21世紀の夢の超特急をカタチにしたら、こうなりました。
概要
JR東日本が設計・所有し、東北新幹線及び北海道新幹線で運用されている車両。
2009年6月に量産先行車となる「S11編成」が登場、各種試験をした後に、2010年末より量産が開始。
2011年3月5日から東京駅~新青森駅間の最速列車「はやぶさ」で営業運転を開始した。運転開始当初は3編成で、東京駅~新青森駅間が2往復、東京駅~仙台駅間が1往復の運用だった。
現在は、北海道新幹線新函館北斗駅まで運行区間を伸ばした他、はやぶさ以外の列車にも使用されている。(後述)
また、2016年にJR北海道がE5系の同形車H5系を導入している。
ちなみにS11編成は、登場時ロゴマークが付いていなかった。各種試験を行った後、2013年2月28日付で量産化改造され、U1編成に改番された。
U28編成からは、連結面の全周幌が全てゴム製のものに変更された。(H5系と同じ仕様)
開発に当たっては先行して開発された試験電車・E954形「FASTECH 360 S」で得られた各種データが活用されている。
先頭車両は騒音低減のため、E954形8号車で試験された「アローライン」をベースとした「ダブルカスプ」の形状を採用。ノーズ長は500系と同じ15m(E954形では16m長だったが1m短縮。ちなみに短縮された理由としては、最高速度の引き下げに伴う機器スペース削減によるという説が唱えられている)であるが、500系と違い複雑な形状なため客室スペースは少なくなっている。ライトは先頭部両脇に設置していたE954形と異なり、E2系と同じくフロントガラス上部に集中設置された。
塗装は、上部が「常磐グリーン」、下部が「飛雲ホワイト」で、間にE2系J編成から受け継ぐ「はやてピンク」と、いままでの車両と違うデザインとなった。
1号車と10号車に、鳥の「ハヤブサ」をイメージしたロゴマークが付く。
10両編成で、9号車にグリーン車、10号車に国内初採用となる航空機のファーストクラスに該当する上位座席「グランクラス」が連結されている。
電源コンセントは、グランクラスとグリーン車の全席、普通車の窓側座席・客室端部に設置(2015年度増備分のU29編成からは、普通車も全席にコンセントが設置された)。また、乗り心地向上のための「フルアクティブサスペンション」や車体傾斜装置も全車両に導入。
更に騒音低減と乗り心地向上を目的として、車体連結部分には全周幌(支持方式はU27編成までは片持ち支持方式・U28編成以後は車両端に設置した互いの全周幌を突き合わせる方式)と車体間ダンパーが採用されている。
パンタグラフはシングルアーム式が1編成辺り2基搭載されているが、更なる騒音低減のため普段は1基のみ使用する。型式としてはE954形で試験された「くの字主枠」と「1本主枠」の2種のもののうち、「くの字主枠」のものをベースとして開発されたPS208型を採用しており、普段はパンタグラフ1基のみの使用となることから離線可能性減少のため12分割された多分割すり板を採用するとともに、スプリングを内蔵することでより追従性を向上させている。
2012年5月29日、鉄道友の会より第55回ブルーリボン賞を受賞した。
最高速度
最高速度はデビュー当初300km/hだったが、2013年3月16日から320km/hに引き上げられた。(宇都宮駅~盛岡駅間)
大宮駅~宇都宮駅間の最高速度も、従前の240km/hを上回る275km/hで運転する。なお、盛岡駅以遠は整備新幹線区間のため、最高速度は線路規格の関係上260km/hに留まる。(貨物列車も走る青函トンネル区間を除く)
現時点で、連結運転を行うこまちと共に国内最速営業運転を行う車両である。
なお、盛岡以遠についてはスピードアップの計画がある。
なお、320km/h運転するのははやぶさのみで、それ以外は275km/hで運転される。
使用列車
- 現時点では、東北新幹線、北海道新幹線のみで運用される。
- 上越新幹線も団体専用列車として以下の列車で運用されたこともある。
- 2012年11月 「上越新幹線開業30周年記念号」 新潟~上野間
- 2017年7月 「東北新幹線開業35周年記念号」 新潟~八戸間 1往復
- 2017年11月 「上越新幹線35周年記念号」 新潟~上野間
- 一部のはやぶさは、東京駅~盛岡駅間で、秋田新幹線こまちと連結運転を行う。(かつてはスーパーこまちだった。)このため10号車に自動分割併合装置を搭載。
- 東京駅~盛岡駅の区間内の運転列車でE3系やE6系と連結し、16~17両編成の列車として使用される場合もある。なお、E3系連結列車の最高速度は275km/hに制限される。
デビュー当初ははやぶさ専用車両として使用されていたが、2013年より他の東北新幹線列車にも使用されるようになった。なお、はやぶさ以外の一部列車ではグランクラスは非営業。
E5系に相応しい列車名の公募
新列車愛称については、E5系を使用する最速列車として公募され、2010年5月11日に「はやぶさ」とすることが発表された。
なお、「はやぶさ」は7位であったが、「新型高速新幹線車両にふさわしく、わかりやすい」という理由で決定。ちなみに、1位ははつかりだった。
ちなみに、E5系の塗装がVOCALOIDの初音ミクに似ているということから、愛称募集2位に「はつね」がランクイン。その「はつね」だが、後に(同形のH5系とだが)、本当にコラボしてしまった。
今後の予定
当初、2015年度までに59編成を投入し、東北新幹線ではE3系、E6系を除く列車をすべて置き換える計画であったが、東日本大震災の影響で設備投資が優先され、E5系の新造が遅れた結果、2015年の時点で28編成しか製造されていなかった。
2023年10月3日現在は51編成が在籍する。
また、海外への輸出計画があり、2023年開業のインド高速鉄道に25編成が投入される予定。
その他
塗装などはファステックをベースにアレンジしたものになっている。
猫耳と呼ばれ話題になった空力ブレーキは、効力や重量の観点から採用を見送られた。
当初は最高速度360km/h新幹線を目指していたが、安全面などから320km/hに引き下げられた。
360km/h運転は後継車両での採用を目指し、試験車両E956形ALFA-Xが製造され各種試験を行っている。
新幹線変形ロボ_シンカリオン
ジェイアール東日本企画、小学館集英社プロダクション、タカラトミーの3社によって立ち上げられたプロジェクト「シンカリオン」の第一弾として、E5系が選ばれた。
同作品のアニメでは、E5はやぶさが主人公速杉ハヤトが搭乗する主役機として活躍。適合率と呼ばれる数値が高くないと動かせない、シャショットと呼ばれるナビゲーションロボットがいる等、特別な機体として扱われていた。
また、物語後半にはE5はやぶさMkⅡとしてバージョンアップした2機目の車両も登場した。
続編となるシンカリオンZでは、シンカリオンZ_E5はやぶさとして改良された機体(※前述のE5はやぶさ機体と同一か別個体かは不明)が登場し、新機能としてZ合体と呼ばれる在来線車両との合体機能を搭載。E235系山手線と合体したE5ヤマノテなどが登場した。
2024年4月から放送予定の新幹線変形ロボ_シンカリオン_チェンジ_ザ_ワールドにも登場予定。こちらは大型トレーラーと合体することでトレーラーフォームへとパワーアップする。
関連動画
デビューCM
関連イラスト
関連タグ
200系 E2系 E3系 E6系 H5系 ファステック/fastech
TGV:2020年現在、日本のE5系・H5系・E6系と並ぶ世界2位の最高運転速度を誇るフランスの高速鉄道(及びその車両)。
復興号:2019年より世界最速である350km/hで運転している中国の列車。