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いすみ鉄道の編集履歴

2023-12-26 03:00:14 バージョン

いすみ鉄道

いすみてつどう

千葉県の房総半島南東部に路線を持つ第三セクターの鉄道会社。

会社概要

千葉県房総半島南東部に路線を持つ第三セクター鉄道会社株式会社。略称はい鉄

日本国有鉄道(国鉄)時代に第一次特定地方交通線に選ばれ、廃止が承認されていた東日本旅客鉄道(JR東日本)木原線を引き継ぐ為1987年(昭和62年)7月7日に設立された。

千葉県や沿線自治体、千葉銀行が株主である。

木原線を転換したいすみ線を運営し、本社は夷隅郡大多喜町のいすみ線大多喜駅敷地内にある。

また同駅には車両基地や乗務区・運転指令所があり、いすみ鉄道の拠点となっている。


最近二代続けて社長を公募したり、車齢が遥かに古いキハ52形キハ28形を1両ずつ西日本旅客鉄道(JR西日本)から譲り受けたり、キハ30形を1両JR東日本から引き取ったり、萌えキャラを投入してみたり、といろいろ取り組んでいる。


世間を賑わす話題として「訓練費700万円を自腹で支払い、試験に合格することで気動車運転士になれる」という採用プランを実施している。


路線データ

路線名いすみ線
路線区間大原〜上総中野
路線距離26.8km
軌間1,067mm
駅数14駅
非電化区間全線
単線区間全線
最高速度65km/h
閉塞方式特殊自動閉塞式(電子符号照査式)
保安装置ATS-SN
第一種鉄道事業者いすみ鉄道

路線概要

大原駅(いすみ市)と上総中野駅(夷隅郡大多喜町)を結ぶいすみ鉄道の鉄道路線。貨物線を除くと千葉県内に3線ある非電化の路線の一つである。

元は国鉄木原線として運営されていたが、慢性的な赤字により第一次特定地方交通線に選ばれ、民営化時にJR東日本が継承した後1988年(昭和63年)3月24日にいすみ鉄道に転換された。

転換後も赤字が続いた為廃止が何度も検討されたが、列車の増発や駅の命名権販売、新駅開業等の経営努力により経営状態の改善が認められた為、廃止を免れて今日に至っている。


かつての名称通り、当初は木更津駅と大原駅を結ぶ計画だった。木更津駅〜上総亀山駅間は久留里線、上総中野駅〜大原駅間は木原線として開業したものの、未成区間は着工すらされずに計画倒れで終わってしまった。


大原駅で接続しているJR東日本外房線とは、かつて同じJR東日本の路線だった事もあり線路は繋がっている。

国鉄時代は旅客列車の直通運転が行われていたが、転換後は行われていない。なおキハ30形をいすみ鉄道が授受する際に連絡線が使用された。


上総中野駅で接続している小湊鐵道小湊鉄道線とは線路こそ構内の側線が繋がっているが、直通運転は計画こそされたものの一度も行われていない。

なお2011年(平成13年)と2020年(令和2年)にこの側線を利用していすみ鉄道から小湊鐵道へモーターカーの譲受が行われた。

また小湊鐵道と共に房総半島の横断路線である事から、両社で大原駅〜五井駅間の片道のみ乗り放題のフリー切符を発売している(大原発はいすみ、五井発は小湊のみ)。


沿線に観光地を多数抱え、春先には菜の花が咲き乱れる中を列車が走行する事でも知られている。


脱線事故

2013年(平成25年)12月28日過ぎに、西畑駅〜上総中野駅間の庄司川橋梁上で大原発上総中野行下り第63D普通列車(いすみ300型302号)が脱線した。

国土交通省の外局である運輸安全委員会による調査の結果、枕木の腐食及びそれに伴う犬釘の劣化によりレールの固定が不十分となり、レールの間隔が拡がった事が直接的な原因とされた。

この時にいすみ鉄道は同委員会による調査前に現場及び車両の修復を行なってしまった。

事故発生時は現場検証が行われるまでは事故現場を発生当時のまま保全する事が大原則であり、許可を得ず勝手に現場の修復を行うと事故原因が分からなくなってしまい、再発防止に繋がらない。

当然いすみ鉄道は委員会から大目玉を喰らい、事故調査報告書にもしっかりとその旨が記載された。


2023年(令和5年)台風13号による被災

2023年9月8日に千葉県に接近した台風の影響で大雨が発生。これにより大多喜駅〜上総中野駅間の複数箇所で土砂崩れや路盤崩壊等の被害を受けた。

大原駅〜大多喜駅間は9月13日に復旧したが、大多喜駅〜上総中野駅間は復旧まで時間を要し、3ヶ月半後の12月25日に運転を再開した。なおキハ52形125号による急行列車の運行は2024年(令和6年)1月6日から再開される予定。

台風の影響により数日間運休した事は2019年(令和元年)にもあったが、不通区間が長期間存在していたのは木原線時代を含めて初のケースである。


沿革

木原線開業〜いすみ鉄道転換まで


いすみ鉄道転換後

  • 1988年(昭和63年)3月24日:JR東日本が木原線の第一種鉄道事業を廃止。いすみ鉄道が第一種鉄道事業を継承し、いすみ線として開業。
  • 2008年(平成20年)8月9日城見ヶ丘駅開業。
  • 2013年(平成25年)12月28日:西畑駅〜上総中野駅間の庄司川橋梁上で下り列車が脱線。
  • 2019年(令和元年)9月9日台風15号の影響で倒木停電が発生し、全線で運転見合わせ。
  • 2019年9月14日:全線運転再開。
  • 2023年(令和5年)9月8日:台風13号により沿線各地が被災し、全線で運転見合わせ。
  • 2023年9月13日:大原駅〜大多喜駅間運転再開。
  • 2023年12月25日:全線運転再開。
  • 2024年1月6日:急行運転再開予定。

運行形態

平日普通列車のみ、土休日は普通列車に加えて観光列車である急行が運行される。急行運転は大原駅〜大多喜駅間で行い、大多喜駅〜上総中野駅間は普通列車として運行する。また土日はヘッドマークが装着される。

基本的には全線通しで運行されるが、一部は大多喜駅を始発・終着とする。上総中野駅では小湊鐵道の列車と接続する。


列車本数は上下線共に同じ。

大原駅〜大多喜駅間は平日は普通のみ13本・土休日は普通10本と急行1本の計11本、大多喜駅〜上総中野駅間は普通のみで平日は12本、土休日は大多喜駅から急行となる列車を含めて10本設定されている。


なお、土休日の上総中野駅の始発は8時前で、首都圏の路線の中では非常に遅い。また全線で一番遅くても21時台に営業を終了する為、営業時間が他の路線に比べて短い事が特徴。


2023年台風被災時

キハ52形の急行列車は当面運休となり、普通列車が大原駅〜大多喜駅間で運行されていた。

不通区間はいすみ市の(有)高崎交通の車両を使用した代行バスによる運行で、下りは平日2本・土休日4本、上りは終日3本設定されていた。

いずれも大多喜駅で列車と接続していたが、上総中野駅での小湊鐵道代行バスとの接続は考慮されていなかった。


駅一覧

●:停車 レ:通過 ※:転換後に開業した駅

駅名命名権急行乗換路線備考
大原FreeWi-FiならWi2大原JR外房線
西大原
上総東
新田野サンテック新田野
国吉
上総中川
城見ヶ丘大多喜ハーブガーデン城見ヶ丘
大多喜デンタルサポート大多喜当駅発着あり
小谷松
東総元週刊バイクTV東総元
久我原三育学院大学久我原
総元GSK総元
西畑momo西畑
上総中野小湊鐵道

使用車両

全て大多喜運輸区所属の気動車

現在の使用車両

転換時から運用されており、全国で数少ないレールバス。登場時はセミクロスシートで形式は「いすみ100型」だったが、ロングシート導入時に「いすみ200型」に、床の張り替え時に現在の形式に改番された。最多7編成が所属していたが、現在は206号のみ残っている。


  • いすみ300型

いすみ鉄道

いすみ200'型置き換えの為2012年(平成24年)に導入された。301号と302号の2編成が所属しておりどちらもセミクロスシートを導入。

302号は前述の脱線事故の当該車両。


いすみ鉄道

2013年(平成25年)に導入された気動車。351号と352号の2編成が所属しておりどちらもトイレ無しのロングシートである。


短時間挑戦 2653

国鉄キハ20系気動車を模した車両。2015年(平成27年)に導入された。車体の外観は「いすみ350型」に近いが厳密には「いすみ300型」の派生車両。その為「いすみ300型」同様に車内はトイレ有りのセミクロスシートである。

当初は「キハ20形303号」となる予定だったが、当時の社長である鳥塚亮の意向でモデルとなった国鉄型気動車に敬意を表し、「キハ20形1303号」を名乗る事となった。

国鉄気動車一般色で塗装されている。


  • キハ52形125号

Happy Halloween Train

元JR西日本富山地域鉄道部富山運転センター車両管理室(廃止)所属の気動車。大糸線で使用されていた。2010年(平成22年)にキハ120形への置き換えに伴い廃車された車両をいすみ鉄道が観光列車用に譲受し、国鉄気動車標準色に塗装した上で2011年(平成23年)から急行列車として営業開始した。一時期首都圏色に塗り替えられたが、現在は国鉄気動車標準色に戻されている。


過去の使用車両

  • キハ28形2346号

キハ58 2346

元JR西日本富山地域鉄道部富山運転センター車両管理室所属の気動車。高山本線で使用されていたが、キハ120形への置き換えに伴いいすみ鉄道が観光列車用に譲受した。

四国旅客鉄道(JR四国)から譲渡されたヘッドマークを装着して急行列車として運転されていたが、2023年(令和5年)に貸切も含めた全ての運用を終了した。


保存車両

  • キハ30形62号

追悼、キハ30

元JR東日本幕張車両センター木更津派出所属の気動車。久留里線で使用されていたが、いすみ鉄道転換まで木原線でも運用されていた。

営業運転では使用せず普段は国吉駅の専用側線で静態保存されており、時折側線で運転体験会が行われる。

なお鳥塚元社長はキハ52形・キハ28形と共に旧国鉄気動車3両を連結して昭和40年代の房総半島の列車を再現する事を計画していたが、鳥塚社長が辞任しキハ28形が引退した今、キハ30形の車籍が復活するかどうかは不明である。


関連タグ

外房線 小湊鉄道 久留里線 上総いすみ


ウマ娘プリティーダービー(アニメ):第3シリーズにおいて劇中で登場し、公式アカウントや千葉県知事が言及する等話題となった。


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