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編集者:星野アイ
編集内容:キメ学描写追加

(何だっけあの雲の形 何て言うんだっけ)

仲間の為に命を懸けたこと 後悔なんてしない

それは、誰よりも剣技の才を持つ者

プロフィール

階級柱(霞柱)
誕生日8月8日
年齢14歳
身長160cm
体重56kg
出身地景信山(現・東京都八王子市神奈川県相模原市の境界
趣味紙切り、折り紙(死ぬほど飛ぶ紙飛行機を作れる)
好きなものふろふき大根
CV(アニメ)河西健吾
演(舞台)奥田夢叶

人物

霞のように朧げな意志を持つ天才剣士

一人称は基本的に『僕』だが、時折『俺』になる事がある。

行動基準は自身の考える優先事項に基づいており、それを邪魔する者に対しては相手が何者だろうと容赦のない言動を取る。

「一人を守って時間を浪費するよりも、数十人の命を守る方が先」「責任の重い柱とそれ以外の人間との時間の重さは平等ではない」といった非常に合理的な思考をする

他人に対する物言いには人との接し方に棘がある。無論彼に悪意があるわけではない。

炭治郎曰く「正論だけど配慮に欠けていて残酷です‼︎」。

ただし、これらの言動はあくまで「鬼から人命を最短かつ適切に守る」という鬼殺隊の理念に則ったうえでのものであり、自己中心的・非人道的・利己的な性格という訳ではなく、匂いで心理状態を読み取れる炭治郎も悪意等を一切感じる事はなかった。また、表情が変わる事のない彼であるが、殺した人間を生かし苦しめながら自身の作品の材料に利用すると言う下衆な行為を行った玉壺『おい…いい加減にしろよ、クソ野郎が』とドスの効いた低い声で怒りを露わにするなど、人の命を露悪的に弄ぶ鬼に嫌悪感を抱いている描写がある。

無辜の民を守る鬼殺隊としての使命感・責任感は強く、非常に正論である。鬼の攻撃から非戦闘員を庇う際には躊躇いなく自身を盾にするなど、幼いながらも鬼殺隊の柱として相応しい人物。記憶がない時も仲間を守る優しい一面があったりする。

また、お供の鎹鴉によると、日の呼吸の使い手の末裔であるらしく、その実力は未知数(詳細は後述)。

一方で、過去に何らかの理由によって記憶喪失となっており、さらに頭に霞がかかったように物事をすぐに忘れてしまうという後遺症を負っている。その為に「自分の信じた道を進めば失った記憶は必ず戻る」と励ましてくれた産屋敷耀哉の存在とその言葉を心の支えにしており、彼が認めてくれた柱としてその責務を果たすという意思がとても強い。

炭治郎との会話のとあるやり取りで一瞬年相応のリアクションで動揺した事もあり、他人への配慮が欠けているのも他人に配慮する余裕が無いというのが本当のところである。

容姿

中性的な顔立ちで腰に届く程の髪を伸ばした、表情の変わることが無い小柄な美少年。

髪色は黒から毛先にかけて青(エメラルドグリーン)のグラデーションになっており、瞳は淡い青で虹彩がハッキリとせずにぼんやりとしている。

能力

宇髄天元によれば、鬼殺隊に入ってから刀を握って二ヶ月で柱まで昇格した天才剣士。

生来の天才肌ではあるが、その才能を十全に活かす為の鍛錬は欠かさず、華奢な見た目とは裏腹に柱の称号に相応しく身体は極限まで鍛えぬかれ引き締まっている。

本人の気性からか無駄を嫌い、鍛錬にしても剣筋にしても効率よく最適な動作で無駄のない行動を好んでいる。現柱内では腕相撲ランキングでは7位、俊足ランキングでは8位と腕力、機動力共に測定した時点では低い方だったが、その秘めたる潜在能力は現柱内でもトップレベルである。

全集中 霞の呼吸

霞の呼吸は風の呼吸から派生した呼吸であり、日輪刀の色は白色となる。

攻撃の際には霞みがかった霧の様なエフェクトが描かれる。

壱ノ型 ~ 陸ノ型

詳細は霞の呼吸の項を参照。

漆ノ型 朧(おぼろ)

無一郎自身が編み出した独自の奥義。現れる際は亀のように遅く、消える際は瞬きする一瞬の間にと、緩急自在の足運びで、あまりの緩急に相手は霞に巻かれているかのような錯覚を覚える。そして、相手の死角から一気に攻撃を仕掛ける形となる。

装備

鬼殺隊士の基本装備として日輪刀と隊服を支給され、鎹鴉をあてがわれている。

日輪刀

詳細は個別記事を参照。

拵は鞘や柄巻等、全体的に黒を基調としており、柄の鮫皮は緑色、鍔は金縁の四角を重ね合わせたデザインの角型鍔となっている。

霞の呼吸の適正を表す白い刀身に柱である事を示す「惡鬼滅殺」の文字が彫られている。

元々の担当の刀匠は鉄井戸(てついど)という老人。

鉄井戸は無一郎を『坊や』と呼び、柱の剣士としてではなく、家族も記憶も失った天涯孤独の子供として扱い、その境遇や彼の表面上の冷淡さの理由、そして血反吐を吐く様な努力を理解して未来を案じていた。心臓の病で先が長くない事を悟って、後の担当刀鍛冶・鉄穴森鋼蔵への手記を遺していた。

最初の彼の刀は縁壱零式との訓練で完全に破損してしまい、縁壱零式の持っていた四ツ木瓜形の鍔に出鮫式柄の拵を備えた日輪刀を間に合わせに持って行ったのだが、あくまで急場しのぎだった上に、そもそも霞の呼吸の刀でもなかったのでやはり彼には合ってはいなかったらしく、連闘で酷く刃こぼれし、玉壺戦で完全に損壊してしまう。

その後は、鉄井戸が残していた手記通りに鉄穴森が打っていた刀を彼に託されて、それが新たな愛刀になった。

隊服

柱の中では珍しく、鬼殺隊共通の背中に「滅」の字を背負った隊服をそのまま着用しており、脚絆も羽織も装着していない至ってシンプルな出で立ちだが、サイズが大きく和服の様に袖口や足元などが少々大きくダボついている。

鬼殺隊見聞録によれば、大きめの隊服を着ているのは、手の長さや向き、関節の向きなど体の形を分かり辛くする事で、間合いや次の動作を悟らせない意図がある為。

実際、和服のも広がった形状なのは、膝の折り曲げ一つで刀の到達する距離はかなり変わる事から、膝の動きを分かり辛くして摺り足で動く事を想定している為である。

鎹鴉

cv:釘宮理恵

鎹鴉の中では珍しい雌鴉で、名前は「銀子」。マツゲが長い。

無一郎を溺愛しており「アノ子ハ天才ナノヨ!!アンタ達トハ次元ガ違ウノヨ ホホホホ!!」と無一郎が日の呼吸の使い手の子孫である事を自慢気に炭治郎に明かした。

詳細は当該記事参照。

対人関係

記憶を取り戻した後の無一郎は、公式ファンブック「鬼殺隊見聞録・壱」では柱稽古の際、修行を完璧にこなす隊士には笑顔で接するがそれ以外には冷たい事が明かされた。更に鬼殺隊見聞録・弍では霞柱は口調は和らいだが、柱稽古の際、課題を終えないものには相変わらず毒舌だったと書いてあった。

不真面目な隊士に塩対応なだけで頑張る隊士には笑顔で接するらしい。ノベライズによると無一郎が機嫌がいい時に一般隊士が便乗しようとしていたので塩対応をしたらしいとの事。

公式ファンブック「鬼殺隊見聞録・弐」にて柱内での評価やお互いの印象が明かされた。

柱になって日が浅いのと、記憶障害のせいで無感情な性格になっていた為に、全体的な打ち解け度は40%とやや低め。しかし、他の柱達からは記憶障害やその年若さもあって、何かと気にかけられていたようであり、また柱としての能力自体は認められ、評価されていた事が分かる内容になっている。

無一郎の方は、基本的に人を動物など何かに例えており、そしてしのぶ、煉獄、伊黒、蜜璃の事は褒めている。

基本的に記憶を取り戻した後は、他の柱や目上の相手には敬語で接している

冨岡義勇

無一郎から見た義勇の印象は「置き物みたい。」、義勇から見た無一郎の印象は「あんまり話したことない。」。お互い当初は口数が少ない者同士なので、話した事は少なかった模様。

胡蝶しのぶ

無一郎から見たしのぶの印象は「燕みたい。優しい笑顔。」、しのぶから見た無一郎の印象は「傷の手当て、記憶障害を診察。言葉を上手く選べないことがあるが、根は良い子。」

彼女の蝶屋敷にて体温計を測った事が、の発動条件を解明するきっかけとなった。

煉獄杏寿郎

無一郎から見た杏寿郎の印象は「梟みたい。快活な声が心地よい人。」、杏寿郎から見た無一郎の印象は「同じ歳の頃の自分より才覚がある!若いのに頑張ってえらい!」

杏寿郎には同じくらいの歳の弟がいる為か、無一郎にはよく声をかけていたらしく、無一郎は彼の亡き後、小鉄が懐に入れた事で鬼の攻撃から彼を守ってくれた杏寿郎の日輪刀の鍔を見て、「柱として共に頑張ろう」と優しく激励の言葉をかけて貰った事を想起し、静かに涙を流した。

宇髄天元

無一郎から見た天元の印象は「猿みたい。たまに頭をぐしゃぐしゃされる。」、天元から見た無一郎の印象は「ぼーっとしてる。若い。地味。」

天元からは同僚の中で唯一はっきり「地味」と評されてしまっている。一方で、刀を握って二か月で柱になったその実力自体は高く評価していた。

甘露寺蜜璃

無一郎から見た蜜璃の印象は「ぴよぴよ言ってて桃色のヒヨコみたい。髪の毛が綺麗。」、蜜璃から見た無一郎の印象は「若いのに柱なんて凄い!悟り開いている系で素敵!」

悲鳴嶼行冥

無一郎から見た行冥の印象は「熊みたい。一番強い人。」、行冥から見た無一郎の印象は「言うべきことは言える。精神が成熟している。」

無限城決戦では行動を共にし、上弦の壱戦では実弥、玄弥ら四人で共闘した。ノベライズ版では、最年長の柱として最年少の彼を特別に気遣う様子も見せており、その際に無一郎の方も行冥に心を開いている様子を見せている。

伊黒小芭内

無一郎から見た小芭内の印象は「山猫みたい。静かな人。目が綺麗。左右色が違うので最初びっくりした。」、小芭内から見た無一郎の印象は「若いので、死なないで欲しい。たまに話す。」

不死川実弥

霞の呼吸の源流、風の呼吸の使い手。

無一郎から見た実弥の印象はみたい。」、実弥から見た無一郎の印象は「あんまり話したことない。」

過去

希代の天才剣士である無一郎だが、生まれは剣士でも何でもなく、人里離れた山の中で杣人として生計を立てる家庭に生まれた少し甘えん坊で泣き虫だが、お人好しの素直で優しい少年だった。

しかし、無一郎が10歳の時に事故や病で父母が相次いで亡くなってしまう。その後、唯一残った肉親である双子の兄・有一郎とともに暮らす事になった。

兄、有一郎は無一郎と瓜二つの外見をしていたが、性格は対照的に言葉がきつく、現実主義かつ合理主義であった。そのため無一郎は兄は冷たい人で、自分はきっと嫌われていると思っていた。

有一郎「情けは人の為ならず 誰かのために何かしてもろくなことにならない。」

無一郎「違うよ。“人の為にすることは、巡り巡って自分のためになるってことだ”って父さんが言っていた。」

有一郎「人のために何かしようとして死んだ人間の言うことなんてあてにならない。(母が)あんな状態になってて薬草なんかで治るはずないだろ、馬鹿の極みだね。(父は)嵐の中を外に出なけりゃ、死んだのは母さん一人で済んだのに」

万事がこのような調子で、有一郎は両親の死に対してすら冷淡で客観的だった。

「そんな言い方をするなよ!!あんまりだよ!!」と心無い言葉に泣く無一郎に対し有一郎は、

有一郎「俺は事実しか言っていない。五月蝿いから大きな声出すな。猪が来るぞ。“無一郎の無は無能の無”。こんな会話意味が無い。結局過去は変わらない。“無一郎の無は無意味の無”。」

と振り向きもせずに呟くのみだった。

「情けは人の為ならず 誰かの為に何かしてもろくな事にならない」

「人の為にすることは巡り巡って自分の為になるって意味だよ」

この会話は106話での炭治郎とのやりとりと酷似しており、この時の無一郎の動揺はこの過去に触れた為である。結果的にこの言葉がきっかけで小鉄を救う事となり、記憶が甦る道筋を作った。

11歳の頃、双子の家を産屋敷あまねが訪ね、時透家の家系は始まりの呼吸の子孫である事を教えた上で、鬼殺隊に誘う。他の隊士達は基本的に自ら志願して鬼殺隊に入隊している事からすると、産屋敷家の者が直々勧誘にくるのは極めて異例で光栄な扱いであったが、有一郎はいつも通りの暴言を吐いて追い返す。

無一郎は「鬼に苦しめられてる人たちを助けて上げようよ!」と純粋な気持ちで話に乗りかけるも、晩飯を作っている最中の有一郎は、大根を菜切り包丁で勢い良く叩き斬りながら、

「お前に何が出来るって言うんだよ!!!!!米も1人で炊けないような奴が剣士になる!?人を助ける!!?バカも休み休み言えよ!!!!

本当にお前は父さんと母さんそっくりだな!!楽観的すぎるんだよ!!!どういう頭してるんだ!?具合が悪いのを言わないで働いて体を壊した母さんも! 嵐の中薬草なんか採りに行った父さんも! あんなに止めたのに…!!母さんにも休んでって何度も言ったのに!!!

人を助けるなんて事はな!!選ばれた人間にしか出来ないんだ! 先祖が剣士だったからって子供の俺たちに何が出来る!!!!?

教えてやろうか? 出来ること 俺たちに出来ること

犬死にと無駄死にだよ 父さんと母さんの子供だからな

結局はあの女に利用されるだけだ! 何か企んでるに決まってる! この話はこれで終わりだ!!!良いな!!さっさと晩飯の支度をしろ!!!」

上述の台詞で激高して吐き捨てる。双子は次第にすれ違い、口を利かなくなってしまう。その後も足繁く通うあまねを有一郎が追い返し続け、ある日、彼女に水を浴びせかけた事で喧嘩したのがあったきりだった。

しかし、無一郎の運命は突如激変する。

ある夏の熱帯夜、戸を開放したまま寝ていたところに鬼が侵入してきた。有一郎に深手を負わせた鬼の「どうせお前らみたいな貧乏な木こりは何の役にも立たねえだろ。いてもいなくても変わらないようなつまらない命なんだからよ」という言葉に未だかつてない激しい怒りを覚えた無一郎は我を忘れ、恐るべき力で鬼を返り討ちにする。夜が明けるまで斧や薪、小岩等、有り合わせの物を武器に一晩中応戦した結果、鬼は地面に磔にされた上で頭を押し潰され、それでも死ねずに苦しんでいたが日光により消滅した。

生まれて初めての激しい戦闘で体力を極限まで消耗した無一郎は、鉛のように重くなった体に鞭打ち、なんとか血塗れの兄のいる家へと這いずっていった。

有一郎は辛うじて息はあったものの、もはや死に瀕しており、何か呟いている。

「神…様…。仏…様…。どうか…どうか…弟だけは…助けてください…

 弟は…俺と…違う…心の優しい…子です…人の…役に…立ちたいと…いうのを…俺が…邪魔した…。 悪いのは…俺だけ…です…バチを当てるなら…俺だけに…してください……。」

今際の際にて弟の無事と安寧を神仏に祈り、

 「わかって…いたんだ……本当は………」

「無一郎の…“無”は…… “無限”の“無”なんだ」

そう言い遺して有一郎は息を引き取った。

どれだけ善良に生きていたって神様も仏様も結局守ってはくださらないから、

俺がお前を守らねばと思ったんだ。

優しくしてやれなくてごめんな。いつも俺には余裕がなかった。

人に優しくできるのも やっぱり選ばれた人間だけなんだよな。

10歳という幼い身で両親という甘えられる存在を亡くした有一郎は、唯一残された弟に死んで欲しくないという想いから、思いやりの言葉を掛ける余裕すら無くしながらも、自分也に必死で無一郎を守ろうとしていたのである。

そして無一郎は産屋敷あまね等に救護されるまで、目の前で兄に蛆が湧き腐っていく様を、自分の体も蛆にたかられながら這いつくばり、死の淵で見続けたのだった。

この出来事で心身共に深いショックを受け、一時は生死の境を彷徨った無一郎はその後遺症で記憶喪失となり、さらに新しい事を覚えている事もままならない状態となってしまった。

そのまま産屋敷家に保護され、上述したように鬼殺隊に入って僅か二ヶ月という驚異的なスピードで柱となった。それは天賦の才能に加え記憶を失ってなお、彼は煮えたぎる怒りによって、包帯も取れない重傷の身で血反吐を吐く程に自分を鍛えて叩き上げたからである。

これ自体は、記憶を保っていられない身だらこそ、自分の身体に直接技術を叩き込んで覚える必要があったという事情も大きいと思われる。

これらの刀鍛冶の里編での彼の過去描写と、記憶を取り戻してから玉壺を倒すまでの流れは鬼滅でも特に人気の高い名シーンの一つとされており、一連の展開は多くのファンから「無一郎が主人公みたい」と高い評価を集めた。

記憶を取り戻した無一郎は、かつて記憶喪失だった頃の自分を「有一郎に似ていた気がする」と語っている。

これは当初は自分の兄の存在すら忘れていた為に、潜在的に残っていた記憶の中の有一郎を自分と同一視して無自覚に有一郎の言動をなぞっていたから。一人称が「僕」と「俺」で安定しなかったのも、元々の無一郎と有一郎それぞれの一人称が交ざっていたからである。

本来の彼は、自分ではない他人の為に無限の力を引き出す事ができる心優しい性格の持ち主鉄井戸に対して心の中で感謝と謝罪の念を抱き、鉄穴森鋼蔵に刀を作ってくれた事に感謝したり、小鉄を命をかけて守ったりと、特に記憶を取り戻してからは彼の潜在的な優しい性格が随所から出ている。

一方で、上記した過去の経緯から鬼に対する敵意は非常に強く、玉壺と対峙した際に見せた強い敵意や、「鬼を根絶やしにする」という凄まじい怒りと目的意識で、彼が包帯も取れない身で血反吐を吐く程に自分を鍛えた事からもそれが窺える。

柱稽古では、修行を完璧にこなすものには笑顔で接するがそれ以外には厳しいという側面が描かれ、ファンブック弐には柱稽古の際、口調は柔らかいが柱稽古にて課題をやらない人には毒舌だったとされており、つまり課題をやる人には優しいのである。

逆に課題をこなせず残留している隊士への冷たく厳しい言動も、全ては彼等を一人でも多く生かし長生きして欲しいという強い想いの裏返しである。

アニメの柱稽古編の無一郎のパートは、こういった側面が深掘りされており、彼の一人でも多くの隊士に生き残って長生きして欲しいという想いや、その為に影で彼自身もどれ程の努力を重ねているかが描かれている。

また、終盤には炭治郎や隊士達と“紙飛行機合戦”をするアニオリが追加されており、ここでは笑顔で楽しそうに他の隊士達と接し、親睦を深める無一郎の様子が描かれていて、柱ではなく本当に年相応の少年としての無一郎の姿が見れる。

また、耀哉に日輪刀を常に万全の状態にする為に刀鍛冶を呼ぶように進言し、自分の担当刀鍛冶の鉄穴森を呼んで専用の施設を用意する等、稽古だけでなくその裏での戦いに向けた準備も、彼が主体的に進言して進めさせていた事が判明した。

記憶を取り戻した後の無一郎の一人称は、親しい相手の前では「僕」、戦闘時などで気が立っている時は「俺」になるようになり、以前のような不安定さは見られないまま、双子どちらの要素も併せ持った性格となった。また、記憶を取り戻した後は瞳にハイライトが描かれるようになった。

ちなみに無一郎自身は、この事を記憶が安定しない頃の自分を、兄が守ってくれていたように感じて嬉しかった様子。

余談

人気投票

第1回人気投票時点では、まだ柱合裁判での顔見せ程度しか出番がなかったのもあって、55票で29位とかなり低い結果だった。

それに対して、連載終了後に行われた第2回人気投票では、その活躍ぶりと総投票数が大幅に増加したのもあって、11948票で3位という目覚ましい大躍進をし、本作屈指の人気キャラの一人となった。

担当声優

無一郎の声を担当する河西健吾氏はこれまで『NARUTO疾風伝』でうちはカガミ役、『Dr.STONE』であさぎりゲン役、『食戟のソーマ』の佐藤昭二役を担当しており、ジャンプ作品と非常に縁がある声優である。

ちなみに吾峠呼世晴原画展では兄弟として不死川玄弥と2人セットで等身パネルで展示されている

19巻にてキメツ学園の設定が兄の有一郎共々明かされた。

中等部2年の銀杏組(有一郎)と里芋組(無一郎)。将棋部所属(プロ棋士間近としてTVにも出演済み)。女性人気が飛ぶ鳥を落とす勢い。2人共自分達の運動神経が良い事には気付いていない様子。

有一郎は頭の回転が速く何でもそつなくこなせるが、驚くと固まるタイプなので突発的に何か起こった時に反応するのは、一見おっとりしている無一郎の方だったりする。

先日も妖怪に踵落としを、電車に出た変質者にパンチを喰らわせたとの事。

キメツ学園!

中等部2年里芋組、時透ツインズの弟。双子の兄は銀杏組の時透有一郎

兄弟揃って中等部が誇る天才キッズであり、「教科書を読むだけで高度な学習内容でも覚えられる」「覚えた公式を使ってアドリブで問題を作れる」「対象の人物に合わせた指導内容をその場で提供する」をそつなくこなせる。

兄弟揃って将棋部に在籍しており、その腕はプロ顔負けとの噂。その縁もあり、産屋敷家の娘達に将棋を教えている。

交遊関係はかなり広く、学園内では同級生はもちろん前述の産屋敷家の娘達や小鉄などの初等部勢から高等部の炭治郎や善逸、伊之助や玄弥に至るまで仲がいい。

玄弥とは無一郎から玄弥を花見に誘うほど仲良くなっている

外部出演

コトダマン

木属性・英雄族のコラボユニットとして登場。

手持ちワードの一つ「む」で言葉を作るのが非常に難しい事やリーダー特性の恩恵を得るための編成難度が高いなどクセのある性能だが、水属性も扱える二属性持ちである点や木属性ユニットの中でもトップレベルの火力を誇る超アタッカー。すごわざ「邪魔だよ」も追加効果こそない単発攻撃なものの、その威力は鬼滅コラボユニットの中でもトップクラスの一つに挙げられる。

白猫プロジェクトNEW WORLD'S

水属性の「剣神」(従来の剣士やソードマスターに相当)として登場。

コラボイベント第3弾にて登場、他の柱たちとともにキャラガチャで入手可能。

アクションスキルは、霞の呼吸のうち、「陸ノ型 月の霞消」「漆ノ型 朧」を使用する。

転移された時系列は、柱稽古編の直前。天元・実弥・小芭内とともに見知らぬ世界に移動し、かつて訪れたことのある世界であることを天元から説明を受ける。すぐに炭治郎・しのぶ・義勇・蜜璃・行冥と合流し、元の世界に帰るために奮闘することになる。

また、イベント「みんな歓迎!飛行島」では、同声優がCVを担当する〈剛剣〉ルグノスおよびハヤト・カミシロと共演。

飛行島で2日間もコルネに放置されたルグノスに遭遇すると、異世界では刀も喋ることに少し驚いた。さらにハヤトと出会い、剣に対応した銃の射撃の練習に付き合うことになり、傍にあったルグノスを使った。ルグノスの刃が少し欠け泣きじゃくる一方、ハヤトとはお互いに良い稽古になったと労った。なお、ルグノス自体は当該イベントの配布武器扱いのため、無一郎にルグノスを装備させることも可能である。

『無限城決戦編』にて(以下、ネタバレ注意)

※「無限城決戦編」は『鬼滅の刃』の最終章に当たる為に、見出しからのネタバレ(当キャラの生死含む)防止目的であえて下記のように表示している。

ネタバレA無限城内部での対「上弦の鬼」戦。
ネタバレB無惨を倒した後の話

ネタバレA

第165話にて"上弦の壱"・黒死牟と対峙。その際、の末裔である事が明かされた。

柱の中で一番才覚に恵まれているであろう無一郎がを発現した状態で、黒死牟の斬撃までは避けたが、経験の浅さから血鬼術による不可知の攻撃までは見切る事ができず、左手首を斬り飛ばされた上に磔にされるが、駆け付けた玄弥実弥悲鳴嶼により何とか危機を脱する。

しかし、宇髄の様に体格に恵まれていない無一郎ではこのままいくと失血死は確実だったため、玄弥に「俺が上弦の壱の動きを止めたら俺ごと撃っていい」と頼み捨て身の特攻に臨む。

無一郎が透き通る世界を感知し始め、左脚を斬り落とされながらも刀を胴に突き刺し、更に玄弥が発現させた血鬼術により黒死牟は動きを封じられ形勢逆転かと思われたその時、黒死牟の全身から刃を出し全方向へ斬撃を飛ばすという反撃を喰らい、無一郎は上半身と下半身を切断されてしまう。

本来なら即死でもおかしくなかったが、勝利への執念を燃やす無一郎は意地でも絶対に刀から手を離さず、死に瀕した際に発揮される万力によって赫灼の刃を発現。黒死牟に致命傷を与える事に成功する。

悲鳴嶼や実弥を守ろうと体を張って行動したり、玄弥が腕を黒死牟に切断される際も彼の名前を叫び「大丈夫か?」と声をかけ心配して包帯をまいて手当てする様子をみせる。玄弥が思い出す記憶の中に笑顔の無一郎がいたことから無一郎は玄弥に対しても笑顔で接していたことがうかがえる。ちなみに23巻の炭彦の夢の中でも玄弥が無一郎に話かけてるような描写がある。戦闘中は「死なせない‼︎貴方はまだ両腕で刀を振れる………‼︎」と同僚である実弥を助ける。悲鳴嶼さんや実弥を死なせてはいけないと思ったり、玄弥を気にかけたりと仲間思いの一面も見せた。

何とか戦いには勝利したが、その代償はあまりにも大きく黒死牟消滅時にはもう無一郎は目を開けたまま事切れていた。

そして彼は、兄の有一郎と再会を果たす。

「戻れ‼︎ 無駄死にだ こんなんじゃ何の為に お前が生まれたのかわからないじゃないか‼︎」

泣いて怒りながら有一郎が叫ぶ

仲間を見捨てて逃げられないよ

僕は何からも逃げなかったし 目を逸らさなかったんだ。仲間の為に命を懸けたこと 後悔なんてしない

僕は 幸せになる為に生まれてきたんだ

泣きながら訴える有一郎に 無一郎はそう返しとどまる。

「だけど俺は………無一郎に死なないで欲しかったんだ......無一郎だけは......」

有一郎は更に泣き崩れ、双子は泣きながら抱擁を交わしたのだった。

無一郎の訃報は玄弥の訃報と同時に他の隊士達へと告げられ、無一郎と打ち解けていた炭治郎も涙を流していた。

最終回のラストシーンのネタバレ

最終巻23巻に付属された追加ページでは

桜が散る中 隊服姿でこちらを向いて柔らかく笑う彼の姿と共に

“ 幸せは長さではない ”

“ 見て欲しい この私の幸せの深さを ”

とメッセージが添えられている。

最終回では、有一郎と無一郎に似た双子の赤子が、ベビーカーの中で眠る姿が確認できる。

編集者:星野アイ
編集内容:キメ学描写追加