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ディクタス

でぃくたす

フランス生まれの競走馬(1967~1989)。引退後の1980年に種牡馬として日本に輸入され、サッカーボーイなどの活躍馬を輩出した。
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プロフィール編集

生年月日1967年4月11日
死没1989年9月20日
英字表記Dictus
性別
毛色栗毛
サンクタス
ドロニク
母の父ワーデン
競走成績17戦6勝

父サンクタスは、ジョッケクルブ賞(フランスダービー、芝2400m)やパリ大賞典(芝3000m)を制覇したフランスのステイヤー。ディクタス以外の産駒に、日本で種牡馬として成功したサンシー(ハギノトップレディの父、ダイイチルビーツインターボの母父)がいる。

母父ワーデンは1953年のワシントンDCインターナショナル(芝2400m)の勝ち馬。


「Dictus」はラテン語で「お告げ」の意味であり、父「Sanctus」(「聖なるかな」、聖歌などで3度唱えて神への祈りを捧げる語句)からの連想である。


生涯編集

日本輸入まで編集

1969年フランスでデビュー。父・母父とも上記勝ち鞍の通り明らかに長距離を意識した配合であり、その通り中長距離を中心に使われるがなかなか安定した結果が出なかった。

その原因は体質ではなく、気性が激しく、長距離で我慢のきかないディクタスの気質によるものだったといわれる。


そこで、距離を詰めてマイル戦線に出してみたところ、1971年(4歳)にG3・エヴリ賞で重賞初制覇。さらに同年ジャック・ル・マロワ賞(芝1600m)でG1初制覇を挙げた。

(馬の気性から血統背景とは異なる距離に出走させて成功する例はままあり、日本ではサクラバクシンオーなどが有名である。)

その勢いを駆り、イギリスのG2・クイーンエリザベス2世ステークスで、この時8戦8勝と破竹の勢いで連勝を続けていたイギリスのアイドルホースブリガディアジェラードに挑む。同馬のあまりの強さを恐れて、このレースにはたったの3頭しか出走せず、ブリガディアジェラードに8馬身差をつけられての2着が、ディクタスの最後のレースとなった。


種牡馬入り後編集

引退後は母国フランスで種牡馬となっていたが、1980年に社台グループに購入されて日本へと拠点を移す。


1984年に日本での第一世代産駒がデビューすると、新種牡馬リーディングを獲得。

1984年の最優秀3歳牡馬スクラムダイナ、GⅠ2勝のサッカーボーイ、牝馬では初の獲得賞金5億円を達成したイクノディクタスなどを輩出した。


1989年、22歳で没。当時の社台グループの主力種牡馬であったノーザンテースト産駒の牝馬との相性がよく、その死に際して社台総帥・吉田善哉氏は「名大関だった。ひとつの時代が終わったね」との言を残した。


繁殖成績編集

主な産駒編集

1978年生:パリカラキ(アーリントンハンデキャップ)※フランス時代の産駒

1979年生:ザラテア(オークツリー招待ステークス) ※フランス時代の産駒

1982年生:スクラムダイナ朝日杯3歳ステークス

1985年生:サッカーボーイ阪神3歳ステークスマイルチャンピオンシップ

1986年生:ムービースター中山記念など重賞4勝)

1987年生:イクノディクタスオールカマーなど重賞4勝)


活躍産駒にはマイル~中距離を主戦場とし、末脚のキレを武器に差し~追い込みで勝負するタイプが多かった。1987年の最優秀3歳牡馬・1988年の最優秀スプリンターを受賞したサッカーボーイが代表産駒といえるが、父ディクタス以上の大変な暴れ馬でもあった。サッカーボーイは種牡馬入り後ナリタトップロード菊花賞阪神大賞典2連覇)やヒシミラクル(菊花賞、天皇賞春、宝塚記念)を輩出したことから、やはり本来の血統的には長距離向きであったらしい。

ナリタトップロードは早逝、ヒシミラクルも種付け頭数は伸びず、父系は絶えてしまっている。


主なブルードメアサイアー産駒編集

1988年生:フレイズ(ブリーダーズカップ・ターフなど)父ストロベリーロード

1994年生:ステイゴールド(香港ヴァーズなど)父サンデーサイレンス

2001年生:レクレドール(ローズステークス、クイーンカップ)父サンデーサイレンス


フランスに残した産駒からは、自身もG1を制したザラテアが重賞6勝のフレイズの母となっている。

日本では、繁殖牝馬となった娘たちの中でもゴールデンサッシュの功績が大きい。生涯で19頭を出産という、確認できる限りJRAの最多出産タイ記録の強き母であり、その中からステイゴールドとレクレドールの2頭の重賞馬が出ている。

ステイゴールドは父サンデーサイレンス・母父ディクタスという血統の通り筋金入りの暴れ馬であったが、体質は大変に頑健で現役50戦を走り、引退レースで初GⅠを獲得した人気馬であった。種牡馬としてもオルフェーヴルゴールドシップほか多数の活躍馬を輩出しており、母系を介してではあるがディクタスの血は今後も広く血統表に残っていくだろう。


ディクタスアイ編集

ディクタスの子孫には目を大きく見開いて白目を剥く表情をする馬が多く、「ディクタスアイ」と呼ばれている。

→「ディクタスアイ」の記事へ


関連タグ編集

70世代 競馬 競走馬 種牡馬 ディクタスアイ

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