概要
爆風童子ヒッサツマンとは1990年に全3巻発売されたOVA。正式題名は「戦国武将列伝爆風童子ヒッサツマン」である。
タイムボカンシリーズと同じテイストで制作されているタイムトラベルコメディ。とはいえ製制作会社は別であり、直接のシリーズではない。
ただし企画(プロデューサー)のひとりにアートミックの鈴木敏充(元タツノコプロ企画室メンバー。つまりタイムボカンやヤッターマンのノンクレジット企画スタッフ)、監督に笹川ひろし、キャラデザに天野喜孝、主題歌に山本正之を迎え、同作のティストを全面に出し、それでいてOVAだけにTVシリーズには出来ない事にチャレンジしている。(いわゆるタイムボカンシリーズの精神的続編にあたる)
制作は、まさかのアートミック。この会社、実は『メガゾーン23』『機甲創世記モスピーダ』『ガルフォース』『冥王計画ゼオライマー』などのハードな作風で知られるスタジオで、まかり間違ってもボカン的な作風に手を出すようなスタジオではない……と、思われていた。この作品が出るまでは。
なので、ハードなメカニカルSFで知られるアートミックが、この手のギャグコメディを手がけたのは意外に思う人もいるが、そもそもアートミック自体がタツノコプロから独立分離したスタジオなので、実は意外でもなんでもなかったりする。(そもそも、アートミックは『ロボダッチ』みたいなコミカルな作品も手がけている)
そして、アートミック制作ゆえに、メインメカニックデザイナーが荒牧伸志である。アーマーバイクとかガーランドとかデザインした人が見事なボカン風メカを仕立て上げた事に、一部界隈では衝撃が走ったとか走らなかったとか。
現在はアートミックの倒産(破綻)により、版権が(『ガルフォース』で付き合いがあった)AICに移っている。
あらすじ
(製作当時より)少し未来の世界、少年科学者である主人公・平賀玄米はガールフレンドとのデートに遅刻しそうになり、自ら製作したタイムマシン・タイムドンブリーでデートの時間前に行くつもりが、操作ミスで戦国時代の日本へタイムスリップ。しかも燃料切れで帰れなくなってしまった。
同じ頃、世界を我が物に出来るエネルギーを持つ「お国鳥」を探しに、世界征服を企むアクダマ三姉妹も別な世界から戦国時代へタイムスリップ。「お国鳥を得る者が天下統一を成す(天下統一を成す者の元にお国鳥があらわれる)」との伝承をもとに、様々な戦国武将に接触。歴史改変お構い無しに手っ取り早く手頃な武将に天下統一をさせ、お国鳥を誘き寄せようとする。
一方、玄米はふとした偶然から、お国鳥の糞を精製する事でタイムドンブリーの燃料を得られる事を知る。現代に帰るにはお国鳥を捕獲する必要があると考えた玄米はアクダマ三姉妹に協力する事を装いつつ、お国鳥捕獲を目指す。
しかしアクダマ三姉妹は序でに戦国時代の歴史改変を企み色々暗躍。そして歴史が改竄されるとタイムパラドックスにより玄米の存在が消滅してしまう事が判明する。
存在を消されてはたまらない玄米は、タイムドンブリーに積まれていた「火事場の馬鹿力マシーン」によって急成長&大変身し、アクダマ三姉妹の歴史改変を阻まんと密かに立ち上がる。
アクダマ三姉妹が悪事を働く時、何処からとも無く仮面の武将が現れる!武将は自らヒッサツマンを名乗り、アクダマ三姉妹の野望に立ち向かう!
果たして、お国鳥を手にするのはアクダマ三姉妹か? それとも玄米か? あるいは無関係の戦国武将か?
かくて! 玄米の存在と天下の行方を賭けた、わりとどーでもいい闘いの火蓋が切って落とされたのであったぁーっ!
キャラクター
主人公サイド
平賀玄米・CV/草尾毅
ナゴヤ兵衛・CV/千葉繁
アクダマ三姉妹
ビージョ(長女)・CV/小原乃梨子 ご存じマージョ系で声優もマージョ本人が担当。
プージョ(次女)・CV/TARAKOワルサー系の筈だが、役割はグロッキー系のメカニック担当。容姿に難がある為、お色気ネタは回避されている。
パージョ(三女)・CV/水谷優子グロッキー系なのだが役割がプージョと逆転しており、殆ど足手纏い。キレると手に負えない。
パック・アクダマ三姉妹が飼うブタ
戦国時代の人物
しん子姫・ 本作世界での信長の長女で玄米のGFしん子に瓜二つ
羽柴秀吉・CV/津久井教生史実では信長の有能な部下だったが…
上杉謙水・CV/江原正士史実の上杉謙信
タイムボカンシリーズとの共通点
タイムボカンシリーズとの共通点は以下の通りである
- 監督に笹川ひろし、キャラデザに天野喜孝、企画メンバー(プロデューサー)のひとりに元タツノコ企画室の鈴木敏充。
- 山本正之の音楽と主題歌
- お宝探し(前述の通り、本作は「お国鳥」である。)
- ヒーロー対三悪(寧ろ後期タイムボカンに近い)
- 富山敬のナレーション
直接関係はないものの、ファンによっては本作をタイムボカンシリーズの番外作と見る人も居る。
1990年にOVA全3巻が発売されたのみで、DVDやBRでの復刻が待たれる。
余談
ヒッサツマンのOPのイントロは1991〜1992年に読売テレビ製作の関西ローカルバラエティー番組「未確認飛行ぶっとい」(関東圏では当時の独立U局でOA)の1コーナー「風雲!はだか侍」のエンディングに使用されていた。
別名・表記ゆれ
戦国武将列伝爆風童子ヒッサツマン・正式題名
関連タグ
バック・トゥ・ザ・フューチャー 写真が消える元ネタ
戦国自衛隊 半村良原作のSF小説で、こちらはシリアス且つハードな展開である。
AIC:現在、制作版権を継承している会社。