概要
国が感染症発生動向調査を行い、その結果等に基づいて必要な情報を国民や医療関係者等に提供・公開していくことによって、発生・拡大を防止すべき感染症。
5段階の分類の中では感染力や重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性が最も低いとされるもの。
緊急事態宣言などの行動制限や入院勧告・指示、それに感染者や濃厚接触者の外出自粛要請ができなくなる。
治療費も基本的に補助が出なくなり、通常の保険負担となる(ただし、COVID-19は特例により一部治療薬を無料措置を当面継続、麻疹や風疹などはワクチン補助が一部出ている)。
とはいえ、下記の病気の一覧を見てもわかる通り油断のならない病気ばかりが並んでおり、生命に関わる疾患も多い。
5類に関する誤解
コロナ禍において、COVID-19が長引く経済への影響や治療法・ワクチンの進歩、株の変化に伴い2023年5月より5類に移行となった。
しかしそれ以前より感染対策に不満を抱いていたり、経済への影響を重くみる層からは「5類に早く移行してほしい」との声があり、実際に移行後は「一切のコロナ対策をしなくていい」と誤解した企業や学校、自治体が多く出るという事態となった。中には「従業員のマスク着用を禁止」といった極端な方針に走る企業もあった。
上記の誤解に基づく行動により2023年のGW前後からロックフェスや学校の体育祭でインフルエンザやCOVID-19の特大クラスター、それによる学級閉鎖が多発する事態となっている。
下の一覧を見てもわかる通り、5類感染症は毎年のようにニュースで取り沙汰されるインフルエンザやノロウイルスを筆頭とした、ワクチン摂取や衛生環境の維持などの絶え間ない感染対策努力が要求される疾患が揃っている。
「何も対策をしなくていい」「5類になれば学級閉鎖やライブなどの公演中止が起こらない」と言うのは間違った考えである。
主に咳やくしゃみを介して感染するもの
- インフルエンザ:ただし、「鳥インフルエンザは2類」「新型インフルエンザと再興型インフルエンザは独立して類型化」
- 麻疹(はしか)
- 風疹
- 流行性耳下腺炎(おたふく風邪)
- 水痘(水ぼうそう)
- RSウイルス感染症
- 伝染性紅斑(リンゴ病、りんご病)
- 細菌性髄膜炎(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌など)
- 百日咳
- 溶血性連鎖球菌(溶連菌)感染症
- マイコプラズマ肺炎
- COVID-19(2023年5月より指定が移行)
主に他人との接触で感染するもの
主に食べ物から感染するもの
主に事故やケガで感染するもの
- 破傷風
- 劇症型溶連菌感染症