「無駄じゃ~。無駄、無駄、無駄ァァァ!」(第26話)
登場話数:第26話「嫌な嫌な嫌な奴」、第27話「最終拳だだだッ」
概要
ゴーマ怪人の一体で、「壺拳」と呼ばれる拳法の使い手。
横に大きく膨らんだ身体、それにダボ付いた足回りと、その名の通り身体全体で壷のようなシルエットを描いているのが特徴で、比較的スッキリとした足回りであることが多いゴーマ怪人の中では例外的な存在でもある。
胸の辺りには、ゴーマ怪人の共通項の一つたる「一つ目」を備えている他、腹の辺りには6つの目や口の模様も描かれており、見ようによっては身体そのものが一つの顔と言えなくもない、ハクション大魔王の壺を思わせる出で立ちともなっている。
頭の上には一回り小さな壷も乗せており、これが後述する能力を発揮する際にも活用される。
その最大の特性として、「あらゆる衝撃を吸収する身体の持ち主」であることが挙げられる。この特性を活かして、打撃等の物理攻撃のダメージをも無効化することから「拳法家殺し」の異名を取っており、拳法を駆使して戦うダイレンジャーにとっては正しく相性の悪い相手である。
さらに「拳法がダメなら気力技で」という対応も見越しているのか、頭の壷はその気力技を飲み込みやはり無効化する働きを備えており、あらゆる面において隙のなさを発揮する。この壷は気力技のみならず、ダイレンジャー本人すらもその中に吸収し封じ込めることすら可能(※)で、この「壷拳・闇封じ」なる技によってダイレンジャーを窮地に陥れた。
こうした特性に絶対的な自信を持っているのか、作中でも「無駄だ!」と向かってくる相手を嘲るなど、余裕綽々な様子を見せることが多かった。
(※ダイレンジャーを吸い込んだ際には、ダオス文明の遺跡にあった壁画に描かれていた、各メンバーに対応した聖獣の絵柄が壷の表面に浮かび上がる)
作中での動向
シャダム中佐の命により、ダイレンジャーへの刺客として差し向けられた壷道人は、闇空手の使い手・的場陣に圧倒され、動揺の色濃い亮を他の4人が励ましていたところへと煙の中から突如襲いかかり、これに応戦した5人の繰り出す攻撃をことごとく無効化、手も足も出せぬまま撤退に追い込んでみせた。
道士・嘉挧からの言葉で、壷道人に対抗する術として「今までと全く違った拳法」を会得すべく、亮が陣との再戦に臨む一方で大五達も特訓に励む中、再び現れた壷道人も後者を急襲し、初戦と同様に彼等の繰り出す大輪剣の斬撃や一文字竜巻も無効化。さらに向かってきたホウオウレンジャーをも、「壷拳・闇封じ」で壷の中へと封じ込めるなど猛威を振るった。
その後も、残る4人が対抗策を編み出そうと悪戦苦闘している姿をあざ笑うかのように三度ダイレンジャーの前に立ち塞がると、その場にてテンマレンジャーを、そして撤退に及ぼうとしたシシレンジャーとキリンレンジャーを追い詰めては、次々に闇封じを見舞ってその身を壺の中へと封じるが、その間に試練を乗り越え陣をも圧倒した亮が三度挑みかかる。
そんな彼を相手に、「へなちょこ拳法」と嘲って光線を繰り出す壷道人であったが、その見立ての甘さを思い知らされるように変身したリュウレンジャーから目潰しを食らった上、陣との再戦を経て編み出した「天火星秘技・流星閃光」による、衝撃を吸収する暇すら与えないほどの超高速の拳打をその身に叩き込まれたことで、さしもの壷道人も大ダメージを受けて敗北。壷に封じられていた4人も解放されるに至った。
直後に巨大化し、なおも大連王と対峙するものの、先のダメージが祟ってか攻撃を無効化することもできずに圧倒され、そのまま大王剣・疾風怒濤を喰らって爆死した。
備考
デザインは篠原保が担当。デザイン的なポイントとして、「普通の人が頭と捉える箇所はあくまで装飾であり、その実本当の意識は胸の一つ目にある」という点が挙げられており、それ以外の要素はそんなに入ってはいないという。
CVを担当した依田は、前年の『恐竜戦隊ジュウレンジャー』に引き続いての出演であるが、1作で3役(ドーラジン、ドーラタランチュラ、ドクロの車屋)を兼ねていた前作とは異なり、本作においてはこの1回のみの出演に留まっている。
関連タグ
ドーラブーガラナン:『恐竜戦隊ジュウレンジャー』に登場する敵怪人の一体。壷道人と同様に、戦隊メンバーを封じる能力を備えており、こちらは腹部にメンバーの顔が浮かぶ。また両者とも、登場エピソードの脚本を井上敏樹が手掛けたという共通項を持つ
ツボオルグ:『百獣戦隊ガオレンジャー』に登場する敵怪人の一体。壺をモチーフとした戦隊怪人の後輩であり、壺の中に物を封じる能力の持ち主という点でも共通している
ヤナスダレ:『侍戦隊シンケンジャー』に登場する敵怪人の一体。壷道人と同様に「無駄」を口癖のように多用する他、(受け流すという形ではあるものの)相手の攻撃を無効化する特性を有する
ディオ・ブランドー:『ジョジョの奇妙な冒険』の登場人物の一人。「無駄」を連呼するキャラクターの、ある意味では元祖とも言える存在である
ハート様:『北斗の拳』の登場人物の一人。「拳法を題材にした作品の敵キャラ」にして、「物理的な衝撃を吸収する特性の持ち主」という共通項を有し、「拳法殺し」としての先輩格に当たる存在でもある