水星ってお堅いのね
すいせいっておかたいのね
「こっちじゃ全然“アリ”よ。よろしくね、花婿さん」
『機動戦士ガンダム水星の魔女』の記念すべき第1話を締め括った、ミオリネの名台詞にして(ガンダムシリーズとしては)衝撃が過ぎる迷台詞。ミオリネとスレッタ、双方の出身地の文化的・社会的背景の差異を断片的に窺い知れる、含蓄ある発言。
なお、地上波放映時の字幕は
「水星って お固いのね」
「こっちじゃ 全然ありよ。」
となっているが、後述の理由で誤記の可能性が高い。
全然アリなネットスラング
煽り文句としても問題なく通用する秀逸さ、汎用性の高さを実戦で証明して見せた。
- 「ガンダムを穢すな!」
- →「水星ってお堅いのねw」 or 「水星に住んでそう」 or 「水星民か?」
放送前、散々「女子主人公」「学園モノ」「百合っぽい雰囲気(……ではなくガチだったが)」等々、謂れのない批判を向けていたオールドタイプをこれで一蹴。
今や、論理的な批判はまだしも、迂闊に言いがかりをつけようものなら「お前水星人だろwww」と夢を忘れた古い水星人、オールドタイプならぬハードタイプ認定され、煽りを受ける時代と化したのである。
使い所を間違えれば荒らしである。TPOを弁え、空気を読んで使いましょう。
又、第2話の展開を踏まえて
- 「ガンダムを穢すな!」「これはガンダムじゃない!」
- の類の批判に対応可能な「あれはガンダムだ。わたしがそう判断した。」とする強力な反論が発明された。
本セリフの本作における意味を考えるならば、
「放送前の事前情報の総決算」……斬新さをシンプルかつ衝撃的に纏めたフレーズ。
つかみは抜群の一言と評すべきだろう。
よその記事と被る部分が大きいが、本作はティーン層を意識した結果、「ガンダムシリーズとして見れば」TVシリーズ初の女子主人公など、放送開始前の時点で異例ずくめであり、古参のガンダムファンからは(ガンダム新作、特にアナザーガンダム作品の通過儀礼だが)強く賛否両論を巻き起こしていた。
しかし、それでも人を選ぶような尖った展開……ぶっちゃけてしまえば「ガチ百合までは“ない”」と思われ、百合界隈からはさして注目されていなかった。
事前情報である程度の材料は出揃っていたものの、「仮にも天下のガンダムかつ日5枠復活の第1弾なのだし、せいぜいが親友止まりであろう」との目算が大勢を占めていたのである。
そこに来てこの有様。
放たれた一撃は夢を忘れた古い地球人の脳天を突き抜け、銀河に向かって飛んでいき、2022年夏アニメ終了に伴う、百合フェプタンRの禁断症状に伴う難民に刻の涙を見せた。
今後、本作がどの様な展開を見せるにしろ、この様な衝撃的な台詞で視聴者の魂を地球の重力に囚えるのに成功した以上は、尻すぼみで終わらないよう切に祈りたい。
たとえ賛否両論になろうとも、ろうそくみたいできれいな花火を。
ちなみに、「遅れている」扱いではなく「お堅い」扱いなのもポイントの1つ。同性婚を享楽的と捉える風潮があるのだろうか?
- ミオリネが攻め側なイラストに使うと良いのかもしれませぬ。
なお、ティーン層お断りなイラストでは、スレッタがミオリネのスキンシップで自身の水星をお硬くさせられていたり、スレッタから生えたビームライフルが発射されているシチュが多く見られる。
- 脳が癒やされるイラストやカップリング概念が生産されるここはいい星だぞ。ユニバース!ユニバァァァス!!
- 第4話『みえない地雷』
- ミオリネ・レンブラン:告げた方。
- スレッタ・マーキュリー:聞かされた方。
- ガンダム・エアリアル:掌の上が婚約スポットになった立会人(?)。
- グエル・ジェターク:バラされた機体の羽飾りが、現場で神々しく舞い散っていました。当初こそミオリネのフィアンセだったが『ホルダー』の地位転落に伴い婚約が解消される。その後、第3話での遣り取りや決闘の末に、グエルはスレッタに惚れて両者の障害(?)になってしまう……。
- 地底人、火星人:アーマード・コアシリーズにて、旧作ファンを『3』以降の人間を指すor煽る際の言葉。同じくフロム社の『Bloodborne』において、ダンジョンに今なお潜り続ける人物を指して、地底人と称するケースがある。
- ロラン・セアック:ガンダム作品シリーズのかなり前の作品の主人公。ロランは銀髪の男、スレッタは赤毛の女という違いはあるが「主役ガンダムパイロット」「女子声優の主人公」「もともと暮らしていた別の天体から引っ越してきた」「小麦色の肌をした、やや垢ぬけないが可愛い系に整った顔立ち」「基本的に善良で純朴な人柄」「引っ越し先の地でひょんなことから、高貴なお家の同性に言い寄られる」などの共通点がある。
- 機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ:最初に女性同士の結婚が行われたと思われるシリーズ作品(後に養子縁組に変更され、その事実は半ば黒歴史にされた)。全体的にLGBTに寛容(無秩序?)な世界観が特徴的。舞台として多用される惑星や名台詞からすると「火星は柔らけぇんだぞ? こんなお堅い水星とは 違うんだ……」とでもなるのだろうか。
- 少女革命ウテナ:決闘や花嫁など、強くオマージュを感じさせる作品。ただし此方は褐色娘の方がトロフィー役。
- あら^〜:両者は幸せなキスをして終了。成し遂げましたわ。
- 難民キャンプ:直近まで百合を供給していた『リコリス・リコイル』終了後の難民救済の受け皿となっている側面がある。たすかる。