概要
桃の節句!沖に立つ波とは、DMM GAMESのオンラインSLG『艦隊これくしょん』の期間限定イベントである。2020年3月3日開始、同27日終了。
ミニイベントと作戦名が発表された当初は「ifですらない、沖波が主役になる艦これ完全オリジナルの菱餅あるいは桃の節句に関連する作戦」と予想する向きもあったが、元ネタはマニラ湾空襲であると思われる。
ちなみに、マニラの戦いが終結したのは偶然か否か1945年3月3日である。
仕様
全1海域。札はなし。
甲難易度で出撃制限がかからないイベントは2期では初。
札自体がないイベントは出撃!礼号作戦以来実に4年ぶり。
代わりに菱餅を消費する事で報酬が入手可能。
なお、菱餅は過去に入手した分も含め、本期間限定海域の終了と共に消滅する事になった。
新システム
ゲームシステム面での新システムはなし。
期間限定海域と通常海域をまたいだ任務群が実装される試みが新たに実装されている。
ステージ
1海域のみ。
ステージ | 海域 | 作戦名 | 難易度 |
---|---|---|---|
E-1 | マニラ沖 | 桃の節句!沖に立つ波 | ☆13 |
1海域3ゲージで、実質3ステージ分の容量という普段のイベントの前段作戦終盤や最終海域レベルのボリューム感を有する。
第1ゲージは輸送、第2・第3ゲージは通常となっている。
基地航空隊は2部隊まで編成・出撃が可能。
新艦娘
なし。
新艦娘が1隻も実装されなかった期間限定海域は『艦これ』史上初となる。
3月19日のオンメンテで沖波改二が実装された。
新敵勢力
友軍艦隊
3月13日夜から第三ボスに友軍艦隊が来援するようになった。現在判明している編成は以下の通り(★は強友軍枠)。
- 英国艦隊:Nelson改/Warspite改/金剛改二丙/Ark Royal改/Jervis改/Janus改 ★
- 米英合同艦隊:Colorado改/Saratoga Mk.II/Flecher改/Ark Royal改/Jervis改/Janus改 ★
- 第一航空戦隊:赤城改二戊/加賀改/Saratoga Mk.II/Iowa改/Flecher改/Johnston改 ★
- 第二水雷戦隊①:能代改/時雨改二/島風改/藤波改/浜波改/沖波改
- 第二水雷戦隊②:能代改/秋霜改/早霜改/藤波改/浜波改
- Houston艦隊:Houston改/Perth改/De Ruyter改/最上改/三隈改/敷波改二 ★
- 秋霜艦隊:秋霜改/早霜改/藤波改/浜波改
- 第三一駆逐隊(1944):長波改二/朝霜改二/岸波改/沖波改
- 米英水雷戦隊①:Jervis改/Janus改/Johnston改/Flecher改
- 米英水雷戦隊②:Jervis改/Janus改/Flecher改
- 第十九駆逐隊:敷波改二/綾波改二/磯波改/浦波改
新アイテム
報酬
- 12.7cm連装砲D型改三(甲・乙報酬)
ミニという事もあってか目新しい報酬はない。
唯一、難易度乙以上の報酬であるD型改三が今回最大の目玉といえるのだが、後述の通りマイペースに攻略している時間が惜しいため、「改修でいずれ来る」と踏んで敢えて丙に落として速攻クリアする提督もいた。
なお本装備はイベント中に実装された沖波改二に対して、高い装備補正を有している。
新規BGM
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両曲とも雛祭り家具設置時の母港BGM「桃の節句と艦娘」のアレンジ曲。
この他、海域BGMとして2015年秋イベント海域BGMだった「艦隊集結」が採用されている。
その他
ミニイベント…?
本作戦は迎撃!霧の艦隊よりもさらに小規模なイベントとなっているが、内訳は輸送ゲージ1・戦力ゲージ2の3ゲージで、海域難易度は最初から後段作戦並と位置付けられている。
甲難易度第3ゲージの最終編成では装甲300を上回る艦はおらず例年よりは有情といえたものの、前回イベントで苦しめられた重巡ネ級改が複数登場する為当然サクッとクリアとはいかず、歴戦の提督も苦しむ壁となった。
加えて第3ゲージの道中、絶対不可避のLマスでPT小鬼群が隊伍を組んで出現する嫌がらせレベルのポイントが存在。乙以上で4隻確定、最も楽な丁でさえ3隻確定と、対策必須の難所となった。
もう一つ問題だったのが基地航空隊の出撃数で、既に後段作戦並みにもかかわらず全段階で配備・出撃共に2部隊までであった。別段2ゲージ目までは問題にならなかったのだが、難易度甲・第3ゲージ最終時点になると1部隊では制空権争いに負けるというハードモードに突入する。当然こちらも2部隊目をボスマスに向ければいいだけなのだが、やはり例の深海のチャイドルが不可避のDマスで潜水艦隊を率いて待ち伏せしているため、大型対潜哨戒機「東海」を編成した舞台を全段階通して配備しておかないと道中の進軍が覚束なくなるという毎度のパターンに陥る。結果、難易度甲の最終時点ではDマスで祈るかボスTマスの制空権を捨てるかの苦渋の選択を迫られる羽目に……。
後に友軍艦隊の到着で、ボスマスの制空権争いについては戦闘機の配備数に割いてもある程度の余裕ができるようなったため、どうにか安定することとなった。
また消費も1海域として見ると決して『軽い』とは言えず、基地航空隊はフル活用、フル支援・長門改二らの起用で消費が重くのしかかり、基地空襲は平然と襲い掛かり、任務において大量の鋼材とボーキサイトが必要と、自然回復に頼る提督にとっても手痛い消費となった。
この為、今回のイベントはどちらかといえば「前段作戦と最終海域をオミットしたイベント」という方が正確で「難易度低め」「消費資材少なめ」「クリア後の周回力重視」という意味でのミニイベントを期待した人には期待外れな結果となった。
そして後述するが、致命的なバグや不具合こそなかったものの、数々の課題も浮上するイベントとなり、総合的な評価はお世辞にも手放しに良いとは言えない結果となった。
もう持っているのに沖波探し、菱餅任務群
さらに提督達を苦しめる原因になったのは、運営が力を入れて多数実装した菱餅任務群であった。
有志の検証により、順当にイベントが終了した場合(※当初、終了は3月20日と見られていた)、甲でクリアして菱餅を入手可能な任務を消化しても、去年以前からの引継ぎ分がなければ菱餅数が赤字である事がわかったのだ。
間の悪い事に「最深部でA勝利以上4回」が菱餅が入手できるウィークリー任務のトリガーとなっている事が後々判明。つまり、これを逃すと総合的な菱餅の入手数が減り、任務を消化しきれずに重要アイテムの入手を逃してしまう可能性があるという落とし穴も発覚。
そこに立ちはだかるは数多くの近代化改修任務であった。
任務を全て消化する為には、任意の海防艦・軽巡・夕雲型・軽空母・正規空母・そして海域名にも名を冠する沖波の近代化改修が必要となる。
だが、非常に間の悪い事に歴戦の提督の多くは彼女らの近代化改修など、とっくに終えてしまっていたのである。結果、未改修の該当艦娘(特に沖波)を求めて各海域を周回するハメとなった。
最難関は名指しで求められている沖波の近代化改修であるが、一応海防艦やまるゆ1隻を混ぜる事で消化は可能であった。
が、沖波にこれらを投じる価値を見出せなかった場合、あるいは持ち合わせや余裕がない場合、もっと言えば沖波自体が未着任の場合は当然、彼女を血眼で探し回るハメになっていた。
幸い本海域ではところどころで沖波がドロップする為、重点的に周回する事で邂逅は可能。問題はやはり「運」の要素が絡みすぎる事であり、ここでイベントの進捗が止まってしまうというケースもままあった。
3月19日に沖波改二と新規に菱餅任務が実装され、この問題は幾分か解消されたものの、それでも最高難易度である「甲」でクリアしていなければ余裕がない事実に変わりはなく「最初から実装していれば」といったものも散見され、遅きに失していたというのが実情であった。
数々の不満が噴出してしまった原因は
- ミニイベントへの期待に「低難度」「低消費」「面倒なギミックを排したユーザーフレンドリー」といった要素が根強かった(「出撃制限のない小規模イベント」の前例は、『艦これ』の長い歴史上でも迎撃!霧の艦隊と出撃!礼号作戦の僅か二例しかなく、いずれも難易度は当時の水準から見て比較的低く、海域もシンプルで編成の制約も緩めのイベントであった)
- 自分のペースでクリアしていたら、報酬を貰える機会を逸してしまう
- 個々で見れば特に著しく難易度が高いものは見当たらないのだが、ドロップ・建造という運が大きく絡む要素・任務に事実上の時間制限があることで、強迫観念や面倒くささと理不尽さが勝ってしまった
といった、プレイヤーのプレイスタイル面に干渉してしまった点も大きい。
根底の問題は悪名高き「ゲージ回復」「ランダム羅針盤」や「時間経過によるギミックリセット」と同じともいえよう。
また、運営Twitterでの告知「ぐるぐるとひたすら通常海域周回する必要はありません!」の部分を、結構な数のプレイヤーには「通常海域に出撃する必要はなく、期間限定海域のみで完結する」と解されたのも、今回の不満の一翼を担っていた。
実際には任務に指定された海域の敵艦隊撃滅や近代化改修素材を収集すべく、普段出撃する事のない各地へも出撃するハメになったからだ。
立ちはだかるは母港の壁
そして提督によっては最大保有数の壁とも戦う事となった。
本イベントはミニイベントではあるものの、あくまで期間限定イベント海域と位置付けられている為、母港の空きが5、装備枠の空きが20ないと出撃できないのであるが…前述した通り、今回菱餅の入手には近代化改修任務の消化が必要。
しかもその全てが異なる種類の艦娘を複数人・複数回指定(「果」で必要な正規空母に至っては改修に使う艦娘と素材の最低11隻必要)である為、その素材が母港に重くのしかかってしまう。
つまりイベント参加に必要な最低限の母港しか開けていなかった場合、イベント海域で任務を消化しようと思っても母港枠が足りずイベント海域に出撃できないという事態も発生する。こうなってしまうと「母港へ課金する」か「断腸の思いで艦娘を解体・近代化改修に回し、必要数を確保する」かという究極の選択になってしまうのだ…。
中には「母港を完全に開け切ってるので課金すらできない」という声もあったが、さすがにここまでくると「何をそこまで母港埋めてるんだ」と呆れる提督も多数だった。
2期初の「札なし」イベント
一方で、評価された点も存在する。
甲も含めて「出撃制限」が一切存在していない点である。
この為、最初から鎮守府の総力を以って敵艦隊の撃滅が可能であった点は、一定の評価を得ている。
むしろ、今回札があったら任務が消化できない危険性が生じ、今回のイベントの不評はさらに大きなものとなっていた事は想像に難くない。
甲の最終局面で出撃制限がないイベントは捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(後篇)以来2年ぶり、2期では初。
2014年夏イベント・AL作戦/MI作戦での出撃制限の実装以降、出撃制限が一切なかったイベントは、実に2016年冬イベント・出撃!礼号作戦以来4年ぶり、2015年冬イベント迎撃!トラック泊地強襲から数えて3例目となる。
・・・え、もっと多かっただろうって?
実は、出撃制限がないイベントのほとんどはそもそも出撃制限の概念自体がなかった2014年春イベント・索敵機、発艦始め!以前のイベントなのである。
昨今の傾向をみるに、もはや出撃制限がない方が例外であり「本来ある制限が今回はない」と言った方が正確だが「プレイヤーに無駄な面倒を強いるだけ」「好きなキャラが使えない」「単なる先行勢への負担」と出撃制限に否定的な声も少なからずあった為、その点が評価されたといってもいいだろう。
タシュケント「同志諸君、アーケードの方の用意はいい?」
これまで基本的にブラウザ版とアーケード版はイベントの開催時期が大きく重ならない事が多かったが、今回はアーケード版が2/27~3/17の予定でミニイベントを開催。
当初ブラウザ側は2/28から3週間イベントを開催する予定だったので、ブラウザ版とアーケード版でほぼ丸々イベント期間が重なる危機に陥った(幸か不幸か、実際にはブラウザ側はサーバー攻撃対策により3/3にイベントが開始し、アーケード側はCovid-19の影響で3/31までイベントを延長したため、イベントが重ならない期間が出てきたが)。
しかもアーケード版はここでタシュケントの実装を発表。
ブラウザ版とアーケード版を兼任している提督はブラウザ版で菱餅任務と海域攻略をこなしつつ、アーケード版でタシュケントを探す羽目になった。
一応、アーケード版は期間限定海域へ15回出撃するで確定でタシュケントが貰えるという形で提督への負担は減らしていたがタシュケント改を手に入れようとすると15回どころでは済まないので運が悪いといつまでもアーケードから離れられない事に…(ちなみにタシュケント改の4スロ・中射程・史実における足の速さはアーケード版における諸々のシステムと完全に噛み合っているため、タシュケント改はアーケード版における最優秀駆逐艦と目されている)。
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