アメリカ料理
あめりかりょうり
概要
アメリカで生まれた料理、アメリカ国外で発生したもののアメリカ合衆国内で独自の発展をとげた料理、ならびにアメリカ合衆国で普遍的に常食とされている料理である。
アメリカの料理は、イギリス料理と並びあまり評判がよくない。まず独立前の米国はイギリスの植民地であって、国民のルーツも一番多いのはイギリスからの移民であった。ゆえに、もともと高緯度地帯で食材に乏しいイギリスの料理が基礎になったうえに、近現代のヨーロッパにおける「量より質」(例:フランス料理)の変化をあまり受けていない。なお、イギリスに次いで大きな移民供給源であったドイツの料理も、イギリス料理ほどではないが野暮ったい品物が多いといわれている。ただし、合衆国南部ルイジアナはかつてフランス領だったため、フランス料理、さらにはスペインや西アフリカの影響も受けており、ジャンバラヤやガンボなどのケイジャン料理・クレーオール料理と呼ばれる独自性の強い料理がある。
初期の移民が肉体労働者(自作農など)中心で、中世ヨーロッパの「質より量」主義を受け継いでいるためか、全体に味が濃く脂っこいジャンクフードが多めである。例えばハンバーガーも、元はイギリス上流階級が食べていた上品なサンドイッチを改良して、安価なくず肉を活用したハンバーグを始め諸々の食材をたっぷりと挟んで労働者階級を狙った食べ物である。このような「質より量」主義のため、激しい肉体労働をしていた時代ならともかく、機械化が進んだ現代人にとって、栄養的にも低評価であることが多い。
メイン料理はステーキやバーベキュー等の肉料理が中心である。またトマトを使用したものが多く、トマトケチャップやトマトジュースもアメリカが発祥となっている。早くから冷凍食品が普及しており、特に冷凍野菜が頻繁に使われる。
アメリカ料理のチェーン店は世界中に進出しており、世界の食文化に多大な影響を与えている。また、世界中からの移民やその子孫が多く、行く所へ行けば美味な物が食べられるという点にも注目できる。味にこだわる民族も多いため、合衆国で受ける味は外国へも進出しやすいという。
特徴的な素材は、原住民の文化を強く受け継ぐラテンアメリカの大半ほど多くはないが、シチメンチョウや各種のベリー類などがある。