演:中野郁海(舞台版)
概要
『勝利の女神:NIKKE』に登場する用語。
本作の主人公または職業を示す言葉である。以下、それぞれに分けて説明する。
主人公として
概要
いわゆるプレイヤーの分身。
士官学校を卒業したばかりの男性であること以外は謎に包まれている。
本人も過去の記憶を失っており、士官学校以前の経歴すら不明であるが、長期間病院に入院していたことは確かである。
自らの部隊「カウンターズ」を指揮している。まれに他の部隊と合同作戦を行うこともある。
メインストーリーで致死的なダメージを何度受けても生きている事に加え、モダニアが送ったblablaの誤字からプレイヤーからは「ちしかん」と呼ばれることもある。
性格
軍国主義の蔓延るハードな世界観のメガニケにおいては、常識人の部類にあたる。ニケを「兵器」としてではなく「人間」「仲間」として対等に接しており、ラピなどのニケも「変わった指揮官」と思いつつも忠誠を誓っている。
その一方、彼の思想に拒否感や嫌悪感を示すニケや人間もいる。というのも、アークではニケの権利は大幅に制限、あるいは軽視されており、彼女らの地位を保証する行動は反逆罪と見なされかねないほどの危険行為だからである。
上記の価値観はプレイヤー目線で言えば至極真っ当に思えるが、作中においてはどちらかと言えば異端児扱いされており、それによって軋轢を招くこともしばしばである。
それでも本人は自身の考えを曲げるつもりはなく、紆余曲折を経て自身の目的を「地上奪還のために頑張る君たちのために頑張る」とまで言うほどにニケに肩入れしている。彼の指揮下につくニケたちも、そんな彼の熱意や誠意を受け入れ、信頼を寄せているようだ。
思考・行動としては現実より理想を目的として動くケースがままあり、良くも悪くも大人としての判断をせず、意固地で感情に動かされがち。これが事態を好転させる事もあれば、悪くする事もあるのでプレイヤーからの評価は分かれがちである。
エリシオンのCEOイングリッドからの視点でも、彼は理想主義者であると言う評価。
理想のためなら自身がいくら傷ついても諦めない精神力がある。何なら粉砕骨折するような状況になっても諦めないし、退かないのだが、そこが明確な長所であり、短所でもある。
余裕がある時は妥協案を飲んだように見せかけて立ち回ると言うような事も行うが、直情的になっている時は敵対姿勢の相手とは言え、彼女が譲歩して出す指揮官が明確なアドバンテージを得る事が出来る支援や条件を蹴る事もある(支援を受ければ部隊の行動や生存率が上がるため、大人の判断であれば受ける事も考慮すべきであるがそういった描写は無い)。特にマリアン(モダニア)関連の時は顕著で、メンバーが慎重な進言をしても聞き入れず、あえて危険に突き進むケースが多々ある。
このため、シーンによっては頭脳プレイが行えるほど頭がキレる様に見えるが、直情的な時においては理性的な判断が出来ず、知能指数が下がったと揶揄するプレイヤーもいる。
一方で、イベントなどでは状況がコロコロ変わるのか性格や行動はまちまち。イベントによって性格や行動にブレがあり、殆ど役に立たずいる意味が薄い事もあれば、適切な指示を下してその存在が示される事もある(メタ的な事を言えば、ライターが違う事で指揮官の描写がブレていると思われる)。
エイプリルフールの時にははっちゃけ過ぎて、くだらない嘘をバラまいていた。
地下世界育ちの為地上の知識には疎く、魚を食べる機会があった時には処理を誤り、食中毒になってしまった事もある。
グラマラスな体形や服装をしていることが多いニケ達に対してあからさまに性的興味を示すことはないものの、何も感じていないわけではなく、ノワール関連のイベントでたっているのが辛くなったり、アニスとの面談では目のやり場に困っていたりと、なかなか大変なご様子。
ニケを人間として対等に見るということは、場合によっては恋愛対象に含まれるということで、ニケ達の面談や個人エピソードでは、ある特定のニケに対して口説いているかのようなセリフを言うことがあり、場合によっては明確に好意を示すこともある。ニケとの個別イベントでは行くとこまで行ってしまうこともしばしば。
趣味・趣向
ドラ○ンボールやガン○ムなど、日本のアニメや漫画などのサブカルチャーにも精通しており、割りと俗っぽい所もある(一部のニケの中にもこれらのネタに精通している者がいる)。
エクシアのレアドロップ周回に一日中付き合ったりと、ゲーマーな一面も。ただし、その腕前についてエクシアからすれば「初心者」レベルらしく、そのことについて彼女に陰でイライラされていたりする。
ノイズの個人エピソードでは、手違いでアイドルに関する知識を身に付けてしまった。
本気か冗談かはたまた過信か、選択肢次第で料理や写真撮影など様々な分野で自信がある様子を見せるが、歌に関しては本人はあまり得意ではない様子(エヌやライは先生は歌も上手と無邪気に喜んでくれる)。
容姿
服装については、基本的には中央政府軍の軍服を着用している。
ルピーからは「イケメン」「かっこいいルックスにモデル体型」、ノイズからも「顔もいいし体もいい」と評され、ヤンからは「つるつるお肌」なのでひげを剃る必要がないと思われていた。ラプンツェルから「筋肉質なブラザー」、ミハラからは「見た目がよくて背が高くて性格がいい男」と好意を寄せられる。
敵対関係にあるニヒリスターさえも「それだけですべてのニケが靡くとは思わないがそれなり」と評する。
概ねニケ達からは好印象を抱かれており、そのため本人には内緒で、ニケ達がクラウドファンディングで寄付をし合って指揮官の人形が作られている。
そしてこの指揮官人形はアルジャーノンプロダクトより現実世界に製品化されることとなった。
自分でもイケメンである自覚があり、ニケとの面談では選択肢によっては、自分の顔に自信があるようなセリフを言うことがある。
しかし、自惚れた選択肢を選ぶと、スノーホワイトやロザンナなどの一部のニケから冷めた態度をとられることも。
見た目年齢については、エクシアに近いことが彼女の個人エピソードで言及されている。他者からは、あまり歳の離れていない兄妹に見られていた。
劇中のイベントスチルや本作品の宣伝イラストなどで描かれる容姿について、眼については髪や陰影で隠れて判らないが、筋肉質で肩幅のあるガッチリとした体格をしていることは確かである。
その道のプロであるルマニをして、いい体をしていると言わしめ特に前腕筋は感動するほどらしいが、それ故に平時はさほどトレーニングに意欲的でなく、運動前と運動後にストレッチをしない様子に苦言を呈されることも。
また、デスクワークが多いとストレートネックになるうえに、巻き肩気味になるとも指摘されて、姿勢矯正を薦められている。
夜遅くまで絆を深めたメイデンによると右の鎖骨に小さな傷跡、骨盤のあたりに3つ連なった小さなホクロがあり腹筋は綺麗なシックスパックとのこと。
シャワー上がりの裸姿を見たロザンナからは、なかなかのモノというコメントを貰っている。
髪の色については、茶色がかった黒色。
モダニアの着せ替えコスチューム「ファースト・アフェクション」では、彼女が持つ指揮官人形は髪が銀色のように見えるが、これは光が強く当たって明度が高くなっているため、そのように見えるだけである。
2024年に実装されたコレクションシステムにおいて、アイテムとして登場する指揮官人形の髪は黒色である。
上記の優しい性格や容姿端麗なこともあり、自然と多くのニケが集まってくる。そんな状況を見て「ニケを侍らしている」と勘違いしたり、他のニケへ嫉妬するニケもいる。
メインストーリー(キャンペーン)での活躍
メインストーリーでは、敵味方双方の様々な勢力の思惑に翻弄されていくことになるが、それでも任務を確実に遂行するため、アーク内で有名人となっている。それによって見ず知らずの人からメッセンジャーに個人依頼(サブクエスト)がしょっちゅう舞い込んでくる。
また、決して敵対する相手には屈しない強い意志を持っている。そして相手に服従する振りをしたり、あえて妥協案を飲んだり、逆に相手を出し抜いてやったりと、場の空気を読んで巧く立ち回ることも得意である。
だが、その優しくて芯の強い性格が災いして、相手に騙されたり、凄まじい怪我を負わされるなど、酷い目に遭うことが多々ある。
その為、医療担当のメアリーからはしょっちゅう苦言を呈され、健康診断や入院を勧められる事が多い。
特に腹部に対するダメージが酷く、何かが突き刺さったり、銃撃されたりと、なんでこれで生きてるのか不思議な位である。
作中当初は指揮能力もおぼつかないものであり、事務作業などの実務もラピなどに手伝い、あるいは肩代わりしてもらうなど、上記のメンタリティを除けば頼りない所があったのだが、地上にて自身の大先輩にあたる人物と邂逅し、ややスパルタながら経験に裏打ちされた指導を受けたことで指揮官としての実力が開花し始めている。
上記に挙げられている頭脳プレイや相手の裏をかく作戦の描写が目立ち始めるのもこれ以降であり、ラピをしてべた褒めしたくなるほどの観察眼を発揮したり、咄嗟の打開策の有効性を気難しいウンファに認められたりといった成長がうかがえる描写がある。
事務作業の能力も時間を経て手慣れてきた様子になり、地上任務で溜まった書類整理も単独でこなせるようになってきている。ただ、仕事を終えて一休みしようとした瞬間に期間限定イベントの導入が入るのがお約束のようなものになりつつある。
ストーリー上ではニケに対する処遇や扱いでアークや企業側と諍いが生まれるケースが後を絶たず、特にある事件の際はついに自身の力でかばいきれなくなってしまい、双方が望まない別れを経験することになってしまった。
この事件は彼の心に大きな傷を残したようで、彼女や他のニケたちを人類やアークから守るための力、特に影響力を渇望するようになっていく。
アーク側からすれば危険思想以外の何者でもないのだが、本人もそれは重々承知しており、一部の理解者たちの力を借りながら水面下で着々と準備を進めている。
pixiv内での扱い
彼単体でファンアートが描かれることはかなり少なく、他のニケや人間キャラと一緒にいるイラストが多く投稿されている。
また本作品のR-18作品では、いわゆる「竿役」として登場することが圧倒的である。
「貴重な血」アンダーソンとの関係(13章に関するネタバレ)
※以下、スクロールした先にネタバレがあります。
主人公の血液型はアーク内に殆ど存在しない「非常に貴重な血液型」であることが、主人公の直属の上司にあたる副司令官アンダーソンから語られている。血を奪うために命を狙われる恐れもあることから、如何なるデータベースにも記録されない「重要機密」に指定されている。
13章の間幕でアンダーソンは、ラプチャーとの戦闘で重傷を負った主人公のために輸血を願い出た際に、同じ血液型を持つことを明かし、「偶然だと思うか?」など血縁関係を想起させる意味深な発言を残している。ただし、主人公とは、父親や兄などの親族関係にあるわけではない。
更に、主人公の謎として「交流を経て絆が深まったニケの戦闘力が顕著に上昇する」というものがある。
メタ的にはゲームシステムの一環である好感度によるステータスアップを作中内の謎として扱う手法だが、ミシリス・インダストリー等、この能力の存在を嗅ぎつけ目をつけるものも存在し、最悪の場合実験台送りにされる恐れさえある(作中ではシュエンの命令で調査したマクスウェルが「自分には何一つ研究材料が回ってこない」と危惧したため、「あくまでニケの心理的要素による上昇」と実験結果を偽装した)。
職業として
アーク内における世間一般の認識では、「士官学校で正規教育を受けたエリート」「ニケと共に地上奪還に挑む英雄」と知られているが実態は全く異なる。
その実態はドス黒いブラック企業も真っ青な職業であり、数百倍の競争率を突破して入った士官学校の正規教育は一年未満、しかも内容は精神的なものばかりのため、ニケの指揮もままならずに死んでいくのが大半。
仮に生き延びても「任務に失敗すれば給料はゼロ」であり、時給週休月給年俸の概念が全く無いのが実情。
要するに傭兵と何ら変わらない過酷な人生を送ることになる。
ちなみに士官学校卒業と同時に、何故か個人情報がアーク中にばら撒かれて不特定多数の人の目に触れることになり、それが原因で面識のない人物からメッセンジャーに個人的な依頼が来ることもある。
基本的に指揮官はニケの部隊とは別に人事が管理されており、基本的に連続して同じ部隊と指揮官が組み合わされることは無く、最低3任務の間隔があけられるのが慣例となっている。
これは指揮官とニケが地上に出撃すると、上述した訓練の不備や後述する差別感情からほぼ例外なくトラブルに見舞われ、行動を共にするのが困難な不和が生じるためである。
そういう意味でも主人公とカウンターズは異例中の異例と言える。
指揮官の中にはニケと行動を共にするにつれて情に駆られるケースがあり、現実と葛藤した末に自決、あるいは任務を放棄して脱走を図ることも珍しくない。
上記のように過酷極まりない劣悪な環境故に精神的な余裕を失う指揮官が多いのか、中には金や物に目がくらんで私利私欲に走ったり、部下のニケに対してセクハラを行ったり、自分勝手な理由で処分(殺害)したりするなど、倫理観が崩壊している指揮官も存在する(上述の慣例を見るにこれが多数派かもしれない)。
その一方で、部下のニケに反乱を起こされ、殺害されてしまった指揮官もいる。
もちろん堂々射殺すればイレギュラー扱いされて即刻処分されるが、そこは戦場であるがゆえに誤魔化す方法はいくらでもあるだろう。意図的殺人ならともかく、誤射や事故で死人が出てもせいぜい始末書程度である。
また指揮官は地上に於ける基礎知識すら欠いた状態であるため、ニケが積極的に助言を与えなければ、誤った判断を下して簡単に死んでしまう。
このような事情から、経験豊富なニケにとって指揮官は服従の対象足りえず、むしろ指揮官の方を替えの利く消耗品のように見ているニケもいたりする。
作中屈指の生真面目キャラであり、指揮官に全幅の信頼を置くラピも、再序盤に於いては彼を眼前で容赦なく値踏みし、ド新人であると知れば落胆を隠そうともしなかった。
ちなみに、男性だけでなく女性の指揮官も存在する。劇中ではモブキャラとして登場し、専用の立ち絵も用意されている。
ただ、100年前のラプチャー侵攻時は指揮官の資格は男性に固定されていた。
これは男性からニケは出来ないため、女性は戦力確保のためニケとしての素体となっていた可能性が高い。アークが出来てからは女性指揮官を育てるための余裕が出来たと思われる(例えばウンファは元指揮官であると個別エピソードで明かされる。ウンファが「後輩」呼びしてくるのはこのため)。
余談
- 上記のように指揮官という職業は過酷なのだが、その中でも事実上地上に隔離され、常在戦場の環境にある主人公に関しては、メインストーリー以外だと選択肢に「暇」という単語が出るほど時間が有り余っている。
- 実際、現実の職業軍人でも後方より前線のほうが暇ということは、ままある。いつ戦闘が始まるかわからない環境にいる以上、訓練で身体を追い込んでヘロヘロになったり、演習のために物資を使い込んだりするわけにはいかないので、最低限の維持管理業務以外は暇を謳歌する羽目になることが多い。
- イベントストーリーでは、イベントの主役のニケが問題を抱えて、指揮官室にいる指揮官を突然訪ねるという展開がお約束と化している。
- 如何ほどの賃金を得ているのかは明言されていないが、やたらと危険な任務の性質上それなりの額はもらっているようで、富裕層エリアであるロイヤルロードにもしばしば顔を出している。
- また、サブイベントでは月給の数割をポンと使い、ニケ達が喜ぶだろうと高級食品を購入した事もある。
- 前哨基地の維持管理について全権を握る立場にある都合、結構な予算を掌握している模様である。前哨基地においてもはじめはほぼ何も無い状態であったにもかかわらず、メインストーリーを進める上で設計図さえ手に入れられれば、喫茶店やショッピングモール、教会に病院、裁判所や警察署など様々な施設を建造し、前哨基地とは名ばかりの立派な街を作ることが出来る。
関連項目
ヨハン(勝利の女神:NIKKE):主人公以外に登場する名前の付いた指揮官。他にもサブクエストではジョシュ・ハーミットというリターの元指揮官や、ジェーン・ミラーという女性指揮官の名前も確認できる。