「(花の名前)…なんてどうかしら? いや、貴方に合いそうな花を想像していたの。」
「そんな訳ないじゃないの。これは、幻想郷で唯一枯れない花なのよ。」
概要
種族 | 妖怪 |
---|---|
登場作品 | 『幻想郷』5,6面ボス、『怪綺談』自機、『稀翁玉』自機 |
『花映塚』7,8面ボス・自機、『求聞史紀』キャラ解説 | |
二つ名 | 妖怪さん(怪)、Oriental demon(怪)、宵闇小町(稀) |
四季のフラワーマスター(花・求) | |
能力 | 花を操る程度の能力 |
危険度 | 極高 |
人間友好度 | 最悪 |
主な活動場所 | 太陽の畑 |
テーマ曲 | 眠れる恐怖 ~ Sleeping Terror(幻5面)、幽夢 ~ Inanimate Dream(幻6面) |
桜花之恋塚 ~ Flower of Japan(稀)、今昔幻想郷 ~ Flower Land(花) |
※危険度や人間友好度等の評価は作中登場人物の稗田阿求による。
幻想郷を一年中何処かしら花が咲いているところへと放浪している妖怪。
季節の花が大好きで、春は春の花、夏には夏の花、秋には秋の花、冬には少ないながらも冬の花を、一年中花が咲いているところを目指して移動する。これといって目的意識も無く、花を楽しみつつ寝たり起きたりを繰り返している。そのため、登場時の背景や関連曲なども花にまつわるものになっていることが多い。
初出は『東方幻想郷』の5面と6面のボス。この時は名字は設定されていない。
その後『東方怪綺談』『稀翁玉』(西方Project)での自機化、Windows版への移行に伴う設定リセットを経て『東方花映塚』で再登場。この時に「風見」の名字が設定された。
PC-98版の幽香については「旧作幽香」の記事もあわせて参照。また「幽香」の記事にはそれぞれの作品における幽香の記事への誘導も掲載されている。
登場作品(旧作・西方・Win版)
「だれ!?は私のせりふよ・・・ もう、うるさいなぁ・・・こんな時間に・・・」
初出の『東方幻想郷』では、5面に靈夢(魔理沙)に夜襲されたため寝間着姿で登場し、その後6面で再戦という形になる。
続く『東方怪綺談』では靈夢、魔理沙、魅魔とともに自機として登場。アリスとはこのときに面識を持つ。
→旧作幽香
「安心して、夜は私たち妖怪の天下なの」
西方projectの2作目『稀翁玉』では東方のwin版よりも前に作られた作品のため基本的に旧作と同じ服装(ズボン)だが、髪は短く、カットインイラストにて羽根が生えた姿になる。
→羽幽香
東方のWindows移行に伴う設定リセットを挟み、『東方花映塚』にて再登場。「風見」の姓と「花を操る程度の能力」を得た。霊夢、魔理沙を含め4人目の旧作からの続投キャラとなった。
『花映塚』では異変の原因を(序盤では忘れているが)知っている人物の一人。旧作では「夢幻館」という館に住んでいた。しかし現在もそこに住んでいるのか、もしくは別のどこかに住んでいるのか等は明かされていない。
後続作品での登場
以後の作品では『求聞史紀』に設定・人物評が掲載された。
また一部のゲーム作品(黄昏フロンティアとの共作)や書籍(おもに漫画作品)にも幽香と思しきその姿が見られる。現状では例外なくモブであり、ZUN氏が指定した描写なのかも不明。
メイン・セリフ付きでの登場
- (なし):
モブ・背景での登場
この他『三月精』では、本人の登場は無いものの先述の『花映塚』における異変に言及がある。
また、二次創作作品ではあるが「幻想ナラトグラフ」で数年ぶりにZUNによる幽香の台詞が書き下ろされている。今も昔と変わらず花を大切にしている雰囲気が窺える。
容姿
癖のある緑の髪に、真紅の瞳。東方キャラとしては珍しく頭に帽子や飾りなどをつけていない。白のカッターシャツとチェックが入った赤のロングスカートを着用し、その上から同じくチェック柄のベストを羽織っている。
ちなみにスカートの裾部分は『花映塚』『求聞史紀』だと単なるフリルではなくレースに近い形で描かれている。またスカートには花の形をしたワッペンをつけている。
首には黄色のリボンをし、いつも日傘をさしている。その傘は紫外線を大幅にカットするもので、雨や弾幕も防げる。傘については、本人は「幻想郷で唯一枯れない花」と言っているが、実際に花なのかは解釈によって違う。普通の日傘だが、幽香が負けない為、その傘は幻想郷に咲き続ける、と言う解釈もある。この傘の形状は作品によって違う。
旧作での衣装
旧作では『幻想郷』5面でのパジャマ姿の他、『幻想郷』6面では『花映塚』のような服装でズボン(もんぺ)を着用。
『怪綺談』では『幻想郷』6面とほぼ同じだがシャツが半袖になっている。
ゲスト出演の『稀翁玉』では、下がチェック柄の無いもんぺらしいもんぺで襟がベストと同じ赤色となっている。
髪型について
ショートボブとも言われているが原作者であるZUN氏によるイラストでは長めに描かれている。
旧作の『幻想郷』では片目が隠れるほど前髪があり、後ろも長くボリュームのあるロングヘア、『怪綺談』では短めになっているが肩より下まで届く長さはありカットインでは背中まで伸びている他、少しもこもことウェーブがついている。
『稀翁玉』でも肩より下へ届く長さで癖が少なめ。『花映塚』は非常にウェーブが強く肩口までしっかりと髪が伸びている。
『三月精』モブ出演では長め・多めに描かれているが、『求聞史紀』の紹介や『儚月抄』モブ出演などではやや短め・少なめに描かれている。
能力
花を操る程度の能力
どこまで操れるかは不明だが、花を咲かせたり、向日葵の向きを変えたり、枯れた花を元通り咲かせたりすることができる。だが他の強力な妖怪に比べればこれはおまけのような物で、まともに戦闘に使えるものではない。幽香の真価はその純粋な妖力・身体能力の高さにあり、高い基本能力を誇る「妖怪らしい妖怪」である。
つまり能力ではなく幽香が強いということである。
性格
マイペースな気分屋で、基本的に一人でいることを好む。もし邪魔するものがいれば苛烈な応酬が待っているが、その領分を侵されない限りは紳士的で礼儀正しく、たまに人間の里に買い物に行っては笑顔で挨拶を交わすこともある。また、幼い妖怪や通りかかった者に忠告するなどお節介で親切なところもあるようだ。
阿求曰く、強い者は大抵笑顔で普段は紳士的。反面、彼女は強力な力を持った妖怪や特別な能力を持った人間に強い興味を抱いており、自ら進んで勝負をしかけてくることがある。その場合、力がある者同士が衝突すると双方無事では済まないため、長く生きる妖怪の知恵として勝負事はルールを決めて形式的に戦うことが多いとか。
ちなみに旧作の時点では花を愛でる趣味がなかったのか暇を持て余しており、暇つぶしに博麗神社に化け物を送り込んだり、部下のくるみ(吸血鬼)を苦手な湖の上に配置したりなど、他人の迷惑など顧みず好き勝手やっていた。しかも靈夢に関しては化け物を送り込んだことすら忘れて寝ている始末。
使用スペルカード
幽香は『東方幻想郷』、『東方怪綺談』、『東方花映塚』にしか登場していないため、他のキャラに比べ極端にスペルカードが少なく、The Grimoire of Marisaにも掲載されていない(旧作にはスペルカードルールが存在せず、『東方文花帖』にも出演していないため)。
しかし2010年初春、第7回博麗神社例大祭に際して新作『ダブルスポイラー』頒布が発表され、前作にあたる『文花帖』に登場しなかった幽香の再登場、さらに新スペルカードが来るか!?……とゆうかりんファンは期待に胸を膨らませたが、別にそんなことはなかったぜ!
- 花符「幻想郷の開花」
- 幻想「花鳥風月、嘯風弄月」
- 花鳥風月=美しい自然の風景を表現した四字熟語。
- 嘯風弄月=風に吹かれて歌を詠み、月を眺めて興じる様子。
ちなみに『花映塚』でのカットインで表示される「月に叢雲 花に風(つきにむらくも はなにかぜ)」とは、「月見をすれば雲が名月を隠し、花見に行けば風が桜花を散らす。好事にはとかく邪魔が入りやすく、よい状態は長続きしない」という意味の諺。
西方Project作品『稀翁玉』にゲスト出演した際、スペルカードに相当するExtra Attackとボムにも名称があったため、ここで紹介しておく。
- LEVEL1:萌風
- LEVEL2:桃源郷
- LEVEL3:蓬莱桜花
- ボム:幻想郷
その他
- 種族の謎
幽香の具体的な種族は公式に挙げられていないが、「花を操る能力」から植物に関連する妖怪ではないか、ともいわれる。だが、幽香は旧作初出のキャラであり、旧作では特別な元ネタを持たないキャラクターが大半であること、また『幻想郷』では特別な種族を持たないいわゆる「その他」の妖怪が大半を占めることから、幽香もその類であると考えるのが妥当なところである。だが公式に明言されていない以上、我々には「幻想郷における思想の自由」をZUNにより保証されている。自由に妄想しよう。
花映塚での幽香のステージが「太陽の畑」という向日葵畑であることなどから、「春」のリリー、「秋」の秋姉妹、「冬」のレティと合わせて「夏」の象徴として扱われることもある(『天空璋』以降はラルバが夏のポジションに収まることが多い)。しかし、実際は向日葵以外の花も操ることができる、夏だけでなく四季折々の花を愛でながら活動するなど、特に活動時期が限られているわけではない(稀翁玉のテーマ曲は桜花之恋塚)。
- 強さ
『怪綺談』にて「神社の周りにすむ、数いる妖怪の中では最強クラス」と紹介されており、『花映塚』や『求聞史紀』などでも強力な妖怪とされているため、強力な妖怪の一角として扱われることが多い。
『花映塚』での移動速度の遅さから、鈍足であるという設定で描かれることも。これらを踏まえてRPGやシミュレーションの二次作品では素早さを除いて高水準かつ極端に技の数が少なく設定される事が多い。
- 元祖マスタースパーク?
幻想郷5面で画面を覆うほどの極太レーザーを撃つことから「元祖マスタースパーク」とも呼ばれることも。ちなみに旧作にはスペルカードルールがないので、幽香が放つ極太レーザーに「マスタースパーク」という名前がついているわけではない(その他、幻想郷6面では幽香が二人に分身しそれぞれが太いレーザーを放つ弾幕も存在する)。
これを受けてかロスワでは『百花繚乱マスタースパーク』なる技を使用する。
『幽香=元妖精説』について
上記のとおり幽香は種族不明の妖怪であるが、少数派ながら「幽香はもともと妖精だったのではないか?」という説も存在する。
その根拠としてあげられているのは、以下の3つなどがある。
- 「花を操る」という能力。
他の妖怪の大半が何らかの害を与える(ことができる)能力であるのに比べ、幽香のそれはほとんど他人に直接影響を与えない能力であり、妖怪というより妖精に近いのでは、という考えである。また、太陽の畑の妖精たちも向日葵の向きを変えたり向日葵を踊らせたりして遊ぶことがある。
- 好戦的な性格、他者への苛めを好む
妖精が好むいたずらなどの延長上にある行為と見ることができる(言わばチルノが強力な力とそれに見合う知恵を手に入れた状況)。
- 「稀翁玉」カットインでの羽根が生えた姿
- 東方では羽根がなくても飛べるという設定上、「羽根」というものは空を飛ぶためのものではなく、むしろ悪魔の羽根や鬼の角、獣の耳などといった「種の特徴」としての面が強いとすると、「羽根」は妖精の特徴として合致する。また、チルノのように「力を持ちすぎて普通の妖精の域を超えかねない」存在がいることも論拠に挙げられ得る。
とはいえ「羽根」などはWin版より前の設定であり、どれも推論の域を出ていない。
前述の『稀翁玉』カットインでの羽根が生えた姿(通称、羽幽香)は、「より妖怪としてのポテンシャルを引き出した姿」として描かれることもある。しかし『稀翁玉』はどちらかというと旧作準拠のため、現在でも公式に羽根が生える(生やせる)設定が残っているかは不明である。
『稀翁玉』のラスボスミューズは「違う神性を感じる」と言っているが、それが何を意味しているのかは不明である。
二次設定
愛称は「ゆうかりん」。八雲紫の「ゆかりん」と非常に似ていて紛らわしいが、間違えないように注意。
また、旧作からの古参キャラの中では花映塚からの設定よりも旧作の設定が採用される方が非常に多く花映塚からの設定が採用されていたとしても旧作の設定に合わせて改変されていることが多い(後述を参照)。
- ドS
通称「アルティメットサディスティッククリーチャ」。
花映塚において、出会った人間や妖怪をいじめて回っていたことに由来する。「苛めただけよ」というこの設定を後押しする発言もある。
『求聞史紀』では水増しされたランクとはいえ唯一「危険度:極高 人間友好度:最悪」と記されていた。
旧作では、『大量虐殺も遊びなのよ』といった発言や、水に弱い吸血鬼(くるみ)を湖に配置するなどの事から。また本編での余裕のある言動がこれを後押ししている。
ただし、最強クラスといってもあくまで旧作で「神社の周りにすむ、数いる妖怪の中では最強クラス」と書かれていただけであり、現行シリーズのキャラを含めた幻想郷全体では、同じ広義では無い純粋な妖怪で、最強の妖怪と表記されている明確に実力が上な八雲紫、人間以外の全種族にて最強クラスと表記されている西行寺幽々子、伊吹萃香、幽香を何度か退治したとされる博麗霊夢等よりは下とされる。
現在では旧作と原作が繋がっているとZUN本人から発言された関係上、旧作にて能力がまだ開花すらしていない靈夢に、ルール(弾幕ごっこ)無用の戦闘で本気を出し負けた事からかつての様な異常な程の評価はされていない。
特にその設定が用いられるのは、幽香とは反対に二次設定でドMとされる比那名居天子や、カップリングで幽香と一緒に描かれることの多いリグルとの掛け合い時である。その場合は釣り合いをとるためリグルがMとされることが多々ある。
- 髪型
Sなお姉さんや利発な性格といったキャラ付けや、元々長い印象が薄く「旧作から短くなった・『怪綺談』から短くなった」などの情報からか、短めに描かれることが多くそれが自然と定着しており、完全にショートヘアで描かれることもある。もちろん短いばかりでなくセミロング~ボブカット、もっと長く旧作のようにロングヘア(長髪ゆうかりん)で描かれることもある他、癖っ毛(ウェーブやカール)を省略したり反対に強調したりすることもあるなど、髪型も描き手によって大きく異なることも珍しくない。
- 花(植物)での攻撃
彼女の能力は(花の形をした弾による攻撃はあるものの)基本的に戦闘には使えないとされているが、二次創作においては旧作設定がメインということが多いので本物の花びらや葉を飛ばしたり、蔦で相手を拘束する、相手の魔力を吸収し成長する種子を放つ、強力な食人植物を操るなどの描写がされたりする場合が多い。更には対象の体内に種を植え付けて植物の一部(または養分)にしてしまうというのもある。
恐らくはこのキャラがモデルになっているのだろう。
- ツンデレ・子供には優しいゆうかりんシリーズ
上述のようにドSとされ危険視されている彼女だが、その本質は乙女であり、自身の威厳やイメージなどが邪魔をして素直に行動できないといった性格的ギャップを描いた二次創作。
花映塚で「苛めているだけ」と公言しつつ、メディスンやチルノといった幼い存在には忠告をしたりなどお節介をしており、この言動のギャップが元ネタだと思われる。またこれに関連してか、チルノ達幼い妖怪と接したいのに避けられたり、逆に威嚇してしまったりした後、一人で後悔に暮れるといった苦労をする作品傾向も存在する。
元々はこういったギャップのイメージは登場作品が少ないだけあって希薄だったのだが、上記の二次創作によってドS設定が強化されたことにより、相対的にこちらもその色を濃くしていった。その意味では三次創作とも言える設定。
関連イラスト
関連タグ
東方旧作 西方project 稀翁玉 旧作幽香 羽幽香 夢幻館
幽香(各「幽香」への誘導あり)
各作品のラスボス
二次創作関連タグ
東方キャラの日
カップリングタグ
ゆうかれいむ 幽マリ ゆーめい 幽レティ 幽リリ ゆかゆうか 幽文 幽パル 幽香霖