あらすじ
MAPPOのエージェント・北斗英二が任務で派遣されたある高校に、MAPPOの宿敵である、人造人間集団・ナンバーズがやってきた。
ナンバーズを殲滅しようとする北斗は、ナンバーズ・”No.1”である難波零一に勝負を挑むも、軽くあしらわれてしまう。
しかし難波が来た目的は、『失われた青春を取り戻すこと』。
その為に彼は兵器を取り除き、代わりに対青春装備なるものをつけていた。
難波を追ってきたNO.20を圧倒した後に二人は友達になる。
彼らは甘くほろ苦い青春を手に入れるのか――――?
登場人物
MAPPO
- 北斗英二(エージ)
人間側における主人公。
IQ180の頭脳にオリンピック選手ほどの身体能力を兼ね備えているMAPPOのエージェント。
後述の潤の護衛の為に、組織から派遣されてきた。
その為、ナンバーズを発見すると警告音を鳴らす眼鏡など、常に武装をしている。
零一曰く、「正義に青春を奪われた男」。
名前のモデルは『ウルトラマンA』の主人公・北斗星司と円谷英二監督。
幼い頃外国で両親に捨てられた所をMAPPOに拾われて育ち、MAPPOきっての天才少年と言われる程に高い実力を誇る。
ギャグ漫画のため描写は安定しないがステゴロで大型の熊に勝利する、距離320mの狙撃を難なくこなす、ナンバーズ最高戦力の零一をハンマーの一撃で気絶させるなどその戦闘能力は常人離れしている。
プロフェッショナルすぎる故に初期は零一と同等に世間離れしており、
・荷物一つ無い部屋
・私服すら持っていない
・家の窓には防弾シャッター
・食事はレーションのみ
・学校下駄箱に異常なセキュリティを施す
などといった具合で、学校でも非常に浮いていたが零一との出会いにより性格が軟化し他のキャラ同様に徐々にキャラが崩壊してゆく。
趣味は自炊。
因みに非常にあだ名が多く、奇行に走ったり、零一の起こす騒動を収めたり等した際は「知らぬ間にあだ名が増えていた」というオチで終わることも多い(例:エージェント、熊殺し、海賊王)
MAPPOの美少女エージェント。英二と同じ学校に派遣されてきた。
クールビューティな外見に反し、賢さとデリカシーに欠けている一面を持つ残念な美少女(同僚の英二も「アンヌを賢い奴」と評した敵のナンバーズに対し「あいつ(アンヌ)は賢くない」と返している)。
初登場時は訓練学校の成績で常に英二に負け続けた経緯から「英二を超えるエージェントになる」とライバル視していたが、学校祭等でペアを組むときは即決で英二を指名(しかも本人に確認を取らずに)するなど敵視しているわけではない。
初めはナンバーズ1(零一)を倒すことを目標に掲げていたが、話数を重ねるに連れ、学生生活を謳歌するようになる。
甘いものに目が無く、またかなりの大食らいですぐ食いすぎて太り、すぐ痩せる。(ただし食べすぎて原型が無いほど太る『備蓄形態(ストックフォーム)』と呼ばれる状態になった場合は元の体型に戻るのには1ヶ月ほどかかる)
戦闘能力は非常に高く、同年齢の英二が初任務を請け負った時点で既に3つのナンバーズの基地をたった一人で壊滅している(ただし、ナンバーズの基地を壊滅した要因は空腹の限界を迎えると理性が吹っ飛び戦闘力が大幅に増す『絶食女神形態(ヴァルキリーモード)』と呼ばれる状態によるものである)。
余談ではあるが一周年記念の際に『お色気枠(未遂)』と書かれていた。
- アンドリュー・シンドー
ハゲにグラサンの筋肉ムキムキの巨漢。英二の先輩であるが、デリカシーがアンヌ以上に欠けている。
オンオフの切り替えが激しく、休みの日は凄くイキイキしている。
- ミコナミ・ユウ
13歳の天才少女。MAPPO専属の科学者で、知識欲が高い。七倉博士(後述する委員長の父)の弟子。
左手にフクロウのパペットを付けており、いつも腹話術で話す。
普段は冷静でおとなしいが興奮したりぶちギレると言葉が荒々しくなり、特に英二に対する当たりが強くなる。
ナンバーズを必死で解析しようとするが、型破りすぎる彼らに振り回されている。
「全人類図鑑」なるものを作成しており、そこに載っていない零一のことを調べようとした結果、知的欲求が暴走してヤバいストーカーと化した(後述)。
また、背が低いのを気にしており、MAPPOの予算で背が伸びる薬を開発中らしい。
2回目の登場話で「今度こそまともな子」と書かれたが次のページで大量の零一の盗撮写真を貼り付けられたて登場という姿を晒し、零一の人形を学校に常備するなど登場キャラの中で最短のキャラ崩壊を起こす(この際初めて腹話術人形を用いずに話し英二に驚かれるが人形をぶん投げて「あんなもんがなきゃしゃべれねーヤツがこの世にいるわきゃねーだろォ!!」などと叫ぶなど英二をドン引きさせる)。
その回の最終ページの柱は「相変わらずの新キャラクターはビルド&スクラップ!」
吹っ切れた際は英二に対する当たりが非常に強いが信頼はしている様子(逆にアンヌは「ちょっと怖いけど格好いい憧れの人」といった高嶺の花的認識で、どちらかと言うと英二との方が仲が良かった節がある)
MAPPOの一員ではあるがナンバーズに対しては他の隊員程危険視している様子はなく、英二の意思を尊重して零一を除く他のシングルナンバーのナンバーズの存在を確認しても本部に報告しようとする素振りは見せない。
また、MAPPO本部ではシングルナンバーの姿が不明となっているがユウは零一を除く全てのナンバーズの正体を把握(ナンバーズの生みの親にしてボスであるDr.モサリーナの個人情報も把握済み)している。
ナンバーズ
- 「始まりの最終兵器」No.01/難波零一
ナンバーズ1。ナンバーズ側における主人公。
基本2頭身という点を除けば見た目は普通の人間と変わらないが、頭にデカいネジが刺さっている。
数字が低い程強い「シングル」のナンバーズの中でも最強最悪といわれている。
「戦いから離れて人間の世界で自由と青春を謳歌したい」という田舎娘のような理由で自身を改造して組織から脱走してきた。
青春を謳歌する為、学生生活に役立つらしい「青春装備」を身に着けている(頭のネジもその一つ)。
普通の武器および兵器は「青春に必要ない」という理由で取り除かれているが、それでも「最強」の名前は伊達ではなく、圧倒的な近接戦闘力を持つため大概の相手にはなんとかなる。
訳あってエージと一緒に暮らしているが、あまりにだらしない生活態度をとっているためしょっちゅう喧嘩している。
アンヌに片思いしているが、アタック方法がバカ丸出しのためハチから事あるごとに止められている。
本人曰く、「悪に青春を奪われた兵器」。
基本的にギャグ担当だが相棒の英二が時々おかしな言動をするのでその際は至極まっとうなツッコミを入れることもある。
武器はすべて取り除いているが自身の体にもともと仕込まれていた特殊技能はある程度そのままで、磁力を操ったり物を透視したり、大爆発を起こせる等が残っている。(殆どが上記の「青春装備」に該当する)
また、「対青春制御螺子(頭のネジ)」によって兵器としての力を制御しており、緩めるほどにその力を解放出来る(また微調整も可能)。
意外と手先が器用。初期案では髪のパーツがなくパンツ一丁だった。
- 「軍神」No.08/南場八
ナンバーズ8。
難波に忠誠を誓っており、従順。外見は犬型。
組織からいなくなった難波を探すために、自分も組織を離れて連れ戻しに来た。
無許可なので脱走者。砲術及び射撃の名手で、軍人風の外見をしている。
初登場時は零一同様常識に欠けている部分があったが真面目な性格に加えて情報収集および情報操作が得意である為、零一より若者の常識に詳しくなり彼がいない所ではプールに行ったりテラスハウスに住んでいたりと、リア充生活を満喫している。
一周年記念の際には「君がいなければ10週で…」と書かれており、一年を振り返るメタ回でも「話に幅ができた」とその重要性を説かれている。
しばしばジャンプ編集部内で青春兵器ナンバーワンという漫画が「不死鳥」と囁かれる要因となったキャラであり、この漫画の立役者といえる存在。
英二と同じ常識人枠だが忠誠心が過ぎて零一のために暴走することが非常に多く、零一にべた惚れ設定のアンヌの等身大ロボットの制作や惚れ薬の制作、アンヌに対する洗脳じみたことまでやってのけようとするなど時折常軌を逸したマッドサイエンティストと化す。初期案ではネコのような目つきをしていた。
- 「剣聖」No.05/ゴロー
ナンバーズ5。見た目は完全に熊のぬいぐるみ。
眼帯を付けボロボロの外套を羽織った侍型で、剣術は全ナンバーズの中で最強。零一も武器を取り外した今の自分より強いかもしれないと評している。
野生化していた所を委員長に拾われ、それ以来は学校の飼育小屋に飼われている。
義理人情に厚い性格であるためか、彼女にはとても従順。
頭はすこぶる悪い。
登場当初は普通に喋っていたが、現在では「無情の誉れ」のようなぶった切った侍風の喋り方をする(一応登場時も時折語尾に「無常の誉れ」などの言葉をつけるなどの片鱗は合った)。
ベースは機械ではなく動物の細胞から造られた生物兵器。
非常に人気が高く、一周年記念の説明ではゴロー回にて最高の得票数を獲得した事が明かされたり人気投票ではぶっちぎりの一位を獲得。
主人である七倉潤からは溺愛されており、元々天然キャラで(一応)ヒロインである彼女が、作中屈指の狂キャラと化した原因。初期案では三つの案があったが、どれも選ばれず最終的に熊型になった。
- 「神創頭脳」No.07/軟葉 ナナ(ナナ)
ナンバーズ7。シングルスで紅一点。外見は兎型。
「恋愛のスペシャリスト」と呼ばれるほどの乙女チックな思考回路の持ち主で、バーのママのようなもったいぶった話し方をする大人な女性。
東に一目惚れして脱走、転入した。
身体能力は末尾ナンバーズより劣るものの、人間心理を瞬時に把握する能力を持ち、タロット占いの方式で未来予測を行う。
その占いは圧倒的な演算能力に起因する未来予知能力であり、的中率は100%。ただし本人の性格上、その能力は恋愛占いにしか使われない。また、その能力自体は創造主ですら二度と再現出来ない偶然の産物であるために、組織もうかつに手を出すこともできずにナンバーズの切り札として席を置いている。初期案では顔が異様にキモかった。
- 「完全兵器」No.03
ナンバーズ3。鮫型。
海中戦最強の現ナンバーズ筆頭。「超硬化」の能力を持ち、いかなる兵器でも傷一つつかない鋼の防御力を誇る。
生真面目で料理ジョーズ。
裏切り者の零一らを目の敵にしており、顔を合わせる度に何かと勝負を持ち込む(ちなみに組織のルール上、シングルス同士でのタイマンは禁じられており、申し込む勝負の内容も大半はバラエティ番組並にくだらないものが多い)。
小遣い稼ぎで料理ブログを始めたのをきっかけに料理に目覚める。初期案から姿が変わってない数少ないキャラ。
- 「戦艦切り」No.06
ナンバーズ6。鎧を纏ったアザラシのような外見。
艦艇を一刀両断するほどの切れ味を誇る大剣「海神剣」を武器に使う。同じく剣士のゴローを尊敬している。食い意地が張っている。ゴローと同じく動物をベースにした生物兵器。初期案ではラッコモチーフだった。
- 「鳥葬」No.09
ナンバーズ9。全ナンバーズ中最速の機動力を有するペンギン型。ナンバーズの中では比較的に常識人で苦労人。初期案ではシャチモチーフだった。
以上の三の倍数トリオはエージたちの隣の部屋に住んでいる。
- 「失敗作」No.2/ツー
ナンバーズ2。ライオン型。ナンバーズ一の熱血漢。
近接戦においては零一と互角の猛者であるが、燃費が悪く、あまりに大量のエネルギーを消費するため、常に電源コードと接続していないと活動できないという失敗作。
のちにバッテリーが内蔵されるも、消費電力の問題は解決しておらず、充電が減ると作画が簡略化されるほどに弱体化し、熱血感が減る(ついでに知能も低くなって「ツー」としか喋れなくなる)。
初期案では頭が四角かった。
- 「試作機」No.4/フォー
ナンバーズ4。猫型。カタカナ口調で喋る寂しがり屋。
エネルギー操作によるサイコキネシスを得意とし、零一ですら凌駕するほどの実力を誇る。
ナンバーズの最後の一人。
一般人
学級委員長。父親がMAPPOと深く関わってる世界的な権威を持つ科学者の為、MAPPOからは最重要クラスの保護対象となっている。
立場上、常識人枠になるのだが、ナンバーズとは知らずにゴローをペットとして従えたり、MAPPO本拠地で行われた試験で合格し、自動二輪免許を習得したりと、常人ではない描写が目立つ。
また非常に天然であり零一の頭が取れているのを見ても、悲鳴を上げて驚きはするものの直後に「最近の手品って凄いんだねぇ」と感心していた。
最終的にゴローの溺愛っぷりが進み、学校祭ではゴローとの触れ合いができるゴロー喫茶なるものを出店、まるで人気が出ないことを嘆く姿は英二からも「怖ぇ」と内心ツッコミを入れられるなどキャラ崩壊が進行、一周年記念では「もはや異類婚姻譚」などと書かれていた。特にとある回で見せた、奇声をあげながらゴローを舐め回す姿はファンの間で語り草になっている。
- 東光太
クラス1のモテ男。イケメンで気さくで、1年にしてサッカー部のキャプテンと言う天才児。
非常に人が良いが、家庭環境はやや闇が深い。
ハチ曰く三浦春馬級のリア充度(測定不能レベル)を有しており、某超能力漫画の完璧美少女と同じように光のオーラを纏っている。
密かにアンヌの事が気になっており、零一とは一応恋のライバル関係となってるが仲は良好である。
- 藤アキ
英二たちと同じクラスの女子生徒。漫画家を目指しており、集英社に専属の担当までいる。
普段はニブくてトロいが漫画に関しては『朝比奈ミクルの冒険』ばりの偶然の一致を見せ英二に「この子始末するしかなくない!?」と思わせた。
また、天然だが今作唯一といってもいい常識人であり、混沌とした展開になると普段は閉じられていた目が開眼し怯え顔になる。
しかし、英二と七倉潤は付き合っている(もしくは恋愛感情がある)と誤解しており、英二に対し応援する旨を伝えるなど、優しい性格。(因みに臨海学校にて英二のある発言が元で「英二は七倉潤を好き」だとクラスの男子達も誤解している)
クリスマスの夜に自室に侵入したサンタの格好をした英二(零一の「サンタは存在する」という夢を壊さないために芝居をしている)と対面し、開眼。その後しばらく出番がなかったが、再登場時は普通に英二と話をしていたため関係は良好な様子。
奇しくも事実を捉えた漫画の件と合わせて、護衛対象の七倉潤以上に二人の「通常とは違う」関係を正確に捉えているといえる。
- 梔子今日子
英二たちのクラスの担任である女性教師。常に笑みを絶やさない明るい性格で、トレードマークは笑顔と水玉のリボンで結んだポニーテール。
作者の前作品『恋のキューピッド焼野原塵』から続投の登場人物であり、中学時代は非常に無口な極度のコミュ障であったが、本作では紆余曲折を経て志した教師になるという夢を叶え、心身ともに大きな成長を果たして現在のような明るい性格になった。
用語説明
- MAPPO
MonsterAttackProfessional&PacificOrganization(モンスターアタックプロフェッショナルアンドパシフィックオーガニゼーション)
対人造人間専門平和組織。MAPPOは通称である。
この機関により特殊な訓練を積んだエージェントは世界中に派遣されている。
- ナンバーズ
世界征服を企むDr.モサリーナが率いる99体の人造人間集団である。(No.01~No.99)
また、人造人間のことも指す。数字が1に近い程、高い戦闘能力を誇る。5と6は遺伝子改造された生物だが、他の7人は機械型らしい。
よって、「一ケタ(シングル)」は一人が戦艦に匹敵するほどの強さを有する(ただし、なぜかみんな2頭身かつ動物のモチーフが入っていて可愛らしい外見をしている)。
余談
- 作者の前作品である『恋のキューピッド焼野原塵』に登場していた梔子今日子が英二たちの担任教師として登場している他、諸事情から人間界で行列のできるコロッケ店の店長となった魔人・ゴルゴンの名前が間接的に登場している。
関連イラスト
関連タグ
前作→恋のキューピッド焼野原塵
次作→森林王者モリキング