概要
ゲームボーイ初のマリオシリーズ『スーパーマリオランド』ラスボスとして初登場。
ピラプト王国・ミューダ王国・イーストン王国・チャイ王国の4つの国からなる「サラサ・ランド」に突如として襲来した宇宙怪人。
人物
クッパに引けを取らない我侭で自分勝手な思考の持ち主であるが、小心者。
自身は高い戦闘力は持ち合わせていないものの、強大なパワーを持ったメカ操縦に長けており、さらには「宇宙催眠」という強力な催眠術を行使することが可能で、これらによって一時的とはいえ己の手を汚すことなくサラサ・ランドの住民達を洗脳し、完全制圧まで後1歩の所まで行っていた程。
一方、支配欲や侮れない力を持っている反面、悪のカリスマに関してはお世辞にも高いとは言えず、本心から忠誠を誓っている「クッパ軍団」を引連れたクッパに比べると、どうしても見劣りしてしまっている。そのためか、初登場の『ランド』ではラスボスであったものの、次回作の『ランド2』ではあっけなく中ボスに格下げとなった(今の所、マリオシリーズのラスボスの中で中ボスに格下げされたのはタタンガくらいである)。
従えている部下の殆どは宇宙催眠で操っているに過ぎないが、メカボン等といった明らかに地球の存在では無い者達は自身が連れてきた部下達と思われる。
また、『ランド2』では、自分と同じく宇宙から来たポロやNo.48といった敵キャラも登場している。
『スーパーマリオランド』では、巨大な弾を複数の小さな弾に分裂させて敵を攻撃する拡散波動砲を得意とする戦闘ロボット「パゴス」に搭乗し、『2』では二種類の砲撃を行使しする小型戦闘ロボット「ネオ・パゴス」に登場する。
来歴
『スーパーマリオランド』
突如サラサ・ランドに現れて、住人達を宇宙催眠で洗脳し国を乗っ取り、更には一方的に惚れたデイジー姫を連れ去って妃にしようと目論む等、やりたい放題の悪行を重ねる。
そんなタタンガであったが、サラサ・ランドの異変を聞き付けてやって来たマリオの手で洗脳した各地の王や戦士を打ち負かされてしまう。
遂には自らの本拠地であるチャイ王国にまでスカイポップ号で攻め込まれた結果、パゴスに搭乗して自ら出撃。しかし、最終的にはマリオのスカイホップ号による射撃を25発もお見舞いされて基地・戦闘機共々に大爆発。さしもの宇宙怪人も、ついに撃ち滅ぼされた。
『スーパーマリオランド2 6つの金貨』
前作ラストで大爆発の中消え去ってしまったため、死んだ様に見えたタタンガであったが生きており、自らの野望を阻止したマリオに対する逆恨みから、今度は自分が邪魔をしてやろうと彼の所有地である「マリオランド」を乗っ取ったワリオ配下となって立ちはだかる。ある意味で赤マフラーである。
新たにネオ・パゴスを操りつつスペースゾーンに居座ってマリオを迎撃、3発踏めば倒せるが、前述の砲撃と素早い動きによる突進攻撃で凶悪さは磨きが掛かっている(実は左下端はどの攻撃も届かない弱点(欠点?)があるので、ファイアマリオならば攻撃開始直後にそこに直ぐ避難し、突進で急降下した時にファイアボールを連発して当てればあっさりやられる)。
結局最終的にはネオ・パゴスは破壊されて敗北。
自らが預かっていたスペースゾーンの金貨も奪われてしまう顛末となった。
ちなみに、敗れた直後の僅か数秒程だが、ゲーム内では初めて全身姿を確認出来る。
その後
なお、『2』以降タタンガは出番が一切無い。
同じGBシリーズ出身のデイジー姫やワリオが後にマリオファミリーとして立派にレギュラー化していったのに対し、彼のゲーム出場はたった2作のみである。
児童書や攻略本でも「小心者」と描かれ、「今度はおいらがマリオを邪魔してやる」と小物臭芬々たる台詞を放ったりと扱いも悪い。決して弱い悪役ではないのだが、不遇かつ悲惨な扱いである。
一応、『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』のスピリッツで久々に再登場している。ボディはモートン。
手下・仲間など
宇宙怪人と言うだけあって、催眠で操った諸国の指導者や機械兵器が多い。
- パオキントン:チャイ王国の王だが正体は不明。大の恥ずかしがり屋で雲に隠れており、攻撃手段はチッキンと言う戦闘用の鳥を次々に放つのみ。それでもタフなので倒すには時間がかかる。なお、登場するのが最終ステージなので上記の3体とは異なり絶対に倒さないとゲームが進行せず、撃破する事でタタンガとの最終決戦となる。
- メカポン:頭を投げるロボット。胴体を破壊しないと再生する。
- チッキン:戦闘用に開発した鳥のモンスター。空中ステージの雑魚だが素早く厄介。
- チカコ:チカチカ光るロボット。倒すのに手間が掛かるので障害物に近い。
コミック版でのタタンガ
本山一城版
「わしは宇宙帝王のタタンガ様である! これよりサラサ・ランドを支配致す」
コミックボンボン連載。本作は列記とした長編ギャグ漫画ながらストーリー展開はシリアス味も強く、お笑い要員になりながらも、やらかした悪事には性質が悪いものも少なくない。
1人称が「わし(私)」で、体格はかなりのチビ(マリオの頭に乗れるくらいのサイズ)。デイジーを口説く際の姿は悪役の威厳たっぷりである。一方でトリオン(魚のモンスター)を焼き魚として食べてしまい、ホーネン(アンデッド)にした経緯がコミカルに描かれる。
手始めに宇宙催眠という音波でサラサ・ランドの住民達を洗脳して支配下に置く(ただし、ピーチとデイジーはマリオを取合ってケンカに夢中であり、その様子を見ていたマリオも音波を聞いていなかったため難を逃れた)。そして詰め寄って来たデイジーが美少女であることから拉致して洗脳し、チャイ王国山頂で結婚式を挙げようとする。
マリオはこれまでの道程で仲間が死亡したり、ピーチ姫や協力者の道士達がピョンピーに噛まれてピョンピーとなったりしており、悲壮な決意を胸にタタンガに勝負を挑むことになる。
最終決戦ではピーチや道士達の犠牲によってマリオはスカイポップ号に乗込み、式場へと突入。タタンガもまた戦闘用ロボット・パゴスに乗込んで応戦する。そしてマリオも部下も構わず纏めて始末するべく拡散波動砲を撃ちまくるという暴挙に出る。被弾によって墜落し掛けたスカイポップ号だが、仲間達の声に気力を取り戻したマリオに呼応する様に再度大空へと飛び立つ。
タタンガのパゴスは規格外の耐久力を誇っていたが、マリオは指から血が噴き出すほどのボタン連打により連続ミサイルを撃ち続け、見事パゴスを轟沈。こうして宇宙怪人の野望は潰えたのだった。
マリオに敗れてからは、なぜかデイジー姫の付き人のようになっており、「タタちゃん」と呼ばれている(マリオに負けて改心したとのこと)。
『6つの金貨』ではワリオから第1子分となれと勧誘を受け、このままデイジーの下でペット同然の暮らしをするか再度悪に返り咲くか悩んでしまう。しかし、改良型パゴスを見せられたことで乗込み、ワリオの配下となって再度マリオ達と敵対(パゴスに乗込むと人格が豹変するという設定が追加された。しかし後にパゴスに洗脳装置が組込まれていたと判明する。しかし、パゴスに乗ったのはタタンガの意志である)。
この話では彼が統治するタタンガ星も登場している。住民は平和を望む温和な性格であるが、ワリオの悪のオーラによって悪に落ちた「ワルデイジー」によって洗脳されてしまう。デイジーが改心したことでタタンガ星人は元に戻るが、ワリオにマインドコントロールされているタタンガは部下を見殺しにしてまでマリオを倒そうとする。しかし、マリオとヒポポンの合体技でスペースカッターを真剣白刃取りとされた挙句、跳ね返されて敗退した。
直後に「デイジーを守れるくらいの素晴らしいナイトになったら戻って来る」と置手紙を残し、退散して行った。
『6つの金貨』最終話(ワリオを倒した後の後日談)では再度改心し、ラストバトルに参戦。空中に投げ出されていたマリオを救い出す。
その後、デイジーのフラワーで変身したファイアマリオとファイアルイージとの三位一体の技で、邪悪な意思に支配されてワリオの姿になったピーチ姫を倒し、正気に戻した(この邪悪な意思が真の黒幕であり、ワリオに憑依して力を与えていた。マリオに撃退されたので今度はピーチ姫を利用していた)。
スーパーマリオくん
3巻巻末のオマケ漫画(スーパーマリオランドの短編)に1コマだけ登場。クッパの悪友であり、この時は手下を有料で貸出していた。
タタンガ「1匹百円! 全部で5千円!!」
クッパ「高い!! 50円にしろ!!」
と、物凄い値切り方をされていた(クッパは大金を出してレンタルしたと述べている)。
ちなみに写真でしか登場しないため物語には絡まない。根切については特に気にしていないのかオマケとしてスターを付けている。
6つの金貨編では、ゲームと同じくワリオの手先となって登場。最後の金貨を守っており、ヨッキー(人格を持った巨大なヨッシーのクッキー)の中に潜り込んで奇襲を仕掛けたり、そのまま人質に取ったりなど卑怯な策を行った(もっとも、マリオはいつもの如くファイアーをかまして来たため、タタンガも「何て奴じゃ……」と呆れていた)。
その後、ヨッキーが花火爆弾をチョコボールと勘違いして咥え込んだことで、マリオ達を宇宙から地上まで吹っ飛ばしてしまう。さらに金貨も全て奪い取っており「お前らはもうワリオ城に入れない!」と勝ち誇る。
しかし、直後にサンタに扮したクッパが現れ、ボロボロの黒焦げとされた挙句、金貨を全て奪い取られてしまう。オチでは涙目で「6つの金貨持って行ったの誰!?」と困惑しながら物語から退場した。
なお、数ある悪役キャラの中では珍しくマリオが負けたまま終わった相手であるが、全く「想定外の事態によって敗北に追い込まれたまま出番も終了」という、ある意味で原作以上に屈辱的な末路となった。
嵩瀬ひろし版
「久し振りだね、マリオ君」
「地球征服の邪魔をする最大の敵は、やはり君であったね」
「でも、サラサランドでやられた僕と、今の僕は違うんだよお!!」
大長編にてウイルス達を部下として引き連れて地球征服を企む大ボス的な立ち位置で事件の黒幕及びラスボスとして登場している。
大長編の敵と言うこともあってか嵩瀬版にしては珍しく「本物の悪党」として描写されている。
手始めにマリオ、クッパ、ワリオを争わせるべく「ピーチを誘拐」「クッパ城に鉄球を落として破壊」「ワリオが狙っていた財宝を奪取」という悪事を働いて3人を争わせて共倒れするように仕向けた。
ところが3人はあろうことかマリカーで勝負を始めたため狙い通りに行かず、円盤からボム兵を落として纏めて始末しようとするが失敗。
その後、本編が進んで黒幕である自分がいる円盤に込んできたマリオ、チビヨッシー、クッパ、ワリオを排除するべくウイルス達をけしかけた。そしてクッパとワリオを捕らえ、マリオとピーチ姫を氷漬けにしてしまう。
だが1人の愛によって氷は解け、さらにチビヨッシーが適当に円盤操作パネルを弄ったことで自爆装置が入ってしまう。
混迷する事態の中、タタンガはマリオと対峙。タタンガはウイルス達を地球征服に利用しただけで、用が済んだら円盤を爆破して(地球征服の邪魔者であるマリオ・クッパ・ワリオと一緒に)始末するつもりであった(自爆装置もそのために取付けた機能である)。それを聞いて激昂するマリオであったが、タタンガはパゴスの力で寄せ付けず追詰めて行く。
しかし、チビヨッシーが持って来たスーパーこのはによりマリオはパワーアップ。空中戦に敗れたタタンガは、マリオのジャイアントスイングによって宇宙の彼方へと消え去ったのであった。
関連イラスト
Pixivでは「デイジー姫に惚れている」という設定からセットで描かれることが多い。
関連タグ
クッパ:こちらもアニメ版や64でマリオのジャイアントスイングによって倒されている。
ドクターマリオワールド:世界中がウイルス塗れとなってしまったという設定のアプリゲーム。
オービュロン:マリオシリーズの派生シリーズに登場する宇宙人キャラでワリオの関係者である点も同様。そういう意味ではタタンガの後輩に当たる(ただしタタンガの様に敵キャラという立ち位置ではない)。