「おーおー、かっこいいねぇ。どうせ俺は新米だけどね!」
機体データ
概要
ストライクガンダムにエール、ソード、ランチャーのストライカーパックシステムを統合した「マルチプルアサルトストライカー」を装備した形態。
エールストライカーにソードストライカーのシュベルトゲーベル、ランチャーストライカーのアグニのマウント用アームを増設し装備している。また、三種のストライカーパックシステムの同時装備はエネルギー消費量が激しく、エールのバッテリーパックの下に4つのバッテリーパックを数珠繋ぎにして装着している。使い切ったものはデットウェイト化を防ぐためパージされる。
同じく三種のストライカーパックの機能を統合した装備に「I.W.S.P」があるが、本装備がそれの前身的存在であるかは不明。
パイロットはムウ・ラ・フラガ。
元ネタはSDガンダムBB戦士ストライクガンダムにおけるプラモオリジナルギミック。
当初の名称は「スーパーストライクガンダム」であり、こちらは追加バッテリーパックも武装マウント用のアームも装備されていない。
その後、PSVita用ソフト「起動戦士ガンダムseed Battle Destiny」にゲームオリジナル機体として登場する際に、現在の設定が設定された。
劇中での活躍
本装備はスカイグラスパーと同時にアークエンジェルに運び込まれた事になっている。しかし、これを見たキラ・ヤマトは、種類の増えた武装の効率的な運用が難しく、重量の増加によって機動性が低下するなどの欠点を見抜き、そのリスクを避ける為に使用を控えていたため、キラは最後まで使用する事はなかった。
その後キラはフリーダムガンダムに乗り換えたため、ストライクのパイロットはムウ・ラ・フラガに交代。
地球連合軍によるオーブ連合首長国攻撃の最中、連合を脱走しオーブ軍に加勢することになったアークエンジェルの艦載機となったストライクが戦闘の折に装備、ムウによって運用された。
この際にキラの指摘した弱点が証明されることにはなるが、
- キラがパイロットだった時期は
- 敵:イージスら奪取された第1期GAT-Xシリーズ4機
- 味方:腐った上層部の嫌がらせもあって大気圏突入戦以外他MSの支援なし
- 一方、ムウがパイロットとなりパーフェクトストライクが初登板された時期は
と、相手も状況も違うため本機の機動性低下はそこまで大きな問題にはならなかった。
また腐ってもエールストライカーを装備しているため、機動性は下がったとは言えカラミティガンダムともタメを張れるだけの推力は十分に持っている。
なお、戦闘シーンがあったのはHDリマスター版PHASE-38『決意の砲火』39『アスラン』のみ(出撃シーン及び戦闘中のワンカットだけならPHASE-40にも登場している)であり、オリジナル版及びスペシャルエディションには登場しない。初出はアイキャッチが先であり、チーフメカ作画監督の重田智氏曰く、「多分皆アイキャッチだけの出番だと思ってたと思うんですが、自分も描いててそう思っていた。(監督の)活躍させるんだという言葉に愕然としたのはこっちもだった」、「作画が大変なので、あんまり出てこないで欲しくなかった」とのこと。
ちなみにOPでも出番があり、プロヴィデンスと交戦するカットがある。
なお、オリジナル版に登場したストライクを加工したものなので、全武装はしているものの他の武装を同時には使えない。
HDリマスター以前
TV放送版の同シーンはエールストライクガンダムでの出撃となっており、しかもほとんど動いているカットがなかった(オーブ防衛戦に限らず、「閃光の刻」のキラとアスランの死闘などTV放映版はこういうのが珍しくない)。そしてオーブ防衛戦以後のムウのストライクの活躍はいずれもラウ・ル・クルーゼになすすべもなく一方的にやられる噛ませ役という非常に残念な扱いだった(こちらはHDリマスター版でも共通)。
そのため、オーブ防衛戦で追加された新規カットではリベンジと言わんばかりにパーフェクトストライクガンダムで大活躍しており、ムウ=パーフェクトストライクという印象を強めた。
AQM/E-YM-1 マルチプルアサルトストライカー
エール、ソード、ランチャーの3つのストライカーパックの機能の同時運用を取った統合兵装型ストライカーパック。
エールユニットの後部には電力不足を補うための白いバッテリーが増設されている。
戦闘では空になったバッテリーから順次パージすることができ、デッドウェイト化することを防いでいる。元々はガンプラのBB戦士シリーズのオマケギミックとして存在していたものだが、HDリマスター版のオーブ攻防戦においてムウ・ラ・フラガの乗機として正式に登場(本放送時はエールストライクだった)。3つのパックの装備や機動性を存分に生かし、カラミティを含む連合軍を退ける活躍を見せる。
HDリマスター版ではスカイグラスパーと共にアークエンジェルに積み込まれたものの、キラは多機能故の操縦系の複雑化とストライカー非搭載時の2倍もの重量から来る機動力低下を懸念して使用しなかったという設定になっている。
SEED Reでは
燃える砂塵編で初登場。原作や他のコミカライズ作品と違い、砂漠の戦いでキラが使用、バクゥやコミックスオリジナル機体であるラゴゥハイマニューバに苦戦することはあったものの、バルドフェルト隊を撃退するという戦果を上げる。
実は1戦目の後に出会ったバルドフェルドに、機体の重量のことを指摘されるも、それを知りつつもキラはあえてパーフェクトストライクで出撃した。
武装
エールストライカーの武装
エールパックからそのまま2本装備している。劇中未使用。
ソードストライカーの武装
- 15.78m対艦刀 シュベルトゲベール
ソードパックのメイン武装のレーザー対艦刀。大型の為振りかざす際は両手持ちする。
カラミティに本装備で攻撃したり、ストライクダガーを両断したりしている。
- ビームブーメラン マイダスメッサー
左肩に装備されたビームブーメラン。投げると曲線の軌道を描きつつ敵機を攻撃し戻ってくる。劇中未使用。
- ロケットアンカー パンツァーアイゼン
左腕に装備されているロケットアンカー。基部は小型シールドの機能も持つ。TV版では未使用だが、コミックス版ではバクゥを捕まえ、別のバクゥにぶつけるというかなり荒々しい使い方をした。
ランチャーストライカーの武装
- 320mm超高インパルス砲 アグニ
ランチャーパックのメイン武装の長射程・高火力ビーム砲。
本機がビームライフルを装備していない為、メイン射撃武装として多用された。
その射程を活かし1射で複数のストライクダガーを撃破している。
- コンボウェポンポッド
右肩に装備されている120mm対艦バルカン砲と350mmガンランチャーの複合装備。こちらもTV版では未使用だが、コミックス版ではバクゥを撃破する。
ゲームにおける本機
登場が非常に少ないためか、ゲームなどの外部作品では登場しないことが多いが、近年ではガンダムブレイカーやガンダムVSシリーズにストライクガンダムと一緒に登場したりと、日の目を見る機会が少しずつ多くなってきている。
Gジェネレーションシリーズ
クロスレイズから登場。ストライクガンダムから開発する。
性能的にはストライクの上位互換で、武装もビームと実弾両方を所持しているため相手によって使い分けが可能。弱点はEN消費とPS装甲の効果で燃費が悪い点。
ENを優先的に強化したり、EN関係のOPパーツを装備させたりするのがいいだろう。
ガンダムVSガンダムシリーズ
EXVSMB稼動と同時に初参戦。パイロットはムウ・ラ・フラガ。コストは準高コストの2500。
癖のないビームライフル、近距離の迎撃に活躍するブーメランとアンカー、強力な射撃戦を展開できるアグニとコンボウェポンポッドという豊富な射撃武装を有する万能機。
対艦刀を用いた格闘も判定や発生に優れ、迎撃だけでなく格闘戦にも(多少は)付き合える。
反面機動力は低く、それを誤魔化せるキャンセルルートも少ないため、攻めにも守りにも足回りがネックとなる器用貧乏な機体。
続編であるEXVSMBONでは目立った変化は無かったが、更に続編のEXVS2ではアップデートで足回りを補完する強力なキャンセルルートを得たことで、一躍環境機体の仲間入りを果たす。そのためか、そのまた続編のEXVS2XBでは諸々の調整で大幅に弱体化されてしまう。シリーズ最新作のEXVS2OBでは若干ながらEXVS2時代の性能に戻り、新武装の追加等もあって2500コスト万能機の決定版的な立ち位置に収まっている。
これを使えば勝てるというような武装がなく、良くも悪くも自分の腕がストレートに出る機体。豊富な武装を戦況に応じて適切に使い分け、目指せ「エンデュミオンの鷹」。
制作陣のこだわりとして、ダメージを受けて残り耐久が減っていくに連れて、背面の追加バッテリーがパージされるという細かな演出が再現されている。
立体物
ガンプラ
1/144
リマスター放送後の2013年2月下旬にHG SEED1/144で発売。
バックパック部分を除きソードストライカーとランチャーストライカーがHG化したのは今回が初。MGνガンダムで初採用のKPS素材がマルチプルアサルトストライカーとアグニのアームの黒パーツに使用された。当時はREVIVE版のHGCEエールストライクが出ていなかった(ちょうど一年後の14年2月下旬発売)ためエールストライカーパック共々旧型HGのエールストライクがベースになっている。尚、シュベルトゲベールに関してはコレクションキットのソードストライカーのバックパックの接続部軸穴の径が一致するため、組み合わせれば左肩を丸々付け替える必要のないソードストライクが再現可能となる。
後に発売されたHGCEはストライカーパックの規格は全てジョイントが共通なので、ニコイチすることでREVIVE版ストライクでもパーフェクトストライク再現が可能となっている。マルチプルアサルトストライカーを形成する部分はE8・E9・F12の3パーツだけなので、手順はHGCEのエールストライカーからこの部分を交換するだけ。ただしパンツァーアイゼンに完璧にフィットするジョイントがなく、付属のA16のものには対応しておらず、HGCEのシールド接続用のN13パーツだと少し緩め。
ちなみに劇中でもやっていたシュベルトゲベール両手持ちは旧HGには腕の引き出し機構がないためHGCEでないと再現が出来ない。そのHGCEですら各ストライカーパックが干渉しまくるため、高い可動範囲をもってしてもギリギリと言った程度。
また、EGストライクもHGCEとほぼ同じ規格なのでマルチプルアサルトストライカーパックの装着が可能。ただしパンツァーアイゼンはそのまま装着はできない(シールドのジョイント接続が以前のキットと異なっているため、装着するには加工する必要がある)。こちらも高い可動範囲のおかげでシュベルトゲベールの両手持ちはなんとか可能。
バンダイ側も仕様を熟知しているためか、EGストライク発売直後の時期にHGパーフェクトストライク再販を告知している。
だが、2024年6月に「オプションパーツセット ガンプラ01(エールストライカー)」「オプションパーツセット ガンプラ02(ランチャーストライカー&ソードストライカー)」の単品発売が決定し、前者はマルチプルアサルトストライカー用ジョイントも付属しているため、HGを買わなくても容易にパーフェクトストライクガンダム再現が可能となった(逆にストライク用のライフルとシールドは付かないため、ライトパッケージ版ではエールストライクの完全再現は出来ない)。
RGはエールストライクと、スカイグラスパーとのセットでランチャーストライカーパックとソードストライカーは立体化されているにもかかわらず、それらを繋ぐジョイントとバッテリーパックは未発売のため一般販売のパーツのみでは再現が不可能。
後にプレミアムバンダイ限定でスカイグラスパーを除くそれらとジョイントとバッテリーパック全てを合わせたパーフェクトストライクが2019年に発売されている。
1/100
ガンダムベース限定品が出るまでは単体での発売はなく、2013年4月に発売された「MGエールストライクガンダム Ver.RM」のエールストライカーにランチャーストライカーパックとソードストライカーパックに対応した隠しジョイントが仕込まれ、そこに各ストライカーパックと付属のバッテリーパックを取り付けることで再現が可能。
ランチャーストライカーパックはVer.RMにも無改造で取り付けられる一方、ソードストライカーは旧MGにしか対応しておらず付属のアダプタを付ける必要がある。
ランチャーストライカー/ソードストライカーパックは2008年発売の「MGランチャー/ソードストライクガンダム」でしか一般販売されていないものの、プレミアムバンダイでは「MG 1/100 エールストライクガンダム Ver.RM用 ランチャーストライカー/ソードストライカーパック」名義で度々単品販売されている。
後にプレミアムバンダイ限定で全てをメタリックカラーとチタニウムフィニッシュにしたハイエンド版「MG 1/100 パーフェクトストライクガンダム スペシャルコーティングVer.」も発売された。
また、通常カラーの方もガンダムベース限定品として上記のMG エールストライク Ver.RMとソード・ランチャーストライカーのセットにさらにグランドスラムを付属させた「MG 1/100 ガンダムベース限定 パーフェクトストライクガンダム グランドスラム装備型」が発売されている。
1/60
2020年に「PG パーフェクトストライクガンダム」が発売された。
リニューアルされづらいPG(2004年発売)がベースなのでさすがに本体各所にも改修が入り、アクセントにエクストラフィニッシュのディテールパーツも追加された。
エールストライカーパックも一部ランナーを変更することで無理矢理対応させた形なので、MGと違いジョイントを隠すことは出来ない。
ランチャーストライカーパックとソードストライカーパックはストライク発売15年目にしてこれが初のPG化で、各バックパックも付属する。
また、「PG ストライク」と「PGスカイグラスパー+エールストライカー」をすでに持っているユーザー用に「PG 1/60 ストライクガンダム用 パーフェクトストライクガンダム拡張パーツ」もプレミアムバンダイ限定で単品販売された(こちらには本体のディテールアップパーツは付属しない)。
アクションフィギュア
2013年にROBOT魂で発売されている。
本体のストライクは既発のエールストライクと共通なものの、マルチプルアサルトストライカーパックの重量に耐えるため腰部に大幅な改修が加えられている。
また、インド洋戦で使用されたバズーカ砲もボーナスパーツとして付属する。
そのすさまじいボリュームからROBOT魂でも20m超えの一部大型機体を除けば、屈指の巨大サイズのボックス形態での発売となった。それでも当時はまだまだコストが安かったおかげで原価は5000円を切っていた(実際この後に発売されたストライクノワールは明らかに内容に反して7000円超えというとんでもない高額になったことで色々と話題になった)。
2017年にはNXEDGE STYLEでも発売。
ランチャーとソードのバックパックも付属し、エール・ランチャー・ソードにも分解できるなどかなりプレイバリューの高い仕様となっている。
ちなみにMETAL BUILDはかつてのRG同様ストライク本体と各ストライカーパックは立体化されているのにそれらのジョイントとバッテリーパックは発売されていないという状態のため、現在のところパーフェクトストライクガンダムの再現は不可。
逆に「METAL BUILD ストライクルージュ オオトリ装備」を使うことでマキシマムパーフェクトストライクガンダムの方が先に再現可能になっているという事態になってしまった。
関連イラスト
関連リンク
チーフメカ作監・重田智氏が語る ここが変わった!機動戦士ガンダムSEED HDリマスター
関連項目
機動戦士ガンダムSEED ストライクガンダム ムウ・ラ・フラガ
ストライカーパックシステム マルチプルアサルトストライカー エールストライカー ソードストライカー ランチャーストライカー
デスティニーガンダム:後年の似たような機体。
ガンダムパーフェクトストライクフリーダム:パーフェクトストライクガンダムをモチーフに、ストライクフリーダムガンダムを作り変えたガンプラ。本機同様、エール・ソード・ランチャーの装備が使用できる。