概要
中国及び日本の伝承に伝わる人の顔を持つ犬の様な姿をした木の精霊の一種。それぞれの解説は次の通り。
中国
中国語ではポンホウ(Penghou)、上古中国語ではブラーンゴー(Branggo, braːŋɡoː)、広東語ではパーンハウ(Paanghau)、韓国語ではペンフ(Paenghu)、ベトナム語ではバィンハウ(Bành Hầu)と呼ぶ。
生えてから1000年たった樹木に取り憑くとされる存在。怪異説話集『捜神記』に記載されている記述によると、呉の時代に敬叔という名の人物が楠の大木を切るとこれが血を流しながら現れたので、捕えて煮て食べると犬の味がしたとされる。
また、同書によればかつて白澤が述べた魔物たちの名前を書き記した書物『白澤図』にこれの名前が記述されているという。
日本
江戸時代の怪談集『古今百物語評判』や百科事典『和漢三才図会』、鳥山石燕著の妖怪画集『今昔百鬼拾遺』に中国の妖怪として紹介されており、『和漢三才図会』では上記の中国の逸話を紹介した上で、彭侯を木の精、あるいは木霊の事だとしている。
また、山彦は木霊が起こすという考えから、彭侯と山彦を同一視する事もあったとされている。
ゲゲゲの鬼太郎
CV:永井一郎、北川国彦、杉浦宏策、富田耕吉(1期)、玄田哲章、増田均、岐部公好、稲田徹、増谷康紀(4期)、池田勝、新井良平、高塚正也、落合福嗣(6期)、宮澤正(異聞妖怪奇譚)
原作の『妖怪ほうこう』(アニメ第1期最終回)に登場。般若と天狗が混ぜ合わさったかの様な顔をした妖怪で、アニメ第1期のラスボスでもある。
なお、本作では平仮名表記で“ほうこう”という名で登場している。
漬物を好物としており、ねずみ男を騙して村中の大根を盗ませて漬け込み、調査に訪れた鬼太郎をも毒牙を撃ち込んで痺れさせて漬物に付け込み喰らおうと目論む(なお、第4期の設定では自らの妖力を高める為に鬼太郎を漬物にして喰らおうとしていた)。
しかしその目論見は目玉おやじ達の機転やねずみ男の裏切りにより失敗するが、その直後に火、水、風、土の4つの属性の姿に分裂。再び襲い掛かるが、最後は復活を遂げた鬼太郎に火と水、風と土といった相反する属性同士の者をぶつけ合わされ無と化し消滅した。
なお、その正体は2000年以上経った巨大な縄文杉であり、長い年月を得て生命の根源である四大属性を操る事が出来る様になったという事が判明している。
6期では83話登場。今まで同様に本体となる火ほうこうを中心に四元素に分裂できるが、“地水火風の決まった順番でしか攻撃出来ない”、“属性に関係なく分裂体同士が接すると消滅してしまう”という弱点を持つ。
元々は小高い丘の上にそびえる樹齢2000年の楠に宿る土地の守り神の様な存在であったが、ある日、何をやっても上手くいかず生きる希望を見出せなかったTAKUMIという名の青年が、自分に生きる勇気を与えてくれたこの楠への感謝を込めて、その素晴らしさをみんなに知ってもらおうと善意の気持ちからこの木の写真をSNSで拡散した事が全ての始まりであった。
彼が写真を拡散した事でこの木を一目見ようと人々が殺到した上に、一部の人達の迷惑により住人達に被害が及ぶことが頻発する様になり、やむなく土地の管理者は木を伐採する事を決意。
木を伐採され住処を奪われたほうこうは、その復讐と報復の為に遠因となった人々(全く関係ないまなもスマホを目の前で使おうとしたために仲間と勘違いして襲いかかる程に怒りで見境なしの状態だった)を次々に誘拐して漬物にし、事の発端となったTAKUMIを探し回っていた。
依頼を受けた鬼太郎とも対決し、鬼太郎の機転で撃破されてしまい、残った本体はTAKUMIの心からの贖罪を受けて彼の真意を知るも、一部の人間達の身勝手な行いの為に住んでいた居場所を奪われた怒りを抑える事が出来ず、最早後戻りできない所まで来ていた事を悟り、わざと鬼太郎に討たれる道を選ぶとTAKUMIに襲いかかる振りをし、それを止めようとした鬼太郎の指鉄砲で致命傷を受け、TAKUMIに「これでいい」と言葉を残して消滅していった………。
なお、物語はほうこうの死と共に心の支えだった楠と希望を失い、ほうこうの怒りに触れて燃え盛る街を背景に1人落胆して蹲るTAKUMIの「僕はこれからどうやって生きていけばいいんだろう」という言葉で締めくくられており、おどろおどろの回と同様になんとも言えない後味の悪い結末を迎えている。
とはいえ、最終回では鬼太郎に声援を送る人々の中にTAKUMIの姿も見られたため、どうやら持ち直した様である。これでほうこうの魂も少しは浮かばれただろうか…(というより、同話ではこの人も救われたかどうかは分からないが、少なくとも妖怪への怒りや憎しみからは解放された様なので、生きていたがバッドエンドだった被害者総決算の様な感じなのだと思われる)。
FC専用ソフト『妖怪大魔境』ではステージボスとして、PS2専用ソフト『異聞妖怪奇譚』では中国の敵妖怪の1人として登場している。
地ほうこう
4体に分裂したほうこうの1人。地の能力を持ち、砂嵐を起こしたり、体を地面と一体化させる能力を持つ。体の色は黄色。
水ほうこう
4体に分裂したほうこうの1人。体の色は青色で、水属性を有しており、水流を起こす力を持つ。
火ほうこう
火の力をもつ4体に分裂したほうこうの1人。赤色の体をしており、炎を吐いて攻撃する能力を持つ。
風ほうこう
4体に分裂したほうこうの1人で、風の力を持つ個体。体色は緑色。竜巻を起こす力を持つほか、体を回転させて体当たりする能力を持つ。