概要
「ＨＡＩＬ ２Ｕ！（君に幸あれ！）」
【破壊力 - B / スピード - B / 持続力 - B / 射程距離 - C / 精密動作性 - D / 成長性 - D】
タロットカード大アルカナ20番目のカード「審判」の暗示を持つスタンド。本体はカメオ。
3本指が特徴的な巨体のロボットのようなスタンド。
相手の心からの願いを土に投影して実体化・操作する能力を持つ。実体化させた物体は非常に精巧で見分けがつかないが、元が土だからか衝撃に脆く崩れやすい。劇中ではポルナレフの妹シェリーと仲間アヴドゥルの2人を土人形として生み出し、人肉を喰らうゾンビのように使役した。
能力の発動には相手から願い事を聞き出す必要がある模様で、真面目に答える気が無い相手には全く能力を行使できなかった。
一見すると戦闘には不向きな能力に思えるが、相手の心からの願い＝心理的弱点を盾に取り狡猾に立ち回る。作中でも「願いを叶える」との甘言でポルナレフの警戒を解いて見せた（ただし「何で紅海にフランスの金貨が埋まってんだ」と怪しまれてはいたが）。
スタンドがダメージを受けた時は悲鳴を上げて苦しんでいたが、本体にそれが伝播した様子はない。
作中での活躍
単行本における登場回のサブタイトルは『審判（その1～5）』。
紅海の小島でポルナレフが拾った古びたランプから出現し、ランプの精のように装ってポルナレフに「三つの願い」を言うように迫った。
ポルナレフの最初の願い「大金持ちにしろ」に応えて宝箱を出現させ、続く「妹シェリーとアヴドゥルを生き返らせろ」の2つの願いにも応え2人を蘇らせた。
しかし前述の通り、ジャッジメントの能力は願いを土に投影するだけのものであり、シェリーもアヴドゥルもただの土人形に過ぎなかった。
それどころかポルナレフの肉を食らおうとする凶悪な2人によって、ポルナレフは絶体絶命の危機に陥るが、それを救ったのは……。
かなりのパワー型であり、格闘戦において銀の戦車にも引けをとらなかったが、本気を出したアヴドゥルの魔術師の赤には一方的に叩きのめされて、悲鳴を上げながら逃走。地中に潜んでいた本体のカメオも引きずり出されて、黒焦げにされてしまった。
SFC版では
パキスタンにある館で出現。ジョースター一行の願いを何も言ってないのに勝手に聞き届け
- 「『レベルアップしたい』のか」→承太郎の土人形を3体複製
- 「『ホル・ホースの居場所を知りたい』のか」→ホル・ホースの土人形を複製
- 「『DIO様の居場所を知りたい』のか」→「やーだよ、教えてやんねー!」→自ら出撃
と勝手に襲い掛かってくる。本作ではキャラの途中退場が無いので、唐突かつ理不尽な展開となっている。
読者考察
本体とスタンドの関係について
魔術師の赤の攻撃によって右半身が砕けたり両目が破壊されたりしたが、本体のカメオにはダメージは無かった模様。ここからは読者による考察となってしまうが、
- ポルナレフがランプをこすって出現した
- スタンド自身に意思があるようなしゃべり方をしていた
- 海辺から島の奥地（少なくとも叫んでも声が届かないくらいの距離）までと、射程距離が長い
- スタンドのダメージが本体に伝搬されていない様子だった
以上の四点から、読者から「後の『遠隔自動操縦型』と呼ばれるタイプのスタンドだったのではないか?」と考えられている。（シチュエーション的にはポルポのブラック・サバスに非常によく似ている）
もしくは
- 能力からして、このスタンド像自体も土から投影・実体化した『物質同化型スタンド（ゲブ神とか）』である
- ランプこそが（スタンド像としての）ジャッジメントの本体である
- 後の敵スタンドのようにランプこそがジャッジメントの本体で、カメオはランプの運搬係に過ぎない
等の可能性もあり得る。
登場ストーリーについて
彼の登場回「審判（その1～5）」は、メンバーの中でも特に戦闘の多いポルナレフが主役の回なのだが、彼の仲間や妹に対する心境を深く描いた回として人気がある。
原作ではジャッジメントが土人形の妹を放り投げ破壊したのを目にしたポルナレフは（それが偽物であると分かっていても）怒りを見せたが、テレビアニメでは自ら妹の土人形を破壊し、「死者にこだわる自分の弱さと決別する」シーンへと改変された。
ポルナレフにとってジャッジメントは、己の弱さと向き合い、大きく成長するきっかけとなった敵だったといえる。
そのような背景があるからか、第5部黄金の風編においてポルナレフが再登場した際、命燃え尽きる直前の走馬灯の中で、旅のメンバーにしれっと混じって何故かジャッジメントが映り込んでいる（もっと強敵だったはずのDIOやヴァニラ・アイスは映っていない）。ポルナレフの旅の目的はJ・ガイルへの復讐だったが、それを果たした先で遭遇したこの敵こそが、彼が仲間と共に旅した記憶の中で象徴的な一件だったのかもしれない。
