ウルトラQ_darkfantasy
うるとらきゅーだーくふぁんたじー
「闇が何だ!闇が怖くてTVが務まるか!闇に…闇に明かりを当ててやる!」
ウルトラシリーズ第一作『ウルトラQ』のリメイク版。『Q』で本来目指していたミステリー系を志向して制作されており、怪獣はあんまり登場しない。
一話一話が別の世界観で構築されたバラエティ豊かなオムニバス形式で、豪華キャストで送る独自の世界観の応酬は必見。同時期に放送されたマックスと並び、毎回のサブタイロゴのデザインが統一されていない点も特徴。
王道の怪獣騒ぎのエピソードもあるにはあるが、都市伝説的なテーマを扱ったミステリーやホラー、サスペンス系のエピソードが大部分を占めている。
深夜枠での放送だったこともあってか、その内容は非常に複雑かつ難解でメタフィクション的な要素も多いまさに「大人向け」と言った作風であり、幼少期に関連雑誌等で本作を知り、軽い気持ちでTSUTAYAで円盤を借りて鑑賞した所、内容を一ミリも理解できないばかりか、えげつない恐怖描写でひどいトラウマを植え付けられた、という体験談もザラである。
各話ごとに扱うテーマも、人間の心や社会の闇につけ込んだ悪質な侵略や、日常の小さな違和感が巡り巡って導く理不尽な破滅、時代を問わず生命科学に付いて回る倫理的問題など、重厚で哲学的な内容が多い。
その一方で、不思議な雰囲気を漂わせながらも人情味に溢れた心温まるエピソードもいくつか存在し、シリアスの合間の箸休めとして機能している。
怪獣に関しては、ガラモンシリーズの流れを汲むロボット怪獣であるガラQ&ガラゴン、ケムール人によく似たレキューム人など、過去のウルトラシリーズに登場した宇宙人や怪獣によく似たキャラクターが登場する回や、その直接の続編らしき回も存在する。
テーマ曲は宮内國郎が作曲したウルトラQのテーマをアレンジしたものが使われている。原曲以上におどろおどろしくも軽快なメロディに、怖いもの見たさにも似た緊張感と不安感を煽られつつもクセになること請け合いである。
坂本剛一(さかもとごういち)
演:袴田吉彦
政治事情からオカルトまで幅広い事件を取り扱う大衆紙『MIND』のジャーナリスト。
いい加減で大雑把な性格で、いつもオフィスの端っこの窓際の机で女性社員相手に得意の手品を披露したりして遊んでいるため、デスクから「マド」とあだ名を付けられている。
しかし怠け者というわけではなく、取材に臨む姿勢は真面目そのもの。閃きや行動力と言ったジャーナリストの素質も折り紙付き。
気さくで人と打ち解けやすい性分でもあり、ジラフ星人に狙われている女性の話に初めて真剣に耳を傾けたのも彼であり、目付け役として関わる事になった「入れ替わり」の少女の心には優しさや思いやりの感情が芽生えている。
好物はハンバーガー。これが無いと禁断症状で手が震えるなどと言っているがたぶん冗談。
楠木涼(くすのきりょう)
演:遠藤久美子
フリーのカメラマン。天真爛漫で江戸っ子気質な女性で、剛一の相棒。彼をむさ苦しいおっさんと貶す事もあるが、記者としての腕と矜恃は買っている。
月の魔神ヘカテや眷属達が潜伏している山奥の洋館に迷い込み、人類滅亡を画策する彼らの会合の現場を目撃してしまったりと、剛一が知らないところで文字通り地球がヤバい級の一大事件に関わってしまうことが多々ある。
仕事柄デジカメを使うことが多いが、一番のお気に入りは銀板フィルムのカメラであり、こだわりもひとしおである。
渡来角之進(わたらいかくのしん)
演:草刈正雄
帝都大学工学部教授で、応用物理学の権威。科学者ながら、伝承やオカルトなど科学では説明できない分野にも造詣が深い。
ダンディにもおちゃらけているようにも見える不思議な人柄に加え、マッドサイエンティスト的な一面もあり、実際独自に編み出した「渡来方程式」はヘタをすれば一滴の水の量子振動で世界を分裂・崩壊させてしまう事すら可能なヤバすぎる方程式である。
剛一と涼は元教え子で、事あるごとに担当のゼミを怪獣退治の名目で休講しては彼らと共に超常事件の解明に奔走している。
帝都大学の真柄太郎(まがらたろう)という男の最後の教え子らしく、その真柄は「人間の想念を力場に変えて動かす反永久機関」の研究で学会を追放されたという。マッドな部分は師譲りかもしれない。
Qdf怪獣も参照。
話数 | タイトル | 登場怪獣、宇宙人、兵器など |
---|---|---|
第1話 | 踊るガラゴン | 隕石怪獣ガラゴン、ペットロボットガラQ |
第2話 | らくがき | 落書き宇宙人ジラフ星人 |
第3話 | あなた誰ですか? | リビングブレイン |
第4話 | パズルの女 | パズルの女 |
第5話 | ヒエロニムスの下僕(しもべ) | ヒエロニムスマシン、偽装刑事D1&D2 |
第6話 | 楽園行き | ネズミ捕り、東京地空間清掃ロボットTGS-55、「楽園」配達人 |
第7話 | 綺亞羅 | 綺亞羅、異人 |
第8話 | ウニトローダの恩返し | スシ大好き遊星人ウニトローダ、宇宙怪獣サビコング |
第9話 | 午前2時の誘惑 | コスモネット星人ヤマダ |
第10話 | 送り火 | 送り火、赤目 |
第11話 | トーテムの眼 | 三つ目のトーテムポール |
第12話 | 夢みる石 | ウツギ星人 |
第13話 | 影の侵略者 | 入れ替わり、亜乃留、鏡の番人ヴァーノ |
第14話 | 李里依とリリー | リリー |
第15話 | 光る舟 | 光る舟、謎の老紳士 |
第16話 | ガラQの大逆襲 | 遊星怪人セミ女、隕石怪獣ガラゴン2号、ペットロボットガラQ |
第17話 | 小町 | レンタルアンドロイド小町 |
第18話 | 後ろの正面 | 金髪少年、しおり |
第19話 | レンズ越しの恋 | 時空超えカメラ |
第20話 | 密やかな終幕 | ゲノム新人類 |
第21話 | 夜霧よ、今夜も… | 魔性の月の女神ヘカテ、第一、二、四~十惑星人 |
第22話 | カネゴンヌの光る径(みち) | コイン怪獣カネゴンヌ |
第23話 | 右365度の世界 ~ALlCE in the 365 degree world~ | 虹の波動装置OZシステム |
第24話 | ヒトガタ | 雛 |
第25話 | 闇 | 異なもの |
第26話 | 虚無の扉 | 電波怪人レキューム人 |
ちなみに、劇中で表示されるこれらのタイトルは作品ごとに毎回ロゴデザインが異なっており、話の内容や雰囲気に合わせて各話さまざまなフォントのテロップで表示される。