化後も小野上駅発着の不定期の砕石輸送列車は存続。

国鉄民営化後

1987年(昭和62年)4月1日：国鉄分割民営化に伴い、JR東日本が第一種鉄道事業者として継承。
2014年(平成26年)9月25日：八ッ場ダム建設に伴う線路切替工事の為、中之条駅〜大前駅間運休。
2014年9月26日：運休区間を岩島駅〜大前駅間に短縮。
2014年10月1日：岩島駅〜長野原草津口駅間を新線に切り替え、全線で営業再開。川原湯温泉駅を新線上に移転。全線が東京近郊区間に設定。「Suica」首都圏エリア拡大に伴い中之条駅、長野原草津口駅、万座・鹿沢口駅がSuica一部機能対応駅となる。
2019年(令和元年)10月13日：台風19号により複数箇所で土砂崩れ等が発生し、全線で運休。
2019年10月14日：渋川駅〜中之条駅間運転再開。
2019年10月16日：中之条駅〜長野原草津口駅間運転再開。
2020年(令和2年)2月21日：全線で運転再開。

運行形態

前述の通り線内運用の列車は存在せず、全列車が上越線に直通する。

特急「草津・四万」

高崎線上野駅〜長野原草津口駅間で平日2往復、土休日3往復設定されている。

これに加え繁忙期には1〜2往復臨時列車が設定され、中央線八王子駅や上野東京ライン東京駅発着で運行される事がある。

普通

2017年(平成29年)3月14日ダイヤ改正以降は高崎駅または新前橋駅発着で設定されている。同改正以前は全列車が高崎駅まで直通していた。改正後の新前橋駅発着列車は同駅で両毛線高崎駅方面の列車と接続する。

吾妻線内は長野原草津口駅及び万座・鹿沢口駅発着が大半で、大前駅発着の列車は下り4本、上り5本しかない。

駅一覧

●：停車　ﾚ：通過

駅名	特急	接続路線	備考
高崎	●	上越新幹線北陸新幹線信越本線高崎線八高線上信電鉄上信線
高崎問屋町	ﾚ
井野	ﾚ
新前橋	●	両毛線	当駅発着あり
群馬総社	ﾚ
八木原	ﾚ
渋川	●	上越線(水上方面)
金島	ﾚ
祖母島	ﾚ
小野上	ﾚ
小野上温泉	ﾚ
市城	ﾚ
中之条	●		Suica一部対応駅
群馬原町	ﾚ
郷原	ﾚ
岩島	ﾚ
川原湯温泉	ﾚ
長野原草津口	●		当駅発着あり Suica一部対応駅
群馬大津
羽根尾
袋倉
万座・鹿沢口			当駅発着あり Suica一部対応駅
大前			群馬県最西端の駅

使用車両

現在の使用車両

E257系5500番台・2500番台

大宮車両センター東大宮センター所属。特急「草津・四万」で運用。基本は5500番台を使用するが、代走時に「踊り子」用の2500番台を使用する。

185系200番台

大宮車両センター東大宮センター所属。

かつては特急「草津」(現・「草津・四万」)及び間合い運用の快速や普通で使用していたが、定期運用離脱後は臨時列車や団体列車として入線する。

211系3000番台

高崎車両センター所属。普通列車で使用。

過去の使用車両

ここでは国鉄分割民営化後の車両のみ記載

651系1000番台

大宮車両センター東大宮センター所属。185系を置き換える形で特急「草津」で使用された。2023年(令和5年)3月18日ダイヤ改正でE257系に置き換えられ引退。

485系「リゾートやまどり」

高崎車両センター所属のジョイフルトレイン。

吾妻線で運行された同名の列車で使用された。

107系100番台・115系

高崎車両センター所属。普通列車で使用された。

その他

GV-E197系

事業用気動車。砕石輸送列車の試運転で小野上駅構内の専用ホームまで入線した。

吾妻線の編集履歴

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