概要
ニンテンドーミュージアム(Nintendo Museum)は、任天堂が2024年10月2日に京都府宇治市に開業した同社の企業博物館である。
ビデオゲームに限らず花札や小倉百人一首などの「任天堂のものつくり」の展示に留まらず、体験型の展示やワークショップも設定される。
所在地
京都府宇治市小倉町神楽田(おぐらちょうかぐらでん)56番地
経緯
任天堂はかねてより「ものつくり」の展示施設を構想していた。また、同社が宇治市内に所有していた複数の生産拠点のうち、宇治小倉工場が2016年に機能を同市内にある宇治工場に移転して稼働を停止した。これで発生した同工場の遊休地について、小倉地区の活性化を図る宇治市の意向を受け、2021年に6月2日に同工場をリノベーションして展示施設「任天堂資料館」(仮称)とし、2023年度に開業することを発表した。
その後、2023年度に入り、同年9月14日(日本時間)のNintendoDirectにて、施設名称を「ニンテンドーミュージアム」とし、開業時期を2024年にずらすことを発表した。
そして2024年8月20日(日本時間)に配信された「ニンテンドーミュージアムDirect」と銘打たれた配信にて、宮本茂の紹介で前記の通り10月2日の開業が発表された。
施設
展示内容
「知る」
任天堂の数々の製品の展示。「くらべてみよう」のコンセプトから、詳細な説明を省略し、来場者に比較してもらうことを主眼とする。
「体験する」
「『独自の娯楽』を感じる」をコンセプトに、これまでの任天堂製品を元にした体験型の展示を展開する。体験型展示内容は以下の種類がある。
- ザッパー&スコープSP:任天堂の周辺機器、ザッパーとスーパースコープを使った巨大スクリーン型ガンシューティング。クリボーやノコノコ等の敵キャラを撃つと得点が入る。マリオ等の敵以外のキャラを撃ってしまうと-1減点となる。
- ウルトラマシンSP:ウルトラマシンの体験。ピンポン玉をプラスチック製のバットで打ち返すバッティングセンター形式。置いてあるセットに打ち返したピンポン玉を当てると機械が作動し、様々なリアクションを楽しむことが出来る。プレイスタイルは完全にあの瞬間アクションゲームのボスステージそのもの。思わずニヤリとした人もいたのではないだろうか。
- ウルトラハンドSP:ウルトラハンドの体験。レーンに流れてくるいろんな色のボールをつかみ、土管の中に入れるというもの。
- ラブテスターSP:ラブテスターの体験。2人用。2人で手を取り合いながらラブ度を測るテスト体験。これを活用した旗揚げゲームを体験することも可能。ニンテンドーミュージアムHPの施設案内では1人では体験できませんとわざわざ注意書きがある。
- ゲーム&ウォッチSP:自身の影で遊ぶゲーム&ウォッチのゲーム。
- ニンテンドークラシック:ファミリーコンピュータ、スーパーファミコン、Nintendo64の約80タイトルの一部を5~7分間プレイ体験できるコーナー。
- ビッグコントローラー:任天堂の歴代ビデオゲームのプラットフォームで発売された様々な名シーンを巨大コントローラーで体験できるコーナー。2人で協力しながら操作をする。…あれ?この形どこかで見たような?
「つくる あそぶ」
「原点に触れる」のコンセプトで、同社の祖業と言ってもよい花札に関連する二つのワークショップ。いずれも入館当日の予約が必要で入館料金とは別料金。
- 「ちょっと、花札をつくろう」:花札のひと月4枚を製作するワークショップ。
- 「ちょっと、花札であそぼう」:花札を遊ぶワークショップ。ルールが知らない人でも安心。
飲食(カフェ)
スマイルズが運営するハンバーガーショップ「ハテナバーガー」がある。27万通り以上の組み合わせが選べるハンバーガーが食べられる。
物販(ショップ)
ノムラメディアスが運営する「BONUS STAGE」がある。任天堂グッズやミュージアムのオリジナルグッズを販売する。
開館時間と休館日
開館時間
午前10時~午後6時(最終入館午後4時30分)
休館日
毎週火曜日(祝日の場合は開館し、翌日の水曜日は休館)、年末年始(12月30日~1月3日)
入館方法と入館料
入館は事前予約制で、抽選販売と先着順販売の2段階で行われる。いずれの場合もニンテンドーアカウントが必要。
抽選販売
来館希望日の3か月前の1日(例えば来館希望日が7月15日の場合は4月1日)から公式サイトにて受付を行い、申込翌月の1日(上記の場合5月1日)に抽選結果が発表される。当選者は発表月の7日(上記の場合5月7日)までに入館料の決済を行う。
先着順販売
抽選販売の結果空き枠がある場合に限り、来館希望日の2か月前の中旬(例えば来館希望日が7月15日の場合は5月中旬)から入館希望日の前日まで先着順販売を行う。
入館の前日の午後2時以降、QRチケットの発行を行い入館する。なお、入館時には身分証明書が必要となる。
入館料金は以下の通りで、決済方法はVISA、マスター、JCBいずれかのクレジットカード(または同ブランドのプリペイドカード、デビットカード)のみ。
- 大人:3,300円
- 中高生:2,200円
- 小学生:1,100円(大人の保護者同伴必須)
- 未就学児:無料(同上)
アクセス
来館者用の駐車場、駐輪場は設置されないため、来館に際しては公共交通機関(次の理由から事実上鉄道・バス)の利用と、タクシーや自家用車・バイク・自転車での来館はしないよう公式サイトでも注意されている。
鉄道
- 近鉄京都線小倉駅下車徒歩5分
- 同駅はミュージアム開業とともに「(ニンテンドーミュージアム前)」の副名称が付けられている。
- JR西日本奈良線JR小倉駅下車徒歩8分、宇治駅下車徒歩22分またはバス6分(下記)
- 京阪宇治線宇治駅下車バス11分(下記)
バス
宇治市のまちづくりと連携した、小倉地区と宇治橋周辺エリアを結ぶ実証実験路線として、ミュージアム開館を見越して2024年7月21日に運行を開始した。宇治市と京都アニメーションのコラボ企画「うじには物語がある」のラッピングがされた日野・ポンチョが使用されている。但し、本数は運行開始時点で1日4本、ミュージアム開館後も1日8本(日中に40分間隔)なので利用には注意が必要。