概要
時系列は『バイオハザード』の5か月後、『バイオハザード2』と『3』の3か月後の1998年12月に位置する。
プレイヤーはゲーム前半はクレアを、後半はクリスを操作してバイオハザードが発生した施設からの脱出を目的とする。
当初はドリームキャストのみで発売されていたが、新たなムービーが追加された完全版が他機種にも移植された。最近ではHDリマスターがPS3で発売した。
開発はネクステック(ネクスエンタテインメント)に依頼して作ってもらい、HDリマスターもカプコン自らではなく作ってもらったらしい。
シリーズにおける物語の補完役としても有名。
元の開発コンセプトは「初代『1』の正統続編」であり、クリスやウェスカーの宿命、ナンバリングされずにサブタイトルを付けた辺りからもそれが覗える。
作風と評価
他のシリーズ作品がアメリカを舞台とし、アメリカ的ホラームービーから連想されるパニック系なストーリーが中心かつ、迫りくる恐怖はあくまでもゾンビとその背後で暗躍する組織(アンブレラ)の非情な恐ろしさが恐怖の対象だったのに対し、本作は没落した貴族・ドイツ製であろう兵器・中欧彫刻・孤島・洋館・古城・死んだはずの貴族の娘などの演出から、ヨーロッパのゴシック色が強いホラーの世界観を題材としている。
前述の世界観を舞台に他のシリーズ作品とは異なり人間の狂気や愛憎うずめく人間関係(愛憎劇)、逆らえない血の運命を描いたサイコホラー的なストーリーが特徴である。
うずめく人間ドラマ、絶妙なゲームバランス、完成度の高いゲーム性、名曲揃いのBGMなどシリーズファンの間では評価が高く2015年発売のリベレーションズ2にもオマージュとして取り入れられほど人気を持つ。
リマスターの移植を望む声も一応あるようだが開発元だったネクスエンタテインメントの解散に伴いプレイステーション4版とSwitch版のリリースが困難となってしまったため、残念ながら発売されていない。この理由は単純明解、解散時期からすると初代のSwitchとPS4の発売前というタイミングだったからである。プレイステーション3、Wii以降の世代のゲーム機登場時点では解散以降だったのだ。
近年(2022年)ではREエンジンによる過去作のフルリメイクが活発化していることもあってかファン達からREエンジンでのフルリメイクを望む声が多い。(ネクステックは解散したのでカプコン自社か開発の委託業者がカプコンからの依頼で作られない限りプレイは不可能である)
いままでゲーム開始時に2人のキャラクターを選択してそれぞれの物語が始まるのがお決まりだったが今作は前編後編の2部構成となり前半はクレアを操作して後半はクレアの救出に来たクリスを操作するというシリーズ初の試みとしてキャラクターの強制交代して物語を進めるためシナリオはかなり長くシリーズ作品屈指の長編作である。
しかし、ストーリーの長さの割にハーブや弾薬の入手機会が少なめで、雑魚敵もしぶとくなかなか死なないので、難易度の面でもシリーズ中では高い部類に属する。
ストーリー
ラクーンシティの消滅から3ヶ月後。
事件の生き残りの一人クレアは、アンブレラ社調査のためヨーロッパに向かった兄クリスを追いフランスに渡る。アンブレラのパリ研究所に単独で潜入したものの、警備隊に捕まり、孤島ロックフォートの刑務所へ移送されてしまう。
ところが、収容後ほどなく島が謎の戦闘部隊の襲撃を受けて全滅。T-ウイルスが漏洩し島全体がバイオハザードに晒されてしまう。クレアは同じく混乱に紛れて脱獄した少年・スティーブと出会い、彼とともに島からの脱出を試みる。
島はT-ウイルス漏洩の影響でゾンビやクリーチャーで溢れており、脱出行は困難を極める。途中、刑務所内の端末からレオン・S・ケネディにメールを送り、兄のクリスに自分の居場所を伝えるよう要請する。
また、脱出の途中で兄クリスの宿敵アルバート・ウェスカーに遭遇。島を襲撃しバイオハザードを起こしたのはウェスカーであった。クレアはウェスカーに圧倒的な力で殺されかけるが、何とか事なきを得る。
島の司令官・アルフレッドの度重なる妨害を辛くも切り抜け、空港からスティーブと2人で孤島からの脱出に成功する。しかし、脱出からほどなくして突如飛行機が自動操縦に切り替わり、操縦不能になってしまう。飛行機が向かった先は、なんと南極。そこにはアンブレラ社の輸送基地があり、飛行機はそこに不時着し大破。クレアとスティーブは手分けして脱出の手段を探し始めるが、この南極基地でもバイオハザードが起きており、基地内はゾンビやクリーチャーで溢れていた。
見え隠れするアンブレラの陰謀とアルフレッドの罠、アレクシアの影、そして狂気と愛憎・・・・
一方、レオンから連絡を受けたクリスが、クレア救出のためロックフォート島に到着していた。
クリスは島の探索中に、宿敵ウェスカーに再会。かつてS.T.A.R.S.の同僚達を利用した上に殺した彼との因縁が再び復活する。
クレアが南極にいることを知り、自らも飛行機で南極に向かうクリス。
果たしてクリスは、妹のクレアを救出して狂気と愛憎うずめく孤島から無事に生還できるのか。
メインキャラクター
- クレア・レッドフィールド(Claire Redfield)
- クリス・レッドフィールド(Chris Redfield)
- スティーブ・バーンサイド(Steve Burnside)
- アルフレッド・アシュフォード(Alfred Ashford)
- アレクシア・アシュフォード(Alexia Ashford)
- アルバート・ウェスカー(Albert Wesker)
関連タグ
時系列
年 | 日付 | 出来事 |
---|---|---|
1998年 | 7月22日 | 黄道鉄道事件 |
7月23日 | 洋館事件 | |
9月 | Gウイルス争奪事件、追跡者(ネメシス)投入、アウトブレイクによるラクーンシティ崩壊。 | |
11月 | シーナ島事件 | |
12月 | “アンブレラ南極基地崩壊” | |
2002年 | オペレーション・ハヴィエ、スペンサーレイン号ジャック | |
2003年 | アンブレラ終焉 | |
2004年 | 米大統領令嬢誘拐事件、テラグリジア・パニック | |
2005年 | ハーバードヴィル空港バイオテロ、テロ組織ヴェルトロ復活? | |
2006年 | スペンサー邸突入作戦 | |
2009年 | キジュジュ自治区バイオテロ | |
2010年 | フィロソフィー大学バイオテロ | |
2011年 | 東スラブ独立運動、テラセイブメンバー拉致事件 | |
2012年 | マルハワデザイア、ヘヴンリーアイランド、イドニア紛争 | |
2013年 | 世界規模のバイオテロ | |
2014年 | 血塗られた復讐の物語 | |
2017年 | ルイジアナ州における謎の失踪事件 | |
2021年 | クリス・レッドフィールドがウィンターズ家を襲撃 |