概要
元々は霜降り明星のせいやが自身のラジオ番組『霜降り明星のだましうち!』で、「第7世代みたいな感じで、自分達と同世代のお笑い芸人・ミュージシャン・YouTuber等のくくりがあったら面白い」と何気なく発言したことが由来。これが半ば一人歩きした結果現在の用法に至っている。
はっきりした定義はないが、主に平成(1989年1月8日以降)生まれで、2015~20年頃にブレイクしたお笑い芸人を指す言葉であり、「提唱者」の霜降り明星が中心的な存在となっている。
明らかに上の年代の芸人でも、コンビやトリオの一人が平成生まれか、いわゆる「ゆとり世代(1987年4月2日以降)」であれば含まれていることが多い。
芸歴(デビュー年)としては概ね2010年以降にデビューし(吉本NSCで言えば大阪32期・東京15期相当以降)、なおかつ前述の年齢基準を満たす者(もしくは、そのような者がコンビ・トリオ内に居るグループ)が該当するものと解釈される。コンビやトリオの場合、年齢だけでなく芸歴自体が第七世代より上となるメンバーが含まれる場合もある。
もともとお笑いの世界には「8年ごとにお笑いブームがくる」「8年ごとにお笑い界に大スターが現れる」という8年周期説があり、お笑い第一世代から8年ごとに区切るとだいたい上記のあたりで第六と第七の境目になる。
ただ霜降り明星のM-1グランプリ優勝、ハナコのキングオブコント優勝によって生まれた「当時の新進気鋭の芸人」枠という面も強く、どの芸人を含むかは人によって解釈が異なる。
お笑い第一世代~第四世代というくくりは以前からあったのだが、第五世代・第六世代という言葉はほとんど使われていなかった。そのため第七世代という言葉がよく使われるようになってから「第五世代・第六世代は誰なのか」という議論が起こるようになった。
第五世代については『爆笑オンエアバトル』(初期)・『エンタの神様』・『はねるのトびら』などで台頭した世代ということで、比較的はっきりしているが、第六世代に誰を入れるか人によって意見が分かれる。
特に2000年頃にデビューした芸人が大きく割れており、例として第六世代と言われることが多い千鳥は、第五世代に括られているキングコングよりも先輩かつロバート・インパルスと同期であり、先述の8年周期説に当てはめて芸歴で見れば第五世代となる。
芸人や世代によっては「芸歴」で括る場合と「ブレイク時期」で括る場合が混在しているため、あくまで第○世代というのは大まかな基準に過ぎないということへの留意が必要である。
例えば有吉弘行は「第七世代」という括りが生まれたことで各世代が定義され直したことについて、同じ世代でもブレイクの時期や程度に差があることを理由に疑問視している。
なお、提唱者となったせいやは「(『七』という番号は)順番ではないんすよね。平成世代とか、なんでもよかった」「『ゆとり世代』でもええわ」という発言をしている。
主な芸人
- 吉本興業:霜降り明星、ゆりやんレトリィバァ、3時のヒロイン、空気階段、ガンバレルーヤ、ミキ、蛙亭など
- ワタナベエンターテインメント:四千頭身、ハナコ、ブルゾンちえみ(芸人は引退)、ワタリ119、Aマッソなど
- 太田プロ:宮下草薙、納言など
- マセキ芸能社:パーパー、かが屋など
- ホリプロコム:きつねなど
- グレープカンパニー:ティモンディ、東京ホテイソン、カミナリなど
- 人力舎:ザ・マミィ、吉住など
- その他:フワちゃん、ラランド、Mr.シャチホコ、夢屋まさる(芸能界引退)など
グループ内で年齢、活動歴に差がある芸人
基本的には第七世代と括られるが、ぺこぱのように「自分達は第七世代ではない」と明言しているグループもある。
- EXIT…2017年結成。りんたろー。(1986年生まれ)は東京NSC14期で、2011年から2016年まで別コンビで活動していたため、芸歴的には第七世代より若干上である。一方兼近大樹(1991年生まれ)は東京NSC19期で第七世代にちょうど合致し、結成年的にも第七世代となる。
- ぼる塾…元々は「猫塾」と「しんぼる」という2グループが合体する形で結成された。猫塾は東京NSC18期生同士で結成、しんぼるは20期生で、どちらもデビュー年からいえば第七世代相当だが、田辺智加(1983年生まれ)のみ年齢が少し離れている。
- ぺこぱ…2008年結成。また、松陰寺太勇はそれ以前にソロ活動期間がある。シュウペイは年齢的に第七世代相当だが、本人たちは「(活動歴的にも)第七世代ではない」(後述の「6.5世代」に近い)と明言している。
- コロコロチキチキペッパーズ…2012年結成。芸歴は提唱者である霜降り明星と同期(大阪NSC33期)であり、西野創人(1991年生まれ)が平成生まれとなるため第七世代に該当する。しかし、ナダル(1984年生まれ)の年齢や、ブレイクが「第七世代」という言葉が生まれるより若干早かったこともあって、あまり第七世代として扱われない。
第六と第七の境界線あたりの芸人
「第6.5世代」と言われることが多い。
世代的には第六世代の下の方に当たるが、大阪など地方から東京(全国区)に進出したことや、賞レースで注目を浴びたことにより、ブレイクの時期が第七世代に近いケース。
ニューヨーク※1、ミルクボーイ、マヂカルラブリー、鬼越トマホーク※2、アインシュタイン、トム・ブラウン、金属バットなど
- ※1…芸歴では概ね第七世代となるが、年齢的には少し上。ただし、本人たちが霜降り明星に「第七世代に入れてくれ」と直訴したことを機に第七世代扱いとなっている。せいやからは「第七世代のリーダーになってほしい」と言われる一方、粗品からは「令和元年の時点で既に30代(平成生まれではない)の時点で第七世代ではない」と冗談混じりに否定されている。
- ※2…ニューヨークと同じく芸歴では概ね第七世代だが、年齢的には少し上。ただし、一度解散して2014年に再結成しており、これによりブレイクが第七世代と同じ時期にずれ込んでいる。
ブレイクのタイミング的に第七世代とくくられることがある芸人
年齢的にも芸歴的にも第七世代および第6.5世代には該当しないが、ブレイクの時期から第七世代に近い扱いを受けるケース。
それぞれピンや別のコンビで活動していた芸人同士が、2010年以降に結成し、本来の意味での第七世代の芸人と同時期にブレイクを果たした場合などが該当する。基本的には「ネタとして」扱われることが多い。
- 錦鯉…2012年結成。長谷川雅紀は札幌吉本1期生(1994年デビュー)。渡辺隆は東京NSC5期生で、明らかに第七世代ではない。2019年ごろから注目されるようになった。
- ゾフィー…2014年結成。両名とも養成所を経ずに活動しており、また別のコンビでの活動・解散歴がある。上田航平は舞台での活動が中心で、サイトウナオキは会社員と兼業で活動していた。
- おいでやすこが…2019年結成。元はそれぞれおいでやす小田・こがけんとしてピンで活動しており、どちらも1978年度生まれ、2001年デビュー(小田は大阪NSC23期、こがけんは東京NSC7期)のため第七世代ではない。M-1出場のために組んだ即席ユニットであったが、のちにユニットでの活動の比重が大きくなった。
- 完熟フレッシュ…2016年結成。父親の池田57CRAZY(1975年生まれ、2002年デビュー)は元々別コンビで活動した後一時引退しており、娘の池田レイラ(2005年生まれ)を誘ってコンビを結成・再デビューした。レイラの芸歴は概ね第七世代相当だが、年齢的にはどちらも第七世代には該当しない。
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有吉の壁…「次世代を担う若手お笑い芸人たちが、有吉弘行が用意した『お笑いの壁』に挑戦し、壁を越え芸人として成長する」という番組コンセプトが掲げられており、第6.5〜7世代の芸人が数多く出演している。