ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

ED30

いーでぃーさんじゅう

国鉄の電気機関車。戦時中に私鉄から買収した直流専用機の初代と、戦後に国鉄が試作した交直両用機の2代目がある。
目次 [非表示]

概要編集

国鉄電気機関車で、1944年に製造された初代ED30が直流専用機、1962年に製造された2代目ED30が交直両用試作機となっている。pixiv内投稿イラストは執筆時点では2代目の3DCGが1枚投稿されている。


初代ED30編集

初代ED30は元々豊川鉄道デキ54として製造を発注したものだが、完成前の1943年にによる戦時買収で路線ごと買収され、現在の飯田線豊橋駅大海駅間となった。

当時の事業者であった豊川鉄道も1944年に親会社の名鉄に吸収合併され消滅した。

その後称号改定により二回も形式名が変わっており、


デキ54ED30 1ED25 11


とせわしない形式名変更を経ている。

1963年に国鉄引退後伊豆急行に払い下げられ、1994年まで在籍。その後は東急電鉄長津田車両工場の入れ換え機として余生を送っていた。

その際に「ED2511」のナンバープレートを裏返したところ「ED30 1」の文字が出てきたため、長津田工場では車籍こそないもののED30として扱われていた。

新型の入換機械に置換えられる形で2009年に解体された。

豊川鉄道が発注した3両の機関車のうち唯一現存しない機関車である。


2代目ED30編集

2代目は交直両区間を挟む路線の接続用機として浜松工場で製造された。

EF55 3廃車発生品のうちモーター車軸を流用し、また量産に際して製造費用を下げるべく歯車装置はEF15形と同一仕様品を、主回路は471系電車と同一仕様品を使用しており、どこかしら魔改造の香りがする仕様の元に試作され、運転台の主幹制御器にワンハンドルマスコンを採用するという珍しい試みも行われた。

当初はこの仕様で5両が量産される予定だったが、汎用性に乏しく量産はされなかった。

ちなみに、2代目も形式記号・製造番号ともにED30 1となっている。

北陸本線米原駅坂田駅間に投入されたが、後に鉄道技術研究所で実験用車両に転用され1976年に廃車、その後解体され現存しない。


初代、2代目両方ともに偶然なのかボンネットを有する形車体の電気機関車となっている。


意外なところで…編集

銀河鉄道999』に登場する列車の内、666号という凸型機関車をけん引機とするものが存在する。

凸型ということでDD51などディーゼル機関車がモチーフと思われがちであるが、シルエットはこのED30形に酷似している。

ボンネット部のフィルタの配置、やたら長いキャブなどはそのままであり、参考にした蓋然性は高いと推定される。


私鉄のED30形編集

私鉄にもED30形を名乗った機関車が存在する。


松本電気鉄道ED30形編集

大元は1926年から1927年にかけて信濃鉄道(現在の大糸線松本駅信濃大町駅間)が米ボールドウィン社(機械)およびウェスティングハウス社(電気)から輸入した凸型電気機関車。信濃鉄道時代は1形と名乗った。

1937年に信濃鉄道が国に買収されたことでED22となったが、1956年に廃車となったのちに岳南鉄道西武鉄道を渡り歩き1960年に松本電気鉄道(現:アルピコ交通)に譲渡、ED30に改称された。

このため使用電圧を1500V(国鉄)→600V(岳南)→1500V(西武)→750V(松本)と昇降圧を繰り返している。

さらに1986年には上高地線が1500Vに昇圧されたため通算4回目の改造を受けた。

構内入換のほか工事・除雪用に使用され、2005年に廃車。

その後は新村駅に静態保存されている。


北陸鉄道ED30形編集

1954年に東洋工機で製造された箱型電気機関車。

当時の石川総線には凸型機のED20形と箱型機のED25形各1両が在籍していたが、ED20形はモーターが非力であり、ED25形は戦時中に製造された電動貨車を改造した木造機で車体の疲弊が目立っていた。

導入後は石川総線の主力の貨物機となり、予備車確保にも成功したことからED25形の鋼体化改造も実施。この際にED30形の構成を参考にした車体を新造しED31形となった。

製造時は集電装置にトロリーポールを装備していたが、1960年にZパンタを併設、後に通常の菱型パンタグラフとなった。

1976年に石川総線の貨物営業を終了してからは除雪機として使用。大出力・大重量から重宝され、1994年には老朽化していた台車とモーターを西武鉄道701系の廃車発生品に交換。2010年まで活躍した。

廃車後は若桜鉄道に譲渡され、若桜線隼駅に静態保存されている。12系客車を連結し、駅名にちなみ「はやぶさ」のヘッドマークを掲出している。


岳南鉄道ED30形編集

1953年に帝國車輛工業で製造された箱型電気機関車。岳南鉄道(現:岳南電車)唯一の自社発注機関車である。

新造車ではあるもののモーターや台車は旧型国電の廃車発生品の流用であり、パンタグラフもPS13を1基装備していた。

1969年に岳南線が直流1500Vに昇圧したため昇圧対応工事を受け、その後も貨物列車をけん引していたが、松本電気鉄道から譲受したED40形に置換えられ1973年に廃車となった。


関連タグ編集

電気機関車 国鉄 試作車

関連記事

親記事

電気機関車 でんききかんしゃ

兄弟記事

  • EF66 いーえふろくじゅうろく
  • EF81 いーえふはちじゅういち
  • EF58 いーえふごじゅうはち
  • もっと見る

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 218

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました