D4DJショートアニメ
でぃふぉーでぃーじぇーのかおすあにめ
2023年10月25日〜2024年1月24日の「水曜日のD4DJ」で配信されるD4DJのショートアニメ(放送終了後にD4DJ公式YouTubeチャンネルのshorts(以下ショート動画)にてアーカイブが行われる)。
本作は本編とは大きく異なる雰囲気や作画になっている…というか色んな意味でシュール。ただの「ショートアニメ」ではなく「ショート動画で配信されるアニメ」だからだろうか。
シナリオ原案は教室隅の男・その名はジャック氏、作画はあたらしい きもち氏、アニメーション制作はアーランシャフトが担当している。
話数は全13話(1クール)。
「ぷっちみく」の配信から2年経った後の2023年10月25日、「水曜日のD4DJ グルミク3周年 SP」でYouTubeのショートアニメ第1話が配信されることが決定された。
最初に公開された1話の先行カットを見る限り、本編や様々なメディアミックスとは全く異なる雰囲気や作画になっているため、今までとは全く異なる作品になると思われていた。
そしてその先行カットが、
「美夢が持っているお札が5000兆円札になっている」という展開の1カットになっているということから、カオス度が今までより高いミニアニメとも思われていた(但し、カオス度が高かったということもあるのか、かつてキャラ改変や唐突な展開によって一部のファンから批判された、同じブシロード関連作品のミニアニメである少女☆寸劇オールスタァライトみたいにならないかという不安を抱いた人(参考)もいた)。そして、その予想通り、今までのアニメの中でも最高レベルにカオス度が高い、言い換えるとすればネタ全振りのアニメであることが明らかになった。
前述したように、本作は今までのD4DJのアニメとは全く異なる作風となっている。
- 再生時間は1分程度。
- 主題歌が存在していない(ショート動画なので当然ではあるが)。
- 話のメインとなるユニットの順番が、第10話時点でHappyAround!(第2話~第6話)→LyricalLily(第7話~第12話)→福島ノア(第13話)。
- 先述の通りアーカイブ先がショート動画。
- 効果音やボイスはあるのだが、音楽が流れない。
- そして何よりも今までのどのアニメシリーズよりもカオス度が一気に上昇している。さらには、カオス度がかなり高まっているということもあるのか、全く別の作画になってしまったり、一部のキャラが絶対言わないであろうセリフを言ったりする等、(本編に関わらない話であるとはいえ)割とやりたい放題である。
話数 | サブタイトル | 登場キャラ | 余談 |
---|---|---|---|
第1話 | 5000兆円 | りんく、美夢、(真秀、むに、麗) | 記念すべき第1話。りんくが(『グルミク』に課金したいという理由で)美夢に5000兆円札を貸したり、HappyAround!のメンバーがどこかで見たかのような衣装になっていたり、美夢が5000兆円札を使って課金しているりんくに対して、ジト目で「お金とはまるで人間を惑わせる美しい夢のようです」と発言したり(りんくも課金している際にジト目になっている他、さらに「課金金金喜金!」と発言している)というカオス度の高さで、今までのアニメとは違うということを視聴者に見せつけた。 |
第2話 | YouTubeを始めよう! | りんく、真秀、むに、麗 | 真秀、むに、麗は、セリフ付きで登場するのはこの話が初となる。YouTbeで麗が水着姿でピアノを弾いたり、その隣でりんくが超絶デカ盛りの焼きそばを食べていたりしている。しかし結局話の本題は解決しておらず無限ループというオチ。 |
第3話 | 90年代萌えキャラ風邪 | りんく、真秀、むに、麗 | りんくが90年代萌えキャラ風になったり(ちなみに、90年代風邪にかかったということらしい)、むにが80年代萌えキャラ風の人になったり、麗が2020年代萌えキャラ風になったりしている(しかも、麗が登場した際には、(本来のこのアニメの作風とは)全く別の雰囲気になっているのに、何故か真秀が安心したかのような表情になっている)。そして、ラストシーンでは、りんくとむにが… |
第4話 | ポジティブ | りんく、真秀、むに(この話でのむには大怪我をしているため、セリフが「……」のみになっているため、実質セリフ無し)、麗 | 真秀の発言で「YouTubeを始めた」と発言しているため、恐らく第2話の続きだと思われる可能性がある。この回でのむには、何故か(スクーターに撥ねられたという理由で)大怪我をしている状態での登場である。ニュース番組で「超巨大隕石 20分後に衝突」というニュースが流れてもポジティブに発言するりんく、そして、そのポジティブ発言が原因でりんくがそのまま炎上してしまうことに……(そもそも、何故りんくがいた場所はハピアラのメンバー以外は誰もいなかったので、どのようにしてりんくの発言を知ったのだろうか……)。ちなみに、ニュースキャスターの声優を担当しているのは前田誠二氏。 |
第5話 | 作画担当 | りんく、真秀、むに、麗 | 真秀を除いたキャラ全員の作画がおかしいことになっている。麗の作画担当が何故か途中で失踪したという理由で、色が付けられていない状態になっている(作画は本作品の作画と同じだと思われる)。りんくの作画が何故か法廷画になっている。そして、むに&にょちおの作画担当がまさかの絵を描けるゾウ。なお、真秀が「その声は、○○!」と発言した際の効果音が何故か某機動戦士のあの音になっている。 |
第6話 | 将来 | りんく、真秀、むに、麗 | ファンの男(しかも声優は統括プロデューサーの中山雅弘である)の身体にサインという形でタトゥーを彫るむに。ただ、他の話と比べると、HappyAround!のメンバーが将来について話すという感じの内容であり、ラストのタトゥーを除いて、比較的まともな内容になっている。なお、2024年6月20日より、D4DJの運営をブシロードから株式会社DONUTSに移管することが発表されたため、運営移管前のD4DJのアニメ作品でハピアラが最後に出演した作品になっている。 |
第7話 | スマホ中毒 | 美夢、春奈、胡桃、みいこ | 今回からリリリリが主役を務める。何故かスマホ中毒になってしまい、昨日のライブでもステージ上でずっとYouTubeを見ている美夢。 |
第8話 | バグ | 美夢(その話での美夢については余談で参照)、春奈、胡桃、みいこ | ホラー回。この話での美夢は、バグで意図しない挙動になっている状態であり、セリフやボイスもバグでおかしくなっている状態であるため、実質セリフがないキャラになっている。なお、バグ関連のホラー回であるため、閲覧注意。 |
第9話 | 無人島 | 美夢、春奈、胡桃、みいこ | 無人島に漂流する話。リリリリ全員が1年も祈り続けた結果、リリリリ全員が白骨化するというバッドエンドになっている(なお、その次の回ではすぐに復活した(ギャグアニメではよくあることだが)。『さがしています』のリリリリの顔の絵が凄いことになっている。 |
第10話 | 進化 | 美夢、春奈、胡桃、みいこ | 美夢が三つ首に何故か進化する(春奈曰くライブで経験値が溜まったということ。これでは完全にポケモンが元ネタ)。ちなみに、胡桃は夢オチだと思っていたのだが…。 |
第11話 | 人類顔シャッフルデー | 美夢、春奈、胡桃、みいこ | サブタイトル通り、リリリリの顔がシャッフルする。そして、ラストはみいこの顔が……。なお、この話では国語の里崎が登場する(声優は前田誠二氏)。 |
第12話 | パブロフの犬 | 美夢、みいこ、(春奈、胡桃) | みいこと一緒にマシュマロ口キャッチをする際に、祈る前に何かを食べてしまうと爆発する体質になってしまったということを話す美夢。そして、祈っている途中の美夢がマシュマロを食べてしまい……。なお、この話では、春奈と胡桃のセリフが存在していない。 |
第13話 | 可愛いはつくれる | ノア、春奈、胡桃、みいこ、(美夢) | 本作の話で唯一ノアが登場する話である。何故か喋れるサボテン(声優は前田誠二氏)。喋れるサボテンのアドバイスを聞いてサボテンを可愛いと思い込んでしまうノア。そのままサボテンに抱きしめて流血するノア(当然モザイク処理されている)。そして、1年後……。なお、この話では美夢のセリフが存在していない。かなりカオスな展開になっているが、この話が最終話である。そして、2024年6月20日より、D4DJの運営をブシロードから株式会社DONUTSに移管することが発表されたため、この話が運営移管前のD4DJのアニメ作品で最後に放送・配信された話になった。 |
かなりカオス度が高くなったショートアニメということもあり、迷台詞もたくさん登場することになった。ここでは、本作で登場した、代表的な迷台詞を紹介する。
第1話「5000兆円」
キャラ | 台詞 | 備考 |
---|---|---|
りんく | 課金金金喜金! | 5000兆円を使って課金している時のセリフでジト目になっている。 |
美夢 | お金とはまるで人間を惑わせる美しい夢のようです | 課金をしているりんくに対する発言で、こちらもジト目になっている。 |
第3話「90年代萌えキャラ風邪」
キャラ | 台詞 | 備考 |
---|---|---|
りんく | いとあはれ | 麗の催眠療法を受けた後のりんくの台詞 |
麗 | 間違えちゃいました | 麗が催眠療法をした後、とある作画に変化したりんく&むにを見た後の発言。前述のりんく&後述のむにの発言から、明らかに間違えたレベルとは思えない。 |
むに | あやしうこそものぐるほしけれ | 麗の催眠療法を受けた後のむにの台詞 |
第4話「ポジティブ」
キャラ | 台詞 | 備考 |
---|---|---|
真秀 | 私は昨日 父が無職になったんだ | 真秀の父親は消防士として働いているはずなのだが… |
りんく | お 愚かな人類が滅ぶならこれほど喜ばしいことはないよ | その発言が原因で、りんくが(ニュースになるほど)炎上してしまうことに… |
同上 | でもどうせ全部滅ぶからラッキー! | 前述の炎上の後のりんくの台詞 |
第5話「作画担当」
キャラ | 台詞 | 備考 |
---|---|---|
麗 | インボイス制度がどうとか叫んだと思ったら急に走り去って… | 麗の作画担当が失踪した理由の説明。当時話題になっていたインボイス制度であるのだが、D4DJの世界観でもインボイス制度の影響を受けているのだろうか…?(パラレルワールドだから気にしてはいけないのかもしれない) |
第8話「バグ」
キャラ | 台詞 | 備考 |
---|---|---|
みいこ | どうするもなにも…処分するしかないの! | バグで意図しない挙動になっている美夢に対して。そしてそれに対して春奈が納得してしまっている。 |
第10話「進化」
キャラ | 台詞 | 備考 |
---|---|---|
美夢① | ちょっと!あなた今音外したでしょ! | なお、その際、三つ目の美夢は眠っていた。 |
美夢② | どこかですか!?耳おかしいんじゃないんですか? | 同上 |
胡桃① | あんたいい加減にしてよ!ふざけんじゃないわよバカ! | 二つ目の胡桃と喧嘩をしている際の台詞。なお、三つ目の胡桃は眠っていた。 |
- 第2話では、序盤のシーンで、むにがFXで有り金全部溶かす人の顔になっているシーンを確認することが出来る。なお、麗が木の枝でりんくの耳に刺すシーン(しかもりんくは平気そうな顔をしている)の際に表情が変化し、焦っている表情になる。
- 以下のキャラは特定の話でセリフが無いキャラになっている。しかし、実質セリフが無いキャラでも、動画の説明では、キャストにそのキャラの声優が書かれている。但し、例外として、第1話は、セリフなしで登場した真秀、むに、麗の声優が書かれていない。
- 第4話のむに(セリフが「……」だけ)
- 第8話、第13話の美夢(前者はバグで意図しない挙動になっている。後者はセリフがない)
- 第12話の春奈&胡桃(セリフが無い)
- 第5話で色がつけられていない(つまり下描き)状態の渡月麗が登場したのだが、本作以外にも色が付けられていない状態のキャラが登場した話が複数存在している。(代表的な例として、ハウス・オブ・マウスの「クビになるのは誰?」(二名の男性の客)やアニメ版星のカービィの「星のデデデ」(ファイアデデデなど)が存在)。但し、理由は全く異なる。
- 第8話の公開日は美夢の誕生日前日である。
- 第8話では、みいこの「きっと変なパッチにでも当たっちゃったの!」の後に春奈が「そんな…牡蠣みたいに…」という発言をしている。みいこの発言の場合はプログラムの一部を修正するという意味であるのに対して、春奈の発言の場合は、簡単に説明すると食中毒になってしまうということを示しているため、微妙に会話が少し噛み合わない。
- 第10話で経験値が溜まった美夢が三つ首に進化する展開があるが、実は元ネタと思われるポケモンでも、経験値が溜まる=レベルアップすることで三つ首に進化するポケモンとして、ドードリオなどが存在している(ちなみに、ドードリオも首同士で喧嘩することがある種族である)。
- なお、美夢が三つ首に進化する展開でのBGMは、元ネタと思われるポケモンのBGMは流石に使われず、代わりにドッキリ大成功のBGMが流れる。
- 第12話でマシュマロが床に落ちた後、画面の下に『※落ちたマシュマロはスタッフ一同が美味しくいただきました。』という文が登場する。
- 第13話では、中盤で『ノアの可愛さランキング』が登場する。『ノアの可愛さランキング』の順位は以下のような感じになっていた。
順位 | 対象 | 備考 |
---|---|---|
1位 | ねこ | |
2位 | くま | |
3位 | きゅーとぴあのみんな♡ | なお、『きゅーとぴあ』に所属している4人の内、むにと胡桃は本作に登場している(後者は第13話で(一応)共演している)。 |
255位 | ホタルイカ | ここまではサボテンにアドバイスされる前ではノアの可愛い物の基準になっていた。 |
256位 | うどん(太) | これ以降はサボテンにアドバイスされる前は可愛くない物であった。後に基準変更で535位までが可愛い物に認定された。 |
257位 | ト音記号 | |
258位 | 100円ライター | |
259位 | 絵が描けるゾウ | 第5話でむにの作画を担当していたゾウ。 |
260位 | マスク | |
534位 | のど飴 | |
535位 | サボテン | サボテンのアドバイスを聞いた後、ここまでがノアの可愛い物認定ラインになった。 |
536位 | 掃除機 | サボテンのアドバイスを聞いた後、ノアは可愛い物認定ラインを変更したのだが、これ以降は認定ラインを変更しても可愛くないものになっている。 |
537位 | ティッシュ | |
538位 | コンセント |
なお、4位~254位までは省略されている。また、261位~533位までは、早送りでスクロールされるため、文字が見えにくい。
- 本作は毎週水曜日午後9時に公開される「水曜日のD4DJ」の1時間後に配信されることが多いが、2024年1月3日では、その日に公開予定だった「水曜日のD4DJ ライブ映像配信スペシャル」が諸事情によって公開中止になった(詳細)ため、本作の新作の配信も休止された。
- 前述したように、本作は2024年1月24日に最終回を迎えた。
- 2024年6月20日より、D4DJの運営をブシロードから株式会社DONUTSに移管することが発表された。これにより、運営移管前のD4DJのアニメは本作が最終作になった。
シュールな展開が多く登場した本作であったが、残念ながら本作の評価は賛否両論の結果になってしまっている。
『概要』で説明したように、ただの「ショートアニメ」ではなく「ショート動画で配信されるアニメ」という点もあって、本編や『ぷっちみく』とはかなり異なる、カオス度が高いギャグが次々と登場。その結果、「狂気具合が他作品の比じゃない気がする」などのような衝撃を感じたファンも少なくなかったが、その一方で、「未だに何をやりたかったのか分からない」「雰囲気が原作から離れすぎ」などのような不満の声も少なくなかった。
あまりにも賛否両論になってしまったのか、この作品の次に制作されたショートアニメである、『Reバース』のミニアニメ『ちょこりば』では、本作よりもずっとマイルドな展開の話が多くなった(本作の場合は白骨化などのような過激な表現が多かったのに対して、『ちょこりば』の場合は、ポッキーゲームやきのこたけのこ戦争、紙ストローなど、日常生活を過ごしている際に多くの人が経験している出来事を話のネタにしているような平和な展開の話が多くなった)。